更新日:2023年2月20日
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令和5年第1回県議会定例会の開会に当たりまして,県政運営についての基本的な考え方を明らかにいたしますとともに,令和5年度予算及び令和4年度補正予算等の概要について御説明申し上げます。
[1県政運営の基本方針]
県政運営の基本的な考え方であります。
私は知事就任以来,世界中で猛威を振るっている新型コロナウイルス感染症をはじめ,豪雨災害や台風による被害,高病原性鳥インフルエンザ,サツマイモ基腐病対策,不安定な海外情勢や急激な円安などによる原油価格・物価高騰への対応など,様々な危機事象や緊急的な課題に対し,全力を挙げて取り組んでまいりました。
新型コロナウイルス感染症については,昨年10月下旬以降,感染が広がり始め,12月に入り,県内全域で感染が拡大したことから,人との接触機会が多くなる年末年始における感染防止対策への御協力などをお願いするメッセージを同月21日に発出いたしました。先月5日には,過去最多となる5,209人の新規感染者が確認されました。その後も3,000人から4,000人台の新規感染者が確認され,高齢者施設や医療機関の入所者・入院患者に感染が広がったことや,感染等により出勤できない医療従事者が増加したことなどにより,受入医療機関への負荷が非常に高まりました。
また,季節性インフルエンザとの同時流行による発熱外来も含めた医療提供体制の逼迫が懸念されました。
このため,先月20日に,緊急メッセージを発出し,県民の皆様に対し,高齢者等を守るための感染防止対策への御協力や本県の医療提供体制を確保するための適正受診などをお願いいたしました。
現在,新規感染者数は全国的に減少しており,本県においても,200人から500人台で推移しております。また,ピーク時においては,病床フェーズは最も上位の緊急フェーズ(2)で,病床使用率も80パーセント近い水準で推移していましたが,現在では,病床フェーズは一般フェーズ4で,病床使用率も20パーセント台まで下がってきております。
このように,感染状況は落ち着いてきているものの,当面,医療提供体制の確保や感染防止対策の取組が必要であると考えております。
医療提供体制の確保については,県医師会等の御協力を得ながら,受入病床の確保に努めており,今月17日時点で,一般医療との両立が維持可能な確保病床について,508床を確保するとともに,周産期・小児・透析・精神の4診療科の専用病床を確保しております。宿泊療養施設についても,今月17日時点で1,972室を確保しております。
また,自宅療養者に対しては,「コロナ・フォローアップセンター鹿児島」を通じて,必要な健康観察や相談対応,パルスオキシメーターや生活物資の配送などの支援を行っております。
新型コロナワクチンについては,2回目接種を完了した12歳以上の方を対象としたオミクロン株対応ワクチンの接種や,小児,乳幼児等への接種について,市町村や医師会等とも連携しながら取り組んでおります。
ワクチン接種を希望される方は早めに接種していただきますよう,御理解と御協力をお願いいたします。
陽性者を早期発見し,感染拡大防止を図るため,感染に不安を感じる無症状の県民の方々を対象に,PCR検査等の無料検査を来月末まで延長して実施することとしております。
多くの高齢者施設等において感染が確認されていることから,チェックリストによる再点検や感染防止対策の徹底のほか,施設入所者が感染した場合に備え,往診等を行う協力医療機関等との連携について,これらの施設に対し,今一度要請しました。
また,施設内での感染拡大を防止するため,従事者等の集中的な検査を行えるよう,国から配分された抗原定性検査キットを,希望する施設等に配布してきました。
新型コロナウイルス感染症の感染症法上の位置づけについては,先月27日に,季節性インフルエンザと同じ5類感染症に5月8日から変更する方針が示されました。現在,国において,これまで講じてきた各種の政策・措置の見直しについて検討が進められており,来月上旬を目途に,患者等への対応や医療提供体制についての具体的な方針が示されることとされております。県としては,より多くの医療機関で患者等の診療を行える体制の構築や公費負担の取扱いなど,県民や保健医療の現場に混乱が生じることなく,5類感染症への変更を円滑に実現する必要があると考えており,全国知事会を通じ,国において丁寧に検討していただくよう要望しております。今後,国の動向等を注視しながら,必要な準備を進めてまいりたいと考えております。
マスクの着用については,来月13日から,個人の判断に委ねることを基本とし,感染防止対策として,医療機関の受診時や高齢者施設の訪問時などには着用を推奨することなどが,国から示されました。また,学校においては,4月1日からマスクの着用を求めないこと,卒業式においては,児童生徒等はマスクを着用せず出席することが基本とされております。県としては,マスクの着用について,県民の皆様へ分かりやすく周知してまいります。
現在,感染状況は落ち着いてきておりますが,県としては,引き続き警戒感を持って感染状況を注視しつつ,専門家の御意見も伺いながら,感染防止対策に取り組んでまいります。
県民の皆様におかれましては,引き続き,御家庭などへ感染を持ち込まないよう十分注意するとともに,こまめな換気や手洗いなどの基本的な感染防止対策に御協力いただきますようお願いいたします。
新型コロナウイルス感染症への対応の経験を踏まえ,新たな感染症の発生及びまん延に備えるため,県下全域において感染症の防御及び医療体制の整備が必要であることから,感染症専門医の集中的な養成などを目的とした寄附講座を鹿児島大学に開設していただくこととしております。また,感染症法の改正を受けて,感染症予防のための施策の実施に関する感染症予防計画を来年度中に改定するとともに,関係者からなる連携協議会を設置し,平時から感染症の発生やまん延時の医療提供体制の整備等について議論・検討することとしております。
医療提供体制の確保や感染防止対策に取り組む一方で,今後は,ウィズコロナの下で,県民の皆様の安心・安全と,経済社会活動の両立に向けて,取り組むことが重要と考えております。
観光需要の回復に向けては,全国を対象に県内旅行商品の割引や商品クーポンの付与を行う「今こそ鹿児島の旅」を実施しております。引き続き,県独自の離島旅行の割引上限額の上乗せ等を行いながら,本県への誘客を図ってまいります。
国においては,平時に近い経済社会を取り戻すという観点から,昨年10月に,外国人観光客の受入れに係る水際措置を大幅に緩和し,入国者総数の上限撤廃を行うとともに,ビザなし渡航や個人旅行を再開しました。
県としては,現地旅行会社へのセールスや商談会の開催など,海外セールスを強化するとともに,チャーター便を活用した旅行商品造成への支援や,国内航空会社等と連携したプロモーションの実施など,効果的なインバウンド対策に取り組んでまいります。
令和2年3月以来休止となっていた鹿児島空港国際線については,先月12日から大韓航空のチャーター便が就航し約3年ぶりの再開となりました。
来月2日からは,同じく韓国のティーウェイ航空のチャーター便が就航するとともに,大韓航空のチャーター便も来月末まで延長されます。
これらのチャーター便を弾みとして,国際定期路線の早期再開につなげるため,職員が台北,香港及び韓国を訪問したほか,先月末には私自身も台北を訪問し,直行便再開等について直接要望を行うなど,航空会社に対し強く働きかけを行っております。
