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更新日:2022年6月1日

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アッサム州(インド)

I.自治体の概要

  1. 人口
     
    22,400,000人(1991年)
  2. 面積
     
    78,438平方km
  3. 気候
    • 暖熱帯
    • 平均気温:23℃
    • 年間降水量:1,630mm
  4. 言語
     
    アッサム語、ベンガル語
  5. 県都とその人口
     
    グワハチ
    584,342人(1991)
  6. 主要産業又は主要産物
    • ジュート
    • 石油採掘・精製
    • 石炭
    • 合板
    • その他各種小規模製造業
  7. 地域の特色
    • アッサム州はインド北東部に位置し、ブータンおよびバングラデシュと国境を接している。夏は暑く、気温は24℃(最低)から34℃(最高)になる。モンスーン雨期(6月中旬~9月中旬)の気候は、湿潤温暖である。冬の気候は乾燥しており、気温は8℃(最低)から25℃(最高)とやや寒くなる。
    • 州全体を東西に貫くブラマプトラ川には大きな支流がたくさんあり、支流の大半は北から南もしくは南から北へ向かって流れている。河川の島としては世界最大の「マジュリ」もブラマプトラ川の中にある。
    • アッサム州は農業中心で、人口の89%が農村部に住んでいる。アッサムの主要な産業は茶で、年間約4億3千万トンの茶が栽培されており、これはでインドの総生産量の53%にあたる。
    • アッサム州は天然自然に恵まれており、1901年にはインド初の石油精製所が州内ディグボイに設置された。ディグボイ精油所は、現在操業している石油精製所としては世界最古の部類に入る。
    • その他の産業としては、伝統的な絹織物や、しんちゅう・ベルメタルなどが挙げられる。「ムガ」と呼ばれる天然の絹は、アッサムの特産品である。
    • 素晴らしい景観に恵まれたアッサム州には、5つの国立公園がある。インドとマライ、チベット、ビルマとの接点にあたるアッサムは、非常に様々な動植物が生息する生物学的に世界有数の注目地である。
    • アッサムには多くの部族・民族が居住しており、興味深い民族的多様性が見られ、多彩な文化に恵まれている。

II.世界自然遺産地域の概要

A.カジランガ国立公園

  1. 世界自然遺産地域の名称
     
    カジランガ国立公園
  2. 世界遺産一覧表に登録された年
     
    1985年
  3. 世界自然遺産地域の面積
     
    430平方km(今後800平方kmまで拡張予定)
  4. 世界自然遺産地域の土地所有者
     
    アッサム州政府(林野局)
  5. 世界自然遺産地域について
    • i.概要
    • 1974年に国立公園として指定され、1985年に世界遺産地域に登録された。アッサム州ゴラグハットおよびナガオン地区内にあり、生物保護区かつ国立公園という独特の形態を取っている。一角サイが有名だが、他にも貴重な野生動物が数多く生息する。例を挙げると、トラ、バイソン、ゾウ、インドヌマシカ、水牛、スナドリネコ、ベンガルノガン、ヒョウ、キャップド・ラングール(ヤセザル)、ガンジスカワイルカ、ニシキヘビ、カメ、ギボンテナガザル、アナグマなどである。
      地表の分類:
      高茎草原-52%
      水域-7%
      森林-29%
      砂地-7%
      沼地-5%
    • 例年モンスーン期には、国立公園内のブラマプトラ川の氾濫がしばしば見られる。

      ii.世界遺産登録理由
    • 全世界の一角サイの75%以上が生息(1,500頭以上)
    • 野生の水牛の頭数が最も多い(1,100頭以上)
    • 野生のアジアゾウの頭数が最も多い(1,000頭以上)
    • 地球上のインドヌマシカの約3分の1が生息(500頭以上)
    • ベンガルノガンの生息(80羽以上)
    • ベンガルトラの保護区ではないが、80頭以上を擁する
    • 16種以上の一級分類ほ乳類が生息
    • 400種以上の鳥類が生息

