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ホーム > 県政情報 > ようこそ知事室へ > 施政方針 > 令和6年第1回県議会定例会施政方針及び予算説明要旨

更新日:2024年2月20日

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令和6年第1回県議会定例会施政方針及び予算説明要旨

令和6年第1回県議会定例会の開会に当たりまして,県政運営についての基本的な考え方を明らかにいたしますとともに,令和6年度予算及び令和5年度補正予算等の概要について御説明申し上げます。

まず,先月1日に発生した「令和6年能登半島地震」,翌2日に発生した羽田空港での事故で亡くなられた皆様に心から哀悼の意を表します。
また,被災された皆様に心からお見舞いを申し上げますとともに,一日も早い復興をお祈りし,本県としてもできる限り被災地への支援に取り組んでまいりたいと考えております。
県の対応状況としては,全国知事会,県内の関係機関・団体等と連携して,DMATによる病院での診療支援や救急搬送,DPATによる被災者の心のケア等の支援,保健師チームによる避難所での住民の健康管理・衛生管理等の支援などを実施するとともに,石川県庁での災害救助法関係業務,漁港の被害状況調査業務などに従事する職員を派遣しております。
また,被災地に対し,提供可能な住宅や物資等について情報提供するとともに,要請があった際には速やかに支援できるよう準備しているほか,災害義援金募金箱を本庁・各地域振興局・支庁をはじめ,県関係施設などに設置いたしました。
今後とも,全国知事会等と連携しながら,被災地の復旧・復興に向けた支援に,しっかりと取り組んでまいりたいと考えております。

[1 県政運営の基本方針]
県政運営の基本的な考え方であります。
私は知事就任以来,新型コロナウイルス感染症をはじめ,豪雨災害や台風による被害,高病原性鳥インフルエンザ,不安定な海外情勢や急激な円安などによる原油価格・物価高騰への対応など,様々な危機事象や緊急的な課題に対し,全力を挙げて取り組んでまいりました。
新型コロナウイルス感染症については,令和2年3月に本県で初めて陽性者が確認されて以降,関係機関や県民の皆様の御協力により,その時々の感染状況に応じた医療提供体制の確保や感染防止対策にしっかりと取り組むとともに,県民の安心・安全と経済社会活動の両立が図られるよう取り組んでまいりました。
昨年5月の新型コロナウイルス感染症の5類感染症への変更に伴い経済社会活動が活発化する一方で,不安定な海外情勢や円安の影響などから,足元では物価の高騰が続いており,県民生活への影響が生じております。
県としては,国の施策とも連携して,これまで補正予算に計上した各種の事業を効果的に展開することにより,物価高騰の影響を受けている生活者や事業者の負担軽減に努めております。令和6年度当初予算においても燃料油や飼料の価格高騰に対する交通事業者や生産者への支援,公定価格で運営を行っている医療機関や社会福祉施設等への支援,国の支援の対象外となっているLPガス利用者や特別高圧受電事業者への支援,保育所や県立学校等の給食費等への支援による子育て世帯の経済的負担の軽減に要する経費等を計上しております。
今後も物価や景気の動向を踏まえ,必要な対応を講じてまいりたいと考えております。

現在,我が国は,本格的な人口減少や少子高齢化の進行,不安定な海外情勢による物価の高騰,グローバル化やデジタル化の進展,世界的な要請でもあるカーボンニュートラルの実現など,大きな変革期の中にあり,これらへの様々な対応が求められております。
私は,こうした状況に的確に対応しつつ,将来を見据え,魅力ある本県の素材「ポテンシャル」を最大限に生かしながら,地域に仕事や人の流れをつくり,住みやすい地域,将来にわたって活力ある社会を形成していくことが重要であると考えております。
まずは,コロナ禍からの経済の回復を確かなものとするとともに,今後の鹿児島の発展の基盤をしっかりとつくっていく必要があります。
このため,基幹産業である農林水産業や観光関連産業の更なる振興に取り組むとともに,技術力の高い製造業や情報関連産業など新たな産業の創出にも取り組み,鹿児島の「稼ぐ力」の向上を図ってまいります。
こうした「稼ぐ力」の向上を図るためには,各産業を支える人材の確保・育成が不可欠であります。
人手不足が深刻化する中,各産業分野における人材の確保・育成をはじめ,労働生産性を高めるためのデジタル人材の確保,地域経済を支える貴重な人材としての外国人材の受入れのほか,移住・交流の促進等に取り組んでまいります。
また,出生数の減少が予想を上回る速度で進行し,人口減少に歯止めがかからない中,少子化の進行は地方における人手不足の深刻化や地域の活力低下を招くことから,非常に危機感を感じております。
本県の将来を支える人材の確保・育成に向けて,国の施策の方向性も踏まえつつ,本県の実情を踏まえた子ども・子育て支援施策の充実・強化を図ってまいります。
さらに,持続可能な地域社会の実現に向けたデジタル化,カーボンニュートラルの推進や,高齢者が健やかで生きがいを持てる社会の形成などにも積極的に取り組んでまいります。
以上のような,「かごしま未来創造ビジョン」に掲げた各般の施策に取り組むことにより,「誰もが安心して暮らし,活躍できる鹿児島」を目指してまいりたいと考えております。
私は,県民の声がしっかりと反映される県政にしたい,県民が主役の,県民の目線に立った行政を実現したい,各市町村の意見を聞きながら連携を進めていきたいということを申し上げてまいりました。
県民との対話を進め,政策決定の透明化を図り,市町村との連携強化に取り組むことなどにより,県民の皆様と一丸となって力強く県勢発展を推進してまいりたいと考えております。
今後とも,時代の変化に的確に対応しながら,「県民の皆様と一緒に鹿児島の今と未来をつくる」ということを基本として,「誠実に」,「着実に」県政の推進に全力を挙げて取り組んでまいります。

