閉じる

  •  
 
 

閉じる

 
 

ホーム > 県政情報 > ようこそ知事室へ > 施政方針 > 令和4年第4回県議会定例会提案理由説明要旨

更新日:2022年11月29日

ここから本文です。

令和4年第4回県議会定例会提案理由説明要旨

令和4年第4回県議会定例会の開会に当たりまして,当面する県政の諸問題の推移及び今回提案しております議案その他の案件につきまして,概要を御説明申し上げます。

まず,高病原性鳥インフルエンザについては,今年の夏,ヨーロッパなどで大流行しており,渡り鳥が飛来する我が国においても,例年になく感染リスクが高まっていることから,渡り鳥が飛来するシーズンである先月から来年5月までを県の飼養衛生管理基準遵守強化期間に設定し,これまで防疫対策会議の開催や防疫演習を実施いたしました。また,家畜伝染病予防法に基づき全養鶏農場へ消毒命令を発出するとともに,消石灰の配布を行うなど,危機感を持って農家や関係者の防疫意識の向上と防疫対策の徹底を図ってまいりました。
このような中,今月17日,24日及び27日に,出水市の養鶏農場において,高病原性鳥インフルエンザが相次いで発生しました。
県では,直ちに高病原性鳥インフルエンザ対策本部会議を開催し,関係者の協力を得てまん延防止に全力で取り組むよう指示するとともに,発生農場から半径10キロメートル圏内の鶏や卵などの移動の制限,幹線道路沿いでの消毒ポイントの設置,発生農場の鶏の殺処分など,一連の初動防疫措置を市町村や関係機関・団体と連携して速やかに実施しております。特に3例目については,これまでで県内最大となる約47万羽と非常に大規模であったことから,自衛隊にも御協力を頂き,現在,殺処分を進めております。関係者の皆様の御協力に感謝申し上げます。
県としては,何としても更なる発生を防止したいと考えており,市町村や関係機関・団体と一体となって,最大級の防疫意識を持って,まん延防止対策に取り組んでまいります。
また,出水平野において過去最多となるツル類の感染が確認されていることから,国や出水市と緊密な連携を図りながら,野鳥監視重点区域における野鳥監視の強化や死亡個体の迅速な回収・検査等を実施しているところです。

新型コロナウイルス感染症については,先月中旬以降,全国的に,新規感染者数の増加が継続しております。
本県においても,日々の新規感染者数はおおむね300人台から600人台で推移しており,先月下旬以降,増加傾向となっております。
また,今月27日時点で,病床使用率も29.3パーセントと上昇傾向にあります。また,重症患者は1人,酸素投与の必要な中等症(2)の患者は22人となっており,「第8波」の到来が懸念される状況です。
今後,年末年始を控え,人の往来・会食など人との接触機会の増加に伴う感染の再拡大や,季節性インフルエンザとの同時流行により,多数の発熱患者の発生が懸念されることから,引き続き,感染防止対策の徹底と医療提供体制の備えが必要であると考えております。
国においては,多数の発熱患者が生じた場合でも,高齢者等重症化リスクの高い方を守るとともに,通常医療を確保するための保健医療体制の強化・重点化を進めていくとの基本的な考え方等を示しています。これを受け,県としては,ピーク時における患者数を想定した発熱外来などの外来医療体制の整備等に関する計画の策定を進めているところです。今後,この計画を踏まえ,外来診療体制の強化などに取り組んでいくこととしております。
感染拡大の警戒基準については,国において,保健医療の負荷の状況に応じて感染状況を4つのレベルに分類し,各段階に応じた措置を講ずることとされており,本県においても,国の方針に沿って見直しを行うこととしております。
新型コロナウイルスワクチンについては,2回目接種を完了した12歳以上の方を対象としたオミクロン株対応ワクチンの接種や,小児,乳幼児等への接種について,市町村や医師会等とも連携しながら取り組んでおります。また,県では,オミクロン株対応ワクチン接種を加速するため,今月2日から16日までの間,鹿児島市,鹿屋市,薩摩川内市,霧島市に,2回目接種を完了した18歳以上の方を対象とした大規模接種会場を設け,約9,600人の県民の方に接種を行いました。
ワクチン接種を希望される方は早めに接種していただきますよう,御理解と御協力をお願いいたします。
また,季節性インフルエンザとの同時流行に備え,インフルエンザワクチンについても,希望される方は早めの接種をお願いします。
陽性者を早期発見し,感染拡大防止を図るため,感染者の重症化リスクが高い高齢者施設や介護施設,医療機関に加え,感染が拡大しやすい保育所や学校等に対し,従事者等の集中的な検査を行えるよう,国から配分された抗原定性検査キットを本日から順次配布することとしております。
また,感染に不安を感じる無症状の県民の方々を対象に,PCR検査等の無料検査を来月末まで延長して実施することとしております。
県としては,新型コロナウイルス感染症と季節性インフルエンザとの同時流行も念頭に置きながら,引き続き強い警戒感を持って感染状況を注視しつつ,専門家の御意見も伺いながら,感染防止対策に取り組んでまいります。
県民の皆様におかれましては,引き続き,御家庭へ感染を持ち込まないよう十分注意するとともに,場面に応じた正しい方法でのマスクの着用やこまめな換気などの基本的な感染防止対策を今一度徹底していただき,発熱や風邪症状などの体調不良を感じたときには,出勤や外出等を控えていただきますようお願いいたします。また,発熱等の体調不良時に備えて,検査キットや解熱鎮痛剤等をあらかじめ準備していただきますようお願いいたします。
医療提供体制の確保や感染防止対策に取り組む一方で,県内経済の早期回復を図るためには,効果的な需要喚起策を切れ目なく展開し,新型コロナウイルス感染症の影響を大きく受けている飲食業や観光・宿泊業などへの支援を行うことが重要であると考えております。
消費意欲喚起の割引クーポンについては,引き続き,県民の消費意欲を喚起するため,飲食サービス,特産品等の購入に利用できるクーポンを発行しており,本年度においては,これまで,14回の配信で約349万枚が使用されております。
また,コロナ禍において原油価格や物価高騰の影響を受けている生活者を支援するとともに,地域経済の活性化を図るため,県では,全ての市町村で実施しているプレミアム商品券の発行等を支援しております。
観光需要の回復に向けては,国と連携し,先月11日から全国を対象に「今こそ鹿児島の旅(第3弾)」を実施しております。年内の実施期間を来月27日まで延長することとし,現在,事業の延長に向けた準備を進めております。また,年明け以降も,割引率等を見直した上で実施することとしております。
国においては,平時に近い経済社会を取り戻すという観点から,先月11日に,外国人観光客の受入に係る水際措置を大幅に緩和し,入国者総数の上限撤廃を行うとともに,ビザなし渡航や個人旅行を再開しました。
県としては,先月のフランスでのトップセールスなど,海外でのプロモーションやセールスを実施したところであり,今後とも,インバウンドの早期回復に向け,本県の認知度向上などに取り組んでまいります。
鹿児島空港国際線については,政府の水際措置の緩和を受け,一日も早い国際線再開に向けて,これまで,航空会社への働きかけや,検疫体制の確保・拡充等に関する国への要望などを行っております。
現在,大韓航空から,来年1月12日からのチャーター便の運航計画を頂いており,その実現に向け,検疫や地上業務職員に関する受入体制の確保など,空港関係者と最終的な調整を行っております。
国際クルーズ船については,令和2年3月以降,運航が停止しており,早期の運航再開に向けた要望を国に対して行ってまいりました。今月15日には,日本における国際クルーズ船の受入再開について,国から発表がありました。こうした状況を踏まえ,船社への訪問等に取り組み,本県への受入に向けたプロモーション等を実施してまいります。
今後とも,コロナ禍における県民の皆様の安心・安全と,経済社会活動の両立に向けて,取り組んでまいります。

