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更新日:2022年6月7日

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令和4年第2回県議会定例会提案理由説明要旨

令和4年第2回県議会定例会の開会に当たりまして,当面する県政の諸問題の推移及び今回提案しております議案その他の案件につきまして,概要を御説明申し上げます。


まず,新型コロナウイルス感染症については,全国的には,まん延防止等重点措置の解除以降,新規感染者数は大都市圏を中心に減少傾向にあり,ゴールデンウィーク以降も,地域により差異はあるものの,緩やかな減少傾向になっております。
本県においては,3月下旬以降,新規感染者数が急激に増加に転じ,4月に入ってからは,鹿児島市をはじめとする都市部を中心に感染が拡大したことに伴い,4月26日には過去最多となる974人の新規感染者が確認されたところであります。
この間,県においては,爆発的感染拡大警報を継続していたところですが,このような状況を受け,改めて県民の皆様に,ゴールデンウィーク期間中の体調管理の徹底に加え,外出や移動,会食や部活動等の様々な場面での基本的な感染防止対策の徹底をお願いしたところであります。
ゴールデンウィーク後も,学校や家庭等での感染が続いており,新規感染者数は依然として高い水準で推移しているものの,最近では緩やかな減少傾向がみられるところであります。
そのような中,現在,病床使用率はおおむね30パーセント前後で推移しております。先月30日現在で重症患者は0人,酸素投与の必要な中等症Ⅱの患者は37人であり,現時点では,医療提供体制が逼迫しているという状況ではないと考えております。
しかしながら,今後もこのまま新規感染者数が高い水準で推移しますと,感染リスクの高い高齢者や基礎疾患を有する方への感染拡大も懸念され,重症者の増加や医療提供体制への影響も懸念されるところであります。
医療提供体制の確保については,医師会等の御協力を得ながら,受入病床の確保に取り組み,一般医療との両立が維持可能な確保病床について,560床を確保するとともに,宿泊療養施設についても,先月12日に霧島市に新たな施設を開所し,2,191室を確保しているところであります。
感染者数が高い水準で推移する中,軽症・無症状の方で,宿泊療養施設への入所を希望されない方々に対して,県では,パルスオキシメーターを配布し,保健所による健康観察に万全を期すとともに,希望する方に対して生活物資の支援を行っているところであります。
また,県では,積極的疫学調査や健康観察などの保健所業務の増加に対応するため,県庁全体で応援体制を整えるとともに,市町村の協力や民間事業者を通じて人員確保を行っているところであります。加えて,鹿児島市保健所に対し,民間事業者の活用に対する支援を行っているところであります。
新型コロナウイルスワクチンの3回目の追加接種については,現在,市町村や医師会等とも連携しながら取り組んでいるところであり,全人口に対する接種率は約60パーセントとなっております。
県では,若年層を中心に感染が拡大していることから,若年層等のワクチンの追加接種を加速化するため,4月26日から先月1日まで,鹿児島市,霧島市の2か所に大規模接種会場を設け,約3千5百人の県民の方を対象に接種を行ったところであります。
また,現在,3回目接種から5か月以上が経過した60歳以上の方や,18歳以上で基礎疾患を有する方などを対象とした4回目の追加接種について,市町村と連携しながら取り組んでいるところであります。
陽性者を早期発見し,県内の感染拡大防止を図るため,感染に不安を感じる無症状の県民の方々などを対象にPCR検査等の無料検査を今月末まで延長して実施しているところであります。現在,薬局や医療機関,民間検査機関など230を超える事業者が登録されており,鹿児島中央駅や鹿児島空港,鹿児島港新港区の検査場をはじめ,登録した医療機関や薬局などにおいて,先月31日現在で,約18万6千件の検査を行い,5,435人の陽性者が確認されました。今後とも,関係機関と連携しながら,検査体制の確保に努めてまいります。
高齢者施設や,感染が多い児童施設,学校等における感染防止対策については,各施設での感染防止のための緊急点検の結果を踏まえ,対策が不十分な施設に対して,専門家の御意見を踏まえた助言等を行ったところであります。
特に学校については,部活動やサークル活動,宿舎などでの集団生活に伴う感染が多く確認されていることから,これらの場面で感染が拡大しないよう,各学校や関係団体等に対して,感染防止対策の再徹底についてお願いしたところであります。
また,高齢者施設や児童施設等の従事者,学校の教職員や児童・生徒を対象とした集中的なPCR検査を,先月26日から28日にかけて薩摩川内市で実施したほか,今月以降も,指宿市をはじめ県内4か所で順次実施することとしており,今後ともこれらの施設での感染防止対策に取り組んでまいります。
飲食店の第三者認証制度の推進については,先月27日現在,認証店舗数は4,524店舗となっております。
また,飲食店の第三者認証の取得促進を図るため,令和4年度においても,第三者認証取得店が感染防止対策として行うアクリル板等の物品の整備に要する経費の支援に取り組んでいるところであります。
4月には,県内で初めて第三者認証店でのクラスターが発生したことを受け,第三者認証店に対する予告なしの抽出調査を集中的に実施したところであります。
消費意欲喚起の割引クーポンについては,令和4年度においても,県民の消費意欲を喚起するため,引き続き,飲食サービス,特産品等の購入に利用できるクーポンを発行することとしており,先月9日から開始したところであります。
新型コロナウイルス感染症の拡大により影響を受けた商店街の活性化を図るため,空き店舗活用やイベント開催等によるにぎわい創出に取り組む商店街等を支援することとしており,先月23日より事業の募集を開始したところであります。
本県の観光関連産業は,長引く新型コロナウイルス感染症の影響により,依然として非常に厳しい状況となっております。
このため,県では,本年3月から「今こそ鹿児島の旅(第2弾)」を県民向けに再開するとともに,割引対象を九州各県に順次,拡大しながら,今月末まで事業を延長して実施しているところであります。
今後,全国を対象に,鹿児島GoToトラベル推進事業を実施することとしており,県独自の離島旅行の割引上限額の上乗せ等も行いながら,更なる需要喚起に取り組んでまいります。
また,国においては,これまでの水際措置を見直し,今月10日から外国人観光客の受入を再開することとしております。
県としては,今後,国内外における新型コロナウイルスの感染状況や国の入国制限の見直しなどの情勢を踏まえながら,外国人観光客の誘致に向けた取組を進めてまいります。
観光客の受入環境の整備については,宿泊施設のバリアフリー化や観光関連事業者が行うWi-Fi環境の整備,ワーケーションなどの新たな需要に対応するための取組に対する支援を行っているところです。
また,宿泊施設の感染防止対策に係る第三者認証制度については,本年4月から今年度分の受付を開始し,先月24日現在,534施設の認証を行っているところであります。
県としては,引き続き,感染拡大の状況・変化に適切に対応し,感染防止対策の徹底を図りつつ,効果的な需要喚起策を切れ目なく展開してまいります。
感染拡大が高い水準で続く極めて厳しい難局に直面しておりますが,引き続き強い警戒感を持って感染状況を注視しつつ,専門家の御意見も伺いながら,感染防止対策に取り組むとともに,県民の皆様の御協力をいただきながら,県民の皆様と一緒に乗り越えていきたいと考えております。
県民の皆様におかれましては,令和2年3月に本県で初めての感染者が確認されて以降,2年以上にわたって,基本的な感染防止対策の徹底と各種対策の推進に多大な御協力をいただいておりますことに,心より感謝申し上げます。引き続き,場面に応じた正しい方法でのマスクの着用,手指消毒やこまめな換気,人との距離の確保,外出の際には混雑した場所や感染リスクの高い場所を避けるなどの基本的な感染防止対策を今一度徹底していただきますようお願いいたします。また,発熱や風邪症状などの体調不良を感じた時には,出勤や外出,部活動等を控えて医療機関を受診いただきますようお願いいたします。ワクチン接種については,重症化予防効果や発症予防効果が回復するとされていることから,接種を希望される方は早めに接種していただきますよう,改めて御理解と御協力をお願いいたします。
また,厳しい状況,環境下で,人命を守るため,現場の最前線で献身的な努力をしていただいている医師・看護師等の医療関係者の皆様をはじめ,患者搬送に多大な御協力をいただいている,海上保安庁,自衛隊及び消防機関の皆様など,感染症対応に引き続き御協力をいただいている全ての方々に対しまして,改めて心から感謝申し上げます。
今後も,まずは,新型コロナウイルス感染症への対応が最優先であると考えており,感染防止対策をしっかりと講じ,検査体制及び医療提供体制の確保・拡充に取り組み,県民の皆様の安心・安全と,経済社会活動の両立が図られるよう,引き続き,緊張感を持って取り組んでまいります。

