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更新日:2023年2月24日

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「中東呼吸器症候群(MERS)」について

「中東呼吸器症候群(MERS)」について

平成24年9月にアラビア半島やその周辺諸国において発生が確認された新種のコロナウィルス(MERS-CoV)による感染症「中東呼吸器症候群(MERS(マーズ):MiddleEastrespiratorysyndrome)」について,その発生と拡大が続いています。

平成27年5月11日,韓国において,中東地域からの帰国者の感染が確認され,その後,医療従事者や家族等への2次感染が報告されました。患者の累積は死亡者38人を含む186人です。7月5日以降は新たな感染者は出ておらず,11月25日に最後の陽性患者が死亡し陽性事例がなくなったことから,12月24日に世界保健機関(WHO)の基準に基づく感染終息となりました。

我が国においては現在,検疫の徹底や医療体制の確認が行われており,過度に心配する必要はありません。

  • 持続的なヒト-ヒト感染は見られないものの,限局的なヒト-ヒト感染(二次感染)が発生しています。
  • アラビア半島諸国においては,医療機関における院内感染対策の不徹底等により,医療従事者等への二次感染が多数発生しているほか,これらに起因する輸入症例が世界各国で報告されています。
  • これまでに得られた科学的知見や疫学情報から,潜伏期間が2~14日程度であること,ヒトコブラクダがMERSウイルスの感染源動物の一つであること等が明らかになってきています。

WHOの発表によると,2022年10月17日時点で,診断確定患者は2600名(内,1259名が重症または死亡)となっています。

これまでにMERSコロナウイルス感染者が確認されている地域(国)は次のとおりです

中東地域(アラブ首長国連邦,イエメン,イラン,オマーン,カタール,クウェート,サウジアラビア,ヨルダン,レバノン,バーレーン),ヨーロッパ(イタリア,英国,オーストリア,オランダ,ギリシャ,ドイツ,フランス,トルコ),アフリカ(アルジェリア,エジプト,チュニジア),アジア(フィリピン,マレーシア,韓国,中国,タイ),北米大陸(アメリカ合衆国)

なお,現段階では,WHOは,サウジアラビアを含め,ウイルス感染の影響が及んだ国への渡航や貿易に対する制限を課していませんが,中東及び欧州に渡航,滞在される予定の方は最新の情報に御留意ください。

渡航者向けリーフレット(PDF:289KB)

MERSリーフレット

県民の皆様へ

県民の皆様におかれましては,以下のことについて御協力をお願いします。

  • MERSの感染は,インフルエンザのように次々にヒトからヒトに感染することはありません。このため,県民の皆様には,冷静な対応をお願いします。
  • もし,流行国に渡航し,帰国(入国)した後14日以内に,発熱や呼吸器症状が出現した場合には,直接医療機関を受診することは控えていただき,直ちに最寄りの保健所に電話連絡をし,その指示に従っていただきますようお願いします。

相談・連絡窓口

県庁健康増進課 099-286-2724 志布志保健所 099-472-1021
指宿保健所 0993-23-3854 鹿屋保健所 0994-52-2106
加世田保健所 0993-53-2315 西之表保健所 0997-22-0018
伊集院保健所 099-273-2332 屋久島保健所 0997-46-2024
川薩保健所 0996-23-3165 名瀬保健所 0997-52-5411
出水保健所 0996-62-1636 徳之島保健所 0997-82-0149
大口保健所 0995-23-5103 鹿児島市保健所 099-224-1111
姶良保健所 0995-44-7956    

土日祝日夜間等の勤務時間外は,守衛から担当者へ連絡または留守番電話で緊急連絡先をお知らせしています。

中東呼吸器症候群(MERS)に関するQ&A(厚生労働省:第5版から抜粋)

