食の安心・安全に関する用語(さ行)
サプリメント(dietarysupplements)
「栄養補助食品」のこと。⇒〈栄養補助食品〉を参照。
残留農薬
農薬の使用に起因して食品に残留している農薬のこと。食品衛生法では,「食品,添加物等の規格基準」で,農薬が残留した食品を摂取することにより,人の健康を損なうことがないよう,農産物に残留する農薬の成分である物質の量の限度が定められており,一般に「残留農薬基準」と呼ばれている。残留農薬基準を超えるような農薬が残留している農産物は販売禁止等の措置がとられる。
自主回収報告制度
事業者が生産,製造,輸入,加工または販売した食品等について,事業者が自ら食品衛生法違反またはその疑いがあることに気づき,自らの判断で回収を決定,実施する場合に,健康への悪影響の可能性があるもの等について県への報告を義務づける制度で,自主回収情報の迅速な収集と適切な公表ができるようになり,早期回収の促進と健康被害の未然防止を図るもの。
鹿児島県では「鹿児島県食の安心・安全推進条例」に基づき,平成24年1月1日に施行された。
持続性の高い農業生産方式の導入の促進に関する法律
平成11年7月制定。持続性の高い農業生産方式の導入を促進するための措置を講ずることにより,環境と調和のとれた農業生産の確保を図り,もって農業の健全な発展に寄与することを目的としている。
この法律に基づき,県は持続性の高い農業生産方式の導入に関する指針を定め,この指針に基づき,導入計画を作成して知事の認定を受けた農業者を「エコファーマー」という。⇒〈エコファーマー〉を参照
持続農業法
「持続性の高い農業生産方式の導入の促進に関する法律」の略称。「持続的農業促進法」ともいう。
消費期限・賞味期限
消費期限とは,未開封の状態で,保存方法に記載されている方法に従い,保存された場合に,品質が保持される期限のことで,弁当や惣菜など品質の劣化が早い食品に記載されている。品質の劣化が早いことから,この期限を過ぎると衛生上の危害が生ずる可能性が高くなる。
賞味期限とは,缶詰やスナック菓子など品質が比較的長く保持される食品に記載されている。品質の劣化が遅いことから,この期限を過ぎてもすぐに食べられなくなるわけではない。
消費期限や賞味期限は保存方法に記載されている方法で保存した場合の期限なので,開封後や決められた方法で保存していない場合には,期限が切れる前であっても品質が劣化していることがある。(平成15年7月31日から「品質保持期限」は賞味期限に統一された。)
消費者庁
消費者の安全安心にかかわる問題を幅広く所管し、情報の一元的収集・分析・発信、企画立案、法執行などの機能を有し、消費者行政全般についての司令塔として位置づけられる組織。平成21年9月1日に内閣府の外局として設置された。
食育
生きる上での基本で,知育,徳育および体育の基礎となるもの。様々な経験を通じて「食」に関する知識と「食」を選択する力を習得し,健全な食生活を実践することができる人間を育てること。
食育基本法
平成17年7月に施行された法律で,国民が健康な心身を培い,豊かな人間性をはぐくむ食育を推進するため,施策を総合的かつ計画的に推進すること等を目的としている。
食事摂取基準
健康な個人または集団を対象として,国民の健康の維持・増進,エネルギー・栄養素欠乏症の予防,生活習慣病の予防,過剰摂取による健康障害の予防を目的とし,エネルギー及び各栄養素の摂取量の基準を示すもの。平成21年5月「日本人の食事摂取基準(2010年版)」が示され,平成22年度から5年間使用される。
食事バランスガイド
健康で豊かな食生活の実現を目的に策定された「食生活指針」を具体的に行動に結びつけるものとして,平成17年6月に農林水産省と厚生労働省により決定された。「食事の基本」を身につけるための望ましい食事のとり方やおおよその量をわかりやすくイラストで示してある。
これを基に,本県では「かごしまの食」を取り入れた「かごしま版食事バランスガイド」を平成20年2月に作成した。
食生活指針(dietaryguideline)
望ましい食生活をするための指針。昭和60年に旧厚生省が定めた指針を,平成12年に厚生・農水・文部の旧3省が連携して改訂した。栄養面だけでなく,自己管理,環境問題,生活文化の面まで言及した10項目からなる。