今後とも,早期にコロナ禍前の状況を取り戻せるよう,国際定期路線の再開に向け,空港や観光の関係者と連携の上,航空会社への働きかけや,地上支援業務職員の採用支援など,空港受入体制の確保に係る取組を積極的に進めてまいります。
国際クル-ズ船については,来月9日から,本県における受入れが再開されることとなり,本年は既に約100回の寄港が予定されております。
県としては,本県の地理的優位性や美しい自然,豊かな食などの観光資源を最大限生かしながら,クルーズ船の寄港の増加や定着に向けて,寄港地観光ツアーの提案や船会社等へのセールス等を実施してまいります。
今後とも,本県への誘客を促進し,需要喚起につなげるなど,アフターコロナを見据えた取組を積極的に展開してまいります。
ウィズコロナの下で,社会経済活動の正常化が進みつつある中,ロシアによるウクライナ侵略を背景とした国際的な原材料価格の上昇に加え,円安の影響などから,全国的に,日常生活に密接なエネルギー・食料品等の価格高騰が続いております。
本県においても,エネルギーや食料品などの消費者物価の上昇傾向が続いており,農林水産業や交通・運輸事業などの産業活動においても,原油価格・物価高騰により経営に大きな影響が生じており,特に離島においては,その影響が大きくなっております。
こうした中,国においては,物価・景気の状況を把握し,状況に応じた迅速かつ総合的な対応に切れ目なく取り組むこととしており,昨年10月には,「物価高克服・経済再生実現のための総合経済対策」を決定しました。
県としては,国の施策とも連携して,燃料油や飼料の価格高騰に対する交通事業者や生産者への支援,市町村が実施するプレミアム商品券の発行支援による生活者への支援など,これまで補正予算に計上した各種の事業を効果的に展開することにより,原油価格・物価高騰の影響を受けている生活者や事業者の負担軽減に努めております。今後とも,物価や景気の動向を踏まえ,必要な対応を講じてまいりたいと考えております。
また,エネルギーや食料品などの危機に強い経済構造への転換を図るため,農林水産業や企業の生産・経営基盤の強化や生産性の向上に取り組んでまいります。
本格的な人口減少や少子高齢化の進行,経済のグローバル化の進展,技術革新の急速な進展,新型コロナウイルス感染症の拡大など,大きな変革期の中にあって,何よりも時代の流れを的確に見据え,県勢の発展や県民福祉の向上に向けて,各般の施策を着実に推進していくことが求められております。
こうした中,私としては,引き続き新型コロナウイルス感染症や物価高騰への対応などにしっかりと取り組みつつ,本県の基幹産業である農林水産業,観光関連産業など鹿児島の「稼ぐ力」の向上,デジタル社会や脱炭素社会の実現,地域や各種産業を支える人材の確保・育成,結婚・出産・子育てしやすい環境の整備など,「かごしま未来創造ビジョン」に掲げた各般の施策に積極的に取り組んでまいりたいと考えております。
「稼ぐ力」の向上に向けては,本県の基幹産業である農林水産業及び観光関連産業,高い技術力を有する製造業等において,地域資源を生かして経済的な価値を高めることで,世界も視野に入れて,地域の外から資金を稼ぎ,稼いだ資金を域内で循環させ,地域経済を強くし,地域に仕事をつくり,地域への人の流れをつくる,また,域外への資金の流出を防ぐことにより,地域経済の好循環を高め,本県の持続的発展につなげることが重要であると考えております。
このため,農林水産業においては人づくり・地域づくりの強化や販路拡大,観光においては国内外への戦略的なPRの展開や魅力ある観光地の形成,製造業等においては将来を担う新たな産業の創出や中小企業の経営基盤の強化などに取り組んでまいります。
「稼ぐ力」の向上を図り,経済を持続的に発展させることで,地域の格差是正や県民所得の向上を図り,県民の皆様の暮らしと雇用を守りたいと考えております。
昨今,気候変動等による世界的な食料生産の不安定化や世界的な食料需要の拡大に伴う調達競争の激化等にウクライナ情勢の緊迫化や円安等も加わり,輸入する食品原材料や生産資材の価格が高騰し,化学肥料の輸出規制やコロナ禍における国際物流の混乱などもあり,食料安全保障の強化は国家の喫緊かつ最重要課題となっております。
国においては,継続的に講ずべき食料安全保障の強化のために必要な対策とその目標を明らかにするため,昨年12月に,「食料安全保障強化政策大綱」を策定しました。
我が国の食料供給基地としての役割を担う本県としては,国の大綱とも足並みをそろえて,食料生産に不可欠な肥料・飼料等の県内資源の活用や,生産資材の価格高騰等による影響緩和に加え,スマート農林水産業による成長産業化,農林水産物の輸出促進などに取り組み,食料供給力の強化を図ってまいりたいと考えております。
特に,農林水産物の輸出促進については,「鹿児島県農林水産物輸出促進ビジョン」の令和7年度の目標額約300億円を4年前倒しで達成したことから,新たな目標額を約500億円に設定いたします。この目標額の達成に向けて,「つくる」「あつめる・はこぶ」「うる」の3つの視点から,今後とも,農林水産物の輸出に係る生産体制や,販売力の強化に戦略的に取り組んでまいります。
デジタル社会の実現については,「鹿児島県デジタル推進戦略」に基づいて,民間のデジタル化による県内産業の生産性の向上や,行政のデジタル化による事務の効率化を図るとともに,デジタル化によって得られるデータの利活用を進め,新産業の創出や県民の暮らしの質の向上に取り組んでまいります。
本県の多様で豊かな自然環境を次世代に引き継ぎ,安心して暮らし続けることができるようにするためには,これまでの発想を転換し,環境への負荷の少ない持続可能な社会の構築を図ることが重要であります。
地球温暖化は,人類の将来に関わる最も重要な環境問題であり,県としても,2050年までに温室効果ガスの排出を全体としてゼロとすることを目指し,現在,「鹿児島県地球温暖化対策実行計画」などの改定に向けた作業を進めております。
改定後の新たな計画等に掲げる目標の達成に向けて,本県の地域特性を踏まえた効果的な温室効果ガス排出削減対策等を実施してまいります。
また,国においては,安定的で安価なエネルギー供給につながるエネルギー需給構造の転換の実現,さらには,我が国の産業構造・社会構造を変革し,将来世代を含む全ての国民が希望を持って暮らせる社会を実現するため,昨年12月に,グリーントランスフォーメーション(GX)の実現に向けた基本方針を取りまとめております。
県としては,このような国の動向も踏まえつつ,本県の多様で豊かな資源を活用し,自然環境に配慮しつつ,地域と共生した再生可能エネルギーの導入促進などに取り組んでまいりたいと考えております。
本県の人口が160万人を割るなど,人口減少が進む中,人手不足が深刻化しつつあり,社会経済活動を維持するために必要な人材の確保が困難となることが想定されます。
このため,若年者の県内就職,UIターン就職の促進等に関する情報発信力等を強化するとともに,県内企業の労働生産性を高めるためのデジタル人材の確保,地域経済を支える貴重な人材としての外国人材の受入れに積極的に取り組んでまいります。
移住・交流の促進については,地方回帰の流れを捉え,今後も移住者の増加を図るため,本県の更なる魅力の発信を行うほか,移住希望者の相談にもよりきめ細かく対応してまいります。また,将来的な移住につながる関係人口の創出に向けて,ワーケーションの推進や副業・兼業人材の活用を図ってまいります。