[2 予算編成の大綱]
次に,令和6年度の予算編成の大綱について申し上げます。
我が国経済は,このところ一部に足踏みもみられるものの,緩やかに回復しております。
先行きについては,雇用・所得環境が改善する下で,各種政策の効果もあって,緩やかな回復が続くことが期待されますが,世界的な金融引締めに伴う影響や中国経済の先行き懸念など,海外景気の下振れが我が国の景気を下押しするリスクとなっております。また,物価上昇,中東地域をめぐる情勢,金融資本市場の変動等の影響に十分注意する必要があります。
さらに,令和6年能登半島地震の経済に与える影響に十分留意する必要があります。 
県内経済は,緩やかに回復しておりますが,足元では,物価の高騰が続いております。
こうした中,国においては,令和6年度予算を令和5年度補正予算と一体として編成し,足元の物価高に対応しつつ,持続的で構造的な賃上げや,デフレからの完全脱却と民需主導の持続的な成長の実現に向け,人への投資,科学技術の振興及びイノベーションの促進,GX,DX,半導体・AI等の分野での投資促進など新しい資本主義の実現に向けた取組の加速,防災・減災,国土強靱化など国民の安全・安心の確保などに取り組むこととしております。
県としては,令和6年度当初予算編成に当たり,「行財政運営指針」を踏まえた行財政改革を着実に進めつつ,引き続き,直面する物価高騰による影響を緩和するための対応を講じるとともに,持続可能な開発目標SDGsの理念も踏まえ,鹿児島の基幹産業である農林水産業,観光関連産業や企業の「稼ぐ力」の向上,各種産業を支える人材の確保・育成,子育て支援,デジタル社会の構築,カーボンニュートラルの実現などの施策を積極的に推進する予算として編成いたしました。
令和6年度一般会計当初予算は,新型コロナウイルス感染症の5類への変更に伴う対策経費の減,国体開催関連事業の終了等の影響により,令和5年度当初予算に対し5.5パーセント減の8,405億10百万円となりました。
予算編成を通じて,行財政改革推進プロジェクトチームを中心として歳入・歳出両面にわたる徹底した行財政改革に取り組んだ結果,財源不足のない予算を編成することができました。
令和6年度末の県債残高見込みについては,臨時財政対策債等を除いた本県独自に発行する県債の残高ベースで比較すると,令和5年度末の1兆454億円から71億円減の1兆383億円となり,着実に減少しております。
また,令和6年度末の財政調整に活用可能な基金残高は,令和5年度末の残高と同程度の251億円となり,250億円を下回らない水準を維持しております。
これにより,行財政運営指針に掲げた今後の財政運営における3つの指標については,令和6年度当初予算編成時点において,全て達成しております。
企業会計を除く特別会計の予算規模は3,953億46百万円となっております。
企業会計は,病院事業特別会計で249億93百万円,工業用水道事業特別会計で6億4百万円となっております。
令和5年度3月補正予算においては,国の補正予算を活用し,輸出拡大を図るための食肉処理施設やてん茶加工施設の整備への支援など,各種産業の「稼ぐ力」の向上に資する事業に要する経費を計上しております。
国の「経済財政運営と改革の基本方針2023」においては,状況に応じ必要な検証を行っていくとされたものの,財政健全化の旗を下ろさず,これまでの財政健全化目標に取り組む旨が示され,今後,地方交付税等について厳しい調整が行われることも予想されます。
このような国の動向にも的確に対応しつつ,持続可能な行財政構造を構築するため,引き続き,歳入・歳出両面にわたる徹底した行財政改革に取り組んでまいります。

