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ホーム > 県政情報 > ようこそ知事室へ > 施政方針 > 令和5年第2回県議会定例会提案理由説明要旨

更新日:2023年6月14日

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令和5年第2回県議会定例会提案理由説明要旨

令和5年第2回県議会定例会の開会に当たりまして,当面する県政の諸問題の推移及び今回提案しております議案その他の案件につきまして,概要を御説明申し上げます。

まず,新型コロナウイルス感染症については,先月8日から感染症法上の位置づけが季節性インフルエンザと同じ5類感染症に変更されました。
同感染症については,令和2年3月に陽性者が初めて確認されて以降,関係機関や県民の皆様の御協力により,その時々の感染状況に応じた対策を着実に推進してまいりました。
この3年余りの間,日夜県民の命を守るために献身的に貢献をしていただいた医療従事者の皆様をはじめ関係機関の皆様,感染防止対策に御協力を頂いた県民の皆様方に対して,改めて心から感謝申し上げます。
感染症法上の位置づけの変更に伴い,医療提供体制については,行政の関与を前提とした限られた医療機関による対応から,幅広い医療機関による対応に移行することとされました。
県では,これを踏まえ,県医師会等をはじめとする関係機関と連携し,9月末までの入院患者の受入体制や宿泊療養施設の確保などを内容とする「移行計画」を4月に策定いたしました。
同計画においては,一日当たりの最大入院患者数である1,515人の入院受入体制を確保することとしております。現在,104の入院受入医療機関において,最大753床を確保しております。このほか,これまでに受入れ経験のある医療機関に加えて,受入れ経験のない医療機関においても,患者を受け入れていただくこととしており,引き続き必要な病床の確保に努めてまいります。
外来医療体制については,より多くの医療機関で対応できるよう努めてきたところであり,5類感染症への移行時に880であった外来対応医療機関は,現在,904となっております。
なお,医療費や検査費用については,保険診療となり自己負担が発生することとなりますが,患者への急激な負担増が生じないよう,コロナ治療薬や入院費に係る自己負担の軽減措置を9月末まで講じることとなっております。
宿泊療養施設については,高齢者と妊婦を対象に,9月末まで継続することとし,12施設372室を確保しております。
ワクチン接種については,本年度も引き続き無料で行うこととなっております。先月8日から,高齢者や基礎疾患をお持ちの方,医療従事者等を対象にワクチン接種が実施されており,9月からは,5歳以上の全ての方を対象にした接種が開始されることとなっております。
現在,全国の新規感染者の報告数は,定点当たり4.55人となっており,緩やかな増加傾向が継続しております。
本県においては,先月29日から今月4日までの1週間における定点医療機関からの報告数は,定点当たり5.36人であり,前週と比較して2ポイントの増加となっております。また,受入医療機関における病床使用率については,今月9日時点で14.9パーセントとなっております。
新型コロナウイルス感染症については,感染症法上の位置づけは変更されましたが,ウイルスがなくなったわけではなく,高齢者や基礎疾患のある方は依然として重症化リスクが高く,後遺症とみられる症状に悩まされている方もおられます。
今後の感染対策は,県民の皆様の自主的な取組を基本としたものになります。手洗いや手指消毒,換気などは基本的感染対策として有効とされていることから,県民の皆様におかれましては,高齢者等重症化リスクの高い方と会われる際など,場面に応じた自主的な感染防止対策に取り組んでいただくようお願いいたします。
県としては,今後とも,感染状況等を注視するとともに,関係機関等と連携して,医療提供体制の確保など,必要な対策に取り組んでまいります。
新型コロナウイルス感染症への対応の経験を踏まえ,新たな感染症の発生及びまん延に備えるため,3月30日に感染症専門医の集中的な養成などを目的とした寄附講座に係る協定を鹿児島大学と締結いたしました。来月には同講座が開設されることとなっております。
また,感染症法の改正を受けて,感染症予防のための施策の実施に関する感染症予防計画を本年度中に改定するとともに,関係者からなる連携協議会を設置することとしております。
今後も関係機関と連携しながら,県下全域において感染症の防御及び医療体制の整備に努めてまいります。