本県の離島は,各島の特色ある独特の自然,文化,伝統,多様なコミュニティなど,多様性を有しており,まさに鹿児島の宝であると考えております。
一方で,外海離島が多く,台風常襲地帯であるという厳しい自然条件の下,医療,物価,物流など多くの面で課題もあると認識しております。
離島の多様で豊富な物的・経済的資源を活用するとともに,生活環境,交通基盤,産業基盤などの社会資本の整備と更なる産業振興を図ってまいります。
我が国では,出生数の減少が予想を上回る速度で進行し,人口減少に歯止めがかからない中,児童虐待相談件数が過去最多となり,子どもの7人に1人が貧困の状態とされるなど,子どもや家庭を巡る様々な課題が深刻化しております。
このような中,国においては,本年4月に子どもに関する取組・施策の新たな司令塔として「こども家庭庁」が発足するとともに,経済的支援の強化,幼児教育・保育サービスの強化及び全ての子育て家庭を対象としたサービスの拡充,働き方改革の推進とそれを支える制度の充実の3つの基本的方向性に沿って,子ども政策の強化に取り組むこととしております。
少子化の進行は,地方における人手不足の深刻化や地域の活力の低下を招くことから,私としても危機感を感じております。本県においても,優先的に解決すべき課題として,妊娠・出産に係る経済的負担の軽減や保育人材の確保,周産期・小児医療提供体制の整備等の取組の充実を図ることとしておりますが,国の方向性も踏まえつつ,今後とも結婚,妊娠・出産,子育ての希望がかなう社会の実現に取り組んでまいりたいと考えております。
また,高齢者が健やかで生きがいを持てる社会や,女性が生き生きと活躍できる社会,障害者等の個性と能力を生かせる社会の形成などに積極的に取り組んでまいりたいと考えております。
以上のような,「かごしま未来創造ビジョン」に掲げた各般の施策に取り組むことにより,「誰もが安心して暮らし,活躍できる鹿児島」を目指してまいりたいと考えております。
私は,県民の声がしっかりと反映される県政にしたい,県民が主役の,県民の目線に立った行政を実現したい,各市町村の意見を聞きながら連携を進めていきたいということを申し上げてきたところであります。
県民との対話を進め,政策決定の透明化を図り,市町村との連携強化に取り組むことなどにより,県民の皆様と一丸となって力強く県勢発展を推進してまいりたいと考えております。
今後とも,時代の変化に的確に対応しながら,「県民の皆様と一緒に鹿児島の今と未来をつくる」ということを基本として,「誠実に」,「着実に」県政の推進に全力を挙げて取り組んでまいります。
県議会の皆様方をはじめ,県民の皆様方の御理解と一層の御支援を心からお願い申し上げます。
[2予算編成の大綱]
次に,令和5年度の予算編成の大綱について申し上げます。
我が国経済は,このところ一部に弱さがみられるものの,緩やかに持ち直しております。
先行きについては,ウィズコロナの下で,各種政策の効果もあって,景気が持ち直していくことが期待されますが,世界的な金融引締め等が続く中,海外景気の下振れが我が国の景気を下押しするリスクとなっております。また,物価上昇,供給面での制約,金融資本市場の変動等の影響や中国における感染拡大の影響に十分注意する必要があります。
県内経済は,持ち直しておりますが,足元では,物価の高騰は収束していない状況です。
こうした中,国においては,令和5年度予算を令和4年度第2次補正予算と一体として編成し,足元の物価高を克服しつつ,経済再生の実現に向け,人への投資,科学技術・イノベーション,スタートアップ,GX,DXといった成長分野への大胆な投資等による新しい資本主義の加速,防災・減災,国土強靱化等の国民の安全・安心の確保などに取り組むこととしております。
県としては,令和4年度3月補正予算において,国の補正予算を活用し,ブリの人工種苗供給体制の強化など,各種産業の「稼ぐ力」の向上に資する事業に要する経費を計上したほか,直面する物価高騰による影響を緩和するための対応として,引き続き,燃料油や飼料の価格高騰に対する交通事業者や生産者への支援を行うための経費等を計上しております。
その上で,令和5年度当初予算編成に当たっては,「行財政運営指針」を踏まえた行財政改革を着実に進めつつ,持続可能な開発目標SDGsの理念も踏まえ,まずは新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止対策及び経済対策,原油価格・物価高騰対策に取り組むとともに,鹿児島の基幹産業である農林水産業,観光関連産業や企業の「稼ぐ力」の向上,デジタル社会の構築,カーボンニュートラルの実現,人材の確保・育成,子育て支援などの施策を積極的に推進する予算として編成いたしました。
その結果,令和5年度一般会計当初予算の規模は8,894億96百万円となり,令和4年度当初予算に対し2.3パーセントの増となりました。
予算編成を通じて,行財政改革推進プロジェクトチームを中心として歳入・歳出両面にわたる徹底した行財政改革に取り組んだ結果,財源不足のない予算を編成することができました。
令和5年度末の県債残高見込みについては,臨時財政対策債等を除いた本県独自に発行する県債の残高ベースで比較すると,令和4年度末の1兆489億円から114億円減の1兆374億円となり,総額ベースで比較しても,
382億円の減となるなど,着実に減少しております。
また,令和5年度末の財政調整に活用可能な基金残高は,令和4年度末の残高と同程度の251億円となり,その水準を維持しております。
これにより,行財政運営指針に掲げた今後の財政運営における3つの指標については,令和5年度当初予算編成時点において,全て達成しております。
企業会計を除く特別会計の予算規模は3,960億55百万円となっております。
企業会計は,病院事業特別会計で244億33百万円,工業用水道事業特別会計で5億93百万円となっております。
国の「経済財政運営と改革の基本方針2022」においては,状況に応じ必要な検証を行っていくとされたものの,財政健全化の旗を下ろさず,これまでの財政健全化目標に取り組む旨が示され,今後,地方交付税等について厳しい調整が行われることも予想されます。
このような国の動向にも的確に対応しつつ,持続可能な行財政構造を構築するため,引き続き,歳入・歳出両面にわたる徹底した行財政改革に取り組んでまいります。
[3主要施策の概要]
以下,主要施策の概要について申し上げます。
第一は,「『稼ぐ力』の向上」であります。
農林水産業については,担い手の確保・育成等による「人づくり・地域づくりの強化」,スマート農林水産業の導入・普及等による「生産加工体制の強化・付加価値の向上」,県産農林水産物のブランド力の向上や更なる輸出の促進等による「販路拡大・輸出拡大」などに取り組んでまいります。
農業の担い手の確保については,就農・就業希望者への相談対応や第三者への経営継承などの就農支援のほか,法人化や経営改革ビジネスプランの作成など,経営発展段階に応じた支援を行ってまいります。
スマート農業の推進については,引き続き,「県スマート農業推進方針」に基づき,ピーマン自動収穫ロボット等の地域特産品目に対応した先進技術の開発支援や,産地全体でスマート農業に取り組むモデル産地の育成など,実装化に向けた取組を推進してまいります。