さて,我が国経済は,緩やかに持ち直しているところです。
先行きについては,ウィズコロナの下で,各種政策の効果もあって,景気が持ち直していくことが期待されます。ただし,世界的な金融引締め等が続く中,海外景気の下振れが我が国の景気を下押しするリスクとなっております。また,物価上昇,供給面での制約,金融資本市場の変動等の影響に十分注意する必要があります。
県内経済は,持ち直しているところでありますが,海外情勢や急激な円安などの影響で,依然として先行きが不透明です。
こうした中,国においては,物価・景気の状況を把握し,状況に応じた迅速かつ総合的な対応に切れ目なく取り組むこととしており,9月9日には,食料品価格高騰対策,エネルギー安定供給対策,地方創生臨時交付金の増額を主な内容とする原油価格・物価高騰に係る追加策を取りまとめました。
先月28日には,物価高騰・賃上げへの取組,円安を活かした地域の「稼ぐ力」の回復・強化,「新しい資本主義」の加速などを柱とした,「物価高克服・経済再生実現のための総合経済対策」を決定し,今月8日には,関連の補正予算案を閣議決定しました。
これらの対策を踏まえ,県では,原油価格・物価高騰対策に係る11月補正予算を迅速に編成し,先の臨時議会において議決していただきました。
県としては,国の施策とも連携して,これまで補正予算に計上した各種の事業を効果的に展開することにより,原油価格・物価高騰の影響を受けている生活者や事業者の負担軽減に努めており,今後とも,県内経済の早期回復に向けて,速やかに必要な対応を講じてまいりたいと考えております。

私としては,新型コロナウイルス感染症や物価高騰への対応などに最優先で取り組みつつ,本県の基幹産業である農林水産業,観光関連産業など鹿児島の「稼ぐ力」の向上,地域や各種産業を支える人材育成,結婚・出産・子育てしやすい環境の整備や高齢者が健やかで生きがいが持てる社会の形成など,「かごしま未来創造ビジョン」に掲げた各般の施策に積極的に取り組むことにより,「誰もが安心して暮らし,活躍できる鹿児島」を目指してまいりたいと考えております。
今後とも,「県民の皆様と一緒に鹿児島の今と未来をつくる」ということを基本として,「誠実に」,「着実に」県政の推進に全力を挙げて取り組んでまいります。
県議会の皆様方をはじめ,県民の皆様方の御理解と一層の御支援を心からお願い申し上げます。