さて,我が国経済は,持ち直しの動きがみられるところであります。
先行きについては,感染対策に万全を期し,経済社会活動の正常化が進む中で,各種政策の効果もあって,景気が持ち直していくことが期待されますが,中国における感染再拡大の影響やウクライナ情勢の長期化などが懸念される中で,供給面での制約や原材料価格の上昇,金融資本市場の変動等による下振れリスクに十分注意する必要があります。
県内経済については,緩やかに持ち直しているところでありますが,燃料や食料などの消費者物価が上昇傾向にあり,特に離島においては,燃料高騰等による影響が大きくなっているところであります。また,農林水産業や交通・運輸事業などの産業活動においても,原油価格・物価高騰により経営に大きな影響が生じているところであります。
こうした中,国においては,まずは,直面する物価高騰による影響を緩和するための対応を緊急かつ機動的に実施するとともに,コロナ禍からの経済社会活動の回復を確かなものとするため,4月26日に,原油価格高騰対策,エネルギー・原材料・食料等安定供給対策,新たな価格体系の円滑化に向けた中小企業対策,コロナ禍において物価高騰等に直面する生活困窮者等への支援を柱とした総合緊急対策を決定したところであります。
県としては,国の施策とも連携して,本年度当初予算及び令和3年度3月補正予算に計上した各種の事業を効果的に展開することにより,県内経済の早期の回復に努めるとともに,今般の対策の内容を踏まえ,速やかに必要な対応を講じてまいりたいと考えております。
新型コロナウイルス感染症の拡大,デジタル化の進展,SDGsの推進,カーボンニュートラルの実現など,昨今の社会経済情勢は大きく変化しております。
私としては,これらに的確に対応しつつ,本県の基幹産業である農林水産業,観光関連産業など鹿児島の「稼ぐ力」の向上,地域や各種産業を支える人材育成,結婚・出産・子育てしやすい環境の整備や高齢者が健やかで生きがいが持てる社会の形成など,本年3月に改訂した「かごしま未来創造ビジョン」に掲げた各般の施策に積極的に取り組むことにより,「誰もが安心して暮らし,活躍できる鹿児島」を目指してまいりたいと考えております。
今後とも,「県民の皆様と一緒に鹿児島の今と未来をつくる」ということを基本として,「誠実に」,「着実に」県政の推進に全力を挙げて取り組んでまいります。
県議会の皆様方をはじめ,県民の皆様方の御理解と一層の御支援を心からお願い申し上げます。