医療提供体制の確保など,必要な対策を継続しながら,今後は,ウィズコロナの下で,県民の皆様の安心・安全と経済社会活動の両立に向けて,より一層取り組むことが重要と考えております。
長らく落ち込んでいた旅行需要については,県の観光動向調査において4月の県内宿泊者数がコロナ禍前の8割程度,外国人宿泊者数も4割程度の水準となるなど,回復傾向が続いております。
全国を対象に県内旅行商品の割引や商品クーポンの付与を行う「今こそ鹿児島の旅」については,個人旅行は来月21日まで,団体旅行は9月末まで延長することとしております。引き続き,県独自の離島旅行の割引上限額の上乗せ等を行いながら,本県への誘客を図ってまいります。
鹿児島空港国際線については,これまでチャーター便として,1月から4月には大韓航空,3月から4月には同じく韓国のティーウェイ航空が就航してきましたが,明日からは台湾のチャイナエアラインも4往復就航いたします。また,今月5日からは,運航再開後初の定期便として,香港エクスプレス航空が週3便で運航を開始しております。
全国的に国際線再開の動きが出てきている中,地上支援業務,いわゆるグランドハンドリングに従事する職員の不足が課題となっており,鹿児島空港においても同様の課題を抱えております。県としては,引き続き空港や観光の関係者と連携の上,空港受入体制確保に向けて,地上支援業務職員の採用支援や航空会社に対する応援職員の派遣要請などに取り組んでまいります。
国際クル-ズ船については,3月から,本県における受入れが再開し,本年は既に約100回の寄港が予定されております。先月14日には,再開後初となる大隅半島へのオプショナルツアーがあり,カンパチや黒豚を使用したフルコースランチなど,鹿児島の食や自然を楽しんでいただきました。
引き続き,本県の地理的優位性や美しい自然,豊かな食などの世界に誇れる宝物を最大限生かしながら,クルーズ船の寄港の増加や定着に向けて,寄港地観光ツアーの提案や船会社等へのセールス等を実施してまいります。
国は,消費単価の高い高付加価値旅行者の誘客に向けて集中的な支援を行うモデル観光地11地域を3月に選定し,本県では,世界有数の活火山によりもたらされる雄大な景観や温泉といった観点から鹿児島・阿蘇・雲仙エリアが採択されました。また,希少な動植物が織りなす独自の生態系,暮らしに息づく環境文化といった観点から沖縄・奄美エリアが採択されました。
県としては,国や関係者と連携しながら,まずは本年度各エリア毎のマスタープランを策定し,来年度以降,具体的に高付加価値旅行者を惹きつける魅力的なインバウンド観光地づくりに取り組むこととしております。
今後とも,コロナ禍からの経済回復に向けて取り組んでまいります。

我が国経済は,緩やかに回復しております。
先行きについては,雇用・所得環境が改善する下で,各種政策の効果もあって,緩やかな回復が続くことが期待されますが,世界的な金融引締め等が続く中,海外景気の下振れが我が国の景気を下押しするリスクとなっております。また,物価上昇,金融資本市場の変動等の影響に十分注意する必要があります。
県内経済は,持ち直しておりますが,足元では,物価の上昇が続いている状況です。
こうした中,国においては,物価・景気の状況を把握し,状況に応じた迅速かつ総合的な対応に切れ目なく取り組むこととしており,本年3月には,「物価高克服に向けた追加策」を決定しました。
県としては,国の施策とも連携して,燃料油や飼料の価格高騰に対する交通事業者や生産者への支援,市町村が実施するプレミアム商品券の発行支援による生活者への支援など,これまで補正予算に計上した各種の事業を効果的に展開することにより,物価高騰の影響を受けている生活者や事業者の負担軽減に努めてきております。今回の補正予算においても,これまで国の支援の対象外となっていたLPガス利用者や特別高圧受電事業者への支援を新たに行うこととしました。また,公定価格で運営を行っている医療機関や社会福祉施設等への支援,物価高騰の影響を引き続き受けている子育て世帯の経済的負担の軽減などを行うこととしました。
今後とも,物価や景気の動向を踏まえ,必要な対応を講じてまいりたいと考えております。

本格的な人口減少や少子高齢化の進行,不安定な海外情勢等による物価の高騰,デジタル化の進展,カーボンニュートラルの実現など,昨今の社会経済情勢は大きく変化しております。
私としては,これらに的確に対応しつつ,本県の基幹産業である農林水産業,観光関連産業など鹿児島の「稼ぐ力」の向上,地域や各種産業を支える人材育成,結婚・出産・子育てしやすい環境の整備や高齢者が健やかで生きがいが持てる社会の形成など,「かごしま未来創造ビジョン」に掲げた各般の施策に積極的に取り組むことにより,「誰もが安心して暮らし,活躍できる鹿児島」を目指してまいりたいと考えております。
今後とも,「県民の皆様と一緒に鹿児島の今と未来をつくる」ということを基本として,「誠実に」,「着実に」県政の推進に全力を挙げて取り組んでまいります。
県議会の皆様方をはじめ,県民の皆様方の御理解と一層の御支援を心からお願い申し上げます。