[3 主要施策の概要]
以下,主要施策の概要について申し上げます。
第一は,「『稼ぐ力』の向上」であります。
農林水産業をはじめ,本県の主要な産業においては,付加価値の向上が課題であると考えております。
鹿児島の基幹産業である農林水産業や観光関連産業,技術力の高い製造業等の「稼ぐ力」の向上に取り組み,経済を持続的に発展させることで,県民所得の向上を図ってまいりたいと考えております。
農林水産業の「稼ぐ力」を引き出すためには,担い手の確保・育成を図りつつ,販売量の増加,販売単価の向上,生産コストの低減に取り組むことが必要であり,これが農林水産業の所得向上につながるものと考えております。
販売量の増加に向けては,生産施設等の整備による生産基盤の強化や農地の集積・集約化による規模拡大,輸出推進体制の構築による輸出拡大などに取り組んでまいります。
販売単価の向上に向けては,本県農林水産物の認知度を高め,ブランド力の向上を図るための首都圏や海外でのPRなどに取り組んでまいります。
生産コストの低減に向けては,作業の効率化・省力化を図るためのスマート機器の導入によるスマート農林水産業などに取り組んでまいります。
農業の振興については,担い手の確保・育成を図るため,引き続き就農・就業希望者への相談対応等に取り組んでまいります。また,新たに,農業大学校における社会人等を対象とした実践的な研修や,農業生産組織が新たな担い手の参画・育成を図る実務指導等の取組への支援を行うとともに,法人化を志向する農家に対し,プッシュ型で課題を掘り起こした上で,農業経営の専門家を派遣する取組を実施することとしております。
担い手への農地の集積・集約化については,将来の農地利用の姿を明確化する地域計画の策定・実行に向けた市町村の取組を支援するとともに,農地中間管理事業を積極的に推進してまいります。
スマート農業の推進については,引き続き,「県スマート農業推進方針」に基づき,県内各地域の地域性や実情に応じた研修会の開催,モデル産地におけるスマート農機を活用した一貫作業体系の実証・展示等に取り組んでまいります。また,新たに,広域で農作業を受託するサービス事業体におけるスマート農機の導入を支援し,農作業の効率化や省力化を推進してまいります。
農林水産物の輸出促進については,「鹿児島県農林水産物輸出促進ビジョン」における令和7年度の輸出目標額約500億円の実現に向けて,生産体制や販売力の強化に戦略的に取り組んでまいります。
具体的には,官民一体となって輸出推進体制を構築するため本年度設置した「GFP鹿児島」を活用しながら,輸出セミナーの開催等による輸出に意欲的な生産者の拡大・育成,モデル産地における大ロット輸出に向けた生産方法への転換などに取り組んでまいります。また,輸出商社等が行うテスト輸送や鮮度保持試験などの海外営業活動への支援,輸出商談会の開催等による販売促進活動の強化に取り組んでまいります。
「和牛日本一」の栄冠に輝いた本県の和牛の販路拡大に向けては,人口が多く日本の情報発信の拠点である首都圏をターゲットとして取り組むこととし,まずは,一流レストランのシェフや食肉仲卸などを対象とした産地視察などの取組を強化するとともに,新たに販売指定店等におけるフェアを開催することで,販売量の増加を図ってまいります。また,羽田空港や主要駅等におけるPR広告やSNS等の情報発信を集中的に行うことで,一般消費者の認知度向上を図ってまいります。さらに,高級ホテルにおいてレストランフェアを開催するとともに,トップセールスを行うことで,ブランド力の向上を図ってまいります。
海外向けについては,既に認知度の高いアジア地域における更なる販路拡大の取組に加え,今後輸出拡大が見込まれるEUや米国において,「和牛日本一」を前面に打ち出し,食品展示会への出展や商談会の実施などの取組を強化し,更なる輸出拡大に向けて取り組んでまいります。
林業の振興については,担い手の確保・育成を図るため,昨年12月に林業大学校の設置に係る基本計画を策定し,先月から県内の高校等への個別訪問による広報活動を行うとともに,林業事業体や関係団体,大学等が一体となったサポート体制の構築,年間を通じた研修カリキュラムの編成に取り組んでおります。
来年度は,引き続き広報活動を実施するほか,研修に必要な資機材等の整備や研修生の募集を行うこととしており,「かごしま林業大学校」の令和7年4月の開校に向けて,必要な準備を着実に進めてまいります。 
スマート林業の推進については,再造林を推進するため,航空レーザ計測・解析情報の高度利用やドローンによる苗木運搬等に取り組むとともに,原木の安定供給体制を構築するため,ICT技術を活用した木材の効率的な生産管理などに取り組んでまいります。
県産材の利用拡大に向けては,引き続き,品質や性能の確かなかごしまJAS材の生産体制の整備や県内外への販路拡大,付加価値の高い製材品等の輸出拡大などに取り組んでまいります。来年度は,県と建築物におけるかごしま材の利用促進に関する協定を締結した企業等が行う非住宅建築物等の木造化・木質化の取組を新たに支援してまいります。
水産業の振興については,担い手の確保・育成を図るため,引き続き「かごしま漁業学校」において,漁業の基礎的知識の習得を行う入門・短期研修から実践的な漁労実習等を行う中期研修までの段階的な研修を行うほか,更なる技術習得を行う長期研修を県漁連と連携して実施します。また,新規就業者が地域に定着するためのフォローアップを行う「新米漁業者みまもり隊」の運営・活動への支援などに取り組んでまいります。
スマート水産業の推進については,漁業操業の効率化を図るため,引き続き,鹿児島大学との共同研究によるデジタル技術を利用した漁場・海況予測モデルの開発等に取り組んでまいります。
また,生産量日本一を誇る養殖ブリについては,引き続き,養殖業者からのニーズが高い早期人工種苗の生産施設の整備を進めるとともに,新たに,成長が早く生残率が高い優良種苗の生産技術の開発に着手し,コスト削減による養殖経営の安定化を図ってまいります。
鹿児島湾において発生している赤潮については,漁業被害が発生するおそれがあったことから,今月16日に県赤潮緊急対策本部を設置し,情報収集体制を強化するとともに,餌止めや生け簀の避難等を指導してきたところですが,昨日,漁業被害が確認されました。
今後も引き続き,漁協等と連携し,現地調査や生け簀避難など,赤潮被害の防止に努めてまいります。
新型コロナウイルス感染症の影響で大きく落ち込んだ旅行需要は,昨年5月に同感染症が5類に変更され,経済社会活動が活発化する中で徐々に回復してきております。コロナ禍後の旅行需要の回復を軌道に乗せ,観光関連産業の「稼ぐ力」の向上を図るため,本県の多彩な魅力を生かしたプロモーションを国内外に展開し,本県への誘客を促進するとともに,「個人向け」,「体験型」,「滞在型」など,近年の旅行ニーズに対応した魅力ある観光地づくりを行ってまいります。
具体的には,「南の宝箱 鹿児島」をテーマとして,観光客のニーズに応じたPRを展開できるよう本県の魅力を発信する複数のPR動画を作成するとともに,県民の皆様からもPR動画を募集するキャンペーンを実施いたします。これらの動画を,ターゲットとなる年齢層等を絞ることができるユーチューブによる広告や各種イベント等の機会を捉えて積極的に発信するとともに,今後更なる誘客が期待できる首都圏の公共交通機関等での広告展開を行い,本県への誘客につなげてまいります。あわせて,キャッチコピー「南の宝箱 鹿児島」を活用しながら,鹿児島のPRや誘客促進のイベント等を交通キャリア等と連携して,「南の宝箱 鹿児島」キャンペーンとして期間を限定し,集中的に実施することで本県の認知度の向上を図り,首都圏や関西圏からの誘客を促進してまいります。
近年,旅行ニーズが多様化する中,個人が支出を惜しまない活動として,いわゆる「推し」を応援する「推し活」があることに着目し,本県を舞台にした作品や本県にゆかりのある人物など,「推し」となりうる観光素材・コンテンツを掘り起こし,これらを周辺の観光地と併せて情報発信を行う新たな取組を実施し,本県への誘客を促進してまいります。
令和4年10月の国の水際措置の緩和後,本県の外国人宿泊者数は,香港及び韓国との定期航空便の再開もあり,少しずつ回復しつつありますが,令和元年の水準の6割程度となっており,鹿児島空港における地上支援業務,いわゆるグランドハンドリングに従事する職員の不足が引き続き課題となっております。
県では,これまで地上支援業務職員の採用支援や航空会社に対する応援職員の派遣要請などに取り組むほか,他空港の複数のグランドハンドリング会社等に対して,鹿児島空港の現状を説明しつつ,新規参入も含め協力を要請してまいりました。今回,鹿児島空港国際線の需要に対応できるグランドハンドリング体制を確立するため,新規の参入事業者の安定的な事業運営に必要な経費を支援することとしました。今後とも,早期にコロナ禍前の状況を取り戻せるよう,空港や観光の関係者と連携の上,空港受入体制の確保を図ってまいります。
また,国際航空路線の充実に向けては,航空会社から復便の要請のある香港,台湾,中国の直行3路線に対し運航再開時における広告掲載などプロモーション費用を支援することとしております。また,ベトナムの現地旅行会社へのプロモーションを行うとともに,ベトナム航空のプログラムチャーター便の運航に向けた支援を行うこととしております。
さらに,インバウンド対策については,これまでコロナ禍で十分に取り組むことができなかった現地でのセールスやプロモーションなどを積極的に展開してまいります。
具体的には,韓国,中国,台湾及び香港の直行便市場に対し,引き続き現地ビジネスパートナーを活用したSNS等のメディアによる情報発信を行うとともに,現地での旅行会社へのセールス等を積極的に行ってまいります。また,シンガポール,タイ,ベトナム等の戦略的市場に対しても,引き続きSNS等による情報発信を行うとともに,現地での旅行会社等へのセールス等を積極的に行ってまいります。
企業の「稼ぐ力」の向上に向けては,生産性と付加価値の向上による産業競争力の強化に取り組むとともに,将来を担う新たな産業の創出,県産品の国内外マーケットへの戦略的な展開などに取り組んでまいります。
企業の生産性向上に向けては,中小企業におけるDX化,製造業・サービス業におけるAI,IoT等の導入による自動化・省力化の取組について,現下の物価高騰や人手不足の状況を踏まえ,規模を大幅に拡充した上で集中的な支援を実施してまいります。
企業立地の推進については,TSMCの熊本進出を契機として,今後,半導体関連企業等の本県への進出が期待されることや,昨今,製造業において国内回帰・国内生産体制の強化を図る動きが見られること等を踏まえ,来年度,新たな産業用地の整備可能性調査を実施することとしております。
また,県内企業の「稼ぐ力」の向上に向けた施策について,本庁と地域振興局・支庁がより一層連携し,更なる推進を図るため,各地域振興局・支庁総務企画部に「地域企業振興監」及び「地域企業支援官」を設置いたします。
スタートアップの創出・育成に向けては,若い世代の起業家マインドの養成やビジネスプランコンテストの実施,起業の初期段階における実証事業への支援,安定・拡大期における研究開発や設備投資等への支援など,各段階に応じた集中的かつ継続的な伴走支援を行ってまいります。
今後,市場拡大が期待される宇宙ビジネスについては,引き続き,産学官による研究会の開催,実証事業やビジネスマッチングへの支援などに取り組んでまいります。また,国における大規模な基金の設置による民間企業等の先端技術開発,商業化等への支援などの動きも踏まえ,新規参入の余地がある事業分野や,新規参入につながる技術を有する県内企業の実態調査などを行ってまいります。
加工食品等の県産品の海外市場の開拓と販路拡大については,引き続き,国内外バイヤーとの商談会や海外での鹿児島フェア等を開催するほか,今後の更なる経済発展により購買力の拡大が期待されるASEAN地域を中心に,輸出商社と県内事業者が連携して行う営業活動や越境ECを活用した輸出等の支援に取り組み,輸出拡大を図ってまいります。
本格焼酎については,大手酒販店や飲食店等と連携して,若者や女性をターゲットとしたPR・販売促進活動を展開し,首都圏,東北での更なる消費拡大を図ってまいります。また,新たに,多様な消費者ニーズを踏まえた本格焼酎の高付加価値化を促進するため,原料や熟成などの技術を生かした特徴ある風味を有する商品の開発や,デザイン性が高いボトルやラベルの製作などの取組を支援してまいります。
鹿児島ブランドショップについては,旧興業館への移転・整備に向けて,建築,文化財等の専門家の意見や本年度実施した耐震診断の結果等を踏まえ,耐震補強工事等の具体的な工法等について調査・検討を進めることとしております。また,旧興業館への移転までの間,同ショップを鹿児島市金生町の「よかど鹿児島」へ仮移転し,引き続き県内外の方々に対する県産品の情報発信に取り組んでまいります。