次に,最近の県政の展開の中で主な事項について御報告申し上げます。

馬毛島における自衛隊施設の整備等については,環境影響評価準備書に対して,県環境影響評価専門委員等による現地調査の結果や関係市町長,住民等の意見などを勘案し,先月14日に環境保全の見地からの知事意見を国に提出しました。
西之表市においては,今月19日から20日にかけて,住民説明会を実施し,環境影響評価や再編交付金などについて,説明がなされました。
今月22日には,国から県に対し,環境影響評価準備書に対する知事意見への対応の概要が示されました。また,同日行われた10回目となる国と西之表市の協議においても,同概要などについて,意見交換が行われました。
今月25日には,西之表市長とお会いし,準備書に対する知事意見への対応の概要についての市の見解,住民説明会の結果などについて伺いました。
馬毛島における自衛隊施設の整備等については,これまで,国の安全保障に係る方針や,施設整備の必要性,訓練内容等について説明を求めるとともに,関係自治体の首長と意見交換を行い,その内容を国にお伝えするなどしてきました。
これまで,住民や関係自治体などから,騒音による周辺環境への影響や漁業への影響などを懸念する意見が出ているところです。
県としては,これまでの国による説明や,地元の動向を踏まえるとともに,国の,環境影響評価準備書に対する知事意見への対応状況などについて確認してきました。特に,住民や関係自治体からの不安や懸念があった,夜間飛行を含む航空機騒音の状況や種子島上空飛行への対応,馬毛島のニホンジカに対する影響,漁業への影響,万が一,事件・事故が発生した場合の対応などについて,国に説明を求めたり,問い合わせを行ったりしてきました。
今月22日に,国から説明がなされた環境影響評価準備書に対する知事意見への対応の概要においては,環境影響評価書は,今後環境大臣の意見等も勘案して最終的に作成されますが,知事から提出された環境影響評価準備書についての意見に沿って対応するとの考えが明記されております。
このうち,夜間飛行を含む航空機騒音等の影響について,国は,知事意見で求めていたFCLPの1日当たりに見込まれる夜間の飛行回数や1時間当たりの飛行回数のほか,FCLPの飛行経路のばらつきにおける最大騒音レベルの範囲は,最も種子島寄りを飛行した場合の夜間におけるものも含め,すでに示された値から約1から3デシベルの増,または,約1から4デシベルの減にとどまるとの予測を示しております。
FCLPの航空機騒音に関して,国は,知事意見で求めていたLdenについては,訓練ごとに予測するものではなく,施設全体の騒音レベルを予測するものであるとした一方で,運用開始後のFCLP実施時の実測値に基づくLdenについて公表していくとしております。また,夜間の航空機騒音の更なる低減を図るため,FCLPの実施に際し,夜間の航空機騒音を懸念する地域住民等の意見があることを伝えた上で,飛行経路を遵守するとともに,地域への影響を最小限にとどめるよう,その都度,米側に申し入れるといった環境保全措置を講じること,さらに,航空機騒音の環境監視調査について,常時監視を複数地点で実施すること,運用開始から3年程度としている環境監視調査の後の騒音状況の把握については,当該調査の結果や関係自治体等の意向等を踏まえ,期間の延長を検討していくこと,などを示しております。
種子島上空飛行への対応については,上空の飛行に関する対策や飛行の際の評価,説明等を求める西之表市の意見を踏まえた知事意見に対して,国は,緊急時を除き,飛行することはないと明示した上で,新たに,FCLPの実施に際しては,その都度,米側に対して飛行経路を遵守するよう申し入れることに加え,訓練情報を関係自治体に適時に知らせる体制を構築すること,やむを得ず種子島上空を飛行する,又は飛行したとされる情報に接した場合,情報提供を行うなど,関係自治体と緊密に連携して適切に対応していくこと,などの対応策を示しております。
馬毛島のニホンジカに対する影響に関して,知事意見で求めていたニホンジカの個体数予測については,国は,餌の資源量の観点からの予測を示した一方で,島内の改変等に相応した予測については,不確実性があるとしております。また,同様に,知事意見で求めた事後調査については,知事意見に沿って,専門家等の意見を聴取しつつ,生息状況が安定したことを確認するまで実施し,専門家等の指導・助言を得て,必要な環境保全措置を検討することを示しております。
こうした点も含めて,今回,国から示された概要を精査したところ,全体として,知事意見に沿ったものと評価しております。
また,国は,今後,最終的に作成する評価書についても,知事意見に沿って対応するとしております。
環境影響評価に関するもの以外では,国は,港湾施設の整備や自衛隊の訓練等に伴い漁業経営上被る損失について,適切な補償を行うとともに,港湾施設の整備により消失する海域動植物の生息・生育場の創出も含めた措置を講じる,などとしております。国においては,今後,漁業関係者と十分調整しながら適切に対応していただきたいと考えております。
また,国からは,馬毛島における自衛隊の訓練やFCLPの実施時には,訓練情報を関係自治体に適時に知らせる体制を構築すること,FCLPについては,過去5年間,軽微なものも含めて事故がないことを確認しております。万が一,事件・事故が発生した場合には,速やかに関係自治体等へ情報提供するとともに,米側に対し再発防止を求めていくなど,国が責任をもって適切に対応すること,米軍の運用等に当たっては,住民の安心・安全に万全を期すこと,などを確認しております。