次に,最近の県政の展開の中で主な事項について御報告申し上げます。

薩摩義士による木曽三川の治水工事を機縁に昭和46年に本県と岐阜県が姉妹県盟約を締結してから50周年を迎えた昨年,本県において11月に計画していた記念式典は,新型コロナウイルスの感染拡大のため,やむなく開催を中止したところでありますが,4月24日,岐阜県関ケ原町において,記念式典が開催され,私も県議会議長や関係の方々とともに参加したところであります。
式典に先立って開催された知事対談においては,宿泊クーポンによる観光面での交流促進や宇宙分野での学習講座を通じた子どもの交流促進などに取り組んでいくことを合意したところであり,今後とも,両県の一層の連携・交流促進に努めてまいりたいと考えております。
馬毛島における自衛隊施設の整備等については,4月6日から先月18日にかけて,4回にわたり国と西之表市の協議が実施され,環境影響評価準備書(案)の概要や,地域と自衛隊との連携などについて意見交換が行われたところであります。
国と市との協議において,様々な判断材料が示されることは重要であると考えており,国においては,西之表市の考えを踏まえ,引き続き,協議を重ねていただきたいと考えております。
環境影響評価準備書については,国により,4月20日から先月19日までの間,関係市町等において縦覧されたほか,準備書に関する住民への説明会が開催されたところであります。
今後,住民等から提出された意見の概要と意見に対する事業者の見解を取りまとめた書類が県及び関係市町に送付されることとなっております。
県としては,準備書の内容を精査するとともに,関係市町長や住民等の意見,県環境影響評価専門委員の意見も勘案し,環境保全の見地からの知事意見を国に述べてまいりたいと考えております。
先月20日には西之表市長と,昨日には中種子町長,南種子町長と個別にお会いし,騒音の問題などについて依然として住民の不安の声があるとの意見や計画を着実に前に進めてもらいたいとの意見などを伺ったところであります。
馬毛島における自衛隊施設の整備等については,関係自治体などから様々な意見や要望も出ていることから,国においては,十分な説明責任を果たしていただく必要があると考えております。
今後とも,関係自治体の首長と意見交換を行い,その内容を国にお伝えするとともに,国による説明や地元の意見をお聞きした上で,県としての考え方を整理し,対応を検討してまいりたいと考えております。
米軍無人機の鹿屋航空基地への一時展開については,先月23日に,防衛大臣政務官が来訪されたところであり,私と議長が直接,一時展開検討に係る現地調査結果や一時展開計画の概要などについてお聞きするとともに,私から,住民の生活上の不安が生じることがないようにすることが重要であること,地元への十分かつ丁寧な説明,県への詳細な情報提供に努めていただきたいことなどをお伝えしたところであります。
県としては,国から説明を受けた内容を精査するとともに,鹿屋市長から,御自身のお考えや住民の意見などをお聞きした上で,県としての考え方を整理してまいりたいと考えております。
スポーツ・コンベンションセンターについては,本年2月に作成・公表した基本構想(案)に対する県議会における御論議やパブリックコメントの結果等を踏まえ,3月31日に基本構想を策定したところであり,今後,同構想に基づき,整備に向けた取組を着実に進めてまいります。
今年度は,想定される施設整備費や管理・運営費を少しでも低減させるとともに,県民の皆様に対するより良いサービスを提供する観点から,PPP/PFI手法の導入について調査検討することとしており,先般,公募型プロポーザル方式により委託先を選定し,先月31日に業務委託契約を締結したところであります。
県としては,スポーツ・コンベンションセンターが永年にわたり県民の皆様に親しまれ,誇りとなる施設となるよう,県議会における付帯意見の内容も踏まえ,関係機関・団体等と緊密に連携を図りながら取組を進めてまいります。
鹿児島港本港区エリアにおいては,今般,ドルフィンポート跡地等を整備予定地としたスポーツ・コンベンションセンターの基本構想を策定したところであり,今後,同構想に沿って整備を進めることとしております。
同エリア一帯の利活用については,同構想や港湾としての機能を踏まえつつ,県全体に経済効果を波及させていくという視点を念頭に置いて,錦江湾を活かした観光振興や集客施設の整備など,同エリアを巡る様々な御意見もお聞きしながら,鹿児島市や経済団体など,関係機関・団体等と緊密に連携し,検討してまいります。

