2月の寒害・雪害に対する農作物等の事前・事後対策
2月の寒害・雪害に対する農作物等の事前・事後対策(PDF:150KB)
1寒害対策
(1)さつまいも
事前対策
- 苗床及び超早掘のハウス,トンネル栽培は密閉し,保温に努める。
- 電熱温床のない育苗ハウスや超早堀り栽培(12月~1月植付)では,二重被覆や補助加温器具等を利用し,保温に努める。
- 冬季晴天時の夜間には,放射冷却によって外気よりもハウス内の温度が下がる場合があるため,補助的な加温などできないところでは,裾を開けるなどして冷気をためないようにする。
- 貯蔵庫は地上,半地下式とも換気口をふさぐ。
事後対策
- ハウス内が高温・多湿とならないよう,適切に換気を行う。
(2)野菜
事前対策
- 露地品目では,事前に寒冷紗や不織布等のべた掛け資材で被覆し,寒害を防止する。また,防風網等は,冷気が滞留しないように裾を空けておく。豆類では不織布等の水平張りで寒害を防止する。
- 施設品目では,ハウス内の隙間対策を徹底し,気密性を高め保温に努める。なお,生育初期のものはトンネル被覆を行う。
- 無加温ハウスでは,二重被覆での保温やストーブ等による補助的な加温を行う。
- 冬季晴天時の夜間には,放射冷却によって外気よりもハウス内の温度が下がる場合があるため,補助的な加温などできないところでは,裾を開けるなどして冷気をためないようにする。
事後対策
- 豆類では,寒害により心が止まった場合は主枝の更新を行う。また,出荷できなくなった莢はすみやかに摘莢し,草勢の回復を図る。
- ハウス内でトンネル被覆をした場合は,翌朝,トンネル内が高温にならないうちに除去する。
(3)花き
事前対策
- 露地品目では,事前に寒冷紗や不織布等のべた掛け資材で被覆し,寒害を防止する。また,防風網等は,冷気が滞留しないように裾を空けておく。
- 施設品目では,ハウス内の隙間対策を徹底し,気密性を高め保温に努める。さらに,日中の換気を徹底し,茎葉の軟弱化による降霜時の被害発生を抑える。
- 無加温ハウスでは,二重被覆での保温やストーブ等による補助的な加温を行う。
- 冬季晴天時の夜間には,放射冷却によって外気よりもハウス内の温度が下がる場合があるため,補助的な加温などできないところでは,裾を開けるなどして冷気をためないようにする。
事後対策
- 寒害により草勢が弱っている場合は,草勢の回復や病害予防のために液肥や殺菌剤を散布する。
(4)果樹
事前対策
- 防風樹(垣)は,下枝を刈り払って,冷気が溜まるのを防ぐ。
- 収穫可能な果実は早めに収穫する。
- 強い寒害が予想される場合は,樹冠を不織布やこもで覆う。
- 無加温ハウスでは,二重被覆での保温やストーブ等による補助的な加温を行う。
- ハウス内の隙間対策を徹底し,気密性を高め保温に努める。
- 冬季晴天時の夜間には,放射冷却によって外気よりもハウス内の温度が下がる場合があるため,補助的な加温などできないところでは,裾を開けるなどして冷気をためないようにする。
事後対策
- カンキツ等で落葉の多い樹では,枝の枯れ込みが予想されるので,樹勢を見ながら間引き主体の軽いせん定を行う。
- 寒害を受けた果実は直ちに収穫し,十分な予措期間をおいて,被害のない健全な果実だけを出荷する。
- 落葉しているなど樹勢の弱っている樹では,冬期のマシン油乳剤の散布は控える。
- ビワで寒害を受けた場合,利用できる孫花等があれば,寒害の恐れがなくなってから摘蕾・摘果を行う。
(5)茶
事前対策
- 事前に防霜ファンやスプリンクラー等の作動状況を点検し,不良箇所は修繕しておく。
