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ホーム > 県政情報 > ようこそ知事室へ > 施政方針 > 令和6年第3回県議会定例会提案理由説明要旨

更新日:2024年9月12日

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令和6年第3回県議会定例会提案理由説明要旨

令和6年第3回県議会定例会の開会に当たりまして,提出議案等の説明に先立ち,去る7月10日に逝去されました徳田虎雄元衆議院議員に謹んで追悼の言葉を申し上げます。
徳田虎雄元衆議院議員の御逝去は,誠に残念なことであり,深い悲しみに堪えません。
生前,離島医療の充実など,県勢の浮揚発展のために尽くされた幾多の御功績を讃え,深く敬意と感謝の意を表し,謹んで心から哀悼の誠をささげ,心から御冥福をお祈りいたします。

さて,このたびの姶良市区の県議会議員補欠選挙において,めでたく当選をされましたいぬぶし浩幸議員に心からお祝いを申し上げますとともに,今後の御活躍をお祈りいたします。

それでは,二期目の県政運営に臨む所信を申し述べますとともに,当面する県政の諸問題の推移及び今回提案しております議案その他の案件につきまして,概要を御説明申し上げます。

このたび,県民の皆様方の御支援・御支持を賜り,再び県政を担当させていただくことになりました。今後の県政運営に対しましても,県議会の皆様方をはじめ,県民の皆様方の御理解と御支援を賜りますようお願い申し上げます。
現在,我が国は,本格的な人口減少や少子高齢化の進行,不安定な海外情勢による物価の高騰,グローバル化やデジタル化の進展,世界的な要請でもあるカーボンニュートラルの実現など大きな変革期の中にあり,これらへの様々な対応が求められております。
私は,こうした状況に的確に対応しつつ,将来を見据え,魅力ある本県の素材「ポテンシャル」を最大限に生かしながら,地域に仕事や人の流れをつくり,住みやすい地域,将来にわたって活力ある社会を形成していくことが重要であると考えております。
まずは,コロナ禍からの経済の回復を確かなものとするとともに,人口減少社会の中で今後の鹿児島の発展の基盤をしっかりとつくっていく必要があります。
このため,基幹産業である農林水産業や観光関連産業の更なる振興に取り組むとともに,技術力の高い製造業や情報関連産業など新たな産業の創出にも取り組み,鹿児島の「稼ぐ力」の向上を図ってまいります。
こうした「稼ぐ力」の向上を図るためには,各産業を支える人材の確保・育成が不可欠であります。人手不足が深刻化する中,各産業分野における人材の確保・育成,労働生産性を高めるためのデジタル人材の確保,地域経済を支える貴重な人材としての外国人材の受入れのほか,移住・交流の促進等にも取り組んでまいります。
また,出生数の減少が予想を上回る速度で進行し,人口減少に歯止めがかからない中,少子化の進行は地方における人手不足の深刻化や地域の活力低下を招くことにもつながります。本県の将来を支える人材の確保・育成に向けて,国の施策の方向性も踏まえつつ,市町村とも連携して,本県の実情を踏まえた子ども・子育て支援施策の充実・強化を図り,結婚,妊娠・出産,子育ての希望が叶う社会の実現に取り組んでまいります。
さらに,持続可能な地域社会の実現に向けたデジタル化,カーボンニュートラルの推進や,高齢者が健やかで生きがいを持てる社会の形成,奄美・離島の振興など,各般の施策を積極的に推進してまいります。
私は,県民との対話を進めるとともに,現場の実態を把握した職員との政策論議を重ね,政策決定の透明化を図ることにより,県民の納得性を高め,市町村との連携強化にも取り組むなど,県民の皆様と一丸となって力強く県勢発展を推進してまいりたいと考えております。
今後とも,時代の変化に的確に対応しながら,県民の皆様にお示しした14分野131項目のマニフェストやかごしま未来創造ビジョンを踏まえ,「県民の皆様と一緒に鹿児島の今と未来をつくる」ということを基本として,「誠実に」,「着実に」県政の推進に取り組み,「誰もが安心して暮らし,活躍できる鹿児島」の実現に全力を尽くしてまいります。

次に,最近の県政の展開の中で主な事項について御報告申し上げます。

我が国経済は,一部に足踏みが残るものの,緩やかに回復しております。
先行きについては,雇用・所得環境が改善する下で,各種政策の効果もあって,緩やかな回復が続くことが期待されますが,欧米における高い金利水準の継続や中国における不動産市場の停滞の継続に伴う影響など,海外景気の下振れが我が国の景気を下押しするリスクとなっております。また,物価上昇,中東地域をめぐる情勢,金融資本市場の変動等の影響に十分注意する必要があります。
県内経済は,緩やかに回復しているところでありますが,足元では,物価上昇の影響がみられるなど,回復の勢いがやや鈍化しつつあります。
県としては,国の施策とも連携して,燃料油や飼料の価格高騰に対する交通事業者や生産者への支援,保育所や県立学校等の給食費等への支援による子育て世帯の経済的負担の軽減など,これまで計上した各種の事業を効果的に展開することにより,物価高騰の影響を受けている生活者や事業者の負担軽減に努めてきております。今回の補正予算においても,国の燃料油価格の激変緩和措置の期間延長を踏まえ,燃料油の価格高騰に対する交通事業者等への支援を年内まで延長することとし,必要な経費を計上いたしました。
今後も物価や景気の動向を踏まえ,必要な対応を講じてまいりたいと考えております。