農林水産物の輸出促進については,輸出商社が行う商談会や産地へのバイヤー招へい,より生産者に近い県内集出荷事業者と連携して掘り起こす新たな輸出作物を含めた青果物の鮮度保持試験,テスト輸送等への支援を行います。また,新たに,輸出商社やコンサル等も参画した県全体でのコンソーシアムによる輸出推進体制を構築するとともに,輸出先国・地域の規制等を踏まえた輸出向け生産への転換を図るほか,コールドチェーンの確保に向けた実証により青果物等の県内港湾からの混載輸送を促進し,大ロット輸出産地の形成に取り組んでまいります。
また,「和牛日本一」の栄冠に輝いた鹿児島黒牛の国内外における販路拡大に向けて,SNS等を活用したPRや産地視察,海外食品展示会・商談会への出展支援等に取り組むなど,鹿児島黒牛をはじめとした安心・安全で良質な県産農畜産物の更なる認知度向上や販路拡大を図ってまいります。
サツマイモ基腐病対策については,「鹿児島県サツマイモ基腐病対策アクションプログラム」に基づき,関係機関・団体と一体となって,ほ場に基腐病菌を「持ち込まない」,「増やさない」,「残さない」対策を総合的に推進しております。令和5年産に向けては,蒸熱処理装置等を活用した健全苗の確保や,土層改良,早植え・早掘りなどを推進しており,引き続き,基金事業等による被害程度に応じた定額支援や,資材等の購入支援も行ってまいります。
先月24日からの積雪や低温などにより,露地野菜を中心とした農作物等に被害が発生しました。
このため,相談窓口を設置するとともに,被害を受けた農業者の経営再建が図られるよう,国へ支援の実施を要請いたしました。
引き続き,被害の把握に努め,必要な対応を検討してまいります。
林業の振興については,航空レーザ測量による森林調査の省力化やドローン等による森林整備の効率化,ICTを活用した原木流通の合理化などのスマート林業を推進してまいります。また,品質や性能の確かな県産JAS製材品の生産体制の整備や付加価値の高い製材品等の輸出拡大に取り組んでまいります。
林業の担い手の確保については,新規学卒者やUIターン希望者等への就業促進活動や,技能レベルに応じた各種研修の実施による担い手の育成に加え,意欲と能力のある林業経営者が実施する雇用拡大等の取組への支援,林業大学校の設置を含めた今後の人材育成の在り方に係る検討などを行ってまいります。
水産業の振興については,デジタル技術を活用した漁場・海況予測モデルの開発等によるスマート水産業に取り組むとともに,ブリの人工種苗生産施設を拡充し,養殖事業者のニーズに対応できる早期人工種苗の生産による周年出荷体制を強化してまいります。また,漁協や商社等が一体となって行う輸出促進の取組への支援や,新幹線輸送による本県水産物の高付加価値化に取り組み,本県水産物の販路拡大に努めてまいります。
水産業の担い手の確保については,漁業の魅力を発信するPR動画の配信や地区漁業士会が主催するイベントへの支援等により漁業のイメージアップを図るとともに,「かごしま漁業学校」における研修の実施,地域に密着した「新米漁業者みまもり隊」の運営・活動への支援などに取り組んでまいります。
観光関連産業の振興については,観光地域づくり団体等の組織体制強化や人材育成に引き続き取り組むとともに,新たに,国や市町村,幅広い関係者との連携のもと,ハード・ソフト両面から地域一体となった観光地の高付加価値化に取り組む地域を支援してまいります。
新たなPR戦略については,多くの共感を獲得し,県産品の購入や本県への旅行を促す「動かすPR」をコンセプトに,来年度からの新たな戦略として,昨年12月に「鹿児島PR基本戦略」を策定いたしました。
また,戦略の策定に併せて決定する新たなキャッチコピーについては,候補案を公募するとともに,県議会や市町村から頂いた御意見も踏まえ,検討を行ってきました。
本県は,3つの世界遺産や和牛日本一に輝いた鹿児島黒牛をはじめとする世界に誇れる食や優れた県産品の数々のほか,個性ある歴史や文化など,魅力的な資源,すなわち「宝物」を多く有しています。
同戦略のコンセプト「動かすPR」を踏まえ,多くの方々に,この「宝物」を有する鹿児島を訪れてほしい,体験してほしいという意味をこめて,新たなキャッチコピー「南の宝箱鹿児島」を決定いたしました。
今後,同戦略に基づき,このキャッチコピーも積極的に活用しながら,国内外に向けて戦略的・効果的なPRに取り組んでまいります。
企業の「稼ぐ力」の向上に向けては,将来を担う新たな産業の創出を図るとともに,生産性と付加価値の向上による産業競争力の強化や中小企業の経営基盤の強化,県産品の国内外マーケットへの戦略的な展開に取り組んでまいります。
スタートアップの創出・育成については,産学官・金融機関が参加する「かごしまスタートアップ推進協議会」を開催し,スタートアップ施策に係る情報の共有や支援策の検討を行ってまいります。また,起業前の段階における若い世代の起業家マインドの養成やビジネスプランコンテストの実施,事業計画のブラッシュアップ,起業の初期段階における事業化に向けた実証事業への支援,安定・拡大期の段階における研究開発や設備投資等への支援など,各段階に応じた集中的かつ継続的な伴走支援を行ってまいります。
今後,市場拡大が期待される宇宙産業の振興については,新たに,ビジネスマッチングや人材育成セミナーを実施します。また,宇宙機器や衛星データ利活用に関する研究開発,衛星データの利活用実証事業を支援することとしております。ドローン産業の振興については,県内事業者等がコンソーシアムを形成して実施する地域課題解決型の実証事業に対する支援を行うこととしております。
製造業の競争力強化については,地域経済を牽引する中核企業が行うAI・IoT,ロボット等を活用した生産性向上の取組や,本県製造品出荷額の約5割を占める食品関連製造業の生産工程の自動化・省力化,商品開発や販路開拓等の取組を支援してまいります。
中小企業者への金融支援については,いわゆるゼロゼロ融資の返済が本格化しつつある現状を踏まえ,本年1月に借換需要等に対応した資金を創設し,新型コロナウイルス感染症の影響により厳しい状況にある中小企業者の経営安定化を図ってきております。来年度も中小企業融資制度の融資枠を550億円確保し,資金繰りの円滑化に努めてまいります。
産業会館については,昨年度実施した産業会館のあり方を検討するための基礎調査の結果等を踏まえ,総合的に検討してきたところです。その結果,入居団体である県中小企業団体中央会等が計画している新たな会館の整備を支援したいと考えております。今後,整備地として要望のある県環境保健センター城山庁舎跡地を無償譲渡するとともに,整備費の補助を行うこととしており,まずは同跡地において,会館の整備に当たり必要な埋蔵文化財調査を行うこととしております。
県産品の海外市場の開拓と販路拡大については,貿易相談や貿易実務講座の実施のほか,国内外バイヤーとの商談会や海外での鹿児島フェア等の開催に取り組んでまいります。これに加え,新たに,輸出に関するノウハウを持たない県内事業者を発掘し,輸出を促進するため,輸出商社と県内事業者の連携による営業活動や商談機会創出等への支援を行ってまいります。
また,デジタル技術を活用した県産品の輸出を促進するため,新たに,ECモールを活用した販売機会の提供やマーケティング支援を行うほか,デジタル化・オンライン化に対応した販売力・商談力を強化する県内事業者の取組を支援し,輸出拡大を図ってまいります。