(誰もが個性と能力を発揮し活躍できる社会の実現)
ジェンダー平等・男女共同参画の推進については,ジェンダーギャップを解消するため,「かごしまジェンダー平等推進プロジェクト」を通じて,引き続き,企業をはじめ県民の取組に向けた気運醸成を図るとともに,今年度は,国の第5次男女共同参画基本計画や社会経済情勢の変化などを踏まえ,新たな県男女共同参画基本計画を策定することとしております。
重度心身障害者医療費助成制度については,支給方式の変更や支給対象者の拡大など,県の制度変更に係る考え方等について,事業主体である市町村や各関係団体等に対し,個別に説明を行っているところであり,今後,市町村や医師会,審査支払機関等の関係機関・団体等で構成する関係者会議を設置し,制度変更に向けた検討を進めてまいります。

(結婚,妊娠・出産,子育ての希望がかなう社会の実現)
児童虐待防止対策については,「一時保護所の在り方等検討委員会」から,中央児童相談所の一時保護所の在り方や児童相談所の配置の在り方などについて,3月25日に報告書を頂いたところであります。
県としては,一時保護された子どもが自身の意見を自由に表明できる意見箱の設置,書籍や玩具の充実などの環境整備を行ったところであり,引き続き,報告書の内容を踏まえ,児童相談体制の充実に向けた具体的な取組を着実に進めてまいります。

(健康で長生きできる社会の実現と良質な医療・介護の確保)
がん対策の推進については,小中学校,高等学校等の児童生徒のがんに対する正しい理解の促進を図るため,がん診療等に携わる医師や教育委員会等の専門家のほか,がん相談支援センターの相談員やがん患者団体の代表者等から,幅広く御意見を伺いながら,「がん教育」のための副教材を作成しているところであります。
また,本教材を活用した児童生徒への授業が早期かつ円滑に開始できるよう,今月下旬には,授業を担当する教員に対して,教材の使用方法に関する研修を行うなど,授業をはじめ,学校現場での効果的な活用が図られるよう取り組んでまいります。
さらに,事業の実施に当たっては,職員が学校や事業所等を直接訪問し,本教材の内容を説明するとともに,がん患者団体の活動とも連携するなどして,がんに対する正しい理解の促進やがん検診受診率の向上が効果的に図られるよう努めてまいります。
医師の確保対策については,県立大島病院や長島町鷹巣診療所など,離島,へき地等の23か所の医療機関に,昨年度より6人多い46人の地域枠医師を配置したところであり,今後とも,関係機関と一体となって総合的な医師確保対策に努めてまいります。

