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ホーム > 県政情報 > ようこそ知事室へ > 施政方針 > 令和4年第3回県議会定例会提案理由説明要旨

更新日:2022年9月9日

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令和4年第3回県議会定例会提案理由説明要旨

令和4年第3回県議会定例会の開会に当たりまして,提出議案等の説明に先立ち,去る7月31日に逝去されました故桑鶴勉議員に謹んで追悼の言葉を申し上げます。
桑鶴議員の御逝去は,誠に残念なことであり,悲しみに堪えません。
生前,県勢の発展と地方自治振興に尽くされました幾多の御功績を讃え,深く敬意と感謝の意を表し,謹んで哀悼の誠をささげ,心から御冥福をお祈りいたします。
また,本県の名誉県民である京セラ名誉会長の稲盛和夫氏が,去る8月24日に逝去されました。誠に残念なことであり,哀悼の念に堪えません。稲盛氏におかれましては,京セラ工場の立地や京都賞受賞者鹿児島講演,国際交流の発展のための私財寄附,関西鹿児島県人会総連合会の会長など,多方面から故郷かごしまのために尽力されました。
改めて,生前の幾多の御功績を讃えるとともに,深く感謝の誠をささげ,衷心より御冥福をお祈りいたします。
さて,このたびの鹿児島市・鹿児島郡区の県議会議員補欠選挙において,めでたく当選をされました岩重あや議員,ほかきど昭一議員に心からお祝いを申し上げますとともに,両議員の御活躍をお祈りいたします。

それでは,当面する県政の諸問題の推移及び今回提案しております議案その他の案件につきまして,概要を御説明申し上げます。

先般,県職員が収賄容疑で逮捕・起訴されるという事態が生じました。全体の奉仕者である県職員がこのような不祥事を引き起こしましたことは,極めて遺憾であり,ここに深くお詫びを申し上げます。
県としては,既に当事者及び管理監督者について厳正な処分を行いましたが,私と副知事についても,その責任を明らかにするため,給料の減額を行うための条例案を今議会に提案しているところです。
また,この件とは別に,本年6月に県職員が逮捕される事案が発生したところであり,県職員による不祥事が続いていることについて,重ねて県民の皆様に心から深くお詫び申し上げます。
今回の不祥事を受け,全職員に対し,改めて服務規律の厳正確保と適正な情報管理について周知徹底を図ったところであり,県民の皆様の信頼を回復するため,再発防止に向け,努力してまいります。

今年の夏は,線状降水帯による記録的な大雨により,河川の氾濫が相次ぎ,東北地方や北陸地方を中心に広い範囲で甚大な被害が発生したところです。
これらの大雨により,亡くなられた方々の御冥福を祈り,哀悼の意を表しますとともに,被災された方々に心からお見舞い申し上げます。また,被災地の一日も早い復旧をお祈りいたします。
本県においても,7月に入り,台風第4号や相次ぐ集中豪雨により,県内各地で河川や道路などの公共土木施設災害やがけ崩れが発生しました。
これからも,台風や豪雨が発生しやすい時期が続きます。
県としては,住民への適時・適切な情報伝達や円滑な避難が図られるよう,市町村や関係機関との連携に努めてまいります。
県民の皆様におかれましても,日頃から危険箇所や避難場所,避難経路を確認し,災害時には早めの避難を心がけていただくなど,備えに万全を期していただくようお願い申し上げます。