馬毛島における自衛隊施設の整備等については,県と種子島1市2町による連絡会や,関係機関・団体からの情報収集などを通じて,工事関係者の増加による宿泊施設の不足や,家賃の高止まりなど,地元の懸念事項等についてお聞きしております。
今後も,工事関係者は更に増加する見通しとなっており,住民生活や地元経済への影響が懸念されます。
このため,7月18日には,県議会議長とともに防衛大臣政務官にお会いし,住民の安心・安全の確保に必要な対策や環境保全措置などに万全を期すこと,今後の工事関係者数の推移及び宿泊先等の確保の見通しを示すこと,地域の住民や産業に影響を与える事項が生じた場合には,速やかな情報提供とともに,地元と協議の上で必要な対応を行うことなどを要望しました。防衛大臣政務官からは,「御要望・御要請については,今後とも,地元自治体と緊密に連携し,必要な対応を行う」との回答を頂きました。
今月10日には,国から,「これまで,令和5年1月の着工から4年程度としていた馬毛島の自衛隊施設の完成時期について,工事開始後の現場の状況を踏まえ,工程を改めて精査したところ,令和12年3月末の完成見込みとなった」との説明がありました。国に対しては,延長後においても,引き続き必要な対応を行うとともに,工期の延長について,地元の意向を踏まえ,十分かつ丁寧な情報提供を行うことを求めました。
県としては,今後とも,地元市町と緊密に連携を図りながら,住民の安心・安全が確保され,また,環境保全措置が適切に講じられるよう,国に対応を求めるなど,しっかりと取り組んでまいります。
昨年11月に発生した米軍オスプレイの墜落事故については,県では,県民の安心・安全を確保するため,国に対し,徹底した安全対策と,より丁寧な情報提供を行うよう求めてきたところであり,7月18日には,私が直接,防衛大臣政務官に対し,その旨要請しました。
先月2日には,国から県及び関係市町に対し,事故の状況及び原因に関する調査報告,事故を受けた安全対策についての説明がありました。
オスプレイについては,県民の間にまだ不安の声があることから,県としては,引き続き,国に対し,徹底した安全対策と,より丁寧な情報提供を行うよう求めてまいります。
総合的な防衛体制の強化に資する公共インフラの整備については,先月26日,本県の8空港・港湾が「特定利用空港・港湾」とされました。県としては,「特定利用空港・港湾」とされたことにより,民生利用を主とした必要な整備が着実に行われ,また,災害時における迅速な対応が期待できるものと考えております。
一方で,本取組については,これまでも国に対し,地域に不安や懸念が生じることがないよう求めており,今後も引き続き,県や地元市町への丁寧な説明や情報提供などを求めてまいります。
水俣病対策については,認定申請をされたお一人お一人に,居住歴や魚介類の摂取状況等を聴き取る疫学調査や医師による所要の検診を実施した上で,6月に認定審査会を開催し,審査会の答申を踏まえて,先月,申請者に結果を通知しました。
また,7月には,本県も参加し,獅子島において環境大臣と水俣病関係団体の懇談が開催されました。参加者からは,地域の実情を踏まえた率直な御意見・御要望が出されました。県としては,この御要望を踏まえ,国に対し,離島加算の増額等について要望を行いました。
今後も,国とも連携しながら,水俣病対策の円滑な実施に取り組んでまいります。
鹿児島中央駅西口地区の県工業試験場跡地の利活用については,6月26日に第1回検討委員会を開催しました。
同委員会においては,県から,同跡地の現況や周辺の開発状況,他県における駅前開発の事例などについて説明し,委員からは,同跡地に導入が望まれる機能等について幅広い意見が出されるとともに,今後の検討の参考とするため,同跡地周辺の現状に関する更なる情報収集や観光・物流関係者等の意見聴取について提案がありました。
県としては,今後とも,同委員会における御議論や県議会での御論議を踏まえ,県民の皆様の御意見もお伺いしながら,同跡地の利活用の方向性について丁寧に検討を進めてまいります。
スポーツ・コンベンションセンターの整備・運営については,本事業の趣旨に対する入札参加者の理解を深め,県の意図と入札参加者の提案内容との間に齟齬が生じないようにすることを目的として,6月に入札参加者との意見交換を実施しました。その後も,事業者とは意見交換を重ね,要求水準書の内容や事業費の積算方法等の考え方について丁寧に説明してきました。一方で,事業者からは,「最近,他県で大規模工事が行われている影響を受け,設備工事に従事する技術者や技能労働者が不足していることに起因し,労務費が高騰している。加えて,金利の上昇や資材価格の高騰が続いている」との話を聞いております。事業者においては,こうした状況も踏まえ,対応を検討していると聞いております。
 県としては,スポーツ・コンベンションセンターが,スポーツ振興の拠点機能に加え,多目的利用による交流拠点機能を備えた施設として,また,県民や観光客が気軽に立ち寄れる開かれた施設として,さらに,中心市街地との回遊性を高めることにより,大きな経済波及効果をもたらす施設として,永年にわたり県民の皆様に親しまれ,誇りとなる施設となるよう,着実に整備に向けた取組を進めてまいります。
鹿児島港本港区エリア一帯の利活用については,先月27日に第2回鹿児島港本港区エリアまちづくり懇談会を開催しました。
県から,「鹿児島サンロイヤルホテル移転に関する要望」について説明し,鹿児島商工会議所からは,本港区エリア全体の賑わい創出に向けた取組の提案,マイアミ通りまちづくり協議会からは,中心市街地との回遊性向上に向けた同協議会の取組状況について御説明いただき,まちづくりの提案内容や中心市街地との連携のあり方等について,活発な意見交換が行われました。
同エリアのうち,住吉町15番街区については,先月2日に,サンロイヤルホテルを運営する鹿児島国際観光株式会社から県に対し,同ホテルの移転新築先として貸し付けてほしい旨の要望書が提出されているほか,同懇談会においても,鹿児島商工会議所から,ホテル,MICE施設,市場等の整備の提案がなされました。
同地はスポーツ・コンベンションセンターの基本構想において駐車場としておりますが,これまで,「住吉町15番街区について新たな利活用の提案がなされた場合は,県議会においても十分御論議を頂いた上で,新たな利活用も検討したい」と申し上げてきたところであり,今議会において御論議を賜りたいと考えております。
県としては,県議会での御論議や同懇談会における意見等も踏まえ,エリアコンセプトプランの具体化に向けた取組を着実に進めてまいります。
同エリアにおける景観・デザインについては,昨年末に策定した「鹿児島港本港区景観ガイドライン」の反映状況について確認・調整を行う「鹿児島港本港区エリア景観・デザイン協議会(仮称)」を設置したいと考えており,必要な経費を今回の補正予算に計上いたしました。
サッカー等スタジアムの整備については,現在,鹿児島市と一緒に,新たな候補地を検討しております。
このような中,鹿児島国際観光株式会社がサンロイヤルホテルの移転新築を表明したことを受け,先月の記者会見において,同ホテルの敷地がサッカー等スタジアムの候補地となり得るのではないかとの質問があり,私からは,今後検討すべき様々な課題はあるが,同地が一定の面積を有することなどから,候補地の一つになり得るのではないかとの考えを示しました。
その後,鹿児島市長の記者会見においても,市長から,課題をクリアした場合には,同ホテルの敷地は候補地となり得るのではないかとの考えが示されました。
サッカー等スタジアムの整備に向けては,引き続きホームタウンである鹿児島市と一緒に検討してまいります。