第二は,「地域産業の振興を支える人材の確保・育成」,「移住・交流の促進」であります。
少子高齢化や生産年齢人口の減少に加え,進学や就職に際して,若年層が県外に流出し,県内産業の振興を支える人材の不足が大きな課題となっております。
このような中,各産業分野における人材の確保・育成はもとより,若年者等の県内就職の促進,本県への移住・交流の促進のほか,地域経済を支える貴重な人材としての外国人材の受入れなどに取り組んでまいります。
若年者の県内就職の促進については,合同企業説明会の開催や地元大学生による地元企業の魅力の発掘・発信,県の公式LINEアカウント「もどかご!」による鹿児島で働き・暮らす魅力の発信に加え,新たに,県外の大学1,2年生を対象とした県内企業の見学会を行うこととしております。
移住・交流の促進については,本年度,東京のふるさと回帰支援センターの相談員を増員するなど相談体制を強化したほか,今月17日には鹿児島・佐賀エールプロジェクトの一環として,佐賀県と合同で移住イベントを東京で開催するなど,様々な機会を通じて本県への移住をPRしてまいりました。これまでの取組を通じて,本県への移住者は平成29年度の996人から令和4年度には2,631人となるなど大幅に増加しております。また,移住に関する情報誌が毎年1月に発表している「移住したい都道府県ランキング」で本県が今回7位と大きく順位を上げております。
来年度は,引き続き,移住相談窓口による相談対応や各種セミナー等による情報発信などに取り組むとともに,新たに,移住検討者を対象とした現地視察を実施し,住宅などの情報収集,先輩移住者や地域との交流を行うことで,移住への不安の解消を図り,移住を促進してまいります。
ワーケーションについては,東京のコンサルティング会社が,垂水市で行ったワーケーションをきっかけとして,本年度から,本県において,全国で初めてとなるテレワークを前提とした正社員の地元採用を行っているほか,同社が本県と産業人材の確保・育成に関する連携協定を締結し,UIターン人材の確保やデジタル人材の育成などに連携して取り組むこととなるなど,関係人口の創出に向けた動きが出てきております。
来年度は,こうした動きを県内各地に広げるため,近年関心が高まっている「業務型」ワーケーションについて,新たに,市町村やコワーキングスペース管理者を対象としたセミナーを開催し,好事例を周知するなど,取組を強化するとともに,引き続き,ワーケーション拠点施設の改修や県外企業と地域との交流に係る支援を行ってまいります。
外国人材の確保については,引き続きベトナムとの人的・経済的交流を促進するとともに,今後の有望な送り出し国であるフィリピンやインドネシア等との関係構築を図ってまいります。
また,国内で不足する高度デジタル人材をバングラデシュから獲得するためのモデルの構築に取り組んでまいります。
さらに,技能実習制度に代わる新たな制度の国における検討状況を注視しながら,大都市にはない暮らしやすい生活環境といった本県の魅力を海外や県内の外国人材に情報発信するとともに,外国人材を円滑に受け入れるための企業向けセミナーの開催,働きやすい職場づくりに取り組む企業を表彰する制度の創設などにより,外国人材の本県への定着を促進してまいります。
これらの外国人材の受入れ・定着に向けた取組をより一層推進するため,商工労働水産部に「外国人材政策推進課」を設置いたします。

第三は,「結婚,妊娠・出産,子育ての希望がかなう社会の実現」であります。
我が国では,出生数の減少が予想を上回る速度で進行し人口減少に歯止めがかからない中,子どもや家庭を巡る様々な課題が深刻化しております。こうした中,国においては,児童手当の大幅な拡充や保育士の配置基準の見直しなどを盛り込んだ,こども未来戦略やこども大綱を策定し,子ども政策の強化に取り組んでおります。
また,妊娠・出産支援,子育て支援,保育サービスの充実など,子育て支援施策の多くは,住民に身近な基礎自治体である市町村を中心に実施されております。
本県においても,少子化は,人手不足の深刻化や地域の活力の低下を招くことから,県としても,市町村に対する支援の充実を含め,子ども・子育て支援施策の充実に取り組んでまいります。
少子化の背景には,未婚化・晩婚化,妊娠・出産期や子育て期の孤立感や負担感,子育てに係る費用負担,仕事と子育ての両立の難しさ等の様々な課題があります。
このため,少子化を克服していくためには,ライフステージごとの課題に対応した総合的な支援を行っていく必要があると考えております。
こうしたことから,県としては,国の施策と連動しつつ,限られた財源を有効に活用して,各ライフステージにおける支援を大幅に拡充した総合的な対策を,総額15.2億円からなる「かごしま子ども・子育て支援パッケージ」として取りまとめました。
まず,子ども医療費助成制度については,現在,住民税非課税世帯の高校生までを対象に,自己負担を求めることなく現物給付方式を導入しており,低所得世帯に非常に手厚い制度となっております。
他方で,多くの方々の強い御要望も踏まえ,子育てしやすい環境整備という観点から検討した結果,未就学児を対象に,現物給付方式を課税世帯にも拡げることとしました。
対象年齢については,未就学児が,成長や発達が著しく,生涯にわたる健康づくりの基盤となる重要な時期であることや,小・中学生と比べ医療機関を受診する機会が多く,医療費の負担も大きいこと,子育て支援については総合的な対策が必要であり,当該制度以外にもライフステージごとに取り組むべき課題があること等を踏まえ,厳しい本県の財政状況等を勘案しつつ,持続可能で安定的に継続できる制度となるよう,今回の見直しでは,支援の必要性が特に高い未就学児を対象としました。
来年度の当初予算では,システム改修費などの準備経費を計上しており,今後,実施主体である市町村や医師会などの関係団体とも協議しながら,できるだけ早い時期に新制度を導入できるよう取り組んでまいります。
また,母親の産後の心理的・肉体的な負担を軽減し,誰もが安心して子育てができる支援体制を確保するため,新たに,産後ケア利用者が負担する利用料を無償化する市町村に対し補助を行うこととしております。
保育環境の充実に向けては,今後,国の「こども誰でも通園制度(仮称)」の開始や保育士の配置基準の見直しなどにより,保育サービスの充実が期待される一方で,当該サービスを担う保育士の更なる不足が懸念されます。このため,新たに,本県に保育士登録されている約3万人を対象に現況調査を行い,働く意思のある潜在保育士を掘り起こし,県保育士人材バンクへの登録を促すとともに,同バンクを活用した市町村のマッチング等の取組の促進や就職フェアの開催により,保育士確保を図ってまいります。
また,地域の実情に応じて保育士確保に取り組む市町村に対し支援を行う交付金制度を創設することとしております。
離島においては子育てに係る経済的負担が本土と比べて大きいことを踏まえ,その軽減を図る観点から,新たに,離島の子どもがやむを得ず島外の医療機関を受診する際の交通費等の助成を行う市町村を支援するとともに,離島生徒が指定の県大会等で県本土へ遠征する際の費用への支援を拡充することとしております。
さらに,財政上の制約から独自の子育て施策に十分に取り組めていない市町村があるという現状を踏まえ,子ども・子育て施策に取り組む市町村を総合的に支援する交付金制度を創設します。対象事業については,放課後児童クラブや病児保育の利用料支援など,子育て世帯のニーズが高いと考えられる取組を推奨メニューとして対象とし,取組を促すとともに,先駆的な事業で継続的に取り組むことができ,他市町村への横展開により波及効果が期待できるモデル的な取組を対象とし,掘り起こしを行ってまいります。
このほか,結婚を希望する方の出会いの場を提供する「かごしま出会いサポートセンター」の若年層の新規会員獲得に向けた取組の強化や,新たに,各地域における子ども食堂とその関係者による連携体制構築の取組への支援等を行うこととしております。また,不登校やいじめなどの未然防止や早期発見・早期解決を図るため,児童生徒への心理的な支援を行うスクールカウンセラー等の派遣回数を大幅に拡充することとしております。
県としては,これらの総合的な対策を迅速に講じることで,県民の皆様の結婚,妊娠・出産,子育ての希望をかなえられるよう取り組んでまいりたいと考えております。
児童虐待防止対策については,老朽化・狭隘化が顕著である中央児童相談所の一時保護所の建替えに係る基本設計を行うとともに,児童福祉司等の増員など児童相談体制の充実・強化を図ることとしております。
これらをはじめとした子ども・子育て関連施策について,企画立案・総合調整機能の強化等により更なる推進を図るため,「子ども政策局」を設置いたします。「子ども政策局」には,子ども・子育て関連施策の総合調整等を担う「子ども政策課」を設置するとともに,既存の組織を改組した上で,「子育て支援課」及び「子ども福祉課」を設置し,体制を強化することとしております。