防衛・安全保障政策は,国の専管事項でありますが,県としては,これまで,地元の動向を注視しながら,住民の安心・安全をどう確保するかとの観点から,考え方を整理してきました。
そうした中,先ほど申し上げたとおり,これまでの国とのやり取りや,環境影響評価の手続き等を通じて,国において,住民の安心・安全を確保するために必要な対策や,環境を保全するための措置が講じられることを確認しました。
また,地元の中種子町長,南種子町長や,種子島1市2町の議会においては,整備を着実に進めてほしいとしています。
西之表市長は,御自身のお考えをまだ表明しておりませんが,今月25日の西之表市長との意見交換の際,防衛省から説明のあった環境影響評価準備書に対する知事意見への対応の概要について,「知事意見に沿ったものとなっており,真摯に対応していただいた。」と評価した上で,「市政を預かる者として,判断の時期が近づいている。」との発言がありました。
また,同市においては,馬毛島における自衛隊施設や種子島における宿舎の整備等に関連する,自衛隊の隊員宿舎用地となる市有地や旧馬毛島小中学校跡地の財産処分,馬毛島の市道路線の廃止,再編交付金に係る基金条例制定や一般会計補正予算の議案の市議会への提案などの手続きが進められております。
以上のような状況や,我が国周辺をとりまく安全保障環境が一段と厳しさを増している状況にあることも踏まえ,総合的に検討した結果,国が,馬毛島において自衛隊施設を整備すること等については,県としては理解せざるを得ないとの考えに至ったところです。
市長からは,「仮に,今般説明を受けた内容以外の事案が生じた場合など,不安の払しょくに向け,国とやりとりをする必要性を感じる。その際は,県とも緊密に連携を図りながら解決に向けて取り組んでいければと考えている。」との御発言があり,県としても,市とこれまで以上に緊密な連携を図ってまいりたいと考えております。
国においては,馬毛島における自衛隊施設の整備等に当たっては,住民の安心・安全の確保に必要な対策や環境保全措置などに万全を期していただきたいと考えております。
あわせて,地元への十分かつ丁寧な情報提供に努めていただきたいと考えております。
県では,本日,これまで県や西之表市をはじめとする地元市町に説明があった住民の安心・安全の確保に必要な対策や環境保全措置などへの対応等について,しっかり取り組むよう国に対し,文書により要請を行うこととしております。
また,県としては,要請内容を踏まえた国の対応状況の確認や,現在想定し得ない課題が生じた場合に備えて,今後,県及び関係自治体による協議会の設置等について検討してまいりたいと考えております。
県としては,引き続き,国や地元市町と緊密に連携を図りながら,住民の安心・安全が確保されるよう,しっかりと取り組んでまいります。
米軍無人機の鹿屋航空基地への一時展開については,今月21日から運用が開始されました。
これに先立ち実施された今月5日のデモフライトには,私も立ち会い,米軍無人機部隊司令官に対し,住民の安心・安全の確保に万全を期すことについて要請いたしました。
また,今月10日には,私から防衛大臣政務官に対し,米側から積極的に情報を収集し,県民に情報提供すること,住民生活の安心・安全の確保に万全を期すことについて要請いたしました。
こうした中,今月18日に,鹿屋市において米兵が交通事故を起こしたことから,直ちに,再発防止について九州防衛局の現地連絡所を通じて米側に申入れを行いました。
引き続き,国や鹿屋市等と緊密に連携を図りながら,住民の安心・安全が確保されるよう,しっかりと取り組んでまいりたいと考えております。
スポーツ・コンベンションセンターについては,現在実施しているPFI等導入可能性調査の中間報告において,民間活力の導入による財政負担の軽減やサービス水準の向上等の観点から,従来型手法とPFI方式について比較検討するなどした結果,PFI方式の導入が最適と考えられるとされました。
また,整備予定地の地盤調査について,現地でのボーリング調査を踏まえた最終報告の取りまとめを行い,本港区エリア周辺でこれまで施設整備がなされた箇所と同程度の強度となっているとの結果を得ました。
県としては,スポーツ・コンベンションセンターが,スポーツ振興の拠点機能に加え,多目的利用による交流拠点機能を備えた施設として,また,県民や観光客が気軽に立ち寄れる開かれた施設として,さらに,中心市街地との回遊性を高めることにより,大きな経済波及効果をもたらす施設として,永年にわたり県民の皆様に親しまれ,誇りとなる施設となるよう,着実に整備に向けた取組を進めてまいります。
整備に当たっては,県議会における付帯意見の内容も踏まえ,これらの検討状況について県議会に丁寧に御説明し,御論議いただくとともに,関係機関・団体等と緊密に連携を図りながら取り組んでまいります。
鹿児島港本港区エリア一帯の利活用については,スポーツ・コンベンションセンターの基本構想や港湾としての機能を踏まえつつ,県全体に経済効果を波及させていくという視点を念頭に置いて,同エリアを巡る様々な御意見もお聞きしながら,グランドデザインの開発コンセプトに基づき検討するため,経済団体,まちづくりや都市計画の専門家,中心市街地の商店街代表者,鹿児島市等の幅広い方々で構成する「鹿児島港本港区エリアの利活用に係る検討委員会(仮称)」を新たに設置することとし,委員の選定作業を進めており,年内に第1回検討委員会を開催したいと考えております。
今後,県としては,同委員会における検討状況を踏まえ,県民の御意見などもお聞きしながら,令和5年度末を目途に,同エリアの利活用の全体像の策定に向けた取組を進めてまいります。