B.マナス野生生物保護区

  1. 世界自然遺産地域の名称
     
    マナス野生生物保護区
  2. 世界遺産一覧表に登録された年
     
    1985年
  3. 世界自然遺産地域の面積
     
    500平方km
  4. 世界自然遺産地域の土地所有者
     
    アッサム州政府(林野局)
  5. 世界自然遺産地域について
    • i.概要
    • アッサム州バルペタおよびボンガイガオン地区の、ブータンとの国境沿いに位置し、1990年に国立公園の指定を受けた。それ以前の1985年に世界遺産として登録されていたが、地域内の民族抗争の激化を受けて、1992年に「危険にさらされている世界遺産」に指定された。
    • 国立公園を貫くようにマナス川が流れている。域内の植生は以下の通り。
      ア)ヒマラヤ東部の湿潤混合落葉林
      イ)東部の沖積草原地帯
      ウ)沖積低地のサバンナ樹林
      エ)アッサム渓谷の半常緑樹林
    • マナスは、野生生物保護法(1972年)の1級分類生物種が最も多く生息する地域である。公園内で見られる野生生物のうち、重要なものは以下の通り。トラ、ゾウ、ヒョウ、ウンピョウ、ブラックパンサー、サイ、インドヌマシカ、クマネコ、コビトイノシシ、ハリウサギ、バイソン、スワンプ・バッファロー、ゴールデン・ラングール(ヤセザル)、アカオオカミ、チーター、カワウソ、マーブルキャット、アキシスジカ、サンバー(水鹿)、ジャコウネコ、ホエジカ、ベンガルショウノガン、サイチョウ、クジャクなど。

      ii.世界遺産登録理由
    • 現在確認されているだけで、60種以上のほ乳類、321種の鳥類、11科42種の爬虫類、5科7種の両生類、9目19科54種の魚類、100種の昆虫類が生息している。
    • 地域内で発見された21種のほ乳類が、1972年の野生生物保護法1級分類に登録されている。
    • 90頭以上のベンガルトラが生息。
    • 100羽以上(世界の生息総数の約4分の1)のベンガルショウノガンが生息。
    • コビトイノシシの生息地。
    • ハリウサギの生息地。
    • 多様で特異な植物相である。
    • 特異な生物圏保護区である。

1)世界的に絶滅の危機に瀕している水牛。
現在、地球上で残っている水牛の4分の3がアッサム州に生息している―マナス国立公園

2)インドサイ(イッカクサイ)。
現存するインドサイの3分の2はアッサム州に生存している。―カジランガ国立公園

3)世界的に絶滅の危機に瀕しているペリカン―カジランガ国立公園

4)世界自然遺産マナス国立公園に生息する野生のゾウ―マナス国立公園

III.世界自然遺産への関わり

  1. 世界自然遺産の管理について
    • 自治体による遺産地域の管理
      アッサム州内の5つの国立公園(カジランガ、マナス、ナメリ・オラング、ジブル・サイクホワ)は、地方政府(アッサム州政府林野局)によって管理されている。

      i.管理の法的根拠
    • 国立公園の指定は、野生生物保護法(1972年)の条項に基づいて行われる。

      ii.管理体制(管理者)
    • 国立公園の管理者は、野生動物保護法(1972年)に基づいて、保護活動に必要な職権を行使する。カジランガ国立公園は、森林管理の立場にある国立公園監督官が管理している。公園監督官は、林野局員、動物局員、研究局員、さらに野生生物保護団などの支援を受けている。ナメリ・オラングおよびジブル・サイクホワ国立公園では、担当の林野局員が管理の先頭に立ち、森林担当者が補佐的役割を果たしている。
    • トラの保護区でもあるマナス国立公園の場合、管理主任者はタイガー・プロジェクト地域監督官と呼ばれている。管理主任者は、森林管理を管轄するインド林野局員でもあり、林野局員、動物局員、研究局員、補佐的な林野団体職員の支援を受けている。
    • すべての国立公園は、州野生動物管理長官(林野管理長官も兼任)の行政監督下にある。

      iii.管理の方策
    • 各国立公園の管理措置は様々な領域に分けられ、それぞれの領域が多くの専門分野に分かれ、さらに各専門分野が多くのグループに分けられている。専門分野・グループに属す担当官は、担当する国立公園内に住んでいる。担当官にとって通常任務以外で最も重要な仕事の一つは、日夜・通年パトロールを定期的におこない、野生動物の密猟(密漁)を防ぐことである。

  2. 自治体の世界自然遺産地域への関わり
    • i.自治体による遺産地域の管理
    • 国立公園の運営は地方自治体である州政府が行っているが、インド連邦政府も適宜援助や支援を行っている。森林に関しては、インド憲法制度上、州政府と連邦政府が共同で責任と管轄権を持つ。
    • 貴重な自然と文化が独特に融合するマジュリ島は、民生当局が管理している。同島は行政上ジョルハット地区の下部行政区分であり、管理長官はこの下部行政地区の行政長官でもある。行政は他の居住地域の方針に基づいて行われる。

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環境林務部自然保護課

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