本格焼酎については,若年層をターゲットに大手酒販店等と連携したPR・販売促進活動を展開し,首都圏,東北での更なる消費拡大を図るとともに,産地招へいや現地での試飲イベントなど,欧米等の酒類業界関係者と連携したプロモーションを展開し,輸出拡大を促進してまいります。また,新たに,県産本格焼酎の高付加価値化に向けて,個性やストーリーを生かした商品開発やブランディングにつなげるためのマーケティング調査を行ってまいります。
第二は,「デジタルテクノロジーを活用した県民の暮らしの質の向上」であります。
暮らしと産業のデジタル化については,遠隔医療の推進,介護・障害福祉分野へのロボット等導入支援,中小企業におけるデジタル技術の導入支援,スマート農業の活用に向けた実証活動への支援などの取組を進めてまいります。
行政のデジタル化については,デジタル技術の活用による業務改革や働き方改革を推進するとともに,県有施設や行政手続におけるキャッシュレス決済導入に向けた取組を進めてまいります。
デジタル人材の活用・確保・育成については,社会全体で人材が逼迫していることから,県内のIT技術者が最新技術を習得するための講座等を実施するほか,新たに,デジタル人材の裾野を広げるため,経営者等のデジタル化への理解を深めるための研修やITエンジニアを目指す方を対象としたプログラミング研修などに取り組んでまいります。
第三は,「脱炭素社会の実現と豊かな自然との共生」であります。
地球温暖化対策については,本年度改定作業を進めている県地球温暖化対策実行計画に基づき,県民や事業者の理解を深め,気運の醸成を図るため,CMやチラシ等による広告,イベントの開催,環境学習の場における普及啓発,事業者向けの省エネ対策マニュアルの作成等を行うこととしております。
また,県内のエネルギー起源の二酸化炭素排出量の削減を図るため,電気自動車や充電設備,省エネ設備等の導入支援等を行うこととしております。
さらに,地球温暖化対策の取組を率先して実行するため,本年度内に県庁環境保全率先実行計画を見直し,県有施設における照明のLED化や太陽光発電設備の設置等を推進することとしております。
再生可能エネルギーについては,本年度策定を進めている新たな導入ビジョンに基づき,エネルギーの自給率向上やレジリエンスの強化等につながる「再生可能エネルギーを地産地消する地域づくり」を進めるため,太陽光発電設備や蓄電池等の自立・分散型エネルギー設備導入に対する支援などに取り組んでまいります。
同ビジョンでは,再生可能エネルギーの導入に当たり,地域との共生を図りながら進めていくこととしております。特に洋上風力発電については,国への情報提供や法定協議会の設置など一連の手続について理解を深めるため,国や関係市町と連携し,今月上旬から中旬にかけて,利害関係者等に対する制度説明会を開催いたしました。今後は,関係市町との研究会を設置し,洋上風力発電の課題等について,意見交換等を行ってまいります。
また,GXについては,エネルギー分野などで,その推進に必要な新たな事業機会の創出が期待されることから,行政や金融機関,支援機関などで構成する検討会を新たに設置し,県内企業におけるGXに関する取組の現状や課題等を把握するとともに,支援策などについて検討してまいります。
第四は,「移住・交流の促進」,「地域産業の振興を支える人材の確保・育成」であります。
若年者の県内就職については,合同企業説明会やインターンシッププログラムの作成・改善への支援等の取組に加え,新たに,地元大学生をサポーターに委嘱し,地元企業のPRを実施するとともに,本県出身の県外大学生等を対象としたSNSによる情報発信を行ってまいります。
移住・交流の促進については,鹿児島の魅力や移住者の声,移住支援制度などの情報発信を充実させるため,「かごしま移住ネット」を今月14日にリニューアルしました。
また,来年度は,東京のふるさと回帰支援センターにおける相談体制を拡充するとともに,県・市町村相互の連携を強化するために移住者支援ネットワークを構築するほか,移住者向け住宅を整備する市町村への支援などに取り組んでまいります。
ワーケーションについては,関係人口の創出・拡大を図り,将来的な移住者の増加につなげるため,県外企業と県内市町村とのマッチングを目的としたイベントを開催するほか,受入れに取り組む市町村への支援に取り組むこととしております。
首都圏の民間コンサルタント企業が,県の紹介により,昨年9月に垂水市で行ったワーケーションをきっかけとして,テレワークによる勤務を前提とした本県在住者の採用を全国で初めて行う動きもあるなど,近年関心が高まっている「業務型」ワーケーションの更なる推進を図ってまいります。
外国人材の受入れについては,引き続きベトナムとの人的・経済的交流を促進するとともに,今後の送り出し国として有望なフィリピンやインドネシアとの関係構築を図ってまいります。また,地域への外国人材の定着を支援するとともに,留学生と県内企業とのマッチング支援や,海外からの高度デジタル外国人材の確保に取り組んでまいります。
第五は,「結婚,妊娠・出産,子育ての希望がかなう社会の実現」であります。
妊婦・子育て家庭の支援については,妊娠期から出産・子育てまで一貫した伴走型相談支援の充実と経済的支援を一体的に実施する市町村の取組を引き続き支援してまいります。
不妊治療については,令和4年度から体外受精等の基本的な治療が保険適用となったことに伴い,これまでの助成事業が廃止され,先進医療が全額自己負担となりました。
このため,不妊に悩む方々が安心して治療できるよう,県保健所が管轄する地域の方を対象に,新たに,国が告示している先進医療について,その経済的負担を軽減するための助成を行うこととしております。
保育人材の確保については,保育士修学資金の拡充や,鹿児島県保育士人材バンクの更なる活用の促進など,質の高い保育士の確保と県内定着を図るための取組を推進してまいります。
医療的ケア児等への支援については,令和3年9月に施行された「医療的ケア児及びその家族に対する支援に関する法律」の趣旨や県議会の政策提言の内容を踏まえつつ,コーディネーターの養成・活用を図るとともに,一元的な相談対応や関係機関との調整等を行うため,令和5年度中の医療的ケア児支援センターの設置に向けて取り組んでまいります。
ヤングケアラーについては,本年度実施した実態調査の結果等を踏まえ,新たに,支援者団体等とのつなぎ役となるコーディネーターの配置や,ヤングケアラー同士が悩みや経験を共有できるオンラインサロンの設置を行うなど,支援体制を整備することとしており,各家庭の状況に応じた適切な支援につなげられるよう取り組んでまいります。
児童虐待防止対策については,本年4月に新たに北薩地域3市2町及び伊佐市,湧水町を管轄する北部児童相談所をさつま町に設置いたします。これにより,県北部地域における関係機関との円滑な連携や丁寧な相談対応などが図られるものと考えております。また,中央児童相談所の一時保護所の改築・建替えに係る可能性調査の実施,児童福祉司等の増員など,更なる児童相談体制の充実・強化に向けて取り組んでまいります。
第六は,「地域を愛し世界に通用する人材の育成,文化・スポーツの振興」であります。
本県における教育,学術及び文化の振興に関する総合的な施策を示す県教育大綱と教育の振興のための施策に関する基本的な事項を定めた県教育振興基本計画について,来年度,国の教育振興基本計画を踏まえ,新たに策定することとしております。