(地域を愛し世界に通用する人材の育成と文化・スポーツの振興)
鹿児島水産高校の実習船「薩摩青雲丸」については,最新の国際基準に適合した安全設備や安定した航行を可能とする最新の航海機器等を装備した最新鋭の実習船として新たに建造し,4月21日に,完成披露式を行ったところであります。
今後,この実習船で学ぶ生徒たちが,国内外の水産業や海洋関連産業の未来を担う人材として成長することを期待しております。
特別支援教育の充実については,施設の狭隘化や通学時間の課題など特別支援学校の教育環境の改善を検討する「特別支援学校等教育環境改善検討委員会」を設置したところであります。先月30日には第1回委員会を開催し,県内の特別支援学校の現状等について意見交換等が行われたところであります。
今後,同委員会での検討結果等を踏まえて,本県の特別支援学校の教育環境の改善に取り組んでまいります。
来年4月の開校に向けて,鹿児島市南部地区で整備を進めている特別支援学校については,その名称を「鹿児島南特別支援学校」とするとともに,県内全ての養護学校を特別支援学校に名称変更することとし,今議会に関係条例の改正案を提案しているところであります。
7月14日の「県民の日」については,県民の皆様がふるさとを愛する心を育み,自信と誇りにあふれる,より豊かな鹿児島の未来について考える日となるよう,周知・広報イベント等を実施することとしております。
このほか,「県民の日」には,県有施設や市町村・民間文化施設における入館・入場料の無料化とともに,県下の小中学校,高等学校において,郷土への理解と関心を深める取組の実施が予定されております。
「第43回霧島国際音楽祭」については,7月21日から8月7日にかけて,3年ぶりに海外からも著名な音楽家を迎え,みやまコンセールを中心に開催し,多彩なコンサートなどを実施することとしております。
今後とも,アジアを代表する音楽祭として,更に充実・発展していくことを目指してまいります。
いよいよ来年度に開催が迫った「かごしま国体・かごしま大会」については,先月23日に,県庁前PR看板の設置やカウントダウンボードのリニューアルを行うなど,開催気運の更なる醸成に努めているところであります。
佐賀県とは,スポーツや文化など幅広い分野で交流を深める鹿児島・佐賀エールプロジェクトを実施しております。その一環として,来年度,延期前の佐賀国スポで正式種目として復活する予定であった新体操少年男子に代わる全国規模の大会となる,全国ブロック代表新体操男子団体選手権大会をかごしま国体の際に開催することとし,3月28日には佐賀県知事を招き開催の公表を行ったところであります。
また,両大会を支えてくださる運営ボランティアの募集を4月に開始するとともに,かごしま大会については,4月26日に,選手の介助等を行う選手団サポートボランティアを養成するため,大学・医療福祉系専修学校等15校を協力校として委嘱したところであります。
かごしま国体については,4月12日に,全国トップレベルの選手31人を今年度の強化指導員として委嘱したところであり,引き続き,天皇杯・皇后杯の獲得に向け,競技団体等と連携しながら,強化練習会や優秀な指導者の招へい,後催県とのアスリート交流などに取り組み,競技力の向上を図ってまいります。
両大会が「コロナ禍からの再生と飛躍」を象徴する大会となることを目指し,県民はもとより,全国の皆様にとっても素晴らしい,思い出に残る希望に満ちた大会となるよう,市町村や関係団体等と力を合わせて,開催に向け着実に準備を進めてまいります。

(脱炭素社会の実現と豊かな自然との共生)
地球温暖化対策については,2050年カーボンニュートラルの実現に向けて,本年3月に「今後の施策展開」及び「県地球温暖化対策実行計画の見直しの方向性」を,学識経験者や関係団体等の御意見などを踏まえて取りまとめたところです。
先月20日には,第1回の県地球温暖化対策推進本部会議を開催したところであり,今年度中に,同実行計画について,2030年度の温室効果ガス排出削減目標を引き上げるとともに,その達成に向けた対策や施策の充実などの見直しを行ってまいります。
温室効果ガス排出削減の対策等の推進については,運輸部門において,新たに,ランニングコストを含めたトータルコストでの本土との価格差縮小や災害時のレジリエンス強化の観点から,離島における電気自動車の普及を促進するため,車両購入費の支援を行うこととしております。また,産業部門・業務その他部門では,製造業以外の県内中小事業者にも対象を拡充し,省エネ設備等の導入を支援することとしております。
再生可能エネルギーの導入促進については,エネルギーの自給率の向上,非常時のエネルギーの確保,雇用創出による地域活性化を推進する観点から,地産地消型再生可能エネルギーの導入促進を図るため,再エネ設備と蓄電池を併用したマイクログリッドの構築など先進的な取組に対する設備導入の支援などに取り組んでまいります。
また,安定的な発電が可能な電源の導入を推進する観点から,バイオマス,小水力,地熱発電の導入可能性調査等に対する支援に取り組んでまいります。
「みしま県立自然公園」については,4月12日に,県内10か所目の県立自然公園として新たに指定し,記念式典を開催したところであります。
県としては,多くの皆様に三島村の多様で豊かな自然の魅力に触れていただけるよう,同村と連携しながら,自然環境の保全と利用の両立に取り組んでまいります。