次に,最近の県政の展開の中で主な事項について御報告申し上げます。

川内原発については,令和3年12月,県原子力専門委員会に対し,県から科学的・技術的な検証を依頼し,その後,同委員会に設置した「川内原子力発電所の運転期間延長の検証に関する分科会」において,昨年1月から約1年3か月の間に計12回に及ぶ会議を重ね,運転期間延長に係る科学的・技術的検証を行っていただきました。
また,専門委員会においても,昨年7月から先月にかけて開催された5回の会合により,川内原発の運転期間延長に必要となる組織の運用体制や担当者の教育体制等に関する検証を行っていただき,分科会の検証結果も踏まえた専門委員会の検証結果が取りまとめられ,先月26日,報告を頂いたところです。
その報告書においては,川内原発の運転期間延長に関して行った特別点検結果,劣化状況評価及び施設管理方針の策定がそれぞれ適正になされていることを確認し,また,九州電力の組織の運用体制や担当者の教育体制について,安全性の確保のために必要な措置が取られていることを確認したとされています。
一方で,専門委員会においては,今後の安全性の更なる向上のために留意すべき事項を県から原子力規制委員会及び九州電力に要請すべき事項として,意見書に取りまとめております。
県としては,県民に分かりやすい広報資料を作成し,今月5日に県のホームページにおいて公表しました。今後,同内容を冊子にして,UPZ内の全世帯等に配布を行うこととしております。また,本日,薩摩川内市において住民説明会を開催し,後日,その様子をユーチューブにより配信することとしております。
川内原発の運転期間延長については,専門委員会において,科学的・技術的な検証を徹底的に行い,原子力規制委員会及び九州電力に対し,厳正な対応を要請するとしており,県民の意向把握については,これまで,「専門委員会の意見が集約されない場合において,県民の意向を把握するため,どのような手段が適切であるか総合的に判断してまいりたい。」と申し上げてきたところです。
専門委員会から,運転期間延長に関する九州電力の取組は適正であるなどとの整理がなされた旨の報告を受け,専門委員会の検証結果は集約されたものと受け止めておりますが,川内原発の運転期間延長は,県民の皆様の関心が高いことを踏まえ,原子力規制委員会及び九州電力に対する要請書案について,明日から,県民の意見募集を行うこととしております。
また,UPZ内の関係9市町に対しても,要請書案に対する意見照会を行っているところです。
今後,原子力規制委員会による判断が行われる前に,県民の皆様や関係9市町から頂いた御意見,議会での御論議を踏まえて,原子力規制委員会及び九州電力に対して厳正な対応を要請してまいります。
防災対策については,原子力災害時における避難情報などを閲覧できる原子力防災アプリの更なる普及促進に取り組むとともに,本年度は,オフサイトセンターの機能強化や防災資機材の整備,モニタリング体制の充実などに取り組むこととしております。
今後とも,県民の生命と暮らしを守る観点から,川内原発の安全対策・防災対策の充実・強化に取り組んでまいります。
なお,国においては,脱炭素電源の利用促進を図りつつ,電気の安定供給を確保するため,原子力発電所の運転期間や安全規制等に係る制度改正を進めており,先月31日には,これらを盛り込んだ「GX脱炭素電源法案」が国会で可決成立しました。原子力政策を含めたエネルギー政策は,基本的に国の責任で行われるものと認識しており,国においては,原子力の安全性の担保を大前提に,今回の方針変更の科学的根拠をしっかりと説明していただく必要があると考えております。
馬毛島における自衛隊施設の整備等については,これまで地元市町との意見交換を行うとともに,関係機関・団体を訪問し,住民生活や地元産業への影響を懸念する声などをお聞きしております。
また,工事に伴う懸念事項等や各市町の対応状況などの共有を図り,今後の対応等に資するため,県と1市2町による事務レベルでの連絡会を実施しております。
2月には,地元の懸念事項等を含め,住民の安心・安全の確保に必要な対策等について,県から国に対し要請を行い,国から先月12日に,種子島の宿泊施設等の空き状況等への影響を最小限にとどめるため,馬毛島に
3,000室を超える仮設宿舎の建設等の取組を進めること,廃棄物の処理について,馬毛島内に簡易焼却炉を設置することなど,現在の対応状況等について説明がありました。
県からは,国に対して,今後とも,県の要請等を踏まえ,地元の懸念事項等に対して,速やかに,地元への十分かつ丁寧な情報提供を行うとともに,県及び地元市町などとも協議の上で,必要な対応を行うことを求めました。
また,先月15日にも,連絡会を実施し,地元の懸念事項等についてお聞きするとともに,今後とも,国に対し,速やかに必要な対応を行うよう求めていくことを確認し,国にもその旨申し入れたところです。
県としては,引き続き,国や地元市町と緊密に連携を図りながら,住民の安心・安全が確保され,また,環境保全措置が適切に講じられるよう,しっかりと取り組んでまいります。
スポーツ・コンベンションセンターについては,昨年度実施したPFI等導入可能性調査の結果を踏まえ,ドルフィンポート跡地等を整備予定地として,PFI方式を活用して整備・運営することとし,本年4月に,PFI法に基づき「実施方針の策定の見通し」を公表いたしました。
また,併せて,同センターの整備・運営スケジュールについて,本年度は事業者公募に係る資料の作成等を行い,来年度はそれらの資料を基に事業者を選定し,令和7年度から設計・建設等の具体的な取組を進めていくことを公表いたしました。
先月には,事業者公募などPFI事業に必要な諸手続に係る資料の作成・支援を目的とするPFIアドバイザリー業務の委託先を公募型プロポーザル方式により選定いたしました。
県としては,スポーツ・コンベンションセンターが,スポーツ振興の拠点機能に加え,多目的利用による交流拠点機能を備えた施設として,また,県民や観光客が気軽に立ち寄れる開かれた施設として,さらに,中心市街地との回遊性を高め,大きな経済波及効果をもたらす施設として,永年にわたり県民の皆様に親しまれ,誇りとなる施設となるよう,ドルフィンポート跡地等における整備に向けた取組を着実に進めてまいります。
鹿児島港本港区エリア一帯の利活用については,3月28日に「第3回鹿児島港本港区エリアの利活用に係る検討委員会」を開催し,委員からは,港湾の人流や物流,景観への配慮が必要との御意見が出されるなど,第1回,第2回に引き続き,活発な御議論を頂きました。
現在,同エリアでは,鹿児島市においてサッカー等スタジアムの検討がなされており,また,鹿児島商工会議所からは,具体的な事業化イメージとして,住吉町15番街区におけるMICE施設や観光施設の整備などを内容とする提言が出されております。これらについては,検討委員会における検討要素の一つとして,議論を進めていただくことになると考えております。
また,同委員会においては,同エリアの利活用のアイディアについて,2月10日から4月17日まで御意見を募集したところ,同エリアに導入してほしい機能や利活用の検討に当たっての留意点など,234件の応募がありました。応募のあった提案の中から,来月,プレゼンテーションを行っていただくこととしており,今後の委員会における検討の参考としていただきたいと考えております。
さらに,今月12日から13日にかけて,今後の論点となる港湾として確保すべき機能や導入すべき機能などについて,香川県の高松港,長崎県の長崎港のウォーターフロントの利活用状況の実地調査を行いました。
県としては,同委員会における検討状況を踏まえ,県民の御意見などもお聞きしながら,本年度末を目途に,同エリアの利活用の全体像の策定に向けた取組を進めてまいります。
同エリアの景観については,「本港区エリアにおける景観・デザイン調整会議」を設置し,桜島の眺望やまちなみ景観など,景観形成の基本的な方向性を示すガイドラインを策定したいと考えております。
また,同エリアを含めた本県のまちづくりや建築政策に対する助言を頂く特別アドバイザーを選定したいと考えており,これらに要する経費を今回の補正予算に計上しているところです。