特別支援教育の充実については,今月3日,特別支援学校等教育環境改善検討委員会から県教育委員会に対し,曽於地区,伊佐・湧水地区,姶良地区における特別支援学校の分置や離島の特別支援教育の充実方策等に関する提言がなされました。今後,この提言を踏まえ,本県の特別支援学校等の教育環境改善に取り組んでまいります。
また,鹿児島南特別支援学校については,本年度中に施設等の整備を終え,4月に開校することとしています。
夜間中学も含めた教育機会の確保に向けた施策の充実については,検討委員会の議論も踏まえ,引き続き,夜間中学の設置等に向けた調査・検討を行ってまいります。
文化の振興については,昨年12月に国の文化審議会において,鹿児島城跡を国史跡へ追加指定すること等についての答申が文部科学大臣になされました。今後とも鹿児島城跡の価値を守り,次世代に継承するとともに,情報発信や保存活用のための取組をより一層推進してまいります。
第47回全国高等学校総合文化祭鹿児島大会(2023かごしま総文)については,本年7月の開会に向けて,生徒実行委員会を中心に様々な広報活動を展開し,大会開催に向けた更なる気運の醸成を図るとともに,開催市町や関係機関と連携しながら,県民の記憶に残るすばらしい大会となるよう準備を進めてまいります。
本年はいよいよ,特別国民体育大会「燃ゆる感動かごしま国体」と特別全国障害者スポーツ大会「燃ゆる感動かごしま大会」が開催されます。
両大会の翌年には,佐賀県での開催が予定されており,2年連続での九州開催となることから,両県のアスリートや学生など県民の幅広い交流や関係強化に資する取組を実施し,両県の大会を「双子の大会」として盛り上げてまいります。
また,本年は,奄美群島日本復帰70周年という記念すべき年であり,奄美群島で国体競技が開催されるのは,初めてであることから,奄美群島で実施される競技に「奄美群島日本復帰70周年記念」の冠称を付することとしております。
両大会の開催気運を醸成し県民の心に残るよう,県内の全市町村をつなぐ炬火リレーを7月から8月にかけて実施することとしており,年頭に,ルートや実施日程を公表いたしました。リレー走者については,来月から各市町村において一般公募等により随時選定することとしております。
4月からは,国体の実施競技の一つで,多くの県民の方々に参加いただく「デモンストレーションスポーツ」が,県内各地で開催されます。
「かごしま国体」における天皇杯・皇后杯の獲得に向けては,先月28日
から今月5日にかけて,青森県で開催された特別国民体育大会冬季大会のスケート競技において,過去最多の5種目入賞を果たしたところであります。引き続き,本大会に向けて,競技団体と連携して,少年選手の強化や有力な成年選手の更なる確保,優秀指導者の招へい等に取り組み,競技力の向上を図ってまいります。
両大会が「コロナ禍からの再生と飛躍」を象徴する大会となることを目指し,県民はもとより,全国の皆様にとってもすばらしい,思い出に残る希望に満ちた大会となるよう,市町村や関係団体等と力を合わせて,開催に向け着実に準備を進め,両大会の運営に万全を期してまいります。
また,選手・役員をはじめ全国から来県される皆様を県民総参加のもと真心のこもったおもてなしでお迎えし,豊かな自然や食,歴史・文化,特産品など,本県の多彩な魅力を満喫していただきたいと考えております。
スポーツの振興については,今月23日から来月12日にかけて,県内4市の各球場において,大規模な野球の交流戦として「薩摩おいどんカップ
2023」が開催されます。子ども達に夢や感動を与えるすばらしい機会となることを期待するとともに,大会の開催が交流人口の拡大に伴う経済効果やスポーツを通じた地域活性化にも大きく寄与するものと考えており,コロナ禍を吹き飛ばす熱い戦いが繰り広げられ,多くの県民の思い出に残る交流戦となるよう,県としても支援してまいります。
第七は,「多様で魅力ある奄美・離島の振興」であります。
奄美群島の振興については,令和5年度末に期限を迎える奄美群島振興開発特別措置法の延長に向け,県議会での御意見等も踏まえながら,本年度総合調査を実施しており,その報告書案について,現在,パブリックコメントを実施しております。
今後,県議会において改めて御論議いただいた上で報告書として取りまとめ,国の審議会に提出することとしております。県議会や県選出の国会議員,地元市町村と一体となって,法延長の実現と支援措置の充実に向け,国に働きかけてまいります。
また,本年は,昭和28年12月25日の奄美群島の日本復帰から70周年の節目の年に当たることから,地元市町村や関係団体と一体となって,記念式典の開催など復帰70周年の記念事業を実施することとしております。
離島の振興については,本年4月に施行される改正離島振興法に基づく新たな県離島振興計画を策定することとしており,現在,関係市町村の御意見を踏まえ,「ジェットフォイルの計画的な更新の検討や国等の支援の要請」,「国とも連携した小規模離島に対するきめ細やかな支援の実施」といった内容を盛り込んだ計画案について,パブリックコメントを実施しております。新たな計画に基づき,国の補助事業や特定離島ふるさとおこし推進事業等を活用して,本県離島の一層の振興に努めてまいります。
奄美の世界自然遺産については,昨年7月に登録1周年を迎えたことから,先月22日に奄美大島において「世界自然遺産登録1周年記念シンポジウム」を開催しました。今月23日には徳之島においても同シンポジウムを開催することとしており,世界自然遺産の保全と利用に向けた取組を進めてまいります。
また,本年で世界自然遺産登録30周年を迎える屋久島において,先月18日に日本の世界自然遺産地域の市町村長や関係者が一堂に会し,世界自然遺産5地域会議が発足しました。同会議では,今後,地域課題の共有等を行うとともに,2025年に開催される大阪・関西万博へ参画し,共生や環境文化という日本型自然保護のメッセージを国内外に広く発信することとされました。
県としては,今後とも,国や地元市町村等と連携を図りながら,屋久島・奄美の世界自然遺産としての価値の維持,自然環境の保全と利用の両立などに取り組んでまいります。
また,世界自然遺産登録の効果を生かして,沖縄県との連携による誘客プロモーションを実施するほか,屋久島と奄美の2つの世界自然遺産を周遊する旅行商品の造成を支援してまいります。
先月28,29日には,ユネスコが認定した消滅の危機にある言語・方言を有する各地域の取組状況等について,共に考えることにより,状況の改善につなげるため,おきえらぶ文化ホールあしびの郷・ちなで「危機的な状況にある言語・方言サミット奄美大会in沖永良部」を開催いたしました。
また,今月25日には,奄美の独自の文化である島唄の魅力を発信することにより,奄美の文化に対する理解を深めていただくため,「ほこらしゃ奄美音楽祭」を開催いたします。
今後も,奄美独自の文化である島唄や方言などの継承やこれらを生かした地域づくりに取り組んでまいりたいと考えております。
このほかの重要施策についても着実に取り組んでまいりたいと考えております。
令和4年3月に策定した「行財政運営指針」においては,今後の社会経済情勢の変化等にも対応できる持続可能な組織体制の構築に向けて,人材の育成や働きやすい職場環境の整備などにより一層重点的に取り組むこととしております。