(安心・安全な県民生活の実現)
昨年は,本県で2年連続となる大雨特別警報が発表されるなど,住家や道路,河川,山地,農地など広範囲にわたって多数の被害が発生しました。
今年も,梅雨入りの時期を迎えており,これから秋口にかけて集中豪雨などによる災害が発生しやすくなってまいります。県としては,市町村や関係機関と連携して,住民への情報伝達体制や避難体制の確立,各種防災情報の提供に努めてまいります。
県民の皆様におかれましても,日頃から危険箇所や避難場所,避難経路を確認し,災害時には早めの避難に心がけていただくなど,備えに万全を期していただくようお願い申し上げます。
川内原発については,3月29日に開催した「第2回川内原子力発電所の運転期間延長の検証に関する分科会」において川内原発の特別点検の状況等の視察を行ったところであります。
また,4月25日には第3回分科会を開催し,九州電力から劣化状況評価に係る制度や30年目高経年化技術評価結果について説明等がなされたところであります。
今後とも,同分科会において,運転期間延長に関する科学的・技術的な検証を行ってまいります。
防災対策については,原子力災害時における避難情報などを閲覧できる原子力防災アプリの運用を4月1日から開始したところであり,今後は同アプリの普及を図るとともに,今年度は,オフサイトセンターの機能強化や防災資機材の整備,モニタリング体制の充実などに取り組むこととしております。
今後とも,県民の生命と暮らしを守る観点から,川内原発の安全対策・防災対策の充実・強化に取り組んでまいります。

(快適な生活環境の向上と世界につながる県土の創造)
高規格幹線道路については,国の令和4年度予算において,東九州自動車道と南九州西回り自動車道の整備推進に必要な事業費が確保されたところであります。
また,地域高規格道路については,北薩横断道路や大隅縦貫道などにおいて着実に整備を進めているところであり,引き続き,高規格幹線道路や地域高規格道路の早期供用に向け,国と一体となって整備に努めてまいります。
指宿有料道路の山田インターチェンジについては,フルインター化が完成し,4月1日に供用開始したところであります。
これにより,利用者の利便性向上が図られるとともに,周辺住宅地の混雑緩和に寄与するものと期待しております。
鹿児島港については,マリンポートかごしまにおいて整備を進めていた22万トン級のクルーズ船に対応した新たな岸壁が,本年3月に完成したところであります。
県といたしましては,引き続き,新型コロナウイルス感染症の収束後を見据えたクルーズ船の受入環境整備を着実に進めてまいります。
川内港については,唐浜地区における国際物流ターミナルの本格的な工事に着手するに当たり,4月23日に着工式を開催したところであります。今後,早期供用に向け,国と一体となって整備に努めてまいります。
本年4月に開港50周年を迎えた鹿児島空港については,4月1日に記念セレモニーを開催したほか,鹿児島空港をより身近に感じていただくための様々なイベントを実施したところであります。
今後とも,鹿児島空港が「九州の南の玄関口」として,より一層飛躍・発展するよう「鹿児島空港将来ビジョン」に定めた新規路線の就航や物流・輸出入機能の強化,にぎわい創出による地域振興拠点としての機能の強化等に取り組んでまいります。
市街地再開発については,昨年の鹿児島中央駅前の「ライカ1920」に続き,天文館地区において「センテラス天文館」が4月9日にグランドオープンしたところであり,中心市街地の更なるにぎわいの創出や回遊性の向上,地域の活性化に寄与するものと期待しております。

(個性を生かした地域づくりと移住・交流の促進)
令和3年度の県外からの移住者数は,市町村の把握では,2,077人となっており,前年度から2年連続して2千人を超えております。
地方回帰の機運の高まりやデジタル化によるリモートワークの進展により人の流れに変化が見られることから,首都圏を中心に移住・交流セミナーを開催するとともに,先月から,東京の「かごしまよかとこ暮らし支援センター」と本県の「ふるさと人材相談室」が共同して,毎月第2土曜日にweb就職相談を開始するなど,連携を強化しているところであり,より多くの方々に本県を選んでもらえるよう取組の充実を図ってまいります。

(多様で魅力ある奄美・離島の振興)
奄美群島の振興については,令和5年度末に期限切れを迎える奄美群島振興開発特別措置法の延長に向け,今年度は,奄美群島の現状,課題を総合的に調査・分析することとしております。
今後,この調査の結果などを踏まえ,奄美群島の自立的発展に向けた今後の振興開発の方向・方策を明らかにしたいと考えており,国や地元市町村と協力して法の延長に向け最大限の努力をしてまいります。
また,今年度末で期限切れとなる離島振興法については,県議会,県選出国会議員の皆様方や関係市町村等と一体となって,その延長・改正に向けた要望活動を行い,現在,国において,今国会への改正法案提出に向け調整が行われているところであります。