新型コロナウイルス感染症については,全国的に,新規感染者数は減少に転じているものの,高い感染レベルが継続しております。
本県においても,7月に入り,家庭内や児童施設・学校,職場内等での感染により,県内各地で感染が爆発的に拡大したところです。
その後,感染拡大に伴う医療提供体制の逼迫に対応するため,病床確保計画の病床のフェーズを7月27日に緊急対応病床の「緊急フェーズ(1)」へ,先月8日には,同計画の最上位である「緊急フェーズ(2)」へ移行したところです。
また,先月3日には,感染リスクの高い高齢者や基礎疾患を有する方への感染拡大,重症者の増加や医療提供体制への影響も懸念されたことから,「BA.5対策強化宣言」を発令し,感染リスクの高い場所への外出を控えていただくなど,高齢者等を守るための取組や本県の医療提供体制を確保するための適正受診をお願いしたところであり,その後,今月末まで期間を延長することとしたところです。
現在,病床使用率は50パーセント程度で推移しております。9月4日現在で,重症患者は11人,酸素投与の必要な中等症(2)の患者は100人と引き続き高い水準で推移しております。なお,直近の7日の数字は重症7人,中等症(2)99人となっております。
また,受入医療機関においても,感染や濃厚接触等により,出勤できない医療従事者が増加していることもあり,医療機関への負荷が一段と高まっております。
このままの状況が続きますと,新型コロナウイルス感染症以外の重篤な病気の治療や手術を含め,県民の皆様への医療サービスを十分に提供できなくなることが懸念されることから,先月22日に,爆発的な感染拡大並びに医療提供体制の逼迫に伴う緊急メッセージを発出し,県民の皆様に対し更なる感染防止対策への協力をお願いいたしました。
また,県においては,これまでの取組に加え,診療・検査医療機関等に対し,診療が効率的に行われるよう,国から配分された抗原定性検査キットを緊急的に配布いたしました。
併せて,感染者の重症化リスクが高く,感染が拡大しやすい高齢者施設等に対し,従事者等の集中的な検査を行うため,同キットを配布しているところです。
また,陽性者と同居する家族等が有症状となった場合には,医師の判断により,PCR等の検査を行わず,熱や咳などの臨床症状で診断する,いわゆる「みなし陽性」を臨時的に導入することとしたところです。
爆発的な感染拡大により,県下の保健所業務についても,大変厳しい環境におかれております。このため,当面の間,行動制限を求める濃厚接触者の特定や行政検査については,感染リスクの高い同一世帯内や,重症化リスクの高い方が入院・入所している医療機関や高齢者施設等を対象に行うこととしたところです。
また,保健所の負担軽減を図るとともに,陽性となった方々が安心して自宅で療養することができるよう,健康観察や相談対応,パルスオキシメーターや生活支援物資の配送等の業務を全県的に行う「コロナ・フォローアップセンター鹿児島」を,先月29日に開設いたしました。
新型コロナウイルス感染者の全数把握の見直しについては,発熱外来や保健所業務が極めて切迫した地域において,都道府県知事が国へ届出を行うことにより,緊急避難措置として,発生届を65歳以上の高齢者及び入院が必要と判断された方等に限定することが可能となったところです。
また,国は,今月26日から全国一律で実施する方針を示したところです。県としては,医療機関や保健所の業務負担の軽減につながるものと見込まれることから,国の具体的な取扱や関係団体の意見等を踏まえ,本県での実施に向けて早急に作業を進めているところです。
新型コロナウイルスワクチンについては,3回目接種や,60歳以上の方及び18歳以上で基礎疾患を有する方などを対象とした4回目接種について,市町村や医師会等とも連携しながら取り組んでおり,これらを加速化するため,先月5日から10日まで,鹿児島市,霧島市,奄美市に臨時の接種会場を設け,約2,300人の県民の方に接種を行ったところです。
陽性者を早期発見し,感染拡大防止を図るため,感染に不安を感じる無症状の県民の方々などを対象に,PCR検査等の無料検査を今月末まで延長して実施しているところです。
医療提供体制の確保や感染防止対策に取り組む一方で,県内経済の早期回復を図るためには,新型コロナウイルス感染症の影響を大きく受けている飲食業や観光・宿泊業などへの支援を行うことが重要であると考えております。
消費意欲喚起の割引クーポンについては,引き続き,県民の消費意欲を喚起するため,飲食サービス,特産品等の購入に利用できるクーポンを発
行しており,本年度においては,これまで,8回の配信で約188万枚が使用されたところです。
また,コロナ禍において原油価格や物価高騰の影響を受けている生活者を支援するとともに,地域経済の活性化を図るため,市町村が実施するプレミアム商品券の発行等を支援することとしており,現在,全市町村において実施に向けた取組を進めているところです。
観光需要の回復に向けては,これまで九州ブロックを対象に行ってきた「今こそ鹿児島の旅(第2弾)」を今月末まで延長したところであり,7月中旬からは県外観光客向けにタクシー・レンタカーや体験プログラムの料金割引を実施しているところです。
外国人観光客の受入については,入国者総数の上限などに一定の制約があることから,現時点では,本県への入込は少ない状況ですが,県としては,インバウンドの早期回復に向け,県内在住外国人を活用した情報発信による本県の認知度向上や受入体制の整備などに取り組んでおります。
県としては,引き続き,感染状況の変化に適切に対応し,感染防止対策の徹底を図りつつ,効果的な需要喚起策を切れ目なく展開してまいります。
感染拡大が高い水準で続く極めて厳しい難局に直面しておりますが,引き続き強い警戒感を持って感染状況を注視しつつ,専門家の御意見も伺いながら,感染防止対策に取り組んでまいります。
県民の皆様におかれましては,引き続き,御家庭へ感染を持ち込まないよう十分注意するとともに,場面に応じた正しい方法でのマスクの着用,手指消毒やこまめな換気,人との距離の確保,外出の際には感染リスクの高い場所を避けるなどの基本的な感染防止対策を今一度徹底していただきますようお願いいたします。また,発熱や風邪症状などの体調不良を感じた時には,出勤や外出等を控えて医療機関を受診いただきますようお願いいたします。ワクチン接種については,重症化予防効果や発症予防効果が回復するとされていることから,接種を希望される方は早めに接種していただきますよう,改めて御理解と御協力をお願いいたします。
特に,重症化リスクの高い高齢者等を守るための取組や,感染者の急増に伴って逼迫しつつある医療現場を守るための取組に対し,御理解と御協力をお願いいたします。
今後も,まずは新型コロナウイルス感染症への対応が最優先であると考えており,感染防止対策をしっかりと講じ,検査体制及び医療提供体制の確保・拡充に取り組み,県民の皆様の安心・安全と,経済社会活動の両立が図られるよう,引き続き,緊張感を持って取り組んでまいります。