第四は,「デジタルテクノロジーを活用した県民の暮らしの質の向上」であります。
暮らしと産業のデジタル化については,介護・障害福祉分野へのロボット等導入支援,農林水産分野におけるスマート化の推進,デジタル技術を活用して商店街の魅力向上などに取り組む市町村に対する支援などの取組を進めてまいります。また,中小企業に対しDXの普及啓発からデジタル技術の導入までの伴走支援を行うことなどにより,競争力向上や新事業展開に向けた取組を推進してまいります。
行政のデジタル化については,電子契約サービス導入に向けた取組を進めるとともに,引き続き,行政手続のオンライン化やデジタル技術の活用による業務改革や働き方改革を推進するほか,県が市町村のデジタル人材の確保を支援することにより,市町村のデジタル化に向けた取組を支援してまいります。
デジタル人材の確保・育成については,高度デジタル外国人材を獲得するモデル構築の取組のほか,高度デジタル人材の育成を図るため,県内のIT技術者が最新技術を習得するための講座等を実施するとともに,デジタル人材の裾野を広げるため,経営者等のデジタル化への理解を深めるための研修やITエンジニアを目指す方を対象としたプログラミング研修などに取り組んでまいります。

第五は,「脱炭素社会の実現と豊かな自然との共生」であります。
地球温暖化は,人類の将来に関わる最も重要な環境問題であり,県としても,2050年までに温室効果ガスの排出を全体としてゼロとすることを目指し,昨年度改定した「鹿児島県地球温暖化対策実行計画」等に基づき取組を進めております。
地球温暖化の現状,温室効果ガスの排出削減について,県民や事業者の理解を深め,気運の醸成を図るため,引き続き,環境学習の場における普及啓発等を行うほか,県内のエネルギー起源の二酸化炭素排出量の削減を図るため,電気自動車や充電設備,省エネ設備等の導入支援等を行うこととしております。
また,地球温暖化対策の取組を推進するため,県有施設における照明のLED化や太陽光発電設備の設置等を行うこととしております。
再生可能エネルギーについては,「再生可能エネルギー導入ビジョン
2023」に基づき,地域で再エネを有効活用するための実証事業の計画策定を市町村と連携して進めていくとともに,事業者等が行うマイクログリッド構築などの先進的な取組や再エネ設備,蓄電池の導入に対する支援などを行うことにより,再エネの地産地消の取組を推進してまいります。
洋上風力発電については,先月29日に,第3回の研究会を開催し,薩摩半島西方沖における漁業の操業実態等を踏まえ,情報提供の可能性のある区域について,参加団体等と意見交換を行いました。引き続き,関係市町や利害関係者等の意見を十分踏まえながら,検討を進めてまいります。
温室効果ガス排出削減と経済成長の両立を図るGXを推進するため,本年度,事業者へのヒアリングや事例調査等を行いながら,今後の取組の方向性を検討してまいりました。
来年度は,この検討結果を踏まえ,本県の温室効果ガス排出量の約2割を占める畜産業由来の温室効果ガスを削減するため,飼料用アミノ酸を活用し,栄養吸収率を高め,牛から排出される温室効果ガスを削減するとともに,生産コストの低減・生産性の向上を図ることにより,畜産業におけるGXを推進してまいります。
また,我が国の温室効果ガス排出量の約4パーセントを占めるセメント由来の温室効果ガスを削減するため,県工業技術センターが開発した技術を用いて,セメントの代替となるシラス由来の火山ガラス微粉末の量産化を促進し,低炭素型シラスコンクリートの普及に取り組むことにより,インフラ・建設分野におけるGXを推進してまいります。
このほか,GXに向けた新たな事業を創出するため,県内事業者等の気運を醸成するためのワークショップの開催や,モデル企業の創出に向けた先行的な取組への伴走支援,カーボンクレジットの活用促進に向けた調査等を行ってまいります。

第六は,「多様で魅力ある奄美・離島の振興」であります。
本県の離島は,各島の特色ある独特の自然,文化,伝統,多様なコミュニティなど,多様性を有しており,まさに鹿児島の宝であると考えております。一方で,外海離島が多く,台風常襲地帯であるという厳しい自然条件の下,医療,物価,物流など多くの面で課題もあると認識しております。 離島の多様で豊富な地域資源を活用するとともに,生活環境,交通基盤,産業基盤などの社会資本の整備と更なる産業振興を図ってまいります。
奄美群島の振興については,本年3月末に期限が到来する奄美群島振興開発特別措置法の改正法案が今国会に提出されました。この法案には,法律期限の5年間の延長に加え,同法の基本理念に沖縄との連携促進を追加することや,奄振交付金の対象に教育の充実及び文化の継承に資する事業を加えることなど,昨年度,県が実施した総合調査を踏まえ,関係国会議員や県議会,地元市町村と一体となって,国に強く要望してきた内容が反映されています。
また,国の令和6年度予算案においては,輸送コスト支援や運賃軽減事業の拡充等による沖縄との連携策の強化を図るほか,農業振興を図る関連事業全般を幅広く対象にするなど,総合調査を踏まえた奄振交付金の拡充策が盛り込まれております。
 県としては,改正法の成立後,速やかに新たな奄美群島振興開発計画を策定し,着実な事業の推進に努め,奄美群島の振興・発展に一層全力を尽くしてまいります。
また,奄美の独自の文化である島唄の魅力を発信することにより,奄美の文化に対する理解を深めていただくため,今月11日に「第2回ほこらしゃ奄美音楽祭」を開催し,島内外から多数の方々に御来場いただきました。
今後も,奄美独自の文化である島唄の継承やこれらを生かした地域づくりに取り組んでまいりたいと考えております。
離島の振興については,特定有人国境離島地域における航路・航空路運賃の低廉化や輸送コスト支援などを着実に実施するとともに,自然条件等が特に厳しい離島地域における特定離島ふるさとおこし推進事業などを実施し,離島地域の活性化に着実に取り組んでまいります。 
なお,特定離島ふるさとおこし推進事業において,島内に車検場のない島民の負担の軽減を図るため,令和6年度から,島外車検時の車両航送料の支援を行えるよう補助対象に追加することといたしました。

