台風・大雨に対する農作物等の事前・事後対策(10月下旬~11月上旬)
台風に対する農作物等の事前・事後対策(10月下旬~11月上旬)(PDF:164KB)
1普通期水稲
事前対策
- 排水路等を点検・整備し,長時間の冠水,滞水防止に努める。
事後対策
- 冠水した水田は,速やかに排水する。
- 水田や用排水路等の土砂,木切れ等は,速やかに早く取り除き,収穫に支障がないようにする。
- 高潮などで海水が流入した水田は,速やかに排水し,かけ流しを行う。
2畑作共通
事前対策
- 排水路等を点検・整備し,滞水防止に努める。
事後対策
- 滞水したほ場は,速やかに排水する。
- 潮風害が懸念される場合,散水施設のあるほ場では,台風通過後,速やかに散水する。
3さつまいも
事前対策
- 排水路等を点検・整備し,滞水防止に努める。
事後対策
- 茎葉の傷みやさつまいも基腐病の発生が見られるほ場では,速やかに収穫を行う。
4さとうきび
事後対策
- 新植夏植えでは,苗が流出したら補植する。また,埋没したら芽掘りを速やかに行う。
- 潮風害が懸念される場合,散水施設のあるほ場では,台風通過後,速やかに散水する。
5大豆
事後対策
- 株元の土が洗い流された場合は,土寄せを行う。
- 子実肥大期のほ場では,葉の損傷による紫斑病の発生を防止するため,薬剤散布を行う。
6野菜
事前対策
- 防風垣,防風ネット等の補強を行い,強風による被害を最小限に食い止める。
- ほ場及び施設周囲の側溝,排水溝の点検・整備を行う。
- 収穫期に近い野菜は,収穫する。
- 育苗中の苗は,室内等の安全な場所に持ち込むか,べたがけ資材等でトンネル被覆する。なお,べたがけ資材等は,できるだけ低く設置し,強風で苗を傷つけないように留意する。
- つる性のきゅうりは,「つる下げ」を行い,べたがけ資材等で被覆し,しっかり固定する。「つる下げ」ができない場合は,支柱やネットが倒れないように,しっかりと固定する。
- 根深ねぎは,土寄せやテープ等を張り,茎葉の折損,倒伏を防ぐ。
- さといも(大吉)の早植マルチ栽培で倒伏が懸念される場合は,茎葉を切断する。
- ピーマン,なす等定植直後のものは,支柱等にしっかりと固定する。
- かぼちゃ,豆類(そらまめ等),葉茎菜類(きゃべつ等)は,可能であればべたがけ資材で被覆する。
- いちごは,べたがけ資材等で被覆固定し,茎葉の傷みを軽減する。
事後対策
- 被覆資材等は,直ちに除去する。
- 強風により倒伏等の被害を受けた株は,直ちに支柱に固定する。
- 茎葉の折損部からの病害侵入を防ぐため,直ちに殺菌剤の散布を行う。
- 草勢の回復を図るため,葉面散布または化成肥料による追肥を行う。
- 室内に持ち込んだ苗は,速やかに外へ持ち出して広げる。
- きゅうり等で「つる下げ」を行ったものは,台風通過後,速やかに「つる上げ」を行う。
- 強風によりはがれた土壌消毒用の被覆資材は,速やかに張り直す。
7花き
事前対策
- ほ場及び施設周囲の側溝,排水溝の点検・整備を行う。
- 定植直後の草丈の低いものは,べたがけ資材で被覆固定する。
- 仕立て直しが可能な花き類は,フラワーネットや支柱を外し,剪定するか倒伏させて,べた掛け資材で被覆固定する。
- 収穫直前の切り花は,台風接近の様子を見て,やや硬めでも収穫する。
- 鉢物類は鉢を寄せ,べた掛け資材で被覆固定する。大鉢は同一方向に倒す。
- 露地電照栽培やビニル除去後の施設栽培では,電照用の電球を外す。
- キク母株は,可能な限り採穂・冷蔵し,残った株は防風ネットやべた掛け資材で被覆し,しっかり固定する。
- 露地のキク・ソリタゴ等は,支柱を補強(打ち込み直し,本数増加)し,フラワーネットがずれ落ちないよう支柱に固定する。
- 停電が予想される場合は,発電機と燃料を準備する。
事後対策
- 生育中の花き類で倒伏したものは,風が弱まり次第,直ちに株の立て直しを行う。
- 仕立て直しが可能な花き類は,整枝や株の切り戻しを行い,草勢の回復を待つ。
- 株に泥が付着している場合は,速やかに水で泥を洗い流す。
- 茎葉の折損部からの病原菌侵入を防ぐため,速やかに殺菌剤の散布を行う。
- ビニルや遮光資材を被覆し,強い光や降雨から植物を守る。
- 外した電球を速やかに取り付け,電照やタイマー,冷蔵庫など電気設備の再点検を行う。
