更新日:2025年4月3日
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「普及のあゆみ」とは,毎年の普及活動の成果をまとめたものです。
令和6年度は,新型コロナウイルス感染症が感染症法上5類となって一年が経過し,経済社会活動の正常化に向けた動きが本格化しました。農業を巡る情勢は,農業従事者の減少や高齢化の進行による担い手不足,気候変動による自然災害の多発や栽培適地の変化,農地面積の減少による生産基盤の脆弱化など様々な課題に直面しています。さらには,国際情勢の緊迫や急激な円安などの影響で飼料・肥料・燃料等の資材価格は依然として高止まりを続け,農業経営は厳しさを増しています。
一方,令和5年度の本県農林水産物の輸出額は前年度比12%増の367億円まで拡大し,スマート農業実装化の進展や他産業からの労力確保,飼料,肥料等の国内生産・供給体制整備など,新たな動きもみられます。
徳之島の農業生産について,さとうきびは過去4年間は台風の直接的な被害はなかったものの,面積は減少傾向にあり,令和5,6年期は16.3万t,令和6,7年期は16万t前後と見込まれ,適期作業の励行,植付け・施肥のさらなる省力化など生産安定対策の強化が必要です。ばれいしょの共販量は7,003tと前年度実績(4,692t)を上回りましたが,天候不良による収穫の遅れ,腐敗塊茎の発生などにより,令和5年産の単価は178円/kgと苦しい販売結果となりました。産地一体となって基本技術の徹底や単収向上,販売力強化への取組が求められています。生産牛では飼料費高騰や,子牛相場の低迷といった問題があり,トランスバーラやさとうきびハカマなど自給粗飼料の確保の支援が急務です。また,果樹や花き,茶等の生産安定や,ミカンコミバエ等の特殊病害虫への防除対応も引き続き必要です。
新規就農者,青年農業者,認定農業者,農業法人,女性農業者など担い手への支援,「徳之島さとうきび農作業受委託調整センター」による農作業受委託体制の整備や,直進アシストトラクタやドローン,分娩監視カメラ等のスマート農業など省力技術の実証・普及,6次産業化など地域農産物の付加価値向上には,生産者・関係機関と連携した取組が重要と考えています。
農業普及課では,重要課題である畑かん営農や,人材育成・産地育成・組織育成・生産性向上などを推進するため,「畑かん営農のしくみづくり」,「畑かん営農を支える担い手の育成」,「畑かんを活用した生産性の高い産地づくり」の3課題に整理し,中長期的な視点に立った目標達成に向け,担い手の確保・育成,産地づくり,農業者組織への連携した活動,実証ほ・展示ほ等を活用した新技術の普及・定着への支援等に取り組んでまいりました。
ここに今年度の取組をまとめ,令和7年度からの新たな普及指導計画へ引き継がれるよう「普及のあゆみ」として活動内容と実証成績の一部を整理し,掲載しました。ご協力いただきました農業者並びに関係機関の方々へ深く感謝いたしますとともに,徳之島農業の発展に向けた活動に役立つことを期待しております。
令和7年3月
大島支庁農業普及課課長松本徹
畑かんを活用した生産性の高い産地づくり(PDF:1,300KB)
1飼料用トウモロコシのツマジロクサヨトウ初期防除剤の効果について(畜産)(PDF:385KB)
2ピタヤの栽培方法見直しによる単収向上(PDF:238KB)
3鹿児島県育成新品種「しまあかり」現地適合性の検討(PDF:691KB)
4トルコギキョウ自家育苗技術の検討と適正品種の選定(PDF:170KB)
5紅茶の生産量増大に向けた摘採・整枝時期の検討(PDF:216KB)
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