(誰もが個性と能力を発揮し活躍できる社会の実現)
ジェンダー平等・男女共同参画の推進については,令和5年度から9年度を計画期間とする第4次県男女共同参画基本計画の素案を取りまとめたところであり,今議会で御論議いただくとともに,パブリックコメントを実施することとしております。県議会での御論議や県民の皆様方から寄せられた御意見も踏まえ,本年度中の計画の策定に向けて検討を進めてまいります。

(結婚,妊娠・出産,子育ての希望がかなう社会の実現)
児童虐待防止対策については,北薩地域3市2町及び伊佐市,湧水町を管轄区域とする,新たな児童相談所の設置に向けて,施設や備品の整備等を行うこととし,これらに要する経費を今回の補正予算に計上しております。
今後,関係機関とも連携を図りながら,来年4月の開所に向けた準備を進めてまいります。

(地域を愛し世界に通用する人材の育成と文化・スポーツの振興)
第47回全国高等学校総合文化祭鹿児島大会(2023かごしま総文)については,先月1日からラッピング市電の運行を開始したほか,先月16日に「開催300日前イベント」,23日に県立博物館前から御楼門前の国道10号でパレードを実施するなど,来年夏の開催に向けて気運の醸成を図ってきております。
また,今月3日には,西原商会アリーナにおいて,プレ大会の総合開会式を開催し,来年の本大会開催に向けたプレ大会を部門ごとに順次実施しております。
今後とも,各種イベント等の機会を捉えて,大会開催に向けた広報活動を展開するとともに,開催市町や関係機関と連携を図りながら,着実に準備を進めてまいります。
来年,本県で開催される「燃ゆる感動かごしま国体・かごしま大会」については,開催まで,いよいよ10か月余りとなりました。
先月開催された「とちぎ国体・とちぎ大会」の閉会式において,栃木県知事から国体旗・大会旗を引き継ぎ,本県での両大会の開催に向けて,身の引き締まる思いがいたしました。
「とちぎ国体」では,なぎなた競技や陸上競技など,10競技12種目での優勝をはじめ,29競技95種目で入賞を果たし,天皇杯14位,皇后杯12位と,前回の茨城大会を上回り,目標の10位台を達成しました。
また,全国障害者スポーツ大会の「とちぎ大会」においても,陸上やフライングディスクなど7競技で,過去最多となる61個のメダルを獲得するなど,優秀な成績を収めました。
来年の「かごしま国体」における天皇杯・皇后杯の獲得に向けては,少年選手の強化や有力な成年選手の確保,優秀指導者の招へい等に取り組んでいるところであり,引き続き,競技団体と連携して,競技力の向上を図ってまいります。
「かごしま国体・かごしま大会」の開催気運の醸成については,先月16日に,かごしま県民交流センターにおいて開催1年前イベントを実施いたしました。また,開催1年前を捉え,肥薩おれんじ鉄道ラッピング列車の運行を先月5日から開始するとともに,県内8か所に「かごしま大会」の広報看板を設置いたしました。
両大会が「コロナ禍からの再生と飛躍」を象徴する大会となることを目指し,県民はもとより,全国の皆様にとっても素晴らしい,思い出に残る希望に満ちた大会となるよう,市町村や関係団体等と力を合わせて,開催に向け着実に準備を進めてまいります。

(脱炭素社会の実現と豊かな自然との共生)
地球温暖化対策については,カーボンニュートラルの実現に向けた気運を醸成し,理解を深めていただくため,今月15日に事業者向けのシンポジウム及びセミナーを,今月26日から27日にかけて県民向けの「カーボンニュートラルフェアinかごしま」を開催したところです。
今後とも,県民,事業者,行政が一体となって地球温暖化対策を積極的に推進できるよう,取り組んでまいります。
再生可能エネルギーについては,先月17日に第1回の再生可能エネルギー推進委員会を開催し,今後の再エネ施策の指針となる次期ビジョンの目標等について説明し,委員からは,目標の設定方法や蓄電池の有用性など,素案作成に向けた御意見等を頂きました。
今月24日に開催した第2回の委員会では,第1回の委員会の内容を踏まえ,次期ビジョンの素案について御協議いただきました。
今後,県議会の御意見等も踏まえ,今年度中のビジョンの策定に向けて検討を進めてまいります。