このほかの重要施策についても着実に取り組んでまいりたいと考えております。

職員の人材育成については,本年度,目指すべき職員像や人材育成の取組の方向性などを盛り込んだ「鹿児島県職員人財育成ビジョン」の策定に向けた議論を進めてきたところです。
これまで,「鹿児島県庁働き方改革ワーキンググループ」を中心に職員間で主体的に議論しつつ,県議会の御論議や有識者会議での御助言も踏まえて策定作業を進め,今般,最終案を取りまとめたところであり,本年度末までに策定したいと考えております。その上で,来年度以降,同ビジョンに基づき,人材育成などの取組を更に充実・強化してまいりたいと考えております。
具体的には,人材の確保に向けた取組として,育児や介護などの理由により退職した職員の再採用制度を新たに導入することとしております。
また,人材の育成・成長に向けた取組として,キャリアパスの提示などにより職員のキャリアプラン形成を支援するとともに,人事評価制度について評価項目の見直しなどにより人材育成での更なる活用を図ることとしております。加えて,新たに広報スキルアップ研修や県と市町村の職員との共同研修を実施するなど,職員研修を充実することとしております。
さらに,働きやすい職場環境づくりに向けた取組として,職員の健康保持等のため新たに勤務間インターバルの確保に取り組んでまいります。また,職員がその能力を公務の場以外で広く役立てることができるよう,許可基準の整備などにより,兼業・副業を更に積極的に推進することとしております。
これらの取組を通じて,県にとって貴重な「財産」である一人一人の職員が「人財」として更に成長し,その力を最大限発揮することで,県民サービスの更なる充実を図ることができるよう取り組んでまいりたいと考えております。
 「知事とのふれあい対話」については,知事就任以来,昨年11月までに県内全市町村で開催し,頂いた御意見はできる限り県の施策・事業に反映させるよう努めてきております。
この「知事とのふれあい対話」は,県民の皆様と率直に意見交換し,各地域の切実な課題や県が取り組むべき政策課題等を把握する大変貴重な機会であったと感じており,引き続き開催してまいりたいと考えております。具体的な開催方式については,これまでの方式も検証した上で,例えば,具体的なテーマを設けて意見交換を行うなど,参加いただく県民の皆様とより議論を深めることができるよう工夫してまいります。
今後とも,県民の皆様の声を県政に反映させるとともに,透明で開かれた県政運営を行ってまいります。 
公文書の管理については,県議会の政策提言を踏まえ,昨年3月に公文書等の管理に関する条例を制定し,本年度は,公文書管理委員会での審議を踏まえ,必要な施行規則等の整備を行っているところであり,来年度から,特定歴史公文書の保存・利用等の取組を進めてまいります。
また,特定歴史公文書として保存すべき文書が一定量になると見込まれることを踏まえ,その利用等を積極的に推進する観点から,公文書館について,設置に向けて検討を進めたいと考えており,まずは来年度,公文書管理委員会において,本県の公文書館に求められる機能などについて意見聴取を行いたいと考えております。
川内原発については,1,2号機の運転期間延長について,県としての考え方を整理いたしました。
県としては,県原子力専門委員会において,科学的・技術的な検証を行い,川内原発の運転期間延長に関して行った特別点検結果,劣化状況評価及び施設管理方針の策定がそれぞれ適正になされていることが確認されていること,原子力規制委員会が厳格な審査を行い,認可がなされていること,原子力規制委員会及び九州電力には県の要請にしっかりと応えていただいていること,県議会においては,運転期間延長への賛同を求める陳情を,昨年の第4回県議会定例会で採択しており,議会としての判断が示されたこと,加えて,原発の立地自治体である薩摩川内市において,市議会が運転期間延長に対して賛成の陳情を採択されるとともに,薩摩川内市長が川内原発の運転期間延長を容認する旨を表明されたこと,以上のことを踏まえ総合的に判断した結果,川内原発の運転期間延長について,了承したところです。
今月10日には,国や関係市町と連携して原子力防災訓練を実施しました。訓練では,約210機関,約4千人が参加し,本年度は新たに,県バス協会や県タクシー協会が参加しての避難車両配車システムの手順確認や,原子力防災アプリによる住民からの情報投稿への対応,能登半島地震を受けての倒壊家屋からの救助などを行ったほか,情報伝達や事態の進展に応じた段階的避難などの手順を確認する訓練も実施しました。
訓練の実施結果については,県原子力専門委員会の助言・意見を踏まえながら,更なる原子力防災対策の充実・強化に生かしてまいります。
県民の中には,能登半島地震もあり,川内原発に関する不安をお持ちの方がおられます。北陸電力志賀原発は停止中であり,基本的な安全機能は維持できたと承知しておりますが,県としては,情報の収集に努め,川内原発の基準地震動の見直しへの対応を含め,国や事業者とともに,県民への丁寧な情報提供に努めてまいりたいと考えております。
今後とも,原発の立地県として,常に事故の発生を念頭に置き,県民の生命と暮らしを守るため,原子力規制委員会及び九州電力による川内原発の安全性の確保のための取組や県からの要請への対応を専門委員会で確認していただきながら,川内原発に係る安全対策・防災対策の充実・強化や県民への分かりやすい情報発信に取り組んでまいります。
馬毛島における自衛隊施設の整備等については,これまで地元市町との意見交換や関係機関・団体からの情報収集を行うとともに,工事に伴う懸念事項についての現状や国・各市町の対応状況の共有を図り,今後の対応を検討するため,県と種子島1市2町による連絡会などを開催しております。
先月30日に開催した連絡会では,地元の懸念事項等についてお聞きし,国に対して速やかに必要な対応を行うよう申入れを行いました。
今後,工事関係者は更に増加する見通しとなっており,住民生活や地元経済への更なる影響が懸念されます。
県としては,引き続き,国や地元市町と緊密に連携を図りながら,住民の安心・安全が確保され,また,環境保全措置が適切に講じられるよう,しっかりと取り組んでまいります。
今月16日,防衛省から,警戒監視・情報収集態勢を強化するため,海上自衛隊鹿屋航空基地において,無操縦者航空機の試験的運用を計画しているとの発表がありました。
県としては,住民の安心・安全を確保するため,同日,海上幕僚長に対し,運用の詳細については,適宜情報提供を行うこと,事前の情報と異なる状況が生じた場合は,その都度報告することなどを要請しました。
鹿児島港本港区エリア一帯の利活用については,昨年12月27日に「第7回」,先月24日に「第8回鹿児島港本港区エリアの利活用に係る検討委員会」を開催し,ゾーニングや人流・物流の動線,エリアごとの利活用の方針等を示したエリアコンセプトプラン案について御論議いただきました。
先月31日には,同委員会が取りまとめたエリアコンセプトプラン案を御提出いただき,今月1日から来月1日までパブリックコメントを実施しております。
県としては,県議会での御論議や,パブリックコメントで頂いた県民の皆様の御意見を踏まえ,年度内にエリアコンセプトプランを策定したいと考えております。
来年度は,このエリアコンセプトプランに基づくまちづくりを推進するため,県や鹿児島市,関係団体等により構成する懇談会を設置し,情報共有や意見交換を行いながら,「年間365日,賑わう拠点」の形成に向けた取組を進めてまいりたいと考えております。
同エリア一帯における景観・デザインについては,「県まちづくり・建築政策特別アドバイザー」からの助言も踏まえつつ,「鹿児島港本港区エリア景観・デザイン調整会議」やパブリックコメント,県議会等での議論を経て,桜島の眺望やまちなみ景観など,景観形成の基本的な方向性を示す「鹿児島港本港区景観ガイドライン」を昨年末に策定しました。
県としては,本ガイドラインを活用し,同エリアにおいて良好な景観形成と魅力向上に努めてまいります。
鹿児島市におけるサッカー等スタジアムの整備については,今月11日に,市長と意見交換を行いました。
意見交換においては,昨年12月に,鹿児島ユナイテッドFCがJ2昇格を決め,J1への早期昇格の可能性もある中,北ふ頭でのスタジアム整備には着工までに相当の期間を要することが見込まれ,Jリーグが定める期間内での整備は間に合わない可能性が高いことから,時間軸を考慮すれば,新たな場所を検討すべきではないかということについて提案しました。また,仮に,北ふ頭での整備を白紙に戻す場合には,新たな候補地について,県も一緒に検討していく旨を申し上げました。その後,市長から,市の内部で協議した結果として,北ふ頭での整備を白紙に戻す旨の回答がありました。
サッカー等スタジアムの整備に向けては,引き続き,同市と連携を図りながらその実現に向け「オール鹿児島」で取り組んでまいりたいと考えております。
スポーツ・コンベンションセンターの整備・運営については,昨年12月に「実施方針」の変更版及びPFI事業者を募集するための諸条件を示す「要求水準書(案)」の修正版を公表し,先月,これらの資料について,民間事業者との意見交換を行いました。
現在,その結果を踏まえ,「実施方針」や「要求水準書(案)」の記載内容の最終調整を行うとともに,PFI事業者の選定に係る審査基準などを定める「落札者決定基準」等の作成を進めており,本議会において御論議を頂いた上で策定することとしております。
本年4月には,これらの入札関係資料を基にPFI事業者の公募を行い,事業者選定委員会による審査を経て12月に事業者を選定し,令和7年3月に事業契約を締結する予定としております。
スポーツ・コンベンションセンターの事業費については,基本構想でお示しした建設費及び維持管理・運営費等を基に,今般の資材価格等の高騰や県庁環境保全率先実行計画に基づくZEB Ready(ゼブレディ)の導入等に要する費用,PFI方式での実施による削減効果等を反映した結果,約313億円を見込んでおり,これに係る債務負担行為を令和6年度当初予算に計上しております。
住吉町15番街区については,昨年の第4回県議会定例会において,「将来的に,住吉町15番街区について新たな利活用の提案がなされた場合は,県議会においても十分御論議を頂いた上で,新たな利活用も検討したい」としておりました。
一方で,同地での駐車場の整備・運営をスポーツ・コンベンションセンターの整備・運営と一体的なPFI事業として実施した場合,選定した民間事業者に令和26年3月末日まで運営を委ねることになることから,今後,有用な提案等があった際に,新たな利活用を図ることが困難となることが考えられます。
このようなことから,駐車場の整備については,PFI事業の対象としないこととしております。
鹿児島中央駅西口地区の県工業試験場跡地の利活用については,本年度,同駅周辺の開発状況を整理するとともに,関係団体等へのヒアリングを行うなど,今後の進め方等について検討してまいりました。
県としては,同跡地の具体的な利活用の方向性について,関係機関・団体等により構成する検討委員会を設置し,周辺の個別開発の進展等も踏まえ,周辺の土地所有者4者からなる連絡会で合意した「まちづくりの基本的な考え方」を尊重しつつ,経済団体や交通事業者,県民の皆様など様々な御意見も伺いながら,丁寧に検討を進めてまいります。