(誰もが個性と能力を発揮し活躍できる社会の実現)
男女共同参画・ジェンダー平等の推進については,「多様な生き方が選択でき,個性や能力が発揮できる社会」,「誰もが安心して暮らすことができる地域社会」の実現を目指して,本年3月に策定した第4次県男女共同参画基本計画に基づき,女性活躍や男女共同参画の視点に立った地域づくりの推進,ジェンダーギャップ解消に向けた県民の気運醸成など,各般の施策に積極的に取り組んでまいります。

(結婚,妊娠・出産,子育ての希望がかなう社会の実現)
我が国では,出生数の減少が予想を上回る速度で進行し,人口減少に歯止めがかからないなど,子どもや家庭を巡る様々な課題が深刻化する中,国においては,今月,今後3年間の集中的な取組を盛り込んだ「こども未来戦略方針」が公表され,年内にはこども基本法に基づく「こども大綱」が策定される予定であるなど,子ども政策の強化に向けて取り組むこととしております。
少子化の進行は,地方における人手不足の深刻化や地域の活力の低下を招くことから,私としても危機感を感じております。本県においても,優先的に解決すべき課題として,妊娠・出産に係る経済的負担の軽減や保育人材の確保,周産期・小児医療提供体制の整備等の取組の充実を図っているところであり,今後も,国の施策の方向性も踏まえつつ,子育て支援施策の充実に向けて検討を進めてまいりたいと考えております。
子ども医療費助成制度については,本県では,経済的な理由から医療機関の受診を控え,症状が重篤化することを防ぐため,住民税非課税世帯の高校生までを対象に,自己負担を求めることなく,現物給付方式を導入しており,窓口負担をゼロとしております。
制度の見直しについては,関係団体などから御要望を頂いているところであり,今後,依然として厳しい本県の財政状況等を勘案しつつ,子育てのしやすい環境整備という観点から検討を進めてまいります。
併せて,自治体の財政力等の違いにより,助成する対象や自己負担額に格差が生じていることから,国において全国一律の医療費助成制度を創設するよう,引き続き様々な機会を通じて要望してまいります。
児童虐待防止対策については,4月に,新たに北薩地域3市2町及び伊佐市,湧水町を管轄する北部児童相談所をさつま町に設置いたしました。今後とも,県北部地域における関係機関との円滑な連携や丁寧な相談対応などに取り組んでまいります。
医療的ケア児等への支援については,令和3年9月に施行された「医療的ケア児及びその家族に対する支援に関する法律」の趣旨や県議会の政策提言の内容を踏まえ,医療・保健・福祉・教育など多くの分野にまたがる相談への一元的な対応や関係機関との調整等を行うため,9月を目途に医療的ケア児支援センターを設置することとしております。先月には委託先を県看護協会に決定したところであり,今後,業務環境の整備や関係機関・団体との連携体制の構築,医療的ケア児とその家族への周知・広報など,設置に向けた準備を進めてまいります。

(健康で長生きできる社会の実現と良質な医療・介護の確保)
医師の確保対策については,県立大島病院や種子島産婦人科医院など,離島,へき地等の29か所の医療機関等に,昨年度より17人多い63人の地域枠医師を配置したほか,本年度県内で研修を開始する初期臨床研修医について,過去最高となる121人を確保いたしました。今後とも,関係機関と一体となって総合的な医師確保対策に努めてまいります。

