更新日:2024年4月15日
ここから本文です。
重症熱性血小板減少症候群(SFTS)は、主にウイルスを保有しているマダニに咬まれることにより感染するダニ媒介感染症です。
感染症法では四類感染症に位置付けられています。
年 | 2014 | 2015 | 2016 | 2017 | 2018 | 2019 | 2020 | 2021 | 2022 | 2023 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
本県 | 4 | 6 | 4 | 11 | 9 | 8 |
3 |
6 | 9 | 9 |
全国 | 61 | 60 | 60 | 90 | 77 | 101 | 78 | 110 | 118 | 134 |
(注)令和6年3月9日時点
感染症発生動向調査週報(IDWR)ダウンロード(国立感染症研究所)(外部サイトへリンク)
SFTS症例の概要等(国立感染症研究所)(外部サイトへリンク)
マダニの活動が盛んな時期は春から秋とされていることから,森林や草むら,藪などに入る場合には十分注意することが必要です。
マダニ対策,今できること(国立感染症研究所昆虫医科学部,平成29年5月11日)(外部サイトへリンク)
飼育ネコ及び飼育イヌの血液・糞便からSFTSウイルスが検出された事例,体調不良のネコからの咬傷歴があるヒトがSFTSを発症し死亡した事例が確認されています。動物からSFTSウイルスに感染しないようにするためには以下の点に注意する必要があります。
「重症熱性血小板減少症候群(SFTS)に係る注意喚起について」(健感発0724第3号平成29年7月24日)(PDF:124KB)
重症熱性血小板減少症候群(SFTS)に関するQ&A(第6版令和2年7月21日)(外部サイトへリンク)
重症熱性血小板減少症候群(SFTS)は,多くの場合,SFTSウイルスを保有しているマダニに咬まれることにより感染する病気です。
マダニに咬まれてから6日~2週間程度の潜伏期間の後,38度以上の発熱や,消化器症状(食欲低下,嘔気,嘔吐,下痢,腹痛)などの症状がでます。重症化し死亡することもあります。
重症熱性血小板減少症候群(SFTS)は,インフルエンザなどのように容易に人から人へ感染して広がるものではないとされています。
マダニと,食品等に発生するコナダニや衣類や寝具に発生するヒョウヒダニなど,家庭内に生息するダニとでは全く種類が異なります。また,植物の害虫であるハダニ類とも異なります。
マダニ類は,固い外皮に覆われた比較的大型(種類にもよりますが,成ダニでは,吸血前で3~8mm,吸血後は10~20mm程度)のダニで,主に森林や草地等の屋外に生息しており,市街地周辺でも見られます。
中国では,フタトゲチマダニやオウシマダニといったマダニ類からSFTSウイルスが見つかっており,これらのマダニが活動的になる春から秋に,患者が発生しています。また,韓国でもフタトゲチマダニがSFTSウイルスを保有していたとの報告があります。日本には,命名されているものだけで47種のマダニが生息するとされていますが,これまでに実施された調査の結果,複数のマダニ種(フタトゲチマダニ,ヒゲナガマダニ,オオトゲチマダニ,キチマダニ,タカサゴキララマダニ)からSFTSウイルスの遺伝子が検出されています。ただし,これらのマダニ種全てが,実際にヒトへの感染に関与しているかについては,まだ分かっていません。
全てのマダニがSFTSウイルスを保有しているわけではありません。中国の調査では,患者が発生している地域で捕まえたフタトゲチマダニの数%からSFTSウイルスの遺伝子が見つかったとの報告があります。日本国内では,保有率など,より詳細な実態について,現在,調査が進められているところです。
患者から分離されたウイルスの分析結果から,日本で見つかったSFTSウイルスは,中国の流行地域で見つかっているSFTSウイルスとは遺伝子レベルで少し異なっていることが分かりました。日本のSFTSウイルスは,最近中国から入ってきたものではなく,以前から日本国内に存在しており,患者は日本国内でSFTSウイルスに感染したと考えられます。
重症熱性血小板減少症候群(SFTS)ウイルスの国内分布調査結果(第一報:2013年8月29日)(国立感染症研究所)(PDF:547KB)
特集「重症熱性血小板減少症候群(SFTS),(2019年6月現在)」(病原微生物検出情報月報2019年7月号)(PDF:1,924KB)
マダニに咬まれないようにすることが重要です。特にマダニの活動が盛んな春から秋にかけては注意しましょう。これは,重症熱性血小板減少症候群だけではなく,国内で毎年多くの報告例がある,つつが虫病や日本紅斑熱など,ダニが媒介する他の疾患の予防のためにも有効です。
現在のところSFTSウイルスに対して有効なワクチンはありません。
マダニ類の多くは,ヒトや動物に取り付くと,皮膚にしっかりと口器を突き刺し,長時間(数日から,長いものは10日間以上)吸血しますが,咬まれたことに気がつかない場合も多いと言われています。
吸血中のマダニに気が付いた際,無理に引き抜こうとするとマダニの一部が皮膚内に残って化膿したり,マダニの体液を逆流させてしまったりする恐れがあるので,医療機関(皮膚科)で処置(マダニの除去,洗浄など)をしてもらってください。
また,マダニに咬まれた後,数週間程度は体調の変化に注意をし,発熱等の症状が認められた場合は医療機関で診察を受けてください。
重症熱性血小板減少症候群(SFTS)は,治療法がまだ確立しておらず,早期診断,早期対応が重要です。医療機関からSFTSの診療の相談が可能な医療機関が取りまとめられましたので,お知らせします。
重症熱性血小板減少症候群(SFTS)の相談体制について(健感発0412第1号平成30年4月12日)(PDF:94KB)
別添資料(SFTS相談医療機関)(PDF:179KB)
重症熱性血小板減少症候群(SFTS)は,感染症法の四類感染症に位置づけられています。SFTSが疑われる症例のPCR法等による検査の実施については,最寄りの保健所にご相談ください。また,SFTSと診断した場合は,ただちに最寄りの保健所への届出をお願いします。
【重症熱性血小板減少症候群(SFTS)の臨床的特徴】
潜伏期間は6~14日。発熱,消化器症状(嘔気,嘔吐,腹痛,下痢,下血)を主徴とし,時に,頭痛,筋肉痛,神経症状,リンパ節腫脹,出血症状などを伴う。血液所見では,血小板減少(10万/立方ミリメートル未満),白血球減少(4000/立方ミリメートル未満),血清酵素(AST,ALT,LDH)の上昇が認められる。
また,SFTSと同様の症状を呈しうる疾患は様々なものが考えられ,
などが挙げられます。
重症熱性血小板減少症候群に関するQ&A(厚生労働省:第6版令和2年7月21日版)(外部サイトへリンク)
重症熱性血小板減少症候群(SFTS)診療の手引き改定新版(国際感染症センター国際感染症対策室:2019年7月)(外部サイトへリンク)
よくあるご質問
このページに関するお問い合わせ
より良いウェブサイトにするためにみなさまのご意見をお聞かせください