高規格道路については,東九州自動車道や南九州西回り自動車道,北薩横断道路などの整備推進に努めており,このうち,北薩横断道路のさつま広橋インターから佐志インター間を来月17日に供用開始することとしております。また,都城志布志道路については,志布志道路において,令和6年度中の供用に向け整備を進めており,同年度中には都城志布志道路の全線が開通することとなります。
今後とも,高規格道路の早期供用に向け,国と一体となって,整備に努めてまいります。
屋久島空港については,ジェット機就航に必要な滑走路延伸の事業化に向けて,環境影響評価の手続や空港施設の変更許可申請に必要な基本設計等を実施しております。昨年11月に国へ送付した環境影響評価の評価書については,先月25日に国土交通大臣の意見が提出され,この意見を基に評価書の年度内の公告・縦覧を目指しております。県としては,これらの手続を着実に進め,早期の事業化に向けて取り組んでまいります。
肥薩おれんじ鉄道については,旅客及び貨物輸送において重要な役割を担っており,同鉄道の安定した運行を確保するため,県,沿線自治体だけでなく,県下全市町村で支援する方策として,引き続き,県市町村振興協会の基金を活用することについて,今般,関係団体の御理解を頂きました。
県としては,経営安定化に向けた取組を引き続き支援するとともに,熊本県や沿線自治体と連携して,社会資本整備総合交付金の活用に向けた協議会の設置や,同鉄道の更なる利用促進に向けた取組を進めてまいります。
十島航路については,昨年末の「フェリーとしま2」の火災事故に伴い,「フェリーみしま」や貨物船等により代替運航されております。
「フェリーとしま2」の運航再開は,本年5月頃を目指していると聞いており,県としては,引き続き,運航再開までの代替運航について,十島村の検討状況に応じて,必要な助言を行い,人流・物流の確保を図るとともに,運航の維持が図られるよう,離島航路補助制度の活用などにより支援してまいります。
昨年は,6月下旬から7月上旬の大雨や台風第6号により,県内の広い範囲で道路等の公共土木施設などの被害が発生し,現在,早期復旧に向けて取り組んでおります。
県としては,頻発する災害から県民の生命・財産を守るため,引き続き,迅速かつ効率的な災害対策の推進を図るとともに,国の施策とも連動し,防災・減災対策の推進,地域防災力の強化,災害発生時の即応力の強化に努めてまいります。
また,近年の気候変動の影響による気象災害の激甚化や,今般の能登半島地震の被災の状況なども踏まえ,「防災・減災,国土強靱化のための5か年加速化対策」を集中的に進めるなど,防災対策に着実に取り組んでまいります。
高病原性鳥インフルエンザについては,昨年12月3日の出水市での発生に続き,今月10日に,南さつま市の養鶏農場において,今シーズン2例目が発生しました。
県では,直ちに高病原性鳥インフルエンザ対策本部会議を開催し,関係者の協力を得てまん延防止に全力で取り組むよう指示するとともに,発生農場から半径10キロメートル圏内の鶏や卵などの移動の制限,幹線道路沿いでの消毒ポイントの設置,発生農場の鶏の殺処分など,一連の初動防疫措置を市や関係機関・団体と連携して速やかに実施し,12日には,埋却,鶏舎等の洗浄・消毒を含めた農場における防疫措置が完了しました。また,16日には,発生農場からふ卵場に出荷されていた卵の埋却等を行い,同日,全ての防疫措置が完了しました。関係者の皆様の御協力に感謝申し上げます。
また,今回の発生を受け,県内の全ての養鶏農場に対し,改めて,早急な鶏舎の点検や消毒等の飼養衛生管理基準の遵守の徹底を図るよう指導を行いました。
県としては,更なる発生を防止するため,市町村や関係機関・団体と一体となって,引き続き,最大級の防疫意識を持って,農場への侵入防止対策に万全を期してまいります。
豚熱については,昨年8月末の佐賀県の豚飼養農場での発生を受けて,昨年9月27日から南九州3県でワクチン接種を開始し,12月25日に初回接種を完了しました。また,野生いのししにおける豚熱のまん延防止の観点から,経口ワクチンを散布できる体制を構築するため,同日,豚熱経口ワクチン対策協議会を設立しました。
県としては,豚飼養農場へのウイルスの侵入を防止するためには,ワクチンの接種と併せて,消毒の徹底など飼養衛生管理基準の遵守が重要であると考えており,引き続き指導を徹底してまいります。
これらの家畜防疫対策を着実に推進するため,農政部の「畜産課」を改組し,「家畜防疫対策課」を設置するとともに,畜産の更なる振興を図るため,「畜産振興課」を設置いたします。
令和7年4月に開校する県内初の夜間中学の校名については,応募のあった163点から,多様な生徒の受入れや基礎からでも丁寧に学べることなどを表した「いろは中学校」とする方針を決定しました。また,今月4日にはシンポジウムを鹿児島市で開催し,同校が目指す学校の姿を示すとともに,他県での取組や生徒の声を紹介するなど,入学を希望する方などに対して,夜間中学の周知を図りました。 
引き続き,多様なニーズをもつ生徒が安心して学べるよう開校に向けた準備を進めてまいります。
特別支援教育の環境改善については,昨年度,検討委員会から出された提言を踏まえ,曽於地区,伊佐・湧水地区,姶良地区における特別支援学校の分置について,特別支援学校等教育環境改善推進協議会において,関係市町等と連携を図りながら検討を進めてまいりました。
今月6日に同協議会から県教育委員会に対し提出のあった報告書を踏まえ,曽於地区については,志布志市の伊﨑田学園の敷地内に,新たな特別支援学校を分置することといたしました。今後,教育委員会において,設置する学部や通学区域など,整備計画を取りまとめてまいります。
伊佐・湧水地区,姶良地区については,引き続き関係市町と連携を図りながら,分置の場所等について検討してまいります。
県立高校生徒の通学に関し,路線バス等の減便・廃止により,通学ルートの変更による通学時間の増加や定期代の負担増など,入学時に想定していなかった影響が生じていることを踏まえ,その経済的な負担増に対して一定の支援が必要であると判断いたしました。
このため,県としては,令和4年度から令和6年度にかけて,路線バス等の減便・廃止の影響により定期代の負担が増加した生徒に対し,令和6年度からの緊急時限的な取組として,増額分の一部を支援することといたしました。
また,県立高校に通う生徒の中には,これらの生徒以外に,より高額な通学費を負担している生徒がいるものと考えられることから,恒久的な支援を視野に入れて,今後,高校生の通学費等の現状について調査を行い,令和7年度からの支援を検討することとしております。
県立短期大学については,若年者の県内定着に極めて高い貢献をしてきており,今後,少子化の更なる加速化が見込まれる中,将来にわたって魅力ある県立短期大学をつくっていくことは重要な課題であると認識しており,設置者である県と大学とで協議を重ねてきました。
来年度は,更に魅力ある県立短期大学づくりに向け,有識者で構成する検討委員会を設置し,時代の要請に対応した教育内容の更なる充実などについて検討を進めてまいりたいと考えております。
国際交流の促進については,先月,台湾の周春米屏東県知事を訪問し,青少年,芸術・文化,観光,経済などの各分野において交流を図るMOUを締結いたしました。
令和6年度は,台湾屏東県との交流を本格的にスタートさせるとともに,第24回鹿児島・香港交流会議を香港で開催することとしております。
また,南加県人会創立125周年記念式典に参加することとしており,これらの機会を捉え,トップセールスを行うなど,本県の認知度向上や県産品の販路開拓,観光客誘致等に取り組んでまいります。
「霧島国際音楽祭」については,今年で第45回の節目を迎えることから,県内でのコンサートや講習会に加え,本音楽祭の堤剛音楽監督が館長を務める東京のサントリーホールにおいて,国内外のトップ奏者で構成するキリシマ祝祭管弦楽団による東京特別公演を実施することとしております。
スポーツの振興については,J2の舞台に5年ぶりに参戦する鹿児島ユナイテッドFCや,B3リーグでの優勝を目指す鹿児島レブナイズに加え,新たにV3リーグに参戦したフラーゴラッド鹿児島や,シエルブルー鹿屋など,県民から愛され,その活躍や地域貢献活動が地域に活力をもたらすプロスポーツチーム等への支援に新たに取り組むこととしております。
また,今月23日から来月10日にかけて,大規模な野球の交流戦として開催される「薩摩おいどんカップ2024」について,昨年に引き続き,県としても支援してまいります。
宇宙開発の促進については,種子島宇宙センターにおいて,先月12日のH-(2)Aロケット48号機に続き,今月17日にはH3ロケット試験機2号機の打ち上げが成功しました。
H3ロケットは,次世代の大型基幹ロケットであり,今回の成功により,本県射場を活用したロケット打ち上げの高頻度化や,我が国の宇宙輸送能力の強化及びロケット打ち上げサービスの国際競争力の向上,さらには宇宙産業全体の発展につながることを期待しております。
県としては,今後とも,地元市町村や県内関係機関等とも連携しながら,種子島・内之浦両射場におけるロケットの円滑な打ち上げに協力するとともに,本県における宇宙関連産業の着実な発展につながるよう,県内企業の育成や,県外企業の誘致に取り組んでまいります。
買物弱者対策については,令和4年12月の県議会からの政策提言を受け,買物弱者支援推進本部を設置するとともに,市町村や事業者等と連携して,各地域における支援体制を整備しました。あわせて,市町村や集落,買物支援サービスの提供事業者に対して買物の実態等を調査し,県の施策の検討を行ってまいりました。
県としては,新たに,市町村や住民からの買物に係る相談を受け付ける窓口を設置するとともに,住民向け買物支援サービスなどの情報発信を行うほか,新たな買物支援の検討や移動販売等の買物弱者対策の導入支援に取り組む市町村に対して必要な経費を助成するなど,買物弱者対策を推進してまいります。
高齢者の社会参加については,生きがいづくりや健康づくりなどを促進するため,デジタル技術を活用した世代間交流の取組などを支援してまいります。
男女共同参画・ジェンダー平等の推進については,一人ひとりの人権が尊重され,「多様な生き方が選択でき,個性や能力が発揮できる社会」や「誰もが安心して暮らすことができる地域社会」の実現に向けて,引き続き,本年度を初年度とした第4次県男女共同参画基本計画に基づき,各般の施策に積極的に取り組んでまいります。
感染症対策の推進については,本年度中に改定する県感染症予防計画に基づき,関係者からなる県連携協議会の開催や協定締結による病床,発熱外来,自宅療養者等への医療の確保,感染症に対応する医療従事者等に対する研修・訓練の実施など,新興感染症発生時の医療提供体制の整備等に取り組んでまいります。
消費者行政の推進については,県民の消費生活の更なる安定・向上を図るため,高齢者や若年者等の消費者被害が依然として後を絶たない状況などを踏まえつつ,引き続き,県消費者基本計画に基づき,消費者教育の推進や相談体制の充実・強化等に取り組んでまいります。