さて,我が国経済は,緩やかに持ち直しているところです。
先行きについては,感染対策に万全を期し,経済社会活動の正常化が進む中で,各種政策の効果もあって,景気が持ち直していくことが期待されますが,世界的に金融引締め等を背景とした海外景気の下振れが我が国の景気を下押しするリスクとなっております。また,物価上昇による家計や企業への影響や供給面での制約等に十分注意する必要があります。
県内経済は,緩やかに持ち直しているところでありますが,海外情勢や急激な円安などの影響で先行きの不透明感が強くなっているところです。
こうした中,国においては,本年4月に策定した「コロナ禍における『原油価格・物価高騰等総合緊急対策』」を実行するとともに,「物価・賃金・生活総合対策本部」において,物価・景気の状況を把握し,予備費を機動的に活用しながら,状況に応じた迅速かつ総合的な対応に切れ目なく取り組むこととしております。
また,本日,同本部において,食料品価格高騰対策,エネルギー安定供給対策,地方創生臨時交付金の増額を主な内容とする追加策を取りまとめることとしております。
県としては,直面する物価高騰による影響を緩和するための対応を緊急かつ機動的に実施するとともに,コロナ禍からの経済社会活動の回復を確かなものとするため,国の施策とも連携して,燃料油や飼料の価格高騰に対する交通事業者や生産者への支援,市町村が実施するプレミアム商品券の発行支援による生活者への支援など,本年度6月補正予算に計上した各種の事業を円滑かつ迅速に推進しているところであり,今回の補正予算においても,農業用被覆資材や肥料,燃料油の価格高騰に対する生産者や運輸事業者への支援など,更なる対策を講じることとしたところです。
また,今回示される国の追加策の内容を踏まえ,速やかに必要な対応を講じてまいりたいと考えております。
今後とも,県内経済の早期回復に向けて取り組んでまいります。

私としては,新型コロナウイルス感染症や原油価格・物価高騰への対応などに最優先で取り組みつつ,本県の基幹産業である農林水産業,観光関連産業など鹿児島の「稼ぐ力」の向上,地域や各種産業を支える人材育成,結婚・出産・子育てしやすい環境の整備や高齢者が健やかで生きがいが持てる社会の形成など,「かごしま未来創造ビジョン」に掲げた各般の施策に積極的に取り組むことにより,「誰もが安心して暮らし,活躍できる鹿児島」を目指してまいりたいと考えております。
今後とも,「県民の皆様と一緒に鹿児島の今と未来をつくる」ということを基本として,「誠実に」,「着実に」県政の推進に全力を挙げて取り組んでまいります。
県議会の皆様方をはじめ,県民の皆様方の御理解と一層の御支援を心からお願い申し上げます。

