水俣病対策
●水俣病とは
チッソ(株)水俣工場から排出されたメチル水銀化合物を体内に蓄積した水俣湾産の魚介類を長期かつ大量に摂取したことによって起こった四肢末梢優位の感覚障害,運動失調,視野狭窄,難聴を主要症状とする中毒性中枢神経系疾患です。
●発生源
チッソ(株)水俣工場のアセトアルデヒド製造設備内で生成されたメチル水銀化合物が工場排水に含まれ排出され、水俣湾の魚介類を汚染したことによるものです。
メチル水銀が流出した水俣湾については,昭和49年に湾内の水銀汚染魚の拡散防止を目的として仕切網が設置されました。また,昭和52年から平成2年にかけてメチル水銀を含むヘドロの処理工事が実施されました。
なお,仕切網は,その後,汚染魚の水銀値が減少したことを受けて平成9年に安全宣言が出され,同年,全面撤去されました。
●対策
水俣病は,昭和31年の公式発見から今日まで深刻かつ重要な問題であり,本県ではこの水俣病対策を県政の重要課題として,水俣病被害者の迅速な救済を図るため,検診・審査体制の拡充強化,認定申請者に対する医療救済等の対策を進めるとともに,水俣病としては認定されないものの,水俣病にもみられる一定の症状を有する者に対する医療費等の支給や,水俣病発生地域の住民に対する健康診査等を内容とする水俣病総合対策事業を実施してきたところです。
水俣病問題は,平成7年12月15日に閣議了解された最終解決策に基づき,患者団体と企業との間で協定書が締結されるとともに,訴訟取り下げにより大多数の裁判が終結したため,社会的紛争は少なくなっていましたが,平成16年10月15日の水俣病関西訴訟の最高裁判決を契機に認定申請が急増しています。また,これを受け新たな医療救済等の対策が図られることになりました。
また,新たな被害者救済策を検討している「与党水俣病問題に関するプロジェクトチーム」は平成19年10月26日に「新たな水俣病被害者の救済策についての基本的考え方」を示し,現在その実現のため被害者団体やチッソとの話合いが進められているところです。
■本県のこれまでの水俣病認定申請・処分等の状況【平成20年3月31日現在】
申請総数 |
処分済
|
未処分
|
認定
|
棄却
|
保留
|
未審査
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490(172)
|
3,552
|
4
|
2,250
|
6,296
|
4,042
|
2,254
|
1 ( )内は生存者で再掲
2 申請総数は取り下げ等を除いてある。
■水俣病総合対策事業(医療事業)対象者の状況 【平成20年3月31日現在】
医療手帳 |
政治解決時保健手帳 |
受付再開した保健手帳 |
計
|
1,739
|
116
|
2,662
|
4,517
|
医療手帳対象者:水俣病にもみられる四肢末梢優位の感覚障害を有する者
政治解決時の保健手帳対象者 :水俣病にもみられる神経症状を有する者
受付再開時の保健手帳対象者:四肢未梢優位の感覚障害又は水俣病にもみられる神経症状を有する者
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