(誰もが個性と能力を発揮し活躍できる社会の実現)
男女共同参画・ジェンダー平等の推進については,家庭や職場,地域社会などに依然として存在するジェンダーギャップの解消を図るため,7月25日から31日までの「鹿児島県男女共同参画週間」において,県民一人ひとりの意識と行動の変容をねらいとしたトークイベントやパネル展,中高生によるワークショップなど,様々な広報啓発活動を展開しました。
引き続き,男女共同参画社会の実現に向け,「第4次鹿児島県男女共同参画基本計画」に基づき,県民の意識啓発や気運醸成,女性活躍の推進など,各般の施策に積極的に取り組んでまいります。

(結婚,妊娠・出産,子育ての希望がかなう社会の実現)
子ども医療費助成制度については,未就学児を対象に,現物給付方式を課税世帯にも拡げることとし,現在,システム改修など,制度変更に必要な準備を実施主体である市町村や,審査支払機関等とともに進めており,新たな制度については,令和7年4月の開始を目指すことといたしました。
今後とも,関係機関と連携しながら,開始に向けた準備をしっかりと進めてまいります。
また,子ども医療費助成制度や学校給食費の無償化については,都道府県及び市町村がそれぞれ独自に実施しており,自治体の財政力等の違いにより助成の内容に格差が生じていることから,国の責任において全国一律で必要な措置を講じるよう,引き続き県開発促進協議会など様々な機会を通じて要望してまいります。
フリースクール等に通う子どもたちへの支援については,昨年12月に策定された国の「こどもの居場所づくりに関する指針」や,本年3月に県議会から頂いた政策提言の内容を踏まえ,不登校児童生徒や県内のフリースクール等の子どもの居場所の状況等を把握する実態調査を新たに行うこととし,今回の補正予算に必要な経費を計上いたしました。今後,この調査結果も踏まえ,フリースクール等に通う子どもたちへの支援の在り方について検討してまいります。

(健康で長生きできる社会の実現と良質な医療・介護の確保)
本県の第三次救急医療は,救命救急センターである鹿児島市立病院と鹿児島大学病院,地域救命救急センターである県立大島病院が担っていましたが,本県の救命救急センター等の数は,人口100万人当たり1.9で,全国41位と低い水準となっており,県保健医療計画において,第三次救急医療の充実を図る観点から,その対応について検討することとしていました。
このような中,米盛病院から指定の意向が示され,国の定める指定要件に合致しているかの調査を行い,合致していることを確認した上で,県医療審議会に対し指定要件の適合状況について諮問を行いました。
同審議会では,意見が集約されず,継続審議を求める意見も出されましたが,2回にわたり十分な審議も行われたことから,継続ではなく,知事に判断を委ねるとの結論に至り,答申では,慎重かつ厳正な判断を求めることとされました。
県では,同病院が国の定める要件を満たしていることを改めて確認するとともに,県全体の救命救急体制の底上げが急務であることや,先の県議会定例会の環境厚生委員会において複数の委員が早期に結論を出していただきたいとの意見で一致したことなどを重く受け止め,先月1日に同病院を救命救急センターに指定いたしました。
新たなセンターの指定は,県民が必要な医療を安心して受けられる体制整備に大いに寄与するものと考えております。
また,霧島や大隅などの地域における救命救急センターの指定については,同地域において要件を満たすところがあれば,検討を行いたいと考えております。
認知症施策の推進については,今月15日から21日までの「認知症を理解し一緒に歩む県民週間」において,鶴丸城御楼門をはじめ県内6か所を認知症支援のシンボルカラーであるオレンジ色でライトアップするほか,認知症サポーター養成講座や認知症サポート医による講演会,関係者によるシンポジウムなどを実施することとしております。
また,新たな取組として,認知症当事者を「認知症応援大使」として委嘱し,認知症とともに希望を持って生きるという考え方を本人自らの言葉で県民に広く発信していただくこととしております。
今後も,国,市町村,関係機関・団体とも連携しながら,認知症の方々にやさしい地域づくりに資するよう,県民の認知症に関する正しい理解の促進に努めてまいります。