次に,最近の県政の展開の中で主な事項について御報告申し上げます。

馬毛島における自衛隊施設の整備等については,6月27日に関係市町長へ環境影響評価準備書に対する意見を照会し,先月15日までに準備書に対する意見をいただいたところです。また,7月17日から18日にかけて県環境影響評価専門委員等による現地調査を実施し,先月29日までに,専門委員から御意見をいただいたところです。
県としては,これらの意見等を勘案し,来月17日までに環境保全の見地からの知事意見を国に述べてまいりたいと考えております。
7月20日には,8回目の国と西之表市の協議が実施され,種子島における関連施設の整備や住民との交流の場などについて意見交換が行われたところです。
7月22日には,西之表市長が防衛大臣を訪問し,航空機騒音対策や安心・安全など21項目にわたる確認事項を提出し,先月10日には,国から西之表市へ,確認事項に対する回答があったところです。
これを受け,西之表市においては,先月16日から22日にかけて,7回にわたり,住民説明会を実施したところです。
また,先月25日には,西之表市長とお会いし,準備書についての市の意見の考え方や,確認事項に係る国からの回答に対する市の見解,住民説明会の結果などについて,伺ったところです。
今月2日には,西之表市議会において,市長が,まだ市民の不安解消には至っておらず,現時点で,同意不同意が言える情況にはないこと,今後とも,市民の安全・安心を守る立場から,市民の不安と期待に対する,更なる具体的な措置を講じるよう国に求めること,今後,国による馬毛島の基地整備計画の進展により,市に求められる行政手続等があれば,適切に対応することなどの,現段階における御自身の考えを示されたところです。
今月5日には,9回目の国と西之表市の協議が実施され,馬毛島小中学校跡地や市道認定,宿舎用地の取扱について意見交換が行われたところです。
今後,これまでの国による説明や地元の意見を踏まえるとともに,環境影響評価の手続を進めた上で,県としての考え方を整理してまいりたいと考えております。
米軍無人機の鹿屋航空基地への一時展開については,住民の生活上の不安が生じないようにすることが重要であるとの考えから,一時展開の期間が1年間であることや騒音の影響,米軍関係者の基地外での行動,事件・事故への対応等について,国に説明を求めたり,問合せを行うなどしてきたところです。
また,7月14日には,鹿屋市長とお会いし,一時展開の受入を判断された経緯や考え方,地元の動向等について伺ったところです。鹿屋市長は,これまでの国の説明や住民説明会等における住民の意見を踏まえた市からの質問,要望等に対する国の回答,市議会での受入決議などを踏まえ,受入もやむなしと判断されたとのことでありました。
県としては,国において一時展開に当たっての安全対策に係る必要な対応等を講じることとしていることを勘案するとともに,鹿屋市長及び市議会が判断された内容を重く受け止め,これを尊重したいと考え,受入はやむを得ないものとの考えに至ったところであり,7月19日に,その旨を表明したところであります。
また,同日,国に対し,安全対策等に万全を期すことなどを,書面により要請するとともに,7月21日には,私自ら防衛省に足を運び,防衛副大臣に対し,直接,県の考えをお伝えしたところです。
先月4日には,在日米軍副司令官が来訪された際に,副知事から同副司令官に対し,米軍関係者による事件・事故の防止等について要請したところです。
また,県として,県民からの相談窓口を先月1日に設置するとともに,国,県警察,消防機関,鹿屋市をはじめとする県内市町村との連絡体制の構築,関係医療機関,学校等に対する現地連絡所等の相談窓口の周知,レンタカーなどの関係事業者等に対する米軍関係者への交通法規の周知依頼などに取り組んでいるところです。
引き続き,国や鹿屋市等と緊密に連携を図りながら,住民の安心・安全が確保されるよう,しっかりと取り組んでまいりたいと考えております。
スポーツ・コンベンションセンターについては,PFI等手法の導入に関する民間事業者の意見・要望や参入意欲等を把握するため,7月中旬から先月にかけて,民間事業者への意向調査を行ったところです。
また,整備予定地の地盤の強度等を把握するため,6月下旬から先月にかけて,現地でのボーリング調査を行ったところです。
県としては,スポーツ・コンベンションセンターが,スポーツ振興の拠点機能に加え,多目的利用による交流拠点機能を備えた施設として,また,県民や観光客が気軽に立ち寄れる開かれた施設として,さらに,中心市街地との回遊性を高め,大きな経済波及効果をもたらす施設として,永年にわたり県民の皆様に親しまれ,誇りとなる施設となるよう,着実に整備に向けた取組を進めてまいります。
整備に当たっては,県議会における付帯意見の内容も踏まえ,これらの検討状況について県議会に丁寧に御説明し,御論議いただくとともに,関係機関・団体等と緊密に連携を図りながら取り組んでまいります。
鹿児島港本港区エリア一帯の利活用については,スポーツ・コンベンションセンターの基本構想や港湾としての機能を踏まえつつ,県全体に経済効果を波及させていくという視点を念頭に置いて,錦江湾を活かした観光振興や集客施設の整備など,同エリアを巡る様々な御意見もお聞きしながら,検討を進める必要があると考えております。
このため,経済団体,まちづくりや都市計画の専門家,中心市街地の商店街代表者,鹿児島市等で構成する「鹿児島港本港区エリアの利活用に係る検討委員会(仮称)」を新たに設置することとし,これに要する経費を今回の補正予算に計上しているところです。
水俣病対策については,認定申請をされたお一人お一人に,居住歴や魚介類の摂取状況等を聴き取る疫学調査や医師による所要の検診を実施した上で,6月に認定審査会を開催し,審査会の答申を踏まえて,先月,申請者に結果を通知したところです。
今後とも,水俣病対策の円滑な実施に取り組んでまいります。

(誰もが個性と能力を発揮し活躍できる社会の実現)
ジェンダー平等・男女共同参画の推進については,職場におけるジェンダー平等の実現に向け,男女がともに働きやすい職場づくりを進めるため,事業所等へのアドバイザーの派遣や,各分野で働く女性から広く意見を聴く女性ワーキンググループなどを実施したところです。
重度心身障害者医療費助成制度については,今月2日に,市町村や医師会,審査支払機関等で構成する関係者会議を開催し,支給方式の変更や支給対象者の拡大など,制度変更の基本的な枠組みに関し御了承いただいたところです。
県としては,引き続き,制度設計の詳細について関係者と調整を進めてまいります。

(結婚,妊娠・出産,子育ての希望がかなう社会の実現)
ヤングケアラーについては,今月1日から小学6年生,中学生,高校生の約1万5千人を対象とした,家族のケアの状況や支援ニーズ等の実態調査を実施しております。県としては,この調査結果等を踏まえつつ,市町村等と連携しながら,ヤングケアラーへの適切な支援が行われるよう取り組んでまいります。
児童虐待防止対策については,「一時保護所の在り方等検討委員会」の報告書を踏まえ,新たな児童相談所設置に向けた検討を進めてきたところです。
県としては,同委員会からの提案を踏まえ,早期の児童相談体制の充実を図る観点から,北薩地域3市2町及び伊佐市,湧水町を管轄区域とする,新たな児童相談所を北薩地域振興局さつま庁舎に,令和5年4月に開設したいと考えております。

(健康で長生きできる社会の実現と良質な医療・介護の確保)
がん対策の推進については,がんに対する正しい理解の促進とがん検診受診率の向上を図るため,専門家の方々から幅広く御意見を伺いながら,がんに関連する本県独自の情報を掲載した普及啓発資材を作成し,全ての小中学校,高等学校等の児童生徒や市町村,職場の健康づくり賛同事業所等へ配布したところです。
また,7月には,がん患者団体が実施している「いのちの授業」に合わせて,職員が学校を直接訪問し,教職員に対し,本資材の活用方法について説明を行い,先月には,がん対策推進連携協定締結企業等16社を訪問し,本資材の配布及び説明を行ったところです。
今後も,こうした取組を継続して行い,多くの団体において本資材が活用され,がんに対する正しい理解の促進やがん検診受診率の向上が図られるよう努めてまいります。
認知症施策の推進については,今月18日から24日までの「認知症を理解し一緒に歩む県民週間」に合わせて,鶴丸城御楼門をはじめ県内6か所を認知症支援のシンボルカラーであるオレンジ色でライトアップするほか,今回新たに,認知症の方と接する機会の多いコンビニエンスストアの店長等を対象とした認知症サポーター養成講座を実施するなど,認知症に対する正しい理解の普及啓発と認知症高齢者等に優しい地域づくりに向けた気運の醸成を図ってまいります。

