野生生物
●現状
本県は,多様な気候と地理的な特性を背景に豊かな自然が育まれ,多種多様な野生生物が分布しており,維管束植物は約3,100種類,鳥類は約380種類,哺乳類は約50種類が生息・生育しています。
特に,奄美地域は,アマミノクロウサギやルリカケスなどの固有種が多く生息しており,生物多様性保全の視点から世界的にも重要な地域です。
また,県内には絶滅のおそれがあるとともに学術的に価値のある野生動植物種が多く生息・生育しており,「絶滅のおそれのある野生動植物の種の保存に関する法律」で国内希少野生動植物種や国際希少野生動植物種として指定されたり,「文化財保護法」で天然記念物に指定されて保護されています。
このうちツルは国際希少野生動植物種と国の特別天然記念物に指定されており,毎年約10,000羽が出水平野で越冬することから,ネグラの設置や給餌などツル保護のための諸施策を講じています。ウミガメは春から夏にかけて県内各地の海岸に延べ5,000頭前後(日本一)が産卵のため上陸することから,ウミガメ保護のための監視活動や保護思想の普及啓発等を行っています。
また,平成15年3月には県内に生育・生息している希少な動植物を保護するため「鹿児島県希少野生動植物の保護に関する条例」が制定されました。野生鳥獣の保護を図るため県内に140箇所,面積73,437haの鳥獣保護区を指定しています。
生物多様性
動物,植物,微生物などの種の多様性とその遺伝子の多様性,そして地域ごとのさまざまな生態系の多様性などを意味します。遺伝子の多様性は種の安定につながり,種の多様性は生態系の生態学的安定につながるため,生態系の存続のために生物多様性の保全が必要と考えられています。
鳥獣保護区
「鳥獣の保護及び狩猟の適正化に関する法律」に基づく,鳥獣の保護や繁殖を図るのに必要な区域です。鳥獣保護区の区域内で特に必要のある場合には特別保護地区として指定されます。鳥獣保護区内では,鳥獣の捕獲が原則として禁止されるほか,特別保護区内では,一定規模以上の工作物の設置,木竹の伐採,水面の埋め立て,干拓などを行う場合には許可が必要です。

ツル
写真協力:(社)鹿児島県観光連盟
■ウミガメの上陸状況
区分 |
15年度
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16年度
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17年度
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18年度
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19年度
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上陸確認市町村数 |
32
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29
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31
|
29
|
29
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上陸確認頭数(延べ) |
5,334
(117)
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7,362
(233)
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5,711
(175)
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3,552
(170)
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3,431
(432)
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(注):( )書はアオウミガメで内数
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