その内容は,(1)食事を楽しみましょう。(2)1日の食事のリズムから健やかな生活リズムを。(3)主食,主菜,副菜を基本に,食事のバランスを。(4)ごはんなどの穀類をしっかりと。(5)野菜・果実,牛乳・乳製品,豆類,魚なども組み合わせて。(6)食塩や脂肪は控えめに。(7)適正体重を知り,日々の活動に見合った食事量を。(8)食文化や地域の産物を活かし,ときには新しい料理も。(9)調理や保存を上手にして無駄や廃棄を少なく。(10)自分の食生活を見直してみましょう。となっている。
食鳥処理の事業の規制及び食鳥検査に関する法律
食鳥処理の事業について衛生上の見地から必要な規制を行うとともに,食鳥検査の制度を設けることにより,食鳥肉等に起因する衛生上の危害の発生を防止し,もって国民の健康保護を図ることを目的としている。この法律により,食鳥処理の事業は許可を要し,年間30万羽を超える食鳥処理場は1羽ごとに検査を受けること等が定められた。
食農教育
食料を生産する農業の役割や重要性を理解・体験するための教育のこと。
食の外部化
家庭内の調理や食事が,生活スタイルの変化や女性の社会進出等により家庭外に依存する状況。食のサービス化,簡便化とも言われる。
食品安全委員会(FoodandSafetyCommission)
食品安全基本法に基づき,食品添加物や遺伝子組み換え食品,健康食品,家畜の飼料,肥料,農薬などの安全性や危険性について検討した結果を農林水産・厚生労働両省に勧告する。委員は,食の安全確保に関する有識者7人で構成し,4人が常勤。平成15年7月1日発足。内閣府に設置。
食品安全基本法(BasicLowonFoodSafety)
食品が人間の健康に与える影響を評価する「食品安全委員会」の設置を柱とする法律。国の食品安全対策は「国民の安全が最も重要」とする基本理念を盛り込み,具体的な安全施策を講じるためリスク評価とリスク管理を明確に分け,情報や意見交換等のリスクコミュニケーションを明示した。平成15年5月16日成立。
食品衛生監視員
食品衛生法に基づき,食品に起因する衛生上の危害を防止するために営業施設への立ち入り検査や食品衛生に関する指導等を行う保健所等の職員。厚生労働大臣の指定した養成施設で所定の課程を修了すること,又は薬剤師・獣医師等であることなど一定の資格要件が定められている。
食品衛生法
食品の安全性の確保のために公衆衛生の見地から必要な規制その他の措置を講ずることにより,飲食に起因する衛生上の危害の発生を防止し,もつて国民の健康の保護を図ることを目的としている。昭和22年12月法律第232号で制定されたが,平成15年5月30日に,新たな食品安全行政の根幹を図ることとして大改正された。
食品期限表示
食品が一定の品質を有していると認められる期限を示す日付(月単位の表示も含む。)であり、消費期限と賞味期限の2つがある。すべての加工食品には、商品の特性に応じて、消費期限又は賞味期限のどちらかを表示しなければならない。なお,これらの表示は容器包装を開封する前の状態で保存した場合の期限を示すもので,科学的・合理的根拠に基づいて,さらに安全率を考慮の上,製造業者等が設定する。
⇒〈消費期限・賞味期限〉の項を参照。
食品成分表(standardtablesoffoodcompositioninjapan)
日本で消費される主な食品の含有成分を示したもので,「日本食品標準成分表」の略。
現在は,平成17年1月に公表された「五訂増補日本食品標準成分表」が使用されている。
食品添加物(foodadditives)
食品衛生法で「食品の製造の過程において又は食品の加工もしくは保存の目的で,食品に添加,混和,浸潤その他の方法によって使用するものをいう。」と定義される物質群で,保存料,甘味料,着色料等が該当する。平成18年9月現在,厚生労働大臣が指定した「指定添加物(化学合成品)」361品目と「既存添加物(天然添加物)」450品目、天然香料600品目等となっている。
なお,食塩,砂糖,コショウ,とうがらし等は,食品添加物の扱いは受けていない。
食品添加物の種類としては,(1)製造工程に不可欠なもの(豆腐凝固剤,乳化剤,酵素等),(2)保存性を向上させるもの(保存料,防かび剤,酸化防止剤等),(3)品質を向上させるもの(乳化剤,増粘剤,ゲル化剤等),(4)風味や概観を良くするもの(着色料,漂白剤,酸味料,甘味料,香料等),(5)栄養を強化するもの(ビタミン,アミノ酸,ミネラル等)がある。
食品表示指導員
