閉じる

  •  
 
 

閉じる

 
 

更新日:2022年6月1日

ここから本文です。

バングラデシュ

I.世界自然遺産地域の概要

  1. 世界自然遺産地域の名称
     
    シュンダバンズ
  2. 世界遺産一覧表に登録された年
     
    1997年
  3. 世界自然遺産地域の面積
     
    1,400平方km
  4. 世界自然遺産地域の土地所有者
     
    国(遺産地域の100%)
  5. 世界自然遺産地域について
    • i.概要
    • シュンダバンズは世界最大のマングローブ林である。その大きさのみならず生態系のバランスがうまくとられたユニークな地域である。シュンダバンズ森林の3分の2はバングラデシュにあり、ガンジス・ブラマプトラ・デルタの南端からフーグリー川まで伸びている。ベンガル湾に面するガンジス・デルタの南部、サトキラ、クルナ、バゲラットの3区全体に広がり、北緯21度30分から22度30分の間のちょうど南、東経89度から90度の間に位置している。シュンダバンズの面積は6,017平方キロで、うち陸地は4,143平方km、さまざまな幅の河川、水路、小川などからなる水域が1,874平方kmである。シュンダバンズという名称はこの辺りで多く見られるサンダリという木(Heritierafomes)から命名されたと言われている。しかし、実際の由来は不明である。
    • この森林には非常に多くの動植物が生息している。かの有名なベンガルトラが住んでいるのはこの地域のみである。シュンダバンズはバングラデシュ南西のみならず国全体の経済にとって、重要な役割を果たしている。この林は、木材産業の原材料を提供し、さらに従来の建築用資材、燃料用木材、パルプ材などといった木材に加え、木材以外の森林製品が定期的に収穫される。
    • シュンダバンズの気候は海洋性の熱帯湿潤気候で、モンスーン季と乾燥して比較的涼しい冬の季節が交互に繰り返される。具体的には11月から4月にかけてが乾季、6月から9月にかけてが雨季、5月と10月が中間期にあたる。年間降水量は2,133mmで、このうち70%は雨季の6月から9月にかけてのものである。湿度は比較的高く、年間平均湿度はクルナで80%、サトキラで77%である。
    • シュンダバンズ世界遺産地域は、東部野生動物保護区、南部野生動物保護区、西部野生動物保護区の3つの野生動物保護区からなる。世界遺産地域の総面積は1,400平方kmで、このうち910平方kmが陸地、490平方kmが水域である。これらの野生動物保護区は、水路、湿地、海水に強いマングローブに覆われた小島などが複雑に入り組んでいる。

      ii.世界遺産登録理由
    • ユネスコの世界遺産委員会は、1997年12月6日の第21回総会において、シュンダバンズを世界遺産一覧表に登録することを決定した。これが世界に残る最大のマングローブであり、ベンガルトラなど多様な動物・植物を維持し、またモンスーンの雨、洪水、デルタ形成、水路による影響や植生など生態的の進行過程を示す好例だからである。シュンダバンズのマングローブには、絶滅危惧種のベンガルトラ、イリエワニ、インドニシキヘビといった固有な動植物が生息している。このような森林は、インド・マラヤン地域の森林にも類を見ないものである。シュンダバンズでは、微妙なバランスの上に陸上動植物と水中動植物が共存している。このような生態系は脆弱であり外部の影響を受けやすい。海と淡水域を移動するエビの育成場となっているシュンダバンズは、河口漁業と重要な結びつきを形成している。このような自然の繁殖プロセスは、科学にとっても自然保護にとっても重要である。シュンダバンズはすばらしい自然の価値を有している。
 
 
 

II.世界自然遺産への関わり

  1. 世界自然遺産の管理について
    • i.管理の法的根拠
    • これらの森林は1879年1月23日に、1878年インド森林法(1878の11)の34条によって保護森林と指定され、政府の森林局の管理下に置かれるようになった。3つの野生動物保護区(東部、南部および西部)が1977年に認定され、地区の面積は1996年には324平方kmから1,400平方kmまで拡大された。これらの3つの保護区が自然遺産地域を構成している。環境森林省は、1927年森林法、1960年改定森林法、1974年バングラデシュ野生動物保護(改定)法、その他関連の法に従い、自然遺産地域を管理・維持・保護している。シュンダバンズは人間の居住を認めないマングローブ林として管理されている。

      ii.管理体制(管理者)
    • 自然遺産地域の管理・維持・保護を管轄するのは、クルナにある環境森林省の森林局における「シュンダバンズ森林部」と「環境管理部」である。クルナに本部を置く「環境管理部」の「地区森林官」が、シュンダバンズの野生動物保護区の保護および管理の全責任を有している。野生動物保護区には8つの事業所またはセンターがあり、「森林副保護官」が各保護区を管轄している。これらの事務所は保護区内に設置されている。野生動物保護区の事務所は通信設備やその他の各種機材等を完備している。シュンダバンズ森林部(本部はクルナ)の森林担当官が、シュンダバンズの資源全体の管理を行っている。この森林部は、シュンダバンズの地域内および境界線に沿って、「森林警備所」や、「警備センター」などを開設し、統合的に管理を行っている。森林警備所は4ヶ所あり、その本部は人間の居住地に隣接する北部境界線に沿って設置されている。警備センターの大半は、シュンダバンズの境界線に沿って設置されている。また、森林警備所は特別な監視、密猟や不法活動を行う人々の取り締まりを行っている。森林警備所は最新の通信設備や水上交通手段を有している。

      iii.管理の方策
    • 管理の基本は、世界遺産としての価値を喪失することがないように自然遺産地域を厳格に保全することである。このため、自然遺産地域は全部が保護森林および保護区として指定されており、この地域における人間の居住は禁止されている。森林資源の採取や建物の建設、土壌の採集など自然保護に悪影響を及ぼす可能性のある行為は、法律やその他の手段で厳しく規制されている。自然遺産地域の野生動物や植物、景観を保護するために必要な措置は、さまざまな方法で実施されている。森林局は、この地域におけるエコ・ツーリズムを推進している。観光客や訪問者は、水路の移動によってのみ自然遺産地域を見ることができる。森林の内部には、いくつか観測所が設置されており、訪問者は森林担当官や警備員にそこまで案内され、森林や野生動物保護区の景観を眺めることができるようになっている。
  2. 自治体の世界自然遺産地域への関わり
    • i.自治体による遺産地域の管理
    • バングラデシュの世界自然遺産地域であるシュンダバンズは、環境森林省の政策に従い森林局が管理・維持・保全を行っている。森林局は、地方自治体や選挙で選ばれた地域の代表、>法執行機関や隣接する地区で活動するNGOの支援と協力によってシュンダバンズの管理・維持を行っている。さらにはシュンダバンズの境界線近くに住む住人の支援も受けている。

よくあるご質問

このページに関するお問い合わせ

環境林務部自然保護課

より良いウェブサイトにするためにみなさまのご意見をお聞かせください

このページの情報は役に立ちましたか?

このページの情報は見つけやすかったですか?