(地域を愛し世界に通用する人材の育成と文化・スポーツの振興)
特別支援学校の教育環境改善については,先月30日に特別支援学校教育環境改善推進協議会から県教育委員会に対し提出のあった報告書を踏まえ,伊佐・湧水地区においては,伊佐市の旧大口南中学校敷地に,新たな特別支援学校を分置することといたしました。今後,教育委員会において,設置する学部や通学区域など,整備計画を取りまとめてまいります。
県立楠隼中学校・高等学校の共学化や通学生の受入れについては,令和8年度からの開始に向け,教育委員会において,具体的な準備を進めております。
このうち,共学化に伴う女子生徒の居住先については,既存の楠隼寮の一部を改修し対応したいと考えており,令和7年度の工事に向け,今回の補正予算において設計に要する経費を計上いたしました。
また,周辺の高校への影響を考慮するとともに,6年間計画的・継続的に教育課程を展開することで中高一貫教育の更なる充実を図るため,令和11年度から,高校については,楠隼中学校卒業者以外の受入れは行わないこととしました。楠隼中学校の定員については,今後の少子化の進行や,周辺の中学校・高校への影響,寮の収容定員などを考慮し,現行どおり,当面,一学年60人とすることとしております。
県立短期大学については,更に魅力ある大学づくりに向け,有識者で構成する検討委員会を設置し,時代の要請に対応した教育内容の充実などについて検討を行っております。
現在,7月31日に開催された第2回検討委員会での意見を踏まえ,県内産業界や県内高校生等へのアンケート等を実施しております。
今後,これらの結果も踏まえ,本年度末には同委員会において,魅力ある大学づくりに向けた提言を取りまとめていただくこととしております。
国際交流の促進については,今月4日から8日にかけて,台湾の周春米屏東県知事及び同県関係部長並びに同県農畜水産業や商工業の関係者など約45名の訪問団が来県され,県内の農畜水産業や商工業に関する現地視察や,今後の交流について意見交換を行いました。
今後とも,同県とのMOU(包括協定)に基づき,青少年,芸術・文化,観光,経済などの幅広い分野での交流を促進していきたいと考えております。
清華大学との交流については,7月11日から19日までの9日間,清華大学の学生を中心とする訪問団が来県され,南さつま市や屋久島町を訪れたほか,鹿児島大学,志學館大学,加世田高校の学生との交流を実施しました。
同月30日には,清華大学の邱勇書記とお会いし,今後の交流について意見交換を行いました。また,鹿児島大学総合教育機構稲盛アカデミーと清華大学日本研究センターとの間で,学生及び教員の派遣や日中の相互発展に有益なイノベーション分野の協力等を行うことを内容とする覚書が締結されました。
今後とも,青少年,学術,経済など幅広い分野で交流事業を推進し,人材の育成と人的ネットワークの構築を図ってまいります。
「第45回霧島国際音楽祭」については,7月19日から先月4日にかけて,国内外から著名な音楽家を迎え,みやまコンセールを中心に,多彩なコンサートや講習会を開催しました。
先月6日には,同音楽祭の堤剛音楽監督が館長を務めるサントリーホールにおいて,国内外のトップ奏者で構成するキリシマ祝祭管弦楽団による東京特別公演を開催し,首都圏の音楽愛好家の方々に,音楽祭の魅力を体感していただくとともに,本県の観光PRを行いました。
今後とも,アジアを代表する音楽祭として,更なる充実・発展を目指してまいります。

(脱炭素社会の実現と豊かな自然との共生)
地球温暖化対策については,環境保全に向けた具体的な行動や地球温暖化防止の取組を県民,事業者,行政が一体となって全県的に推進することを目的とした「地球環境を守るかごしま県民運動推進大会」を6月28日に開催し,気候変動の影響と適応についての講演や環境保全に関する顕著な功績のあった団体の表彰等を行いました。
来月には,気候変動適応に関するシンポジウムを開催するなど,今後とも,県民・事業者の理解を深める取組を進めることとしております。
洋上風力発電については,今月5日に,第5回の研究会を開催し,洋上風力発電の現状等の共有を図るとともに,薩摩半島西方沖における情報提供の可能性のある区域について,参加団体等と意見交換を行いました。引き続き,関係市町や利害関係者等の意見を丁寧に聞きながら,検討を進めてまいります。