[4 歳入予算]
次に,歳入予算について申し上げます。
まず,県税については,最近における本県経済の動向や県税収入の状況,地方財政計画などを踏まえ,前年度当初予算に比べ,0.3パーセント増の1,586億37百万円を計上しております。
地方交付税については,地方の財源不足に対応するために地方交付税の代わりに発行する臨時財政対策債を加えた実質的な地方交付税総額で,前年度当初予算に比べ,0.3パーセント減の2,828億12百万円を計上しております。
県債については,649億23百万円を計上しておりますが,臨時財政対策債を除きますと622億19百万円となっております。
使用料・手数料については,必要な見直しを行うとともに,その他の収入についても,それぞれ見込みうる額を計上しております。

[5 令和5年度補正予算及びその他の議案]
次に,令和5年度補正予算について概要を申し上げます。
今回の補正予算は,先ほど申し上げました国の補正予算に対応する経費を計上することとしたほか,新型コロナウイルス感染症対策関連事業や普通建設事業などの額の確定に伴う減額を行い,歳入については,国庫支出金等が減額となりました。
これらの結果,一般会計補正予算の総額は,323億68百万円の減となりました。
このほか,「鹿児島県部等設置条例の一部を改正する条例制定の件」など,条例案33件,その他の議案5件,報告1件となっております。
何とぞよろしく御審議の上,議決していただきますようお願い申し上げます。
 

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