(地域を愛し世界に通用する人材の育成と文化・スポーツの振興)
特別支援教育の充実については,児童生徒の増加による施設の狭隘化等に対応するため整備を進めてきた鹿児島南特別支援学校が4月に開校し,19日には記念式典を開催いたしました。今後,同校において一人一人の教育的ニーズに応じた多様な教育活動が展開されることを期待しております。
また,「特別支援学校等教育環境改善検討委員会」からの提言を踏まえ,曽於地区,伊佐・湧水地区,姶良地区の3地区への特別支援学校の分置や離島等における特別支援教育の充実を図ることとしております。これらの具体的な検討を行う「特別支援学校等教育環境改善推進協議会」を4月に設置したところであり,今後,分置に係る整備計画の策定等に向けて,市町村教育委員会など関係者と連携しながら取り組んでまいります。
県立楠隼中学校・高等学校の共学化や通学生の受入れについては,生徒や保護者,周辺市町の関係者などの御意見を伺うとともに,共学化等に向けた課題を整理し,今後の進め方やスケジュールについて,教育委員会において検討してきたところです。
私としては,楠隼校の特色ある魅力的な教育を受けられるようにするため,女子生徒や自宅等からの通学を希望する生徒を受け入れることとしたいと考えております。
その受入れについては,全寮制男子校を前提に入学した生徒に配慮する必要があるため,該当する生徒が卒業した後,令和8年度に入学する中学生から段階的に開始したいと考えております。
なお,寮への女子生徒の受入れについては,施設の改修等の課題もあることから,その開始時期等については,教育委員会と相談しながら丁寧に検討を進めてまいります。
また,同校の6年一貫教育の更なる充実を図るため,令和11年度から,高校については,楠隼中学校卒業者以外の受入れは行わず,中学校における入学者のみを受け入れることとしたいと考えております。
今後,教育委員会と相談しながら具体的な準備を進めてまいります。
特別国民体育大会「燃ゆる感動かごしま国体」と特別全国障害者スポーツ大会「燃ゆる感動かごしま大会」の開催まで,100日余りとなりました。
県として,両大会の運営に万全を期すため,4月1日付けで,私を本部長とする「燃ゆる感動かごしま国体・かごしま大会」実施本部を設置いたしました。
また,4月16日に姶良市で開催された「ペタンク」を皮切りに,国体の実施競技の一つである「デモンストレーションスポーツ」が,県内各地で順次開催されております。
先月20日,21日と今月3日,4日には,「かごしま大会」に向けて,競技運営,審判技術等の向上を図るため,本大会と同じ7つの市,15の会場でリハーサル大会を実施いたしました。
来月2日には開催100日前カウントダウンイベントを実施し,また,21日から8月26日まで,薩摩,大隅,離島の3コースで,県内の全市町村をつなぐ炬火リレーを実施することとしております。このような取組を通して,開催気運の更なる醸成を図ってまいります。
「かごしま国体」における天皇杯・皇后杯の獲得に向けては,4月に,全国トップレベルの選手76人を本年度の強化指導員として委嘱するとともに,先月,60団体・376人に強化指定証を授与し,選手の意欲を喚起いたしました。引き続き,競技団体と連携して,少年選手の強化や有力な成年選手の更なる強化等に取り組み,競技力の向上を図ってまいります。
両大会が「コロナ禍からの再生と飛躍」を象徴する大会となることを目指し,県民はもとより,全国の皆様にとっても素晴らしい,思い出に残る希望に満ちた大会となるよう,市町村や関係団体等と力を合わせて,開催に向け着実に準備を進め,両大会の運営に万全を期してまいります。
また,選手・役員をはじめ全国から来県される皆様を県民総参加の下,真心のこもったおもてなしでお迎えし,豊かな自然や食,歴史・文化,特産品など,本県の多彩な魅力を満喫していただきたいと考えております。
第47回全国高等学校総合文化祭鹿児島大会(2023かごしま総文)については,4月22日,23日にセンテラス天文館において,「100日前イベント」を開催いたしました。イベントでは,県内の高校生が中心となり,ステージ発表のほか,体験ブースや展示ブースの設置を行うなど,本大会で実施される22部門全てを紹介し,大会のPRを行いました。
来月末に開会を迎える本大会の成功に向け,着実に準備を進めてまいります。
「第44回霧島国際音楽祭」については,来月21日から8月6日にかけて,国内外から著名な音楽家を迎え,みやまコンセールを中心に開催し,多彩なコンサートや講習会を実施することとしております。
今後とも,アジアを代表する音楽祭として,更に充実・発展していくことを目指してまいります。

(脱炭素社会の実現と豊かな自然との共生)
地球温暖化対策については,2050年カーボンニュートラルの実現に向けて,3月に,「県地球温暖化対策実行計画」及び「県庁環境保全率先実行計画」を改定し,2030年度の温室効果ガス排出削減目標をそれぞれ引き上げるとともに,その達成に向けた対策や施策の充実などの見直しを行いました。また,カーボンニュートラルに向けた気運の醸成を図るため,「燃ゆる感動かごしま国体・かごしま大会」で排出されるCO2を,県民・事業者の省エネ行動でオフセットする取組について,今月から参加の呼び掛けを開始いたしました。
今後とも,県民,事業者,行政が力を合わせて,一体となって地球温暖化対策を積極的に推進してまいります。
再生可能エネルギーについては,3月に策定した「鹿児島県再生可能エネルギー導入ビジョン2023」に基づき,省エネ・再エネ設備の導入等の支援や,離島における再エネを活用したEVバイク充電ステーションの可能性調査などに取り組んでまいります。

(安心・安全な県民生活の実現)
今月2日から3日にかけて発生した,線状降水帯等による記録的な大雨により,本州を中心に河川の氾濫が相次ぎ,広い範囲で甚大な被害が発生しております。これらの大雨により,亡くなられた方々の御冥福を祈り,哀悼の意を表しますとともに,被災された方々に心からお見舞い申し上げます。また,被災地の一日も早い復旧をお祈りいたします。
本県も既に梅雨入りしており,これから秋口にかけて集中豪雨などによる災害が発生しやすくなってまいります。
先月28日には,姶良市において,県総合防災訓練を実施し,地域住民や103の機関・団体など約1,400人の参加の下,豪雨と地震の複合災害を想定した住民避難及び応急対策活動などに取り組みました。
今後とも,住民への適時・適切な情報伝達や円滑な避難が図られるよう,市町村や関係機関との連携に努めてまいります。
本年は,本県に甚大な被害をもたらした平成5年の8・6水害をはじめとする鹿児島豪雨災害から30年という年でもあります。
県民の皆様におかれましては,改めて災害や防災への関心を持っていただくとともに,日頃から危険箇所や避難場所,避難経路を確認し,災害時には早めの避難に心がけていただくなど,備えに万全を期していただくようお願いいたします。