(安心・安全な県民生活の実現)
今年は,9月の台風第14号により,住家の損壊,港湾,道路など広範にわたって多数の被害が発生しました。現在,早期復旧に向け,国や市町村等と連携して取り組んでおります。
県としては,近年,気候変動の影響により気象災害が激甚化するなどの状況を踏まえ,「防災・減災,国土強靱化のための5か年加速化対策」を集中的に進めているところであり,引き続き,予算の確保などについて国に対して要望してまいります。
また,今月4日から5日にかけて,志布志市,大崎町及び東串良町において,県総合防災訓練を実施し,地域住民や101機関・団体など約4,300人の参加の下,南海トラフ巨大地震の発生を想定した住民避難及び応急対策活動などに取り組みました。
今後とも,市町村や防災関係機関と緊密に連携を図りながら,防災対策に万全を期してまいります。
川内原発については,先月12日,九州電力が,1,2号機の20年間の運転期間延長認可を原子力規制委員会に申請しました。
県では,九州電力による申請を見据えて,昨年12月に県から県原子力安全・避難計画等防災専門委員会に対して検証を依頼し,本年1月から,同委員会に設置した「川内原子力発電所の運転期間延長の検証に関する分科会」において,特別点検結果等に関する御議論を頂いているところです。
専門委員会については,今月14日に第18回の委員会を開催し,九州電力の運転期間延長認可申請の概要,川内原発のこれまでの事故・故障等への対応等について御議論を頂きました。
分科会については,先月17日に第6回の分科会,今月7日に第7回の分科会を開催し,2号機の原子炉格納容器,1,2号機の原子炉容器やコンクリート構造物の特別点検結果,運転開始後40年目の劣化状況評価結果について御議論を頂きました。引き続き,運転期間延長に関する科学的・技術的な検証を行っていただくこととしております。
今後,原子力規制委員会による判断が行われる前に,分科会における科学的・技術的な検証の結果や専門委員会の意見等を踏まえて,原子力規制委員会及び九州電力に対して厳正な対応を要請してまいります。
自衛隊による離島からの急患搬送については,南北600キロメートルの県土に多くの有人離島を有する本県にとって,鹿屋航空分遣隊の廃止は県民の生命に関わる重要な問題であることから,9月30日には防衛大臣に直接,これまで同分遣隊が担ってきた離島急患搬送体制と同程度の時間で急患搬送を行えるよう,強く要請いたしました。
今月10日にも改めて防衛省を訪問し,防衛大臣政務官に対し,防衛省・自衛隊として責任を持って確実,かつ,早急に体制を構築することを強く要請いたしました。
現在,防衛省・自衛隊のほか,急患搬送に携わる関係機関も含めて協議を行っており,具体的な搬送行程について確認した上で,出動要請の手順等に係る調整を行っているところです。
鹿屋航空分遣隊の救難ヘリについては,来年1月末頃に全機を除籍するとのことであり,早期に実効性のある搬送体制が構築されるよう,引き続き,防衛省等関係機関と協議を行ってまいります。

(快適な生活環境の向上と世界につながる県土の創造)
東九州自動車道については,油津・夏井道路において本格的な工事に着手するに当たり,先月23日に着工式を開催いたしました。
先月21日には,宮崎県などとともに「東九州自動車道建設促進中央大会」を,また,今月11日には,熊本県とともに「南九州西回り自動車道建設促進大会」を,国会議員や県議会議員の方々等の出席の下,東京において開催し,予算の確保と整備推進がなされるよう国に対して強く働きかけました。
今後とも,高規格幹線道路や地域高規格道路の早期供用に向け,国と一体となって,引き続き整備に努めてまいります。

(個性を生かした地域づくりと移住・交流の促進)
移住・交流の促進については,先月,移住者支援策やワーケーションモデルコースなど掲載内容をより充実させた移住・交流ガイドブック及びワーケーションのパンフレットを県内外の関係機関等に配布し,本県の取組について情報発信いたしました。
今月9日には,国主催のサテライトオフィスマッチングイベントに県内3市とともに参加し,県外企業に対して本県のサテライトオフィスやワーケーションモデルコース等のPRを行いました。
今後とも,より多くの方々に本県を選んでもらえるよう,鹿児島ならではの地域資源を生かした移住・交流の促進やワーケーションの推進に取り組んでまいります。

(多様で魅力ある奄美・離島の振興)
奄美群島の振興については,令和5年度末に期限を迎える奄美群島振興開発特別措置法の延長に向け,今年度は,奄美群島の自立的発展のための今後の振興開発の方向・方策に関する総合調査を実施しており,このたび,報告書の素案を取りまとめたところです。
今後,県議会をはじめ,地元市町村等の意見も十分にお聞きしながら,更に検討を進め,今年度末を目途に報告書を作成したいと考えております。
奄美の世界自然遺産については,龍郷町が本県と連携して整備を進めていた「奄美自然観察の森」が,先月8日にリニューアルオープンしました。気軽に奄美の自然を楽しめる体験型観光の拠点施設として,交流人口の拡大が図られるものと期待しております。
奄美パークについては,昨年9月に開園20周年を迎え,先月29日から30日にかけて,新型コロナウイルス感染拡大に伴い1年延期していた20周年記念式典や記念イベントを開催いたしました。
同施設は,昨年奄美大島・徳之島が世界自然遺産に登録されたことから,今後ますますその役割が重要になっていくものと考えており,引き続き,奄美の魅力の積極的な発信に取り組んでまいります。
また,先月26日から27日にかけて,「第160回九州地方知事会議及び第42回九州地域戦略会議」が,初めて奄美市において開催され,各県知事をはじめ,経済界などの関係者の皆様に,世界遺産センター等の現地視察も行っていただきました。
今回の開催を契機に,離島地域の現状や課題に関する関係者の認識がより一層深まり,離島振興の議論が更に促進されるものと期待しております。
離島の振興については,今月18日に改正離島振興法が議員立法により成立しました。これもひとえに御尽力を頂きました県選出の国会議員や県議会の皆様をはじめ,関係者の格段の御支援・御協力の賜物であり,深く感謝を申し上げます。
今回の改正においては,「ジェットフォイル等の船舶の新造及び更新に対する支援」や「小規模離島の生活環境改善」に係る配慮規定が設けられるなど,本県離島の実情を踏まえた充実したものとなっており,県としては,同法に基づき,本県離島の一層の振興に努めてまいりたいと考えております。