食品表示の適正化を図るため,販売店や製造・流通業者に対する表示指導を徹底するとともに,「食品表示110番」に寄せられた情報や表示相談に迅速に対応するために平成15年度に1名設置。
食品表示110番
食品表示の適正化を図るため,広く食品表示に関する各種情報や表示相談を受け付ける窓口として平成14年2月26日からスタートし,生活・文化課消費者行政推進室に設置されている。
(食品表示110番の電話番号:099-286-2533)
食物アレルギー(foodallergy)
食物を摂取した際,身体が食品に含まれる物質(たんぱく質)を異物として認識し,自分の身体を防御するために過敏な反応をおこすこと。症状は,「かゆみ・じんましん」,「唇の腫れ」,「嘔吐」,「咳・喘息」など。重篤な場合はショック症状(アナフィラキーショック)が起こり,死に至ることもある。⇒〈アレルギー物質表示〉を参照
食物繊維(dietaryfiber)
人の消化酵素で消化されない食品中の難消化性多糖類のこと。その代表は,野菜や果実などの細胞壁成分(セルロース,ペクチン等),海藻の成分(寒天,アルギン酸等)。排便促進や肥満,糖尿病,大腸ガンなどの予防効果,血中コレステロールや血圧の上昇抑制作用があると言われている。
飼料の安全性の確保及び品質の改善に関する法律
飼料及び飼料添加物(以下飼料等)の製造等に関する規制,飼料の公定規格の設定及びこれによる検定等を行うことにより,飼料の安全性の確保及び品質の改善を図り,もって公共の安全の確保と畜産物等の生産の安定に寄与する。農林水産大臣は,有害畜産物が生産され,または家畜等に被害が生ずることにより畜産物の生産が阻害されることを防止する見地から,農業資材審議会の意見を聞いて,飼料等の製造の方法等の基準及び規格を定めることができるとされており,これに適合しない飼料等の製造,販売,使用等は禁止されている。
水質汚濁防止法
1970年に公布され,その後何度か改定された環境省所管の法律で,工場や事業場から公共用水域への有害物質の排出を防止することを目的としている。
スローフード(slowfood)
1980年代半ばにイタリアのブラ(Bra)という小さな町からスタートした,多忙な現代人の食生活を見直す運動で,ファーストフードの対極の言葉。ファーストフードが食事や味覚の画一化をもたらしたことを再考し,各地に残る食の文化を尊重し,将来に伝えていこうとする運動。
生産情報公表JAS規格
トレーサビリティシステムの導入など「食卓から農場まで」顔の見える仕組みを整備する一環として,食品の生産情報を,消費者に正確に伝えていることを第三者機関が認証するJAS規格が導入された。まず,国民の関心が特に高く,個体管理の体制が整備されている牛肉について,平成15年12月にこのJAS規格が制定された。その後,豚肉,農産物,加工食品,養殖魚についても制定されている。
生産履歴
消費者から生産者段階までさかのぼって,生産地,収穫日,使用した農薬・医薬品や飼料の種類,加工,流通経路などがわかる食品の履歴情報。問題が発生すればその履歴をさかのぼって対策を迅速化するなど,消費者の安全・選択・情報の権利を守る。
性フェロモン
生物の配偶行動において異性間のコミュニケーションに利用される物質のこと。この成分を人為的に合成して,発生予察調査や交信かく乱に利用される。
⇒〈交信かく乱法〉を参照
生物的防除
天敵生物や拮抗微生物,性フェロモン等を利用した防除法。天敵生物の中でも,捕食性天敵であるカブリダニ類や寄生蜂,天敵糸状菌は近年施設野菜や施設果樹での利用進展が目覚ましく,土着天敵の保護利用は古くから露地栽培の果樹や茶で利用されている。
生物農薬
農薬の目的で使用される生物のこと。天敵昆虫やダニ,微生物(線虫,糸状菌,細菌,ウイルス)がある。天敵昆虫・ダニの中では,微小な害虫を捕食するスワルスキーカブリダニやチリカブリダニ,ミヤコカブリダニ,微生物の中では,昆虫寄生菌であるボーベリア・バシアーナ等が広く利用されている。
節減対象農薬
国の「特別栽培農産物表示ガイドライン」の中で定義された用語で,化学合成農薬のうち,農林物資の規格化及び品質表示の適正化に関する法律施行令第10条第1号の農林水産大臣が定める化学的に合成された農薬,肥料及び土壌改良資材(平成12年7月14日農林水産省告示第1005号)の一に掲げる農薬を除いたもの。
総合的病害虫・雑草管理
〈IPM)を参照
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