  1. 中東呼吸器症候群(MERS(マーズ))とは何ですか?
    中東呼吸器症候群(MERS)は,2012年に初めて確認されたウイルス性の感染症です。
    原因となるウイルスはMERSコロナウイルスと呼ばれています。
    2003年に流行した重症急性呼吸器症候群(SARS(サーズ))の原因となった病原体もコロナウイルスの仲間ですが,SARSとMERSは異なる病気です。
  2. MERSはどこで発生していますか?
    輸入症例ではないMERSの確定患者の発生が認められた流行国※は,中東地域の一部であり,具体的には次の7カ国です(2017年7月7日現在)。
    ※流行国:アラブ首長国連邦,イエメン,オマーン,カタール,クウェート,サウジアラビア,ヨルダン
    このほか,ヨーロッパ(イタリア,英国,オーストリア,オランダ,ギリシャ,ドイツ,フランス,トルコ),アフリカ(アルジェリア,エジプト,チュニジア),アジア(フィリピン,マレーシア,韓国,中国,タイ),北米(アメリカ合衆国)及び中東(イラン,バーレーン,レバノン)からも患者の報告がありますが,これらはすべて,輸入症例ではMERSの確定患者の発生が認められた流行国への渡航歴のある人,又はその接触者であり,輸入症例であることがわかっています。
  3. MERSにかかると、どのような症状が出ますか?
    主な症状は,発熱,せき,息切れなどです。下痢などの消化器症状を伴う場合もあります。MERSに感染しても,症状が現われない人や,軽症の人もいますが,特に高齢の方や糖尿病,慢性肺疾患,免疫不全などの基礎疾患のある人で重症化する傾向があります。
  4. MERSに対する予防方法はありますか?どのように治療するのですか?
    MERSの発生が報告されている地域においては,咳やくしゃみなどの症状がある人との接触を避け,また,動物(ヒトコブラクダを含む)との接触は可能な限り避けることが重要です。現在,MERSに対するワクチンや特異的な治療法はありません。患者の症状に応じた治療(対症療法)になります。
  5. どのようにしてMERSに感染するのですか?
    患者から分離されたMERSコロナウイルスと同じウイルスが,中東地域のヒトコブラクダから分離されていることなどから,ヒトコブラクダがMERSウイルスの保有動物であるとされており,感染源の一つとして疑われています。一方,患者の中には動物との接触歴がない人も多く含まれています。家族間や,医療機関における患者間,患者-医療従事者間など,濃厚接触者間での感染も報告されています。主に,飛沫感染(咳やくしゃみなどによる)又は接触感染による感染であると考えられてます。
  6. MERSはヒトからヒトへ感染しますか?
    海外の感染予防対策の実施が不十分な医療機関等においては,患者から医療従事者や他の患者に感染(二次感染)した例が報告されています。ただし,飛沫感染する季節性インフルエンザと比較しても感染力は弱く,次々にヒトからヒトに感染することはありません。
  7. 中東地域等,MERS患者の発生が報告されている地域に旅行する場合に注意することはなんでしょうか?
    これらの地域への旅行は制限されていませんが,旅行する場合は以下のことに注意してください。

    旅行前
    糖尿病や慢性肺疾患,免疫不全などの持病(基礎疾患)がある方は,MERSに限らず,一般的に感染症にかかりやすいので,旅行の前にかかりつけの医師に相談し,渡航の是非について検討してください。
    渡航前に現地の最新の情報を厚生労働省ホームページ,検疫所ホームページ,外務省海外安全ホームページ,在外日本国大使館ホームページなどで確認してください。

    旅行中
    現地では,こまめに手を洗う,加熱が不十分な食品(未殺菌の乳や生肉など)や不衛生な状況で調理された料理をさけ,果物,野菜は食べる前によく洗う,といった一般的な衛生対策を心がけてください。
    咳やくしゃみの症状がある人や,動物(ラクダを含む)との接触は可能な限り避けましょう。
    咳,発熱などの症状がある場合は,他者との接触を最小限にするとともに,咳エチケット((1)マスクをする,(2)咳・くしゃみの際はティッシュペーパーなどで口と鼻を押さえ,他の人から顔をそむける,(3)使用したティッシュペーパーはごみ箱に捨て,手を洗うなど)を実行しましょう。日常生活に支障が出る程の症状がある場合は,医療機関を受診してください。

旅行後
帰国時に発熱や咳などの症状がある方は,空港内等の検疫所へご相談ください。
帰国後14日以内に,発熱や咳などの症状がみられ,直接医療機関には行かずに,事前に最寄りの保健所に連絡の上,中東地域等に滞在していたことを告げてください。
症状がある間は,他者との接触を最小限にするとともに,咳エチケットを実行してください。

検疫所による情報

厚生労働省検疫所による最新情報は,厚生労働省検疫所ホームページの新着情報(外部サイトへリンク)からご覧いただけます。

中東呼吸器症候群における検疫対応について(厚生労働省平成27年9月18日通知)(PDF:2,890KB)

リーフレット

検疫所リーフレット(PDF:277KB)

フローH27年9月18日

MERSに関する検疫対応フロー(PDF:449KB)

医療機関の皆様へ

下記の要件に該当する患者を診察した場合は,保健所へ連絡くださるようお願いします。

保健所との相談の結果,必要があれば,検体採取(喀痰、咽頭拭い液等)を行っていただき,県環境保健センターでPCR検査を実施します

当面の間,下記の定義に合致する患者をMERS疑似症患者として取り扱います。

【MERS疑似症患者の定義】

次のア又はイ(以下「定義1」という。)に該当する者(ただし,これらの者がMERSではなく他の疾病であることが明らかな場合を除く。)について,当面の間,MERS疑似症患者として取り扱うこと。なお,「感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律第12条第1項及び第14条第2項に基づく届出の基準等について」(平成18年3月8日健感発0308001号)の別紙に定める「医師及び指定届出機関の管理者が都道府県知事に届け出る基準」(以下「届出基準」という。)(別添1)における疑似症患者の定義(以下「定義2」という。)に該当する者についても,MERS疑似症患者として取り扱うこと。