この基本的な考え方の下,本年度新たに設置した,若手職員を中心に構成する鹿児島県庁働き方改革ワーキンググループでの議論も踏まえ,人材の育成については,来年度,県職員の目指すべき職員像や人材育成に係る基本理念,取組の方向性などを内容とする人材育成ビジョン(仮称)の策定を進めてまいります。また,管理職員等のマネジメント能力や若手職員の政策形成能力の向上のための研修を実施するとともに,部下職員が所属長を評価する新たな制度の試行に取り組んでまいります。
さらに,働きやすい職場環境の整備の一環として,組織内のコミュニケーションの更なる活性化等を図るため,本庁執務室の一部に個人の固定席を設けないフリーアドレス等を試験的に導入してまいります。
これらの人材育成や働きやすい職場環境の整備等の取組を積極的に推進していくため,総務部人事課行政管理室を改組して,総務部人事課に「行政経営推進室」を設置いたします。
「知事とのふれあい対話」については,これまで35市町村において開催し,参加された方々と地域の現状や課題,振興策等について,率直な意見交換を行ってまいりました。
本年中のできるだけ早期に全市町村において開催し,県民の皆様の声を県政に反映するとともに,透明で開かれた県政運営を行ってまいります。
公文書の管理については,令和3年12月の県議会の政策提言を踏まえ,県民に対して政策形成過程をより一層透明化し,説明責任を全うする観点から,公文書の適正な管理及び歴史公文書の適切な保存・利用等に関する基本的な事項を定めた「鹿児島県公文書等の管理に関する条例(案)」を今議会に提案しております。
馬毛島における自衛隊施設の整備等については,先月11日に,国から,環境影響評価書について,環境影響評価準備書に対する知事意見に沿って対応するとの考えの下,主務大臣の意見を勘案しつつ作成したこと,工事の着手に当たって,これまでの県からの要請を踏まえ,安心・安全の確保に必要な対策や環境保全措置などに万全を期すため,国,県,地元市町などによる連絡体制を構築したことなどについて説明がありました。
私からは,県からの要請や地元の意向を踏まえ,地元への十分かつ丁寧な情報提供に努めていただきたいこと,住民の安心・安全の確保に必要な対策や環境保全措置などに万全を期していただきたいことなどをお伝えしました。
同日行われた11回目となる国と西之表市の協議においても,環境影響評価書や,国,県,地元市町などによる連絡体制について,意見交換が行われました。
また,国は,先月12日に,環境影響評価書を公告し,同日,馬毛島における自衛隊施設の整備等に係る工事に着手しました。
県では,地元市町との意見交換を行うとともに,関係機関・団体を訪問し,工事関係者の急激な増加による宿泊施設の不足など観光への影響や,廃棄物の処理,治安に対する不安など住民生活への影響を懸念する声などをお聞きしております。このような地元の懸念事項等について,国に対し,プレハブ宿舎の整備計画を含む今後の工事等の予定の詳細や廃棄物の処理計画など,具体的な対策の内容等について,地元への十分かつ丁寧な情報提供に努めていただくこと,また,工事関係者への法令遵守,交通安全等の周知・徹底などに引き続きしっかり取り組むことを求めております。
県としては,引き続き,国や地元市町と緊密に連携を図りながら,住民の安心・安全が確保されるよう,しっかりと取り組んでまいります。
スポーツ・コンベンションセンターについては,PFI等導入可能性調査について,中間報告を基に,事業化に向けた課題整理を行うとともに,民間活力の導入による財政負担の軽減やサービス水準の向上等の観点から,改めて,従来型手法とPFI方式について比較検討するなどした結果,PFI方式の導入が最適とした最終報告の取りまとめを行いました。
来年度は,この調査結果に基づき,実施方針の策定や特定事業の選定など,同センターの整備・運営に係るPFI事業の実施に向けた手続を進めてまいりたいと考えております。
また,同センターの整備に向けた,これらの取組を着実に推進するため,総合政策部スポーツ施設対策室を改組して,観光・文化スポーツ部に「スポーツ・コンベンションセンター整備課」を設置いたします。
県としては,スポーツ・コンベンションセンターが,スポーツ振興の拠点機能に加え,多目的利用による交流拠点機能を備えた施設として,また,県民や観光客が気軽に立ち寄れる開かれた施設として,さらに,中心市街地との回遊性を高めることにより,大きな経済波及効果をもたらす施設として,永年にわたり県民の皆様に親しまれ,誇りとなる施設となるよう,着実に整備に向けた取組を進めてまいります。
整備に当たっては,県議会における付帯意見の内容も踏まえ,これらの検討状況について県議会に丁寧に御説明し,御論議いただくとともに,関係機関・団体等と緊密に連携を図りながら取り組んでまいります。
鹿児島港本港区エリア一帯の利活用については,スポーツ・コンベンションセンターの基本構想や港湾としての機能を踏まえつつ,県全体に経済効果を波及させていくという視点を念頭に置いて,同エリアを巡る様々な御意見もお聞きしながら,グランドデザインの開発コンセプトに基づき検討するため,同エリアに関連する行政や経済団体の代表者や,まちづくりや都市計画等の専門的な知見を有する方々を構成員とする「鹿児島港本港区エリアの利活用に係る検討委員会」を設置し,昨年12月23日に第1回検討委員会を,先月25日に第2回検討委員会を開催いたしました。
同委員会では,同エリアの利活用に係るこれまでの検討経過や今後の進め方等について御説明し,活発な御議論を頂きました。委員からは,シビックプライドとしての景観への配慮や中長期的な視点からの利活用の検討,中心市街地との連携等に関する御意見を頂くとともに,多くの委員から,県民の憩いの場としてウォーターフロントパークは保全すべきとの御意見が出されました。
また,同委員会においては,同エリアの利活用の全体像の作成に向けた検討の参考とするため,同エリアの利活用のアイディアについて,2月10日から4月17日まで御意見を募集しております。
この中で,スポーツ・コンベンションセンターについても「開かれた施設としての整備」や「中心市街地との回遊性」,「施設のデザイン」などに関する御意見があれば頂くこととしております。
県としては,同委員会における検討状況を踏まえ,県民の御意見などもお聞きしながら,令和5年度末を目途に,同エリアの利活用の全体像の策定に向けた取組を進めてまいります。
高規格道路については,東九州自動車道や南九州西回り自動車道,北薩横断道路などの早期供用に向け,今後とも,国と一体となって,整備に努めてまいります。
屋久島空港については,ジェット機就航に必要な滑走路延伸の事業化に向けて,環境影響評価の手続や空港施設の変更許可申請に必要な基本設計等を実施しております。県としては,これらの手続を着実に進め,早期の事業化に向けて取り組んでまいります。
昨年は,7月の豪雨や台風第14号により,住家の損壊が発生したほか,道路や河川など広範にわたって多数の被害が発生し,現在,早期復旧に向けて取り組んでおります。
県としては,頻発する災害から県民の生命・財産を守るため,引き続き,迅速かつ効率的な災害対策の推進を図るとともに,国の施策とも連動し,防災・減災対策の推進,地域防災力の強化,災害発生時の即応力の強化に努めてまいります。
また,近年,気候変動の影響により気象災害が激甚化するなどの状況を踏まえ,「防災・減災,国土強靱化のための5か年加速化対策」を集中的に進めるなど,防災対策に着実に取り組んでまいります。