(農林水産業の「稼ぐ力」の向上)
スマート農業の推進については,「スマート農業推進方針」に基づき,超省力・高品質生産を実現する新たな農業の展開を進めているところであります。
県としては,引き続き,農業者の理解促進を図るセミナーの開催や実証活動を通じた費用対効果の検証を行うとともに,ピーマンの自動収穫機の新技術開発の支援など,現地への実装に向けた取組を進めてまいります。
サツマイモ基腐病については,本年1月に策定した「鹿児島県サツマイモ基腐病対策アクションプログラム」に基づき,「持ち込まない」対策として,蒸熱処理装置の活用による健全種いも確保などの取組により,令和4年産の目標である約千ヘクタール分の健全苗と健全なほ場を確保したところです。現在,植付作業が終盤を迎えており,基腐病菌を「増やさない」対策として,ほ場の排水対策や,定期巡回による異常株の早期抜き取り,予防剤の散布などの徹底を指導しているところであり,県としては,引き続き,「持ち込まない」「増やさない」「残さない」対策を関係機関・団体と一体となって,総合的に取り組んでまいります。
本年10月の開催までいよいよ4か月余りに迫った「第12回全国和牛能力共進会鹿児島大会」については,4月30日に関係者を参集した「決起大会」を開催するなど,「和牛日本一」の獲得に向け一層の気運醸成を図っているところであります。
出品対策については,先月,各地区の一次予選会が開催され,私も姶良地区に出席し,出品者や関係の皆様を激励させていただいたところであり,全共に対する関係者の皆様の熱意を肌で感じたところであります。
今後,8月末には県代表牛を選抜することとしており,引き続き,関係機関・団体と一丸となって,出品対策に万全を期してまいります。
また,大会開催に向けて,審査場や仮設牛舎などの会場整備等を進めており,大会のPRについても,県内外から訪れる多くの方に鹿児島の魅力をアピールする絶好の機会であることから,県内外の各種イベントでの周知やテレビ・SNS等を活用した情報発信に努めてまいります。
林業の振興については,湧水町の県立高校跡地に建設された大型木材加工施設が,昨日,本格操業を開始したところであります。
当加工施設は,これまで用途が限られていた大径材などを活用し,CLTやツーバイフォー工法部材等による建材及びユニット住宅などを製造することとしており,県産材の需要の拡大とともに,品質・性能が確かな「かごしま材」の販路拡大に寄与するものと期待しております。
県としては,今後とも,県産材の安定供給を図るとともに,付加価値の高い「かごしま材」の利用拡大に努めてまいります。
水産業の振興については,持続性のある水産業の成長産業化と漁村の活性化の実現を目指して,本年3月に,国が新たな「水産基本計画」を策定したところであります。
同計画と本県が昨年3月に策定した「水産業振興基本計画」に基づき,漁協や商社等が一体となった販売促進や商品開発への支援による輸出拡大,スマート水産業の推進による生産性の向上,消費者ニーズに基づいた商品開発,付加価値の高い人工種苗による養殖や新たな市場開拓による輸出先の多様化などの取組を進めてまいります。

(企業の「稼ぐ力」の向上)
スタートアップの創出・育成については,起業に向けた機運醸成や環境整備を行うとともに,各段階に応じた集中的かつ継続的な伴走支援を行うこととしております。
本県のビジネス交流拠点として県庁18階に本年4月オープンしたコワーキングスペース「かごゆいテラス」については,有料会員制スペースの会員数が,先月23日現在で32者,4月における利用者数は延べ256人となっております。また,産業振興や地域経済,観光などをテーマとするセミナー等を開催したところであり,今後も県内コワーキングスペースのネットワーク化を図るなど,同スペースの積極的な活用を進めることとしております。
これらの取組により,スタートアップが自発的・連続的に生み出される仕組みの形成に努めてまいります。
また,新たな産業の創出に取り組む企業等に対し,ニーズの掘り起こしから,事業化・販路拡大まで,各段階に応じた総合的な支援を行うとともに,宇宙関連産業やドローン関連産業など,今後,市場拡大が期待される産業について,中小企業による新事業展開を支援してまいります。
中小企業のデジタル化については,ICTリテラシー向上を図るとともに,デジタル技術の導入や社内デジタル人材の育成等の取組の促進,中小企業のデジタル化を伴走支援できるデジタル人材の確保・育成に取り組んでまいります。
生産性と付加価値の向上による製造業の競争力の強化については,地域経済を牽引する中核企業等が行うAI・IoTの導入,ロボット協働等による生産性向上等の取組に対する集中的な支援や,本県製造品出荷額の約5割を占める食品関連製造業の生産工程の自動化・省力化による生産性向上等の取組に対する支援を行うこととしており,昨日,中核企業等の取組25件,食品関連製造業の取組33件を採択したところであります。
サービス事業者への支援については,ウィズコロナ・ポストコロナの時代の経済社会の変化に対応できるよう,需要の見込める新たな市場への販路開拓やIT化等の生産性向上を図るための取組に要する経費の支援を行うこととしており,先月16日から申請受付を開始しているところであります。
企業立地の推進については,昨年度は,世界的な半導体需要の増加や,企業立地促進補助金の拡充による誘致強化等により,電子関連企業や情報関連企業などを中心に,過去10年間で2番目に多い45件の立地が決定したところであります。
引き続き,アジアに近い地理的優位性や電子・自動車関連産業の集積,国内外を結ぶ充実した交通インフラ,都市部にはない生活環境など,鹿児島の特性を生かした企業立地の推進に努めてまいります。
本格焼酎の輸出促進については,世界最大のワインとスピリッツの教育機関である英国WSET講師によるオンライン教育動画の視聴や焼酎の購入が可能な越境ECサイトを構築し,本年3月から公開を開始したところであります。
また,今月9日に,WSET講師を本県に招き,蔵元の視察を計画しており,県産本格焼酎の伝統や魅力などの理解を深めていただくこととしております。
今後とも,海外の酒類業界関係者と連携しながら,県酒造組合などと一体となって,県産本格焼酎の海外への認知度向上と輸出促進に努めてまいります。