ア38℃以上の発熱及び咳を伴う急性呼吸器症状を呈し,かつ臨床的または放射線学的に肺炎,ARDS等の肺病変が疑われる者であって,発症前14日以内に流行国(※1)において,MERSであることが確定した患者との接触歴があるもの又はヒトコブラクダとの濃厚接触歴(※2)があるもの
イ発熱又は急性呼吸器症状(軽症の場合を含む。)を呈する者であって,発症前14日以内にMERSであることが確定した患者を診察,看護若しくは介護していたもの,MERSであることが確定した患者と同居(当該患者が入院する病室又は病棟に滞在した場合を含む。)していたもの又はMERSであることが確定した患者の気道分泌液,体液等の汚染物質に直接触れたもの

1流行国:中東地域の一部
なお,届出基準(別添1)第3の5の(4)感染が疑われる患者の要件における「WHOの公表内容から中東呼吸器症候群の初発例の発生が確認されている地域」についても,「中東地域の一部」とする。
※2ヒトコブラクダとの濃厚接触歴:ヒトコブラクダの鼻や口等との接触(ヒトコブラクダから顔を舐められるなど)や,ヒトコブラクダの生のミルクや非加熱の肉などの摂取

 

WHOのアドバイス

  • 医療従事者は,引き続き,警戒するよう勧められます。最近,中東から帰国し,SARIを発症した患者には,現在のサーベイランスに関する推奨に示されている通り,MERSコロナウイルスの検査をすべきです。WHOは,すべての加盟国に対し,MERSコロナウイルスの新たな感染者が発生した際には,考えられる感染源と臨床経過の情報を合わせて,速やかに評価して報告するよう呼びかけています。感染様式を確認するための感染源調査は速やかに実施されるべきで,それにより,ウイルスの更なる伝播を防ぐことができます。
  • MERSコロナウイルスに感染した患者の中には,軽症の患者や,所見が非典型的である患者がおり,患者を常に早期に発見できるわけではありません。そのため,MERSコロナウイルスや他の病原体に感染した疑いがある患者や確定患者の有無にかかわらず,常に,どの場所でも,すべての患者に対して標準予防策を実施することが重要です。
  • 急性呼吸器感染症の症状のある患者に医療を提供する際には,飛沫予防策を追加すべきです。また,MERSコロナウイルスに感染した可能性がある患者や確定患者に医療を提供する際には,眼の防護を加えた接触予防策を追加すべきです。エアロゾル(微粒子)が発生するような処置を行う場合には,空気予防策を行う必要があります。
  • 臨床的にも疫学的にもMERSコロナウイルスの感染が強く疑われる場合には,その患者の最初の鼻咽頭スワブ(ぬぐい液)の検査が陰性であっても,感染している可能性があるとして管理すべきです。最初の検査が陰性であっても,再検査を行うべきで,下気道からの検体が望ましいです
  • 医療機関でMERSコロナウイルスに感染するかもしれないため,感染予防・制御を強化し続ける必要があります。MERSコロナウイルスの感染が疑われる患者や確定患者に医療を提供する施設では,他の患者やヘルスケアワーカー,医療機関を訪れる人にウイルスが感染するリスクを減らすために適切な対策を行うべきです。すべての医療従事者に対して感染予防・制御に関する教育と訓練を定期的に実施すべきです。

感染症法・検疫法上の扱い

平成27年1月21日現在,中東呼吸器症候群(MERS)は,感染症法上の2類感染症に位置づけられています。

診断した医師は,直ちに最寄りの保健所に届け出なければならないとされています。

【臨床的特徴】

ヒトコブラクダがMERSコロナウイルスを保有しており,ヒトコブラクダとの濃厚接触が感染リスクであると考えられている。一方,家族間,感染対策が不十分な医療機関などにおける限定的なヒト-ヒト感染も報告されている。中東諸国を中心として発生がみられている。
潜伏期間は2~14日(中央値は5日程度)。無症状例から急性呼吸窮迫症候群(ARDS)を来す重症例まである。典型的な病像は,発熱,咳嗽等から始まり,急速に肺炎を発症し,しばしば呼吸管理が必要となる。下痢などの消化器症状のほか,多臓器不全(特に腎不全)や敗血性ショックを伴う場合もある。高齢者及び糖尿病,腎不全などの基礎疾患を持つ者での重症化傾向がより高い。

よくあるご質問

このページに関するお問い合わせ

くらし保健福祉部健康増進課

電話番号:099-286-2724

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