川内原発については,昨年12月23日に第8回川内原子力発電所の運転期間延長の検証に関する分科会,先月30日に第9回の分科会を開催し,運転開始後40年目の劣化状況評価結果について御議論を頂きました。更に今月22日には第10回の分科会の開催を予定しております。
国においては,原子力発電所の運転期間や安全規制等に係る制度改正を進めようとしておりますが,川内原発については,原子力規制委員会において,運転期間延長申請に対する審査が継続しているところであり,引き続き,現行制度に基づき,運転期間延長に関する科学的・技術的な検証を行っていただくこととしております。
今後,原子力規制委員会による判断が行われる前に,分科会における科学的・技術的な検証の結果や専門委員会の意見等を踏まえて,原子力規制委員会及び九州電力に対して厳正な対応を要請してまいります。
今月11日に,3年ぶりに住民も参加した上で,国や関係市町と連携して原子力防災訓練を実施しました。訓練では,約210機関,約3,500人が参加し,本年度から運用を開始した原子力防災アプリを含む県原子力災害時住民避難支援・円滑化システムの本格的な活用を行ったほか,新型コロナウイルス感染症流行下を想定した上で,情報伝達や事態の進展に応じた段階的避難などの手順を確認する訓練も実施しました。
原子力防災アプリについては,原子力災害対応に有効なツールになるものと考えており,今後,原子力防災パンフレット配布などの様々な広報媒体の活用のほか,防災訓練や住民説明会,講習会等の場において,その有用性や利便性を県民の皆様に直接お伝えする機会を増やしていくことにより,更なる普及促進に取り組んでまいります。
今後とも,県民の生命と暮らしを守る観点から,川内原発の安全対策・防災対策の充実・強化に取り組んでまいります。
自衛隊による離島からの急患搬送については,これまで搬送を担ってきた鹿屋航空分遣隊が先月廃止されました。
このことに対処するため,防衛省本省への要望や自衛隊の関係部隊等との協議を重ねてきたところであり,仮通報制度の導入による出動時間の短縮を図るとともに,十島村の一部について,本土への搬送より早い沖縄への搬送手段を新たに確保するなど,熊本,宮崎,沖縄,鹿児島の自衛隊等が連携して,従来の搬送体制と同等の実効性のある体制を構築しました。
離島における急患搬送は,多くの有人離島を有する本県にとって極めて重要であり,県民の生命を守るため,今後とも,迅速かつ的確な対応に努めてまいります。
高病原性鳥インフルエンザについては,今シーズン,ヨーロッパや北米をはじめ,世界各地で大流行している中,国内においても発生件数が70件を超え過去最多となっております。本県においても,昨年11月から12月にかけて,出水市,南九州市及び阿久根市の養鶏農場において,12の事例が発生しました。また,今月3日には,鹿屋市の養鶏農場において大隅地域では初めての発生が確認され,殺処分対象はこれまでで県内最大規模の約137万羽となっております。
県では,市町をはじめ県建設業協会,JAグループ,国など関係者と連携し,発生農場の鶏の殺処分など,一連の初動防疫措置を速やかに実施してきました。また,出水市において大規模又は短期間に相次いで発生したケースにおいては,自衛隊に災害派遣要請を行い,殺処分に御協力を頂きました。関係の皆様の御協力に感謝申し上げます。
国内では依然として発生が確認されており,県では,県内の全ての養鶏農場に対し,改めて,早急な鶏舎の点検や消毒等の飼養衛生管理基準の遵守の徹底を図るよう指導を行うとともに,ため池周辺の道路消毒,食鳥・鶏卵処理施設の消毒,県内全養鶏農場における殺鼠剤によるネズミ駆除を行うなど,取組を進めております。
なお,出水市における防疫措置に関連して,埋却地から漏出した汚水が周辺のため池や河川に流入するなどの問題が発生しております。県では,汚水の除去等に取り組むとともに,埋却物の移設に向けた検討を進めており,早急に事態が改善できるよう取り組んでまいります。
本県の養鶏業は農業産出額が1,000億円を超える基幹産業であり,これ以上の発生を防止するため,引き続き,市町村や関係機関・団体と一体となって,野鳥の監視強化を含め,最大級の防疫意識を持って,まん延防止対策に取り組んでまいります。
地域で高齢者を支える仕組みづくりについては,高齢者個人の健康づくりや地域貢献活動,高齢者を含むグループが取り組む互助活動及び幅広い世代の方が行う高齢者の見守りなどのボランティア活動に対し地域商品券等に交換できるポイントを付与する取組を引き続き進めてまいります。
男女共同参画・ジェンダー平等の推進については,令和5年度を初年度とする第4次県男女共同参画基本計画に基づき,「一人ひとりの人権が尊重され,多様な生き方が選択でき,個性や能力が発揮できる社会」や「誰もが安心して暮らすことができる地域社会」を目指して,「かごしまジェンダー平等推進プロジェクト」など,各般の施策の更なる取組を進めてまいります。
重度心身障害者医療費助成制度については,支給方式の変更や支給対象者の拡大など,制度変更に伴う関係機関のシステム改修や試験運用を令和5年度に行い,令和6年度早期の運用開始に向けて,引き続き市町村や審査支払機関等と調整を進めてまいります。
がん対策については,令和5年度中に新たながん対策推進計画を策定することとしており,がんの予防・早期発見,がん医療の充実,がんに対する正しい理解の促進など総合的な対策を推進してまいります。
薩南病院については,本年5月に新病院の開院を予定しており,新たに産婦人科,麻酔科を開設し,休診となっている小児科についても再開することとしております。今後とも,地域医療に貢献し,住民に信頼され,安心して医療を受けられる病院を目指してまいります。
消費者行政の推進については,社会問題となっている霊感商法を含めた悪質商法等による消費者トラブルの状況も踏まえ,今後とも,県消費者基本計画に基づき,県民の方々の消費生活の安定・向上のため,消費者教育の推進や相談体制の強化に取り組んでまいります。
[4歳入予算]
次に,歳入予算について申し上げます。
まず,県税については,最近における本県経済の動向や県税収入の状況,地方財政計画などを踏まえ,前年度当初予算に比べ,0.3パーセント増の1,581億56百万円を計上しております。
地方交付税については,地方の財源不足に対応するために地方交付税の代わりに発行する臨時財政対策債を加えた実質的な地方交付税総額で,前年度当初予算に比べ,1.8パーセント減の2,836億45百万円を計上しております。
県債については,669億79百万円を計上しておりますが,臨時財政対策債を除きますと611億3百万円となっております。
使用料・手数料については,必要な見直しを行うとともに,その他の収入についても,それぞれ見込みうる額を計上しております。
[5令和4年度補正予算及びその他の議案]
次に,令和4年度補正予算について概要を申し上げます。
今回の補正予算は,先ほど申し上げました国の補正予算に対応する経費を計上することとしたほか,災害復旧事業や公債費などの額の確定に伴う減額を行う一方,歳入については,県税等が増額となりました。
これらの結果,一般会計補正予算の総額は,168億円の増となりました。
このほか,「鹿児島県事務処理の特例に関する条例の一部を改正する条例制定の件」など,条例案31件,その他の議案8件,報告1件となっております。
何とぞよろしく御審議の上,議決していただきますようお願い申し上げます。
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