(安心・安全な県民生活の実現)
先月26日から30日にかけて本県に接近・上陸した非常に強い台風第10号により,1名の方が亡くなられたほか,33名の方が負傷されました。
また,県内の広い範囲で停電や断水が発生したほか,住宅の損壊,道路等の公共土木施設や農作物等への被害が生じました。亡くなられた方に対し,心から哀悼の意を表しますとともに,被災された方々に対しまして心からお見舞い申し上げます。
今回の台風第10号については,「台風を要因とする特別警報」の発表を見据えて知事メッセージを発出し,県民の皆様に対し,台風が接近する前の早めの避難や不要不急の外出を控えるなど,命を守る最善の行動をとっていただくようお願いしました。
また,特別警報が警報等に切り替えられた後においても,知事メッセージを発出し,安全に最大限留意した行動をとっていただくようお願いしました。
県としては,電気,水道,通信などのライフラインの復旧について,防災関係機関と情報共有を行うとともに,電気事業者に対しては,停電の早期解消を図ることを要請しました。また,道路の倒木除去等の応急対策を行いました。引き続き,国や市町村等と連携し,一日も早い復旧に向けて,全力で取り組んでまいります。
これからも,台風や豪雨が発生しやすい時期が続きます。
今後とも,住民への適時・適切な情報伝達や円滑な避難が図られるよう,市町村や関係機関との連携に努めてまいります。
先月8日には,日向灘を震源とする地震が発生し,本県では,直ちに災害警戒本部を設置し,被害状況の把握を行いました。また,大隅半島を中心に発生したがけ崩れ等の被害への対応などの応急対策を行うとともに,必要な経費について今回の補正予算に計上いたしました。霧島市で発生した水道水の濁りについては,県民生活に支障が生じないよう,自衛隊に災害派遣による給水活動を要請し,10日まで活動を行っていただきました。
先月9日には,気象庁の「南海トラフ地震臨時情報(巨大地震注意)」の発表を受け,知事メッセージを発出し,県民の皆様に対し,地震発生後1週間程度は地震に対する備えを確認していただくとともに,報道機関や公的機関から発表される最新情報を確認しつつ,落ち着いて行動するようお願いしました。15日には,当該臨時情報に伴う政府の呼びかけが終了したことから,大規模地震発生の可能性がなくなったわけではないことに留意しつつ,地震の発生に注意しながら通常の生活を送っていただくよう改めてお願いしました。
県民の皆様におかれましても,日頃から避難場所や避難経路等を確認し,災害時には早めの避難に心掛けていただくなど,備えに万全を期していただくようお願い申し上げます。
川内原発については,6月24日,九州電力が原子力規制委員会に対し,川内原発1,2号機の長期施設管理計画の認可申請を行いました。
先月21日に開催した県原子力安全・避難計画等防災専門委員会においては,長期施設管理計画の内容について九州電力から説明を受け,委員による御議論を頂きました。
県としては,原子力規制委員会において,長期施設管理計画の認可申請について厳格な審査を行った上で,県原子力専門委員会で審査結果について御説明いただくなど,県民への分かりやすい情報発信・説明等に努めていただきたいと考えております。
原子力防災対策については,これまでの訓練等を踏まえ,オフサイトセンター内でのより円滑な連携や執務スペースの拡充による機能性の向上を図るため,同センターのレイアウト変更を行うこととし,今回の補正予算に必要な経費を計上いたしました。また,原子力防災アプリの更なる普及促進を図るため,同アプリの機能や使用方法等を紹介する動画を制作し,SNSなど様々な広報媒体を活用した情報発信に取り組むこととしております。
川内原発1号機は,7月4日,運転開始から40年を超えました。
県としては,今後とも,原発の立地県として,常に事故の発生を念頭に置き,県民の生命と暮らしを守る観点から,川内原発の安全対策・防災対策の充実・強化に取り組んでまいります。
今般発生した本県警察職員等による一連の不祥事については,先月,県警察において,職責の自覚と高い職務倫理のかん養に向けた取組の強化などを柱とした再発防止対策が策定されました。この再発防止対策の各種施策の進捗管理と不断の見直し・改善を行う鹿児島県警察・改革推進委員会が創設され,21日に開催された第1回委員会において,今後の取組の方針についての確認等が行われました。また,同委員会における専門家・有識者の招へい等に要する経費を今回の補正予算に計上いたしました。
今月2日には,再発防止対策の推進を図るため,県警察監察課内に改革推進室が設置されました。
県警察におかれては,県民の信頼を一日も早く回復できるよう,県公安委員会の管理・指導の下,引き続き抜本的で網羅的な再発防止対策に徹底して取り組んでいただきたいと考えております。

(快適な生活環境の向上と世界につながる県土の創造)
高規格道路である南九州西回り自動車道については,7月16日に鹿児島・熊本両県選出の国会議員等とともに,国に対し,予算の確保と整備促進について要請を行いました。
また,本年度中の全線供用を予定している都城志布志道路のほか,北薩横断道路や大隅縦貫道などの整備を進めております。
今後とも,高規格道路の早期供用に向け,国と一体となって,整備に努めてまいります。
北薩横断道路の北薩トンネルについては,7月25日に舗装の浮き上がりを確認し,さつま泊野インターから高尾野インター間の14.5キロメートル区間について,通行止めを行いました。27日にはトンネル内に大量の土砂の流入があったことから,30日に国土交通省等の専門家による現地調査を行い,原因については,水圧など何らかの外力が加わって変状が発生している可能性があると指摘されました。私自身も先月31日に現場を視察し,被害の状況を確認しました。現在,地下水位や湧水量など,復旧に必要な調査を実施しております。原因究明や復旧工法については,トンネル工学等の専門家からなる技術検討委員会により検討することとしており,本日第1回目の委員会を開催することとしております。
県としては,今後必要となる調査や測量等の費用について今回の補正予算に計上したところであり,引き続き,早期復旧に向けて取り組んでまいります。
川内港については,地域の産業の競争力強化を支える効率的かつ経済的な貨物の輸出入の実現に向けて,国際物流ターミナル整備事業により,新たな岸壁やふ頭用地の整備を進めており,引き続き,国と連携を図りながら,着実な整備に取り組んでまいります。
市や関係者の皆様から御要望を頂いているガントリークレーンの整備については,港湾利用者の皆様の考えをお伺いした結果,コンテナ航路の船舶の大型化に対応するため,令和9年度末までに,新たに整備する唐浜地区のふ頭に整備することが必要であるという考えに至ったところであり,今後,早期設置に向けて検討を進めてまいりたいと考えております。
指宿枕崎線については,人口減少,少子化の進行等に伴う利用者の減少等を踏まえ,指宿・枕崎間における将来のあり方を検討するため,関係自治体や鉄道事業者,有識者等で構成する検討会議を設置し,先月19日に第1回検討会議を開催しました。
検討会議では,同路線は,地域住民の日常生活に不可欠な交通手段であり,観光の振興等にも貢献していることから,同路線を生かした地域づくりに向け,関係者が一丸となって取り組んでいくことなどが確認されました。
県としては,引き続き,関係者と連携し,同路線の将来のあり方について検討を進めてまいります。