(快適な生活環境の向上と世界につながる県土の創造)
高規格道路については,国の令和5年度予算において,東九州自動車道や南九州西回り自動車道などの整備推進に必要な事業費が確保されたところです。北薩横断道路については,さつま広橋インターから佐志インター間の本年度中の供用を予定しており,現在整備を進めております。
今後とも,高規格道路の早期供用に向け,国と一体となって,整備に努めてまいります。
志布志港については,農林水産物の一大生産地を背後地域に有することを生かした農林水産物・食品の更なる輸出促進に向け,民間事業者や関係団体・行政機関と連携して「農林水産物・食品輸出促進計画」を取りまとめたところであり,先月,国から同計画の認定を受けました。
今後,同計画に基づき,産直港湾「志布志港」として,多様な温度帯の貨物に対応するための冷凍・冷蔵施設の整備や気密性確保のための屋根の改良等により輸出環境を強化し,それらをポートセールス等でPRするなど,農林水産物・食品の輸出拡大に向けた取組を積極的に進めてまいります。

(個性を生かした地域づくりと移住・交流の促進)
昨年度の県外からの移住者数は,市町村の把握では,2,631人となっており,引き続き増加傾向となっております。
移住・交流の促進については,地方移住への関心が高まっているこの機会を逃すことなく,より多くの方々に本県を選んでもらえるよう,移住希望者の相談にきめ細かく対応するため,来月から東京のふるさと回帰支援センターにおける移住・交流相談員を増員する予定です。また,先月,大阪で開催された関西ファンデーや東京で開催された九州・山口・沖縄合同移住フェアにおいて,多数の方々に本県ブースに御来場いただき,移住や就職に関する相談に対応いたしました。今後も同様のイベントに参加するとともに,首都圏での移住・交流セミナーを開催することとしており,鹿児島の良さや本県への移住の魅力についてPRしてまいります。

(多様で魅力ある奄美・離島の振興)
奄美群島の振興については,本年度末に期限を迎える奄美群島振興開発特別措置法の延長に向け,昨年度実施した総合調査の報告書を3月末に取りまとめました。その中で,同法において,沖縄との連携や,調和ある発展を図るよう条文を改正し,輸送コスト支援や運賃軽減の拡充等により沖縄との連携策の強化などを図るとともに,奄振交付金を拡充し,地域の特性に応じた教育や地域文化の振興に関する事業を推進する必要があるなどとしました。
4月に開催された国の奄振審議会においては,県から総合調査報告書について説明を行い,私からも,世界自然遺産に登録されたことを契機として,沖縄や屋久島と連携しながら観光立国に貢献する役割等が期待されることなどに触れながら,法延長の実現や支援措置の充実等の必要性について,訴えかけてまいりました。
引き続き,審議会委員の皆様に御理解を頂くよう訴えかけていくとともに,国会議員や県議会,地元市町村と一体となって,法延長の実現等を国に働きかけてまいります。
離島の振興については,今月2日に,「ジェットフォイルの計画的な更新の検討や国等の支援の要請」,「国とも連携した小規模離島に対するきめ細やかな支援の実施」といった内容を盛り込んだ新たな離島振興計画を策定いたしました。今後,本計画に基づき,国の補助事業や特定離島ふるさとおこし推進事業等を活用して,本県離島の一層の振興に努めてまいります。