(多彩なキャリアをデザインできる働き方の創出)
最近の雇用情勢については,本年3月新規学卒者の就職内定率は高校,短大,大学ともに高水準で推移しているところであります。
県内の4月の有効求人倍率は前月より0.01ポイント増加し,1.35倍となっており,21か月連続で全国平均を上回っているところであります。
県内企業を対象とした合同企業説明会の開催など,これまでの取組に加え,新型コロナウイルス感染症の影響もあり,今春卒業の高校生の県内就職率は,前年度より4.1ポイント増加し,統計開始以来初めて60%を超えたところであります。
県としては,来春卒業予定の高校生の県内就職促進に向け,先月24日に,県内企業に対し,求人票の早期提出・早期選考の実施や,県内企業の魅力・認知度向上への取組等の要請を行うとともに,今月11日から12日にかけて,「高校生とその保護者に対するWeb合同企業説明会」を開催することとしております。
今後とも,国や関係機関と連携しながら,新規学卒者の県内就職の促進に努めてまいります。

(デジタルテクノロジーを活用した県民の暮らしの質の向上)
デジタル社会の実現については,デジタルによる社会変革に向けた課題と基本的な方向を明確にするため,本年3月に,「鹿児島県デジタル推進戦略」を策定したところであります。
同戦略に基づき,行政のデジタル化による事務の効率化や,民間のデジタル化による県内産業の生産性の向上を図ることとしております。
また,デジタル化によって得られるデータの利活用を進め,新産業の創出や県民の暮らしの質の向上に取り組むことにより,心豊かな暮らしと持続可能な環境・社会・経済を実現し,地方発の新たな暮らしとイノベーションを生み出すことを目指してまいりたいと考えております。

(持続可能な行財政運営)
今後の社会経済情勢の変化等にも対応した持続可能な行財政構造を構築するため,本年3月に,新たに「行財政運営指針」を策定したところであります。
先月11日には,行財政改革プロジェクトチーム会合を開催し,今回新たに設置した「鹿児島県庁働き方改革ワーキンググループ」における取組など,本年度の行財政改革の取組方針等について協議を行ったところであります。
今後,同指針に基づき,人材育成,働きやすい職場環境の整備,行政事務の効率化などに取り組むとともに,未利用財産の有効活用や事務事業見直しなど,歳入・歳出両面における取組を進めてまいります。
「知事とのふれあい対話」については,4月16日から17日にかけて日置市,いちき串木野市,薩摩川内市,さつま町,先月21日には三島村で,それぞれ開催し,各会場において,県民の皆様と地域の現状や課題,振興策等について,率直な意見交換を行ったところであります。
今後とも,できるだけ早期に全市町村において開催し,県民の皆様の声を県政に反映するとともに,透明で開かれた県政運営を行ってまいります。

県議会の皆様方をはじめ,県民の皆様方の御理解と一層の御支援を心からお願い申し上げます。

以上,最近の県政に関する諸課題の推移などについて申し上げましたが,
今回提案しております議案は,「鹿児島県税条例等の一部を改正する条例
制定の件」など,条例案6件,その他の議案3件,報告3件となっております。
何とぞよろしく御審議の上,議決していただきますようお願い申し上げます。

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