食の安心・安全に関する用語(ら行)
リスク
一般的には危険(度)を表すが,食品に関しては,食べたときに健康被害が起きる可能性とその起きる確率(度合い)を言う。
リスク管理
リスク評価(食品健康影響評価)の結果及びその他の科学的・社会的要因等を考慮し,食品の摂取を通じた健康への悪影響の発生を予防又は抑制するための適切な措置を選択,実施する行政のプロセスを言う。
健康への悪影響を防止・抑制する科学的手法(リスク分析)においては,「健康への悪影響が生ずる確率とその程度(リスク)」が「存在しない」という意味での安全性の確保という考え方(ゼロリスク)ではなく,リスクが存在することを前提とした「リスクの管理」を目指すべきとの考え方から,悪影響を未然に防止することだけでなく,悪影響があることを前提としてその抑制を図ることもその目的となる。具体的なリスク管理措置としては,食品衛生法に基づく食品添加物の規格基準などを始めとする各種の安全確保のための基準設定などがこれに当たる。
リスクコミュニケーション
送り手の都合の良い情報だけでなく,どの程度でどのくらいの被害があるかなどのマイナスな側面も含めてリスクを正確に伝えること。食品の安全性に関しては,消費者や関係者などとの間でリスクに関する情報・意見を相互に交換すること。
関係者相互間における情報及び意見の交換を指し,リスク評価,リスク管理とならび食品の安全を守る三要素の一つである。
リスク評価
最終的に飲食物として摂取し得る状態にある食品を摂取することによって健康への悪影響が発生する確率とその程度(リスク)について科学的に評価することであり,評価は,化学物質や微生物等の生物学的,化学的又は物理的な要因や腐敗等の生物学的,化学的又は物理的な状態ごとに行われる。食品安全基本法により,食品の安全性の確保に関する施策の策定に当たっては,原則としてリスク評価(食品健康影響評価)が施策ごとに行われなければならないこととされた。実際のリスク評価は,内閣府に設置された食品安全委員会が,関係各省からの諮問に応じ,又は自ら行うこととなる。
リスク分析
健康への悪影響を防止・抑制する科学的手法であり,リスク評価(食品健康影響評価),リスク管理(行政的対応),リスクコミュニケーション(社会的合意形成)から構成される。
食品に含まれる危害の多様化及び複雑化を背景として,FAO/WHO合同食品規格委員会(コーデックス委員会)において,食品の安全性の問題に関する国内法を制定・改廃する際に,リスク分析の原則の採用を奨励する勧告が決議されるなど,当該手法の導入が国際的な潮流となっている。
食品安全基本法においては,国民の健康の保護が最も重要との基本的理念の下で,食品の安全性の確保のために必要な措置が国民の意見の反映に配慮しつつ,食品健康影響評価を始めとする科学的知見に基づいて講じられなければならないことを規定するとともに,リスク評価,リスク管理,リスクコミュニケーションを促進することを基本的な方針として定めている。
緑黄色野菜(darkgreenandyellowvegetable)
一般的に有色野菜の中で,カロテンを600μg(100g当たり)以上含むものを指す。他のビタミンやミネラルも多く含み,代表的なものはサヤインゲン,オクラ,かぼちゃ,トマト,ニンジン,ほうれん草,ピーマンなど。
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