- 冬芽の耐凍温度情報を把握し,この温度より低下する地域では防霜対策を実施する。
- 耐凍温度情報(http://www.pref.kagoshima.jp/ag16/taitousei/r05taitousei.html)
- 設定温度は,耐凍温度にあわせたものとし,過度な高温に設定しない。
- 防霜ファンの故障やスプリンクラーの目づまり等がないか,夜間に必ず巡回・点検を行う。
- 幼木園の場合,冬季の株元への敷き草は寒暖差による幹割れ等の被害が発生する恐れがあるため,株元から離して畦間に寄せる。
事後対策
- 凍害を受けた茶園では,基本的に整枝は行わずに芽の回復を待つ。
- 幼木園で幹割れ等の被害が発生したら,速やかに株元に土寄せを行い,被害発生部分を土で覆う。
(6)飼料作物
事前対策
- イタリアンライグラスは,厳寒期の刈り取りを一時控えるか高刈りする。
(7)共通事項
事前対策
- 屋外のポンプ施設は凍結しないように防寒対策を行う。
2雪害対策
(1)共通事項
降雪時の農地・農業用施設の見回りは,次の点に留意しつつ,作業者の安全確保を最優先にして対策の徹底を図る。
- 見回りをする際には一人では行かない。
- 滑りにくい靴を履く。
- 道路・ほ場周辺で,隣接する用水路,落差等がある場所には近づかない。
- 倒壊の恐れのあるハウスや畜舎などの施設には近づかない。
- ハウス,畜舎等の雪下ろしを行う際は,ヘルメットをかぶり,滑りにくい履物を履くなどし,複数人で作業を行う。
- 悪天候時には作業を行わない。
(2)ハウス施設
積雪が予想される場合は,ハウスの倒壊を防ぐために下記の事項を実施する。
事前対策
- ハウスバンドや天井ビニルは,たるみ等がないようにしっかりと張る。
- 屋根被覆資材の表面に,雪の滑落を防げるような突出物がないかを事前に点検する。特に,防風ネットや外部遮光資材等は必ず撤去する。また,連棟ハウスの場合は,谷部に雪が積もるので補強を徹底する。
- 加温ハウスでは,暖房機の燃油残量を確認し,燃油を十分に確保する。また,暖房機や電源,配線等についても正常に作動するか確認する。降雪時は内部被覆(二重カーテン)を開放するなど,可能な範囲でビニル直下の室温を高めることで,天井に積もった雪の滑落を促す。
- 無加温ハウスでは,ビニルの破損箇所や隙間をふさぎ,ハウスを補強するとともに補助加温を行うなどして,積雪による倒壊を防ぐ。
- 耐用年数が経過して老朽化したハウスにおいては,特に補強を徹底する。
- 降雪状況等を考慮し,場合によっては被覆資材を切断除去することで施設の倒壊を防ぐ。
- 雪解け水が滞水しないように,ハウス周辺の側溝・排水溝を整備しておく。
事後対策
- 積雪した場合は,速やかに雪おろしを行い,ビニルがたるむのを防ぐ。その際は,重みのバランスを考慮しながら雪を下ろしていく。
- ハウス施設の損傷やビニルの破損等がある場合は,すみやかに補修する。
(3)茶
事前対策
- 積雪による枝の折損等の被害を防止するため,降雪前に摘採面に被覆資材等を直掛けする。
事後対策
- 積雪した場合は,除雪,融雪後に寒風害を受け,被害を助長することがあるので,人為的な除雪や融雪などは行わずに,自然融雪を待つ。
- 損傷を受けた枝条は切除し,摘採面が乱れた程度の園は融雪後に手直しをし,摘採面を整える。
相談先
最寄り寄りの地域振興局・支庁農政普及課へ御相談ください。
(時間:開庁時の午前8時30分~午後5時15分)
より良いウェブサイトにするためにみなさまのご意見をお聞かせください