(個性を生かした地域づくりと移住・交流の促進)
移住・交流の促進については,市町村やふるさと回帰支援センター等と連携し,7月13日に,県内8市町村が参加する移住相談会を東京で開催したほか,先月7日と今月11日には,移住希望者の関心の高いテーマを設定したオンラインでの移住・交流セミナーを開催しました。
また,7月20日に大阪で開催された「おいでや!いなか暮らしフェア
2024」や,先月3日に東京で開催された「テーマから探す!移住フェア」など,全国的な移住・交流イベントに,県内市町村とともに出展・参加し,移住に関する相談に対応しました。
関係人口の創出・拡大を目的としたワーケーションの推進については,県外企業と県内市町村とのマッチングイベントを7月19日に東京,25日に福岡で開催し,県内延べ11市町等が県外企業に対し,それぞれの地域の魅力のPRやワーケーションツアーの誘致を行いました。また,先月30日には,県内市町村職員を対象としたツアー内容への助言等を行うセミナーを開催しました。
今後とも,より多くの方々に本県を選んでもらえるよう,鹿児島ならではの地域資源を生かした移住・交流の促進やワーケーションの推進に取り組んでまいります。
地域人口の急減に対応し,人材の確保を図る特定地域づくり事業については,全国協議会の会長として,先月26日に,協議会の構成道府県からの意見を踏まえ,財政支援措置の充実・強化などについて,国等に要望を行ってまいりました。
県内では,宇検村において,本県8例目の特定地域づくり事業協同組合が先月認定され,今月から事業を開始しております。
今後とも,市町村や関係事業者等と連携して,特定地域づくり事業の普及・推進を図ってまいります。

(多様で魅力ある奄美・離島の振興)
奄美群島の振興については,令和10年度まで延長された「奄美群島振興開発特別措置法」や国が策定した奄美群島振興開発基本方針,地元の意向などを踏まえ,新たな「奄美群島振興開発計画」を7月に策定しました。
同計画は,奄美群島の自立的発展等を目的として,今後の振興開発の基本的方針と振興方策を示すものであり,今回新たに,移住及び定住の促進や稼ぐ力の向上,世界自然遺産登録等を契機とした自然環境の保全と利用の両立及び文化の継承などの方策を盛り込んでおります。また,諸施策の実施において,歴史・文化的につながりが深い沖縄との連携を促進することとしております。
県としては,国や市町村等と連携して着実な事業の推進に努め,我が国の地域振興の先進地域となるよう,奄美群島の振興・発展に一層全力を尽くしてまいります。

(農林水産業の「稼ぐ力」の向上)
令和5年度県産農林水産物の輸出については,令和4年度の約327億円に対し,約12パーセント増の約367億円となり,3年連続で公表開始以降,最高額を更新しました。
輸出額増加の主な要因としては,牛肉について,多くの輸出先国において,コロナ禍後の外食需要が増加したこと,養殖ブリについて,米国において寿司の商材としての需要が堅調であったこと,お茶について,欧米における健康志向や日本食への関心の高まり等を背景に抹茶・煎茶の需要が大きく拡大したことがあるものと考えております。
農畜林水いずれの部門でも過去最高額を更新しており,これまで官民一体で取り組んできた成果として,本県の魅力ある農林水産物が,海外市場において,着実に浸透してきていることの表れであると受け止めております。
引き続き,「鹿児島県農林水産物輸出促進ビジョン」における令和7年度の輸出目標額約500億円の実現に向けて,官民一体となって輸出拡大に取り組んでまいります。
「かごしま食と農の県民条例」の改正については,幅広い関係者からの意見を踏まえた見直し内容の検討を行うため,7月23日に有識者との意見交換会を,先月には県内7か所で地域別の意見交換会を開催しました。
今後,食料安全保障の確保や環境への負荷の低減など,意見交換会で出された意見や県議会での御論議などを踏まえながら,本年度中の改正に向けて検討を進めてまいります。
農業の担い手確保・育成については,認定農業者など全国の農業の担い手が一堂に会し,相互研鑽と交流を通じて,農業者自らの経営改善や地域農業・農村の発展に寄与する機会として開催されている「全国農業担い手サミット」を令和7年度に本県で開催することが,7月24日に正式に決定しました。
今後,先月1日に設立された実行委員会において,担い手組織や農業団体等と一体となって,開催準備を進めてまいります。
林業の担い手確保・育成については,「かごしま林業大学校」の開校に向け,6月には,関係団体や大学等で構成する運営協議会において研修カリキュラムの検討を行うとともに,市町村や林業事業体,機械メーカー等で構成するサポートチーム会議において協力内容の協議を行いました。7月20,21日には,オープンキャンパスを開催し,林業大学校の概要説明や林業機械の操作体験などを行いました。
研修生の募集については,今月10日まで推薦選考の出願を受け付けたところであり,来月には一般選考の出願を受け付けることとしております。
今後とも,来年4月の開校に向けた準備を着実に進めてまいります。
水産業の振興については,7月9日に株式会社日立ハイテクネクサスと,「鹿児島県産品の販路拡大に関する連携協定」を締結しました。今後,温度検知できるQRコードラベルを使用した「鮮度の見える化」や輸送コストの削減等により,本県水産物の国内外における競争力の強化を図っていくこととしております。
水産業におけるデジタル化については,7月30日に,全国のモデル地域として,水産庁から「デジタル水産業戦略拠点」に選定されました。今後,地域一体となったデジタル化を推進する計画を策定し,水産業のデジタル化による生産性の向上,省人・省力化,漁村の活性化を進めてまいります。
水産業の担い手確保・育成については,漁業の基礎知識に関する講義や刺し網漁業体験などを行う「かごしま漁業学校」の入門研修を6月28日に開催したほか,先月1日には,漁業や水産物加工に意欲的に取り組み,中核的な活動を行っている方々に対し漁業士の認定証を交付しました。引き続き,漁業就業者の確保・育成・定着のための取組を進めてまいります。
八代海において発生した赤潮により,6月下旬から7月上旬にかけて,養殖ブリに13万7千尾,約1億3百万円の漁業被害が発生しました。被害にあわれた養殖業者の皆様に対して,心からお見舞い申し上げます。県としては,6月19日から赤潮緊急対策本部を設置し,現地調査,注意喚起や赤潮被害防止対策の指導などを実施しました。また,7月30日には,熊本県,長崎県と三県合同で,農林水産大臣に対し今回の赤潮により大きな被害を受けた養殖業者への支援と安心して生産を継続できる環境整備について要望を行いました。県としては,養殖業の経営安定や安心・安全な水産物の安定的な供給が図られるよう,引き続きしっかりと取り組んでまいります。