(地域を愛し世界に通用する人材の育成と文化・スポーツの振興)
今年度の全国学力・学習状況調査の結果については,小学校は,国語,算数はほぼ全国平均と同等となり,理科は全国平均を上回りました。中学校は,数学は全国平均を下回りましたが,国語,理科については,悉皆調査が再開された平成25年度以降,初めて全国平均と同等となりました。
今後とも,市町村教育委員会とも連携しながら,更なる教員の指導力の向上を図り,児童生徒の確かな学力の定着に取り組んでまいります。
来年7月の開催まで残すところ1年を切った第47回全国高等学校総合文化祭鹿児島大会(2023かごしま総文)については,大会を広く県民の皆様にPRするため,7月25日に,1年前イベントとして,県庁1階ロビーにおいてカウントダウンボード除幕式,AMU広場において高校生によるPRイベントを実施いたしました。
今後とも,開催市町や関係機関と連携を図りながら,各種広報活動を行い,大会の開催に向けた気運の醸成を図ってまいります。
「かごしま国体・かごしま大会」については,開催気運の更なる醸成のため,今月3日,4日に,鹿児島市において,400日前イベントを開催し,障害者スポーツ体験やパネル展示によるPR活動などを実施したほか,今月7日には,指宿市において,来県者を花いっぱいでお迎えするための花苗引渡し式を実施いたしました。
来月16日には,鹿児島市において,1年前イベントを開催することとしており,併せて「ゆめ~KIBAIYANSE~ダンス」の更なる普及を図るため,ダンスコンテストを実施することとしております。
また,来年,奄美群島が日本に復帰して70周年という記念すべき年に,大島地区で初めて国体が開催されることから,同地区で実施される競技に「奄美群島日本復帰70周年記念」の冠称を付することについて,本年6月に,スポーツ庁及び日本スポーツ協会に要望していたところ,先月25日に,冠称を付与することが承認されました。
「かごしま国体」に向けた競技力の向上については,先月24日に,活躍が期待される少年選手にジュニアアスリート認定証を授与し,本県代表選手候補としての意識の醸成を図ったところであり,引き続き,天皇杯・皇后杯の獲得に向け,競技団体と連携しながら強化練習会や優秀な指導者の招へいなどに取り組んでまいります。
両大会が「コロナ禍からの再生と飛躍」を象徴する大会となることを目指し,県民はもとより,全国の皆様にとっても素晴らしい,思い出に残る希望に満ちた大会となるよう,市町村や関係団体等と力を合わせて,開催に向け着実に準備を進めてまいります。

(脱炭素社会の実現と豊かな自然との共生)
地球温暖化対策については,2050年カーボンニュートラルの実現に向けて,現在,県地球温暖化対策実行計画の見直しに取り組むとともに,電気自動車の購入や企業における省エネ設備導入への支援等を行っているところです。6月30日には,「地球環境を守るかごしま県民運動推進大会」において,県下160団体で構成される地球環境を守るかごしま県民運動推進会議として,「2050年カーボンニュートラルを目指して,構成メンバーが一体となって,地球温暖化対策などの環境保全活動になお一層取り組むことにより,脱炭素社会の実現に貢献する」旨の大会宣言がなされたところです。
今後とも,県民,事業者,行政が力を合わせて,一体となって地球温暖化対策を積極的に推進してまいります。
再生可能エネルギーの導入促進については,今後,学識経験者や県内企業の代表者等で構成する再生可能エネルギー推進委員会を開催するなど,今年度中の新たな再生可能エネルギー導入ビジョン策定に向けた取組を進めてまいります。
また,エネルギーの自給率の向上,非常時のエネルギーの確保,雇用創出による地域活性化を推進する観点から,民間事業者等の自立・分散型エネルギー設備の導入や再エネ設備と蓄電池を併用した先進的な取組への支援等を行っております。