(農林水産業の「稼ぐ力」の向上)
農林水産物の輸出促進については,「鹿児島県農林水産物輸出促進ビジョン」における令和7年度の新たな輸出目標額約500億円の実現に向け,生産体制や販売力の強化等に戦略的に取り組むこととしております。
「和牛日本一」の栄冠に輝いた「鹿児島和牛」については,更なる販路拡大に向け,今月は台湾,8月には香港において,アジア最大級の総合食品見本市へ出展することとしております。また,今回新たに,海外の規制や大ロット等のニーズに対応する輸出産地を形成するため,輸出商社やコンサル等の専門家も参画し,官民一体となった輸出推進体制を構築したところであり,今月8日には,鹿児島市内においてオール鹿児島での輸出拡大に向けた「GFP鹿児島キックオフフォーラム」を開催いたしました。
サツマイモ基腐病については,「鹿児島県サツマイモ基腐病対策アクションプログラム」に基づき,蒸熱処理装置の活用による健全種いも確保やバイオ苗の利用により,本年産の目標である5,180ヘクタールを超える
約6,100ヘクタール分の健全苗と健全なほ場を確保いたしました。
その後,先月下旬に実施した病害虫発生予察調査において,一部のほ場での発生が確認され,今後の梅雨時期における感染拡大のおそれがあったことから,26日に注意報を発令し,予防防除や排水対策について,生産者に広く周知いたしました。
県としては引き続き,関係機関・団体と一体となって「持ち込まない」「増やさない」「残さない」対策を総合的に推進してまいります。
家畜防疫対策については,高病原性鳥インフルエンザが,今シーズン,国内において26道県で84事例発生し,過去最多となっております。また,本県においても,出水市,阿久根市,南九州市及び鹿屋市の養鶏農場において,計13事例発生し,約137万羽が殺処分されました。
県としては,今シーズンの防疫対策について検証した上で,来シーズンに向け,市町村や関係機関・団体と一体となって生産現場における防疫意識の向上,侵入防止対策に取り組んでまいります。
埋却地から漏出した汚水が周辺のため池や河川に流入した問題については,地域住民の方へ大変ご迷惑をお掛けしていることに対し,改めてお詫び申し上げます。埋却物の移設については,4月20日から移設先の伐採工事に着手したところであり,漏出防止対策の強化や臭気対策を実施しながら,早急に完了できるよう取り組んでまいります。
また,水田耕作については,これまでの水質検査の結果,水稲の生育に影響はないものと考えており,引き続き定期的な水質検査や池の水の引き抜き,水稲作の技術的な支援などを行うこととしております。
県としては,安心して稲作ができるよう引き続き取り組んでまいります。
林業の振興については,これまで,木造化が進んでいなかった非住宅建築物等への県産材の利用拡大を促進するため,3月に「かごしまJAS材生産体制整備方針」を策定いたしました。
県としては,同方針に基づき,かごしまJAS材の生産増大に向け,関係機関・団体等と一体となって,JAS構造用製材の認証取得に積極的に取り組むとともに,県内外への販路拡大を進め,かごしま材の競争力強化を図ってまいります。
林業担い手の確保・育成については,4月から,県内7地区において林業事業体との意見交換会を開催し,求める人材像や必要とする研修内容等について意見を伺いました。また,関係団体や大学等で構成する「林業担い手確保・育成対策検討会」の第1回会議を先月15日に開催し,意見交換会での意見等も踏まえ,協議を行いました。
引き続き,意見交換会や検討会を開催し,林業大学校の設置も含めた本県にふさわしい人材育成の在り方についてしっかりと検討を行い,本年秋頃を目途に,林業担い手の確保・育成に係る施策の方針を取りまとめてまいります。
水産業の振興については,生産量日本一を誇る養殖ブリの人工種苗生産施設を拡充し,養殖業者のニーズに対応できる早期人工種苗の生産による周年出荷体制等を強化することとしております。4月には,「第1回ブリ人工種苗生産施設整備委員会」を開催し設計内容の検討を行いました。

(企業の「稼ぐ力」の向上)
製造業の競争力強化については,中核企業が行うAI,IoT,ロボット等を活用した生産性向上の取組や,食品関連製造業が行う生産工程の自動化・省力化等の取組を支援することとしております。今月2日には,中核企業等の取組18件,食品関連製造業の取組30件を採択いたしました。
今後,市場の成長が期待される宇宙関連産業については,3月に国の宇宙ビジネス創出推進自治体に選定されたところであり,今後専門家派遣を活用したセミナーの開催等に取り組んでまいります。
今後とも県内企業における宇宙機器の開発や衛星データの利活用を支援するなど,宇宙ビジネスの創出に向けて取り組んでまいります。
企業立地の推進については,昨年度は世界的な半導体需要の増加等により44件の立地が決定し,そのうち,電子関連企業は過去10年間で最も多い15件,情報通信関連企業は過去最高の9件となりました。
引き続き,半導体関連の投資情報に基づく関連企業への積極的な訪問活動や,IT企業出身の産業立地推進員の知見等を活用した情報通信関連企業の誘致等に取り組んでまいります。
鹿児島ブランドショップについては,県の産業会館の廃止方針等を踏まえ,運営する公益社団法人鹿児島県特産品協会と移転先について検討を進めてまいりました。
県としては,ブランドショップは実際の店舗でなければ提供できない本県特産品の魅力を実感する場として,また,県産品の販路拡大のきっかけとなる観光客への情報発信拠点として,引き続き設置する必要があると考えております。移転先については,同協会とも検討した結果,観光ルートに位置し収益性や情報発信力の向上が図れることや県有施設の有効活用が図られることなどから,鹿児島市城山町に位置する旧興業館がふさわしいと考えております。
また,旧興業館は国の登録有形文化財であり,かつて,物産陳列場など本県の産業振興施設としての役割を担ってきた歴史的石造建築物であることから,ブランドショップとして活用することで,文化財としての歴史的意義や建築的価値を継承することもできると考えております。
今後,移転に向けて旧興業館を所管する県教育委員会と調整を行うとともに,建築や文化財,マーケティング等の専門家の方々や関係団体,県議会の御意見を伺いながら,検討を進めてまいりたいと考えております。
本県における外国人労働者の約半数を占めるベトナムとの関係強化を図るため,来月,同国を訪問し,本県が連携協定を締結しているハイズオン省と,外国人材の安定的な受入れや農業分野での技術協力に関する意見交換等を行うほか,ベトナム国立農業大学において,同大学との人材確保・育成等に関する連携協定を締結することとしております。
今後とも,同国との関係強化を図りながら,外国人材の確保や受入環境の整備に取り組んでまいります。