(観光の「稼ぐ力」の向上)
新型コロナウイルス感染症の影響で大きく落ち込んだ旅行需要は,経済社会活動が活発化する中で徐々に回復しつつあります。
来年4月から10月にかけて開催される大阪・関西万博については,国内外から多くの方々の来場が見込まれ,本県の魅力を広く発信する絶好の機会と捉えております。
今月2日には,「九州の宝を世界へ~Treasure Island・KYUSHU~」をテーマに,来年の9月2日から6日までの5日間,万博会場の催事施設において,九州7県で合同出展を行うことを発表しました。
また,万博で大阪に注目が集まる中,7月31日には,県商工会議所連合会が,県産品の販売や観光PRを行うアンテナショップ「かごしま屋」をJR大阪駅近くの商業施設内にオープンしました。
県としては,これらの機会を捉え,本県の豊かな自然や食,歴史・文化,特産品など数多くの「南の宝箱 鹿児島」の魅力を国内外に広くPRし,本県への誘客や,県産品の販売促進に積極的に取り組んでまいります。
海外からの誘客については,7月16日に中国東方航空の上海線が週2便で再開されたことにより,コロナ禍前に就航していた4路線が全て再開されました。
また,今月2日からは,大韓航空によるソウル線が週3便から週5便に増便されたほか,14日にはチェジュ航空によるソウル線が週3便で再開されることとなっております。さらに,将来的な定期便の就航を見据えて,ベトナム航空による2WAYチャーターフライトが12月30日から来年1月3日の日程で実施される予定となっております。
引き続き,鹿児島空港国際線の拡充及び安定的運航を図るための航空会社への運航支援を行うとともに,現地での旅行会社等へのセールスやプロモーションなどを積極的に展開してまいります。
他方で,国際定期便の拡充に当たっては,グランドハンドリングなどの受入体制の確保が引き続き課題となっていることから,職員の採用支援や航空会社に対する応援職員の派遣要請などに引き続き取り組むとともに,今後の増便等も見据え,新規事業者の参入を促すため,参入に当たっての課題である安定的な運営に必要な経営支援を行うこととしております。
今後とも,空港や観光の関係者と連携の上,空港受入体制の確保を図ってまいります。
クルーズ船については,本年の寄港数が先月末時点で109回を記録し,過去最高に迫る勢いで推移しており,今後も多くの寄港が見込まれます。
引き続き,鹿児島発着を含めクルーズ船の誘致に積極的に取り組むとともに,クルーズ船の経済波及効果を県内全体に波及させるため,離島への寄港,従来の寄港地観光ツアーに加え,水上交通や新幹線を生かしたツアー造成に取り組んでまいります。

(企業の「稼ぐ力」の向上)
企業立地の推進については,産業用地確保に向け,7月から先月にかけて県内外の民間企業約5,000社に対し,本県への進出意向や設備投資の動向,企業が求める立地条件等に関する調査を行いました。
また,現在,一定規模以上の一団の土地を対象に,法規制や地質,交通インフラ等の基礎的な条件に関する適地調査を併せて行っており,これらの調査結果について,市町村とも適宜情報共有しながら,今後,産業用地としての整備可能性を検討することとしております。
また,来月30日には,大阪において,本県に立地している大手企業や市町村等とともに,官民一体となって「企業立地懇話会」を開催する予定であり,私自ら,関西圏に本社を置く企業等の皆様に対して本県の優れた立地環境のPRを行うこととしております。
スタートアップの創出・育成については,産学官・金融機関が参加する「かごしまスタートアップ推進協議会」を先月30日に開催し,本県出身の県外起業家による講演や,オープンイノベーションをテーマとした意見交換を行いました。引き続き,関係機関と情報を共有し,連携を深めることにより,スタートアップの創出・育成に向けて一体となって取り組んでまいります。
また,新たな産業の創出に取り組む企業等に対し,ニーズの掘り起こしから,事業化・販路拡大まで,各段階に応じた支援を総合的に行うこととしており,7月までに,黒酢の製造過程における副産物を活用した新素材の開発など,6件の取組を採択しました。
宇宙関連産業については,県内企業等が行う宇宙機器や衛星データ利用に関する研究開発等を支援することとしており,先月までに小型ロケット打上げ実験用の発射装置の開発や衛星データを活用した森林管理等の実証事業を採択しました。また,九州大学発のベンチャー企業等と連携した県立楠隼中学校・高等学校でのシリーズ宇宙学特別講義や,県内企業等向けの衛星データ解析技術に関する研修などにも取り組んでおります。
鹿児島ブランドショップについては,先月1日に鹿児島市金生町の「よかど鹿児島」へ移転し,3日にはオープニングセレモニーを実施しました。県としては,引き続き,ブランドショップを活用して,国内外の方々に対する県産品の情報発信に積極的に取り組んでまいります。
また,「よかど鹿児島」への移転を契機に,同日,鹿児島銀行と「地域経済の活性化に関する連携協定」を締結しました。今後,お互いが有する資源やネットワークを活用しながら,県産品の販路拡大や,県内企業の持続的な発展,観光・文化スポーツの振興などに連携して取り組んでまいります。

