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更新日:2023年8月31日
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酪農科では研究プロジェクトの一環として,製茶残渣物や規格外ニンジンの飼料添加による搾乳牛への効果を検証しています。今回,試験牛から搾乳した牛乳を使用して,アイスクリーム加工実習と官能試験(アンケート調査)を行いました。
加工実習では,生乳を攪拌しながら殺菌し,十分に冷やした後フリーザーに投入します。6分ほどで固まって,クリーミーなアイスクリームができました。1通常,2製茶残渣物を添加,3規格外ニンジンを添加の3種類の餌を食べた牛から搾った牛乳を分けて加工したので,時間も手間もかかりました。
官能試験では,3種類のアイスクリームをどれがどれかわからない状態で試食し,色・固さ,舌触りなどで評価しました。結果は,研究プロジェクトのまとめに活かしていきます。
アイスクリーム加工実習
3種類のアイスクリーム
新型コロナウイルス感染症に関する社会的状況は落ち着きつつありますが,海外での研修はまだ難しい中,畜産学部では研修先を国内(北海道)に変更し,3泊4日の視察研修を行いました。
初日は,畜産学部3科共通で帯広畜産大学を訪れ,北海道での先進的な畜産の取り組みを学びました。
2日目は各科に分かれての研修でした。加藤牧場では,家族経営での自給飼料主体の酪農経営とジャージー牛乳の加工販売について学びました。ホクレン家畜市場や,乳牛及び黒毛和種の精液販売等を行うジェネティックス北海道も訪問しました。
北海道の大自然やおいしい農水産物も満喫し,充実した4日間となりました。
広大な飼料畑(加藤牧場)
ホクレン家畜市場
ジェネティックス北海道
畜産学部では,1年生の7月から2年生の6月までの1年間,各科農場を学生主体で運営する「経営プロジェクト」に取り組みます。45期生から46期生に農場を引き継ぐタイミングで,1年間の経営プロジェクトの実績発表(45期生)及び計画検討(46期生)会が行われました。
酪農科45期生の実績は,乳量・単価ともに前年度を上回ったものの飼料等の高騰や副産物収入の減少により,所得は前年度を下回る結果となりました。ただし,鹿児島県乳質向上共励会においては,4年連続となる最優秀賞(県内第3位)を受賞しました。46期生の計画では,乳量を維持しつつ飼料費の低減を図ることを目標に掲げています。先輩からのアドバイスを受けながら,目標達成に向け頑張ってください。
実績発表する45期生(2年生)
計画発表する46期生(1年生)
畜産学部一堂に会しての発表会
酪農科と肉用牛科では,研究プロジェクトの一環として牛の受精卵移植に取り組んでいます。
2年生のプロジェクト研究期間が終盤に近づき,教授陣の指導を受けながら,体内受精卵の回収や移植を学生主体で行えるようになってきています。
この日は,黒毛和種の優良雌牛から回収した新鮮受精卵を,乳用牛(ホルスタイン種)の雌牛に移植しました。
黒毛和種雌牛から体内受精卵を回収
ホルスタイン雌牛に新鮮受精卵を移植
畜産学部3学科では,研究プロジェクト中間検討会を行いました。
これは,2年生が現在取り組んでいるプロジェクト学習の経過をまとめて発表し,残された課題の抽出やとりまとめ方法の検討を行うものです。
各学科の1年生や畜産学部の講師陣も参加し,活発な意見交換が行われました。
鹿児島農大のオープンキャンパスでは,学部・学科ごとに農大の学習内容体験を行っています。
肉用牛科と酪農科は,共同で畜産工学コースとして,農大生が牛の受精卵移植実演を行いました。
20名ほどの高校生が熱心に聴講されました。ありがとうございました。
ホルスタインへの黒毛和種受精卵移植実演
熱心に聴講する高校生