(安心・安全な県民生活の実現)
桜島については,7月24日の噴火を受け,鹿児島地方気象台が噴火警戒レベルをレベル3の入山規制からレベル5の避難に引き上げたことから,鹿児島市が避難指示を発令し,同市有村町,古里町の一部の33世帯51名の方々が避難されました。
県においては,噴火警戒レベルの引き上げと同時に災害対策本部を設置し,防災関係機関からのリエゾン受入や,鹿児島市,気象台及び火山専門家等で構成する桜島火山防災連絡会を開催するなど,迅速な情報の収集・共有に努めたところです。
現在,噴火警戒レベルは,引き上げ前のレベル3となっており,引き続き,関係機関と連携を図りながら,桜島の火山活動の状況を注視してまいります。
川内原発については,7月6日に開催した県原子力安全・避難計画等防災専門委員会において,九州電力から,1号機の定期検査結果等について報告がなされ,県からは,原子力防災アプリを含む原子力災害時住民避難支援・円滑化システムや原子力防災訓練の概要等について説明を行ったところです。
委員からは,同システムの活用や原子力防災訓練の実施に向けた留意点等について,活発な議論がなされたところです。
また,同委員会では,「川内原子力発電所の運転期間延長の検証に関する分科会」の開催状況等の報告がなされた後,今後の検討方針を御議論いただいたところです。
その後,先月2日に開催した第4回の同分科会及び今月6日に開催した第5回の同分科会において,九州電力から川内原発1号機の原子炉容器や格納容器の特別点検結果,30年目高経年化技術評価結果についての説明等がなされたところです。
引き続き,同分科会において,運転期間延長に関する科学的・技術的な
検証を行ってまいります。
今年度の原子力防災訓練については,県の専門委員会の御意見等を踏まえながら,2月11日に実施する方向で関係市町などと調整を進めているところです。
今後とも,県民の生命と暮らしを守る観点から,川内原発の安全対策・防災対策の充実・強化に取り組んでまいります。
自衛隊による離島からの急患搬送については,南北600キロメートルの県土に多くの有人離島を有する本県にとって,県民の生命に関わる重要な問題であることから,令和4年度末をもって鹿屋航空分遣隊を廃止するとの方針に対し,離島からの急患搬送体制が維持されるよう,これまで,国への要望を行ってきたところです。
7月21日には改めて防衛省を訪問し,今後,代替する部隊・機材の配置なども含め,あらゆる手法を検討し,これまで鹿屋航空分遣隊が担ってきた離島急患搬送体制と同程度の時間で急患搬送が行えるよう,防衛省・自衛隊として,責任を持って確実に体制を構築することを強く要請したところです。引き続き,具体的かつ実効性のある搬送体制が構築されるよう,防衛省等関係機関と協議を行ってまいります。

(快適な生活環境の向上と世界につながる県土の創造)
高規格幹線道路である南九州西回り自動車道については,7月20日に鹿児島・熊本両県選出の国会議員等とともに,国に対し,予算の確保と整備促進について要請を行ったところです。
地域高規格道路については,北薩横断道路や大隅縦貫道などにおいて着実に整備を進めているところであり,引き続き,高規格幹線道路や地域高規格道路の早期供用に向け,国と一体となって整備に努めてまいります。

(個性を生かした地域づくりと移住・交流の促進)
移住・交流の促進については,地方移住への関心が高まっているこの機会を逃すことなく取り組むことが重要であると考えており,より鹿児島の魅力が伝わるホームページへのリニューアルや動画の作成など,情報発信の強化に努めているところです。私も今月21日に放送される予定の移住をテーマとしたBSテレビの番組に出演し,本県の食や自然,移住地としての魅力をPRすることとしております。
また,県内企業と県外企業との交流を目的とした「かごしまワーケーションモデルツアー」を実施し,持続的な関係人口の拡大につなげるとともに,南大隅町と屋久島町において民間事業者等が行うワーケーションの拠点施設の整備に対して支援を行っているところです。

(多様で魅力ある奄美・離島の振興)
奄美群島の振興については,令和5年度末に期限を迎える奄美群島振興開発特別措置法の延長に向け,今年度は,奄美群島の現状,課題を総合的に調査・分析することとしております。
今後,この調査の結果などを踏まえ,奄美群島の自立的発展に向けた今後の振興開発の方向・方策を明らかにしたいと考えており,国や地元市町村と協力して法の延長に向け最大限の努力をしてまいります。
また,今年度末で期限切れとなる離島振興法については,先の国会への改正法案の提出は見送られたことから,同法の早期成立に向けて,県議会,県選出国会議員の皆様方や関係市町村等と一体となって要望活動を行ったところであり,現在,次期国会への提出に向け調整が行われているところです。
昨年7月の登録から1年が経過した奄美の世界自然遺産については,7月26日に国が整備を進めていた「奄美大島世界遺産センター」がオープンし,遺産地域の保全管理及び観光管理の拠点としての活用が期待されるところです。県としては,今後とも,国や地元市町村等と連携を図りながら,奄美の世界自然遺産としての価値の維持,自然環境の保全と利用の両立などに取り組んでまいります。