(多彩なキャリアをデザインできる働き方の創出)
喫緊の課題となっている人手不足への対応については,「かごしま故郷人財確保・育成推進本部」のワーキンググループを先月開催し,人手不足が顕著である交通,宿泊,建設などの各分野の関係団体と,課題を抽出・共有するための意見交換を行いました。関係団体からは,それぞれの分野ごとに抱えている課題や人手不足の要因等について率直な意見を頂いたところであり,今後とも,産業分野ごとに生じる新たな課題等も踏まえながら,人手不足の解消に向けた取組を進めてまいります。
若年者の県内就職については,来春卒業予定の高校生の採用を計画している企業200社と県内66の高校の就職担当者が一堂に会した「県内企業と高校等就職担当者との情報交換会」を7月3日に開催しました。
また,大学生等の県内就職については,県内大学生が地元企業の魅力を取材し作成したPR動画を,県内外の大学生に発信する取組を行っているところであり,7月5日には,企画に応募いただいた県内大学生21名に「かごしま企業魅力発掘サポーター」の任命証を交付しました。
今後とも,関係機関と連携しながら,新規学卒者の県内就職やUIターンの促進に努めてまいります。
外国人材については,安心して働くことができる環境の整備を図るため,今月6日に,外国人材の受入れを検討している県内企業等を対象として,外国人雇用の留意点や在留資格に関する講演,県内における外国人材受入事例紹介など,外国人材の円滑な受入れに関するセミナーを開催しました。
また,本年度,「かごしま外国人材受入活躍推進戦略」を改訂することとしており,7月には,県内事業者等を対象とした外国人材活用実態調査,先月6日には,戦略の骨子等に関する関係機関・団体等との協議を行いました。
今後も引き続き,外国人材の受入れ環境の整備に取り組んでまいります。

(デジタルテクノロジーを活用した県民の暮らしの質の向上)
デジタル化の推進については,その機運の醸成を図るため,昨年度に引き続き,鹿児島Digi-1(デジワン)グランプリを開催することとしております。県内の各地域が直面する課題をデジタル技術を活用して解決する優れた取組等を表彰するもので,民間企業,自治体,個人等から幅広く応募を頂いております。今後,審査を行い,11月に表彰式を開催することとしております。
行政のデジタル化については,県と民間事業者との契約において,印紙代や契約書の送付等に係る民間事業者の費用や事務労力の削減につながる電子契約サービスを,来月から開始することとしております。

(持続可能な行財政運営)
南薩地域振興局の庁舎の再整備については,昨年度から実施してきたPFI等可能性調査の結果などを踏まえ,今般,新庁舎に導入する機能や施設計画,事業手法について従来方式を最適とする事業計画などを盛り込んだ「南薩地域振興局新庁舎整備基本計画案」を取りまとめました。
この基本計画案を踏まえ,新庁舎の基本設計などに要する経費を今回の補正予算に計上したところであり,整備に向けて着実に取り組んでまいります。
公文書の管理については,公文書等の管理に関する条例に基づき,歴史資料として重要な公文書である特定歴史公文書の適切な保存・利用等に向けて,現在,特定歴史公文書として保存すべき公文書の選別作業を進めております。
また,特定歴史公文書の利用等を積極的に推進する観点から,公文書館の設置に向けて検討を進めることとしております。先月27日に開催された公文書管理委員会においては,主な論点の一つである公文書館の収集・保存に関する機能について,他施設との役割分担や連携等も含め検討した方がよいといった意見を頂いたところであり,本年度中に本県の公文書館に求められる機能について取りまとめることとしております。
私は,これまで,県政の主役は県民であるとの考えに基づき,県民の声を県政に反映させるため,全市町村で開催した「知事とのふれあい対話」や「知事へのたより」などにより,県民の皆様方の声をお聞きし,頂いた御意見については,適切に政策に反映するよう心がけてまいりました。
今後も,県内各地域をお伺いし,直接県民の声をお聞きする「知事とのふれあい対話」を継続して実施するなど,県民との対話を重視し,県民の声を県政に反映させてまいります。

県議会の皆様方をはじめ,県民の皆様方の御理解と一層の御支援を心からお願い申し上げます。

次に,補正予算の概要について御説明申し上げます。
今回の補正予算は,燃料油の価格高騰に対する交通事業者等への支援やフリースクール等の子どもの居場所等に関する実態調査,県立楠隼中学校・高等学校の共学化に向けた寮の改修に要する経費等を計上することとしております。
また,梅雨期の大雨や日向灘を震源とする地震による被害に対する災害復旧事業等に要する経費を計上することとしております。
補正予算の総額は,一般会計で18億38百万円であり,この結果,補正後の一般会計の予算額は,8,451億55百万円となっております。この財源については,国庫支出金,地方交付税などをもって充てることとしております。
このほか,予算外の議案として「土木その他の建設事業の市町村負担額について議決を求める件」など,条例案5件,その他の議案13件,報告1件となっております。
何とぞよろしく御審議の上,議決していただきますようお願い申し上げます。

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