- マルチ栽培で滞水したほ場では,マルチのサイドをめくり上げ,土壌の乾燥を促す。
- 鉢物類は被覆固定したべた掛け資材を外し,もとの位置に戻すとともに,倒した鉢は速やかに起こす。
- 露地のキク・ソリダゴ等は,軽く中耕・土寄せを行い,薄めの液肥を施用する。
- 潮風害が懸念される場合,スプリンクラー等で,台風通過後,速やかに散水する。
- 停電が続く場合は,キクでは発電機を使って電照を行い,花芽分化を防ぐ。
8果樹
事前対策
- 防風樹や防風施設の点検・整備を行う。
- ほ場及び施設周囲の側溝,排水溝の点検・整備を行う。
- 幼木や若木は倒伏しやすいので,支柱を立てて補強する。
- 高接ぎ樹等は接ぎ木部から裂けないように,支柱に誘引する。
- 病害発生の懸念がある場合は,予防散布を行う。
- 収穫中の温州ミカンでは,適熟のものから収穫する。
事後対策
- 倒伏樹は速やかに起こし,株元に土入れして再倒伏を防ぐ。
- 枝裂けや枝折れした場合は,切除して癒合剤を塗布する。
- 病害発生の懸念がある場合は,台風通過後,速やかに殺菌剤の散布を行う。
- 樹勢低下が懸念される場合は,樹勢回復を図るために葉面散布を行う。
- 潮風害が懸念される場合は,散水施設のあるほ場では,台風通過後,速やかに散水する。
- 落下した果実や腐敗した果実は,園外に持ち出し処分する。
9茶
事前対策
- 茶園に防風ネットを設置している場合には,保守・点検を行う。
- 幼木園では,枝の折損や樹の倒伏を防ぐため,状況に応じて徒長枝を剪定する。
- 防霜ファンの支線等を外している場合は,元に戻す。
- 製茶工場の電気施設及びガス・重油保管施設は,電源や元栓を確認する。また,煙突や排気口・換気扇等の補強・整備を行うとともに,工場内を見回り,電子機器等が濡れないよう対策を行う。
事後対策
- 生育ステージで芽が柔らかいほ場では,殺菌剤を散布する。
- 肥料が流亡している可能性があるほ場は,施肥を行う。
- 幼木園で,株元の土が流亡したり,茶樹が横倒しになっている場合には,速やかに起こし,株元に土寄せを行って踏み固める。また,欠株が生じた場合は,秋以降に補植を行う。
- 潮風害が懸念される場合,散水施設のあるほ場では,台風通過後,速やかに散水する。
10葉たばこ
事前対策
1.乾葉の保管場所の点検を行うとともに,乾葉にシート等を被覆する。
事後対策
- 乾葉の保管場所の点検を行うとともに,濡れた乾葉がある場合は,仕分けして再乾燥する。
11畜産
事前対策
- 畜舎の補強や,物が飛散しないよう格納,点検する。
- 畜舎周辺の排水溝の清掃,点検を行う。
- 給餌,搾乳,通風,換気等電力施設・機械を利用しているところは,停電が懸念されるので発電機を準備する。
- トウモロコシ・ソルガム等刈取適期に近い作物は,刈り取る。
事後対策
- 台風通過後は,直ちに畜舎内外の排水を行って畜舎内を消毒する。
- 今後も生育が見込まれるトウモロコシ・ソルガム等は,ほ場の排水を行い追肥を行う。
- 折損・倒伏したトウモロコシ・ソルガム等は,速やかに刈り取り,次作の作付けを急ぐ。
12園芸作物のハウス等農業施設の保護
事前対策
- 防風垣や防風ネットの設置と補強を行う。
- ハウスは,杭の補強とハウスバンドの締め直しを行い,ビニルの破れた箇所は補修し,ハウス全体をしっかり固定する。また,強風が懸念される場合は,ビニルを剥ぎ取り,作物は防風ネット等でべたがけを行い,保護に努める。
- 果樹の防鳥・防蛾用資材(忌避灯・ネットの被覆)の補強は,張力専用線を用い,中柱の補充と周囲線の補強を行う。
- ハウス周囲の排水路等を直ちに点検・整備し,ハウス内の浸水防止に努める。
事後対策
- 台風通過後は,直ちにハウス等農業施設周辺を見回り,異常がないか確認する。
- 強風でゆるんだハウスバンド等は締め直し,ビニルの破損は張り替えるか,補修する。
- 作物を保護していた防風ネット等は取り外す。
13農業機械の保護
- 大雨により浸水などの被害が見込まれる場所から,農業機械を待避させる。
- 泥水に浸かった農業機械は絶対にスイッチを入れないこと。農機販売業者等に点検を依頼する。
相談先
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