(多彩なキャリアをデザインできる働き方の創出)
県内の雇用情勢については,4月の有効求人倍率は1.21倍となっており,前月より0.05ポイント減少したものの,84か月連続で1倍台で推移しているところです。
本年3月の新規学卒者の就職状況については,就職内定率は高校,短大,大学ともに高水準で推移しております。
また,高校生の県内就職率は,新型コロナウイルス感染症の影響による地元志向の高まりや,地元企業の高卒求人の早期提出が定着してきたこと等により,2年連続で60パーセントを超えております。
県としては,来春卒業予定の高校生の県内就職に向け,先月29日に鹿児島労働局と合同で,県内企業に対して求人票の早期提出・早期選考の実施や県内企業の魅力・認知度向上への取組等の要請を行いました。また,今月10日から11日にかけて,「高校生とその保護者に対するWeb合同企業説明会」を開催いたしました。
今後とも,国や関係機関と連携しながら,新規学卒者の県内就職の促進に努めてまいります。

(デジタルテクノロジーを活用した県民の暮らしの質の向上)
デジタル化の推進については,各市町村において積極的な取組を進めていただいた結果,本県のマイナンバーカードの交付枚数率が,本年4月末時点で,全国平均を5.9ポイント上回る75.7パーセントとなり,全国2位となりました。今後,様々な行政手続で活用を進めることとしております。
3月には,県内のデジタル化を更に推進するため,TMI総合法律事務所とデジタル化の推進に係る連携協定を締結しました。今後,デジタル技術を活用した社会課題の解決や,人材の育成などの取組で連携し,地域課題の解決や県民サービスの向上につなげてまいります。

(持続可能な行財政運営)
昨年3月に策定した「行財政運営指針」においては,今後の社会経済情勢の変化等にも対応できる持続可能な組織体制の構築に向けて,人材の育成や働きやすい職場環境の整備などにより一層重点的に取り組むこととしております。特に,人材の育成については,本年度,目指すべき職員像や各職階層に求められる資質,人材育成等の取組の方向性等を盛り込んだ人財育成ビジョンを策定することとしております。
策定に当たっては,職員の主体的な議論を重視し,若手職員を中心に構成する働き方改革ワーキンググループを中心に内容を検討することとしており,先月24日に開催した第1回の会合では,本県の人材育成の現状・課題等について議論を行いました。また,来月から8月にかけて,目指すべき職員像等について職員間で議論するためのワークショップを開催する予定としております。
併せて,専門的見地から助言を頂くための有識者会議を設置し,今月9日に開催した第1回会議では,ビジョンに盛り込む内容等について御意見を頂いたところです。
今後,職員間で精力的に議論を行い,県議会での御論議も頂きながら,策定に向けて検討を進めてまいります。
地域振興局・支庁の庁舎については,最も老朽化が進行した南薩地域振興局の庁舎について,令和9年度末頃までの建替えに向けた検討を進めております。具体的には,昨年度,地元市や地元関係団体から意見聴取を行い,本庁舎の位置や駐在機関の統合・再編等について御意見を頂いたところであり,現在,地元市から本庁舎の具体的な整備候補地の提案を募集しております。
今後,本庁舎の位置については,地元市からの提案も踏まえて選定した候補地ごとに,管内の市町の人口,交通の事情,他の官公署との関係など,可能な限り考慮すべき事項に関連した客観的な指標により比較を行いつつ検討を進め,8月頃には,本庁舎の位置を含めた庁舎の再整備の方針案を取りまとめたいと考えております。
先月,鹿児島港本港区エリアの利活用のアイディアに関する情報を公表した際,特定の操作により個人情報が閲覧可能な状態となっていることが判明いたしました。このため,直ちに公表を停止し,個人情報が閲覧できないよう処理した上で,再度公表するとともに,全庁的に個人情報等の適正管理の周知徹底を行っております。
さらに,令和2年度以降の公文書の開示決定等について,同様の事案がないか全庁的に調査したところ,53件の同様の事案が確認されました。これらの事案については,速やかに開示データの破棄等の対応を行うとともに,改めて全庁的に個人情報等の適正管理の周知徹底を行っております。今後,各課室の個人情報等の管理体制の点検も行い,同様の事案が発生することのないよう,個人情報等の適正な管理を徹底してまいります。
今回の一連の事案により,関係者や県民の皆様に御迷惑をおかけしましたことを深くお詫びいたします。
「知事とのふれあい対話」については,4月16日に南大隅町,先月13日に十島村,今月4日に姶良市で開催し,各会場において,県民の皆様と地域の現状や課題,振興策等について,率直な意見交換を行ったところです。
本年中のできるだけ早期に全市町村において開催し,県民の皆様の声を県政に反映するとともに,透明で開かれた県政運営を行ってまいります。

県議会の皆様方をはじめ,県民の皆様方の御理解と一層の御支援を心からお願い申し上げます。

次に,補正予算の概要について御説明申し上げます。
今回の補正予算は,物価高騰の影響を緩和するための生活者や事業者への支援に要する経費のほか,国宝霧島神宮の防災工事に対する支援に要する経費等を計上することとしております。
補正予算の総額は,一般会計で64億65百万円であり,この結果,補正後の一般会計の予算額は,8,961億12百万円となっております。この財源については,国庫支出金,繰入金をもって充てることとしております。

このほか,予算外の議案として,「鹿児島県職員の給与に関する条例の一部を改正する条例制定の件」など,条例案10件,その他の議案6件,報告2件となっております。
何とぞよろしく御審議の上,議決していただきますようお願い申し上げます。

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