(農林水産業の「稼ぐ力」の向上)
令和3年度県産農林水産物の輸出については,令和2年度の約214億円に対し,約45パーセント増の約311億円と,平成23年度の公表開始以降,最高額を更新し,「鹿児島県農林水産物輸出促進ビジョン」における令和7年度の目標額300億円を超える実績となりました。
主な要因としては,輸出額の約37パーセントを占める牛肉や,約34パーセントを占める養殖ブリについて,米国等における経済の回復とともに外食向け需要が増加したことなどがあるものと考えております。
県としては,同ビジョンに掲げた輸出目標額を4年前倒しで達成したことから,更なる輸出促進に向けて,新たな目標額を設定したいと考えております。
今後とも,重点国・地域に対する戦略的な取組など,官民一体となって輸出拡大に取り組んでまいります。
サツマイモ基腐病対策については,本年1月に策定した「鹿児島県サツマイモ基腐病対策アクションプログラム」に基づき,蒸熱処理装置の活用による健全種いも確保などの取組や,ほ場の排水対策や定期巡回による異常株の早期抜き取りなどの指導等に取り組んできており,今月1日時点において,葉やつるに1株でも基腐病の症状がみられたほ場は,昨年度の同時期と比べて少ない状況にあります。
今年産については,引き続き予防防除や排水対策などの徹底を周知するとともに,次年産に向けては,収穫後のほ場に残るいもやつるなどの速やかな持ち出しと耕うん,健全な種いもの確保を指導することとしております。また,排水対策や土層改良を更に進めるための経費を今回の補正予算に計上しているところです。今後とも,関係機関・団体と一体となって,サツマイモ基腐病対策に総合的に取り組んでまいります。
いよいよ来月に迫った「第12回全国和牛能力共進会鹿児島大会」については,先月28,29日に県最終予選会を開催し,「種牛の部」16頭,「肉牛の部」7頭,「高校及び農業大学校の部」1頭,計24頭を県代表牛として選抜したところです。
私も県最終予選会において,県代表となる候補牛を拝見したところでありますが,これまでの生産者をはじめ関係の皆様の全共鹿児島大会に向けた取組の成果が現れ,本県を代表するにふさわしい精鋭ぞろいとなっており,「和牛日本一」獲得へ向け,大変心強く感じました。
現在,県代表牛は,最終の仕上げ段階を迎えており,万全の状態で大会に臨めるよう,健康管理に努めるとともに,巡回等による飼養管理の徹底を図っているところです。
また,これまで実施してきた県内外でのイベントやSNS等での周知に加え,羽田空港や博多駅での大型ビジョンによる動画放映のほか,テレビやラジオCMの放送など,大会のPRに努めているところです。
本大会は,県内外から訪れる多くの方に鹿児島の魅力をアピールする絶好の機会であることから,引き続き,大会のPRに努めるとともに,本県大会での「和牛日本一」の獲得に向けて,全力で取り組んでまいります。
林業の振興については,昨年施行された「脱炭素社会の実現に資する等のための建築物等における木材の利用の促進に関する法律」に基づき,7月に「鹿児島県建築物等木材利用促進方針」を策定し,公共建築物はもとより,民間建築物を含む全ての建築物の木造化や木質化などを促進することとしたところです。
県としては,今後,同方針に基づき,関係機関・団体等と連携を図りながら,非住宅建築物等の木造化などをより一層促進し,更なる県産材の利用拡大に努めてまいります。
水産業の振興については,県水産技術開発センターが国からの委託を受けて,ニホンウナギ仔魚の飼育実証試験に取り組んでおり,今般,都道府県の飼育試験としては初めて仔魚から稚魚への変態が確認されたところです。ウナギ養殖生産量日本一の本県としては,国などと連携し,人工種苗の大量生産に向けた研究を更に進めてまいります。

(観光の「稼ぐ力」の向上)
新たなPR戦略の策定については,これまで有識者による検討会議を3回開催し,現在,素案のとりまとめを行っているところです。
今後,県議会をはじめ,県民の皆様方の御意見もお聞きしながら,本年12月を目途に新たな戦略を策定することとしております。
観光の振興については,新型コロナウイルス感染症の収束後も見据え,県外からの誘客を促進するため,屋久島と奄美を周遊する旅行商品の造成支援や,交通事業者との連携によるプロモーション,SNSを活用した情報発信等を積極的に行っているところです。
また,桜島における火山活動に伴う風評被害の軽減を図るため,桜島及びその周辺地域の状況に関する正確な情報発信やPR活動を積極的に展開しているところです。

(企業の「稼ぐ力」の向上)
県庁18階コワーキングスペース「かごゆいテラス」については,起業家精神の養成やビジネスの創出につながるセミナーの開催,よろず支援拠点による相談会を実施しているほか,県内コワーキングスペースのネットワーク化を図っているところです。
スタートアップの創出・育成については,6月24日に「かごしまスタートアップ推進協議会」を立ち上げ,スタートアップ支援の必要性について共通認識を図るとともに,情報共有や意見交換を行い,スタートアップが自発的・連続的に生み出される仕組みの形成に努めているところです。
また,新たな産業の創出に取り組む企業等に対し,ニーズの掘り起こしから,事業化・販路拡大まで,各段階に応じた支援を総合的に行うこととしており,7月までに医療用ロボット分野への参入など,12件の取組を採択したところです。
宇宙関連産業については,6月30日に県宇宙ビジネス創出推進研究会を立ち上げ,県内外の関連企業や関係機関が集う新たなコミュニティを形成し,ビジネス展開の可能性等について情報交換等を行ったほか,先月25日に機器等の試験研究・試行の補助2件を採択したところです。
ドローン関連産業については,地域課題解決型実証実験を支援することとしており,これまで離島における物流分野1件を採択したところです。今後,12月に予定されている有人地帯上空での目視外飛行が可能な,いわゆるレベル4飛行の解禁に向けて,他の地域や分野での実証実験を行うこととし,これらに要する経費を今回の補正予算に計上しているところです。
来月,パリのルーブル美術館において「日本の食文化を世界に」をテーマに開催される「北前船寄港地フォーラム」に併せて,本県の認知度向上に加えて,現地のバイヤーや観光関係者との人的ネットワークの構築を図るため,県産品や観光のPRを行うトップセールスを実施することとしております。
また,本格焼酎に関しては,県外の大手酒販店等と連携して,首都圏や東北地方を中心に全国の約650店舗で,新たな飲み方や家飲み需要を提案する消費拡大キャンペーンを7月から開始したほか,先月16日から17日にかけて,フランスで日本産酒類の普及活動に取り組むKuraMaster協会の代表者を本県に招き,蔵元視察や意見交換を通じて県産本格焼酎の伝統や魅力などの理解を深めていただきました。
今後とも,関係団体と連携しながら,県産品の認知度向上と販路拡大に努めてまいります。