代謝プロファイルテストを活用した研究プロジェクトについて,ご協力いただいている鹿児島県農業共済組合(NOSAIかごしま)家畜診療部臨床検査研修センター西部検査所の獣医師の先生方と,リモート会議方式での中間検討を行いました。
まず,1月に行った牛群の血液生化学検査結果についてNOSAIかごしまから解説があり,学生からは農大農場の飼料設計や疾病発生・繁殖成績等について報告と考察を発表しました。
最新の乳量や乳成分のデータとも照らし合わせながら,今後のプロジェクトの推進方向についても検討しました。
リモートでのプロジェクト中間検討は初めての試みでしたが,データを共有しながら学生1人1人が主体的に参加できる有意義な機会になりました。
リモート会議方式での検討
Zoom画面でデータ共有
学生によるプロジェクト中間報告
酪農科と養豚科1年が合同で畜肉加工実習を行いました。
農村生活研修課の先生方から加工手順や衛生管理の注意点について説明があり,実習開始です。
大きな豚バラブロックにピックル液を注入し,タンブラーで攪拌することで短時間で均一に味を染みこませ,燻煙してベーコンを作りました。
豚腸と羊腸を使った本格的なフランクフルトとウインナー,オーブンでじっくりと焼きあげた焼豚も作りました。
豚バラブロックを調製(ベーコン)
味付け肉を成形(焼豚)
完成品を調理して試食
家畜人工授精師の免許取得に向けた家畜人工授精師講習会が,3週間にわたり行われました。
家畜人工授精に関する関係法規等の講義と実技を集中的に学びました。
卵巣の観察と触診方法
黒毛和種を用いた人工授精の実技練習
酪農科1年が量販店(たわわタウン谷山)で手作りヨーグルトの販売実習を行いました。
自分たちで搾乳した生乳から,ヨーグルトに加工し,量販店で販売し消費者の手元に届けるまでの一連の過程を学ぶ貴重な機会となりました。
あいにくの雨天でしたが,予定していた150セットを無事完売しました。ありがとうございました。
店頭での対面販売
農業大学校の教育の大きな柱であるプロジェクト学習の成果や,農業・農村についての自分の意見を発表する,校内プロジェクト・意見発表が開催されました。
酪農科からは,プロジェクト発表の部で,2年生1名が「乳牛におけるニンジンサイレージの給与効果」と題して発表しました。これは,規格外で廃棄されるニンジンをサイレージ化して乳牛に給与することで,乳牛の繁殖成績向上につなげようとする取り組みです。
発表者の岩崎夢依さんは,たいへん緊張した様子でしたが,落ち着いて堂々とプロジェクトの成果を発表しました。
プロジェクト発表「乳牛におけるニンジンサイレージの給与効果」
全校生徒と審査員が一堂に会しての発表会
コロナ禍の影響で3年ぶりに開催となった農大祭にて,加工実習で生産したヨーグルトの販売を行いました。朝早くから多くの方に購買いただき,1時間程度で完売になりました。
また,研究プロジェクトの一環として「農大ヨーグルトと酪農の6次産業化に関するアンケート」を実施しました。アンケート結果は,今後のプロジェクト設計に活用させていただきます。
購買いただいた皆様,ありがとうございました。
ヨーグルト販売
購買者アンケート
酪農科と肉用牛科の2年生が2級認定牛削蹄師の資格試験を受験しました。
専攻実習で削蹄講習会を何度も受講し,練習に励んだ成果が試される場とあって,皆緊張した面持ちで取り組みました。
結果は年明けに発表されます。
講師による実技説明
黒毛和種を用いた実技
畜産学部では,3学科合同の研究プロジェクト発表会を開催しました。
これは,2年生が1年間の専攻実習や農場管理を通じて取り組んできた個人別の研究プロジェクトを論文形式にまとめ発表するもので,4年制大学での卒業論文発表会にあたります。
農業開発総合センターの研究員や専門指導普及指導員に助言指導いただき,1年生からも多くの質問がありました。
登壇し発表する2年生
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