(農林水産業の「稼ぐ力」の向上)
サツマイモ基腐病については,「鹿児島県サツマイモ基腐病対策アクションプログラム」に基づき,生産者と一体となって,健全種苗の確保に加え,ほ場の排水対策や異常株の早期抜き取りなどに取り組んできております。本年産については,葉やつるに1株でも基腐病の症状が見られたほ場の面積が,作付面積の35パーセントに当たる約3,500ヘクタールとなり,昨年より約4,200ヘクタール減少しました。
令和5年産に向けては,生産者に対し,収穫直後の残渣の持ち出しと早期耕うんなど「残さない」対策や,苗床や種いもの消毒など「持ち込まない」対策等について,講習会や個別巡回により指導を行っているところです。
県としては,引き続き,関係機関・団体と一体となって,サツマイモ基腐病対策に総合的に取り組んでまいります。
先月6日から10日にかけて,霧島市牧園町と南九州市知覧町で開催された「第12回全国和牛能力共進会鹿児島大会」については,生産者をはじめ,JAグループや関係機関・団体の皆様の御協力や御支援により,盛況のうちに大会を終えることができ,改めて感謝申し上げます。
出品した「鹿児島黒牛」は全9部門中6部門で首席となり,また「種牛の部」の「第4区繁殖雌牛群」では内閣総理大臣賞を受賞するなど,「和牛日本一」の栄冠に輝きました。
また,県内外から30万人を超える多くの皆様にお越しいただき,大会を通じて和牛の美味しさはもちろんのこと,鹿児島の「食」,「観光」,「文化」などの本県の魅力を満喫していただいたものと考えています。
県としては,大会終了後直ちに,地元新聞や全国紙を活用し,「和牛日本一」のPRを行うとともに,全国ネットでのテレビや,羽田空港・鹿児島中央駅等での広告ビジョンによる動画放映,県庁や鹿児島空港での看板設置,SNSによるPR等を行いました。また,全国の「鹿児島黒牛」販売指定店や,大都市圏等の飲食店において「鹿児島黒牛日本一フェア」を実施しているところです。
海外向けには,大会直後にフランスやシンガポールで開催された食品展示会・商談会において出展・PRを実施しました。来年1月には米国・ラスベガスで開催される食品展示会においても,PRを実施することとしております。
今後とも,この「和牛日本一」の称号を前面に打ち出し,国内外に向けて積極的なPRに取り組み,更なる「鹿児島黒牛」の販路拡大につなげてまいります。
また,次回大会においても「和牛日本一」が獲得できるよう,関係機関・団体の皆様とより一層の連携を図りながら,鹿児島黒牛の更なる改良と出品対策の強化に取り組んでまいります。
林業の振興については,木の良さや木材利用の意義などを広く県民にPRするため,「木材利用促進月間」である先月には「かごしま木材まつり木製品展」や「『かごしま木の家』づくりセミナー」などを,今月は「CLT等を活用したかごしま材利用セミナー」を開催いたしました。
今後とも,付加価値の高い「かごしま材」の利用拡大に向けた施策を推進してまいります。
水産業の振興については,新規漁業就業者の確保・育成を図るため,今月11日から12日にかけて,漁業就業希望者を対象に漁業の基礎知識に関する講義や漁業体験などを行う「かごしま漁業学校」の入門研修を開催いたしました。また,水産加工業者の技術向上等を図るため,先月27日に,第56回水産物品評会を開催したところ,多くの地域の素材等を生かした商品が出品されました。
今後とも,漁業の担い手の確保・育成のための取組を進めるとともに,多様化する消費者ニーズに対応した水産加工品の開発を支援するなど,本県水産業の振興に努めてまいります。

(企業の「稼ぐ力」の向上)
企業立地の推進については,今月24日,大阪において「企業立地懇話会」を市町村と連携して開催し,私から,関西・中部地区に本社を置く企業の皆様に対して本県の優れた立地環境をPRいたしました。
今年度はこれまで,京セラ川内・国分工場の増設や,昨年度から補助制度を拡充し誘致強化を図っている情報通信関連企業の新設及び増設など,26件の立地が決定しました。今後とも,アジアに近い地理的優位性や電子・自動車関連産業の集積,都市部にはない生活環境など,鹿児島の特性を生かした企業立地の推進に努めてまいります。
起業については,起業に向けた機運の醸成を図り,新たなビジネスアイデアの発掘・支援等を行うため,ビジネスプランを募集したところ,昨年度を上回る64件の応募を頂きました。現在,書類審査で選定した16件について,専門家によるブラッシュアップ等を行っております。
パリのルーヴル美術館において「日本の食文化を世界に」をテーマに開催された「北前船寄港地フォーラム」に併せて,本県の認知度向上に加えて,現地のバイヤーや観光関係者との人的ネットワークの構築を図るため,先月17日から20日にかけて,フランスにおいてトップセールスを実施し,県産品や観光のPRを行いました。
このうち,在仏日本国大使公邸で主催したレセプションにおいては,多くの現地バイヤーやメディア等の方々にお越しいただき,「和牛日本一」を獲得した牛肉やブリ,お茶,本格焼酎等の県産品の魅力をしっかりとアピールしたところです。出席者からは,「和牛は口の中で溶けるようですばらしい」,「焼酎は香り豊かで飲みやすい」といった高評価を頂き,非常に手応えを感じました。
また,本格焼酎のトップセールスを行った大手酒類卸店では,社長から,112ある蔵元に独自のストーリー性があることやスピリッツの中では低アルコールであることが現地の若者のトレンドに合うことなど,フランス市場における本格焼酎の販路拡大の潜在可能性について言及があり,輸出拡大に向けて大変有意義な情報交換を行うことができました。このフランスでの会談を踏まえ,翌週には,同店での取扱いの拡大に向けて,社長やバイヤーに本県蔵元の視察をしていただき,生産地の気候や風土,作り手の思いなど本格焼酎への理解を深めていただきました。
さらに,パリ中心部にある5つ星ホテルにおけるトップセールスでは,県産本格焼酎を使用したカクテルを試飲し,私自らその命名をいたしました。このカクテルが世界的に著名な高級ホテルで提供されることが決定したことにより,本県本格焼酎のブランド力が高まり,海外における認知度が高まっていくことを期待しております。
今後,今回のトップセールスで構築した人的ネットワークをしっかりと生かしていくとともに,関係団体と連携しながら,県産品の認知度向上と販路拡大に努めてまいります。