(多彩なキャリアをデザインできる働き方の創出)
県内の雇用情勢については,7月の有効求人倍率は前月より0.02ポイント上昇し,1.38倍となっており,24か月連続で全国平均を上回っているところです。
県としては,来春卒業予定の高校生の県内就職促進に向け,6月末に県内企業に対し,求人票の早期提出・早期選考の実施や企業の魅力・認知度向上への取組等を要請するとともに,7月上旬には「県内企業と高校等就職担当者との情報交換会」を開催いたしました。
県の就職情報提供サイト「かごJob」については,県内企業への就職を希望する方々が,これまで以上に県内企業の情報へ容易にアクセスできるようにするため,多くの民間就職サイトとの連携や,検索機能の拡充などのリニューアルを行うこととしており,これらに要する経費を今回の補正予算に計上しているところです。
今後とも,国や関係機関と連携しながら,新規学卒者の県内就職やUIターンの促進に努めてまいります。
本県における外国人労働者の半数以上を占めるベトナムとは,経済交流などの関係強化を図ることとしており,駐日ベトナム大使館等との共催により,7月15日に「ベトナム・鹿児島経済交流セミナー」,同月16日から18日にかけて「ベトナムフェアin鹿児島2022」を開催いたしました。
今後とも,経済交流の促進や観光・特産品等のPRの推進を図り,同国との関係強化に取り組んでまいります。

(デジタルテクノロジーを活用した県民の暮らしの質の向上)
デジタル化の推進については,本年6月,様々な分野の専門的な知識を有する県DX推進アドバイザーによる相談窓口を設置したところであり,同窓口を活用しながら,市町村や民間におけるデジタル化の取組を支援してまいります。
中小企業のデジタル化については,DXによる競争力向上や新事業展開等を支援するため,県内中小企業のデジタル技術導入に向けた計画策定支援を行っており,また,7月1日には県中小企業DX支援プロジェクトのサイトを開設し,各種セミナーの案内や個別相談への対応を行っているところです。

(持続可能な行財政運営)
地域振興局・支庁の庁舎については,最も老朽化が進行した南薩地域振興局の庁舎について,令和9年度末頃までの建替えが必要なことが明らかとなったことから,地元自治体や関係団体の御意見も丁寧にお聞きしながら,建替えに向けた検討を早急に進めてまいります。また,建設年から一定年数経過している他の地域振興局・支庁の庁舎についても,劣化状況調査等を行い,その建替え時期を精査するため,必要な経費を今回の補正予算に計上しているところです。
公文書の管理に関する条例については,昨年12月の県議会の政策提言を踏まえ,県民に対する政策形成過程のより一層の透明化などの観点から,公文書の適正な管理や歴史公文書の適切な保存・利用等を規定した条例案を来年の3月議会に提案したいと考えております。
提案に向けては,条例の骨子案について今議会で御論議いただくとともに,パブリックコメントを実施した上で,県議会や県民の皆様方からいただいた御意見も踏まえ,条例案の最終的な内容をとりまとめたいと考えております。
「知事とのふれあい対話」については,7月18日に大崎町,7月30日に鹿児島市で開催し,各会場において,県民の皆様と地域の現状や課題,振興策等について,率直な意見交換を行ったところです。
今後とも,できるだけ早期に全市町村において開催し,県民の皆様の声を県政に反映するとともに,透明で開かれた県政運営を行ってまいります。

県議会の皆様方をはじめ,県民の皆様方の御理解と一層の御支援を心からお願い申し上げます。

次に,補正予算の概要について御説明申し上げます。
今回の補正予算は,生産資材や燃料の価格高騰の影響を緩和するための生産者や運輸事業者への支援,新型コロナウイルス感染症に係る医療提供体制の整備に要する経費のほか,7月の大雨による被害に対する災害復旧事業等に要する経費等を計上することとしております。
補正予算の総額は,一般会計で94億63百万円であり,この結果,補正後の一般会計の予算額は,8,925億34百万円となっております。この財源については,地方交付税,国庫支出金,財産収入などをもって充てることとしております。
また,特別会計の補正予算額は,病院事業特別会計の62百万円となって
おります。
このほか,予算外の議案として「地方公務員法の一部を改正する法律の施行に伴う関係条例の整備等に関する条例制定の件」など,条例案5件,その他の議案10件,報告1件となっております。
何とぞよろしく御審議の上,議決していただきますようお願い申し上げます。

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