(多彩なキャリアをデザインできる働き方の創出)
県内の雇用情勢については,9月の有効求人倍率は,前月より0.02ポイント上昇し,1.36倍となっており,26か月連続で全国平均を上回っております。
県においては,若年者の就職を支援するため,鹿児島労働局などと連携して今月7日に高校生や大学生等を対象とした就職面接会を開催し,県内企業への就職を促進したほか,来月11日には,県内企業,大学,短大,専修学校等がそれぞれの魅力を発信する進学・就職応援フェアを開催することとしております。
引き続き,国や関係機関と連携しながら,新規学卒者の県内就職の促進に努めてまいります。


(デジタルテクノロジーを活用した県民の暮らしの質の向上)
デジタル化の推進については,市町村におけるデジタル化の取組を支援するため,県DX推進アドバイザーによる個別相談や自治体DXに関する意見交換を実施しているほか,データ利活用を推進するための市町村職員向け研修会を開催しております。
先月には,行政と金融の各専門の強みを十分に生かし,県内のデジタル化を更に加速するため,株式会社鹿児島銀行とデジタル化推進に係る連携協定を締結しました。今後,キャッシュレス決済の促進やデジタル人材の育成などの取組で連携し,地域課題の解決や県民サービスの向上につなげてまいります。
デジタル社会の基盤であるマイナンバーカードについては,県全体のデジタル化を推進していく観点から,県民に広く普及を図ることが重要であり,引き続き,LINE公式アカウントや県の広報番組等を活用した普及啓発に取り組むほか,商業施設の大型ビジョンを活用した広報や,市町村が行う企業等への出張申請受付に対する支援を行うなど,市町村と連携し,更なるカードの普及促進を図ってまいります。

(持続可能な行財政運営)
「知事とのふれあい対話」については,今月12日に錦江町,26日に南さつま市,枕崎市で開催し,各会場において,県民の皆様と地域の現状や課題,振興策等について,率直な意見交換を行いました。
今後とも,できるだけ早期に全市町村において開催し,県民の皆様の声を県政に反映するとともに,透明で開かれた県政運営を行ってまいります。
本年3月に策定した「行財政運営指針」においては,今後,更に高度化・多様化・複雑化する行政需要に対応できるよう,職員の育成により一層重点的に取り組むこととしております。
その取組の一環として,今月8日に,人材育成に関して豊富な知見やネットワークを有する一般財団法人地域活性化センターと,人材育成に関する連携協定を締結しました。今後,同センターとの人材育成事業の共同開催等により,職員の更なる意欲と資質の向上につなげてまいります。
来年度の政府予算に関しては,新型コロナウイルス感染症対策や原油価格・物価高騰対策,公共事業などの予算のほか,地方財政対策,税制改正など,地方の行財政運営に大きな影響を与える予算編成や制度設計が行われることも考えられます。
このため,今月10日に,県議会議長とともに,国に対し,地方税財源の充実・確保,社会資本整備の推進及び財源の確保,食料安全保障の確立など,県開発促進協議会の重点提案事項の実現について強く要請を行ってまいりました。
今後とも,県議会の皆様や県関係の国会議員,県内各界の方々の御支援・御協力を頂きながら,これらの実現に向けて一層の努力をしてまいりたいと考えております。

次に,補正予算の概要について御説明申し上げます。
今回の補正予算は,新型コロナウイルス感染症に係る医療提供体制の確保等に要する経費や,同感染症の影響を受けた中小企業者等の経営改善支援に係る経費のほか,台風第14号等による被害に対する災害復旧事業等に要する経費を計上することとしております。
補正予算の総額は,一般会計で50億10百万円であり,この結果,補正後の一般会計の予算額は,9,040億16百万円となっております。この財源については,地方交付税,国庫支出金,県債などをもって充てることとしております。
また,特別会計の補正予算額は,病院事業特別会計の10億19百万円などとなっております。
さらに,公共・県単公共事業の施工時期の平準化や梅雨期前に寄洲除去などを行うための債務負担行為,いわゆる「ゼロ県債」を50億76百万円計上することとしております。
このほか,予算外の議案として,「鹿児島県事務処理の特例に関する条例の一部を改正する条例制定の件」など,条例案10件,その他の議案12件となっております。
何とぞよろしく御審議の上,議決していただきますようお願い申し上げます。

よくあるご質問

このページに関するお問い合わせ

総務部財政課

より良いウェブサイトにするためにみなさまのご意見をお聞かせください

このページの情報は役に立ちましたか?

このページの情報は見つけやすかったですか?