台風・大雨に対する農作物等の事前・事後対策(8月上旬~8月中旬)
台風・大雨に対する農作物等の事前・事後対策(8月上旬~8月中旬)(PDF:165KB)
1早期水稲
事前対策
- 排水路等を点検・整備し,長時間の冠水,滞水防止に努める。
事後対策
- 冠水した水田は,速やかに排水する。
- 水田や用排水路等の土砂,木切れ等は,速やかに取り除き,収穫に支障がないようにする。
- 収穫は,倒伏したほ場から行う。
2普通期水稲
事前対策
- 排水路等を点検・整備し,長時間の冠水,滞水防止に努める。
- できるだけ深水にする。
事後対策
- 冠水した水田は,速やかに排水する。
- 水田や用排水路等の土砂,木切れ等は,速やかに取り除き,生育に支障がないようにする。
- 高潮などで海水が流入した水田は,速やかに排水し,かけ流しを行う。
- 病害虫(ウンカ類,コブノメイガ,いもち病,白葉枯病)の発生に注意し,必要に応じて防除を行う。
3畑作共通
事前対策
- 排水路等を点検・整備し,滞水防止に努める。
事後対策
- 滞水したほ場は,速やかに排水する。
- 潮風害が懸念される場合,散水施設のあるほ場では,台風通過後,速やかに散水する。
4さつまいも
事前対策
- 排水路等を点検・整備し,滞水防止に努める。
事後対策
- 畝の土が流出したほ場は,追肥や培土を行う。また,ほ場内に滞水しないように,徹底した排水対策を行う。
- 定植後35日を過ぎたほ場では,殺菌剤によりサツマイモ基腐病の防除を行う。また,生育初期の異常株は,直ちに抜き取りほ場外へ持ち出す。
5さとうきび
事前対策
- 新植夏植ほ場では,排水路等を点検・整備し,滞水防止に努める。
事後対策
- 新植夏植ほ場で滞水したほ場は,速やかに排水する。
- 株元が露出したり倒伏した株は,可能であれば引き起こし,必要に応じて追肥や土寄せを行う。
- 潮風害が懸念される場合,散水施設のあるほ場では,台風通過後,速やかに散水する。
6野菜
事前対策
- 防風垣,防風ネット等の補強を行い,強風による被害を最小限に食い止める。
- 排水路等を点検・整備し,滞水防止に努める。
- 収穫期に近い野菜は,収穫する。
- 育苗中の苗は,安全な場所に持ち込むか,べたがけ資材等でトンネル被覆する。なお,べたがけ資材等は,できるだけ低く設置し,強風で苗を傷つけないように留意する。
- つる性のきゅうり,にがうり等は,「つる下げ」を行い,べたがけ資材等で被覆し,しっかり固定する。「つる下げ」ができない場合は,支柱やネットが倒れないように,しっかりと固定する。
- 根深ねぎは,土寄せやテープ等を張り,茎葉の折損,倒伏を防ぐ。
- さといも(大吉)の早植マルチ栽培で倒伏が懸念される場合は,茎葉を切断する。
事後対策
- 被覆資材等は,直ちに除去する。
- 茎葉の折損部からの病害侵入を防ぐため,直ちに殺菌剤の散布を行う。
- 草勢の回復を図るため,葉面散布または化成肥料による追肥を行う。
- 室内に持ち込んだ苗は,速やかに外へ持ち出して広げる。
- にがうり,きゅうり等で「つる下げ」を行ったものは,台風通過後,速やかに「つる上げ」を行う。
7花き
事前対策
- 定植直後の草丈の低いものは,べたがけ資材で被覆固定する。
- 仕立て直しが可能な花き類は,フラワーネットや支柱を外し,剪定するか倒伏させて,べたがけ資材で被覆固定する。
- 収穫直前の切り花は,台風接近の様子を見て,やや硬めでも収穫する。
- 鉢物類は鉢を寄せ,べたがけ資材で被覆固定する。大鉢は同一方向に倒す。
- 露地電照栽培やビニル除去後の施設栽培では,電照用の電球を外す。
- キク母株は,可能な限り採穂・冷蔵し,残った株を防風ネットやべたがけ資材で被覆し,しっかり固定する。
- 露地のキク等は,支柱を補強(打ち込み直し,本数増加)し,フラワーネットがずれ落ちないように支柱に固定する。
事後対策
- 生育中の花き類で倒伏したものは,風が弱まり次第,直ちに株の立て直しを行う。
- 仕立て直しが可能な花き類は,整枝や株の切り戻しを行い,草勢の回復を待つ。
- 株に泥が付着している場合は,速やかに水で泥を洗い流す。
- 茎葉の折損部からの病原菌侵入を防ぐため,速やかに殺菌剤の散布を行う。
- ビニルや遮光資材を被覆し,強い光や降雨から植物を守る。
- 外した電球を速やかに取り付け,電照やタイマー,冷蔵庫など電気設備の再点検を行う。
- マルチ栽培で滞水したほ場では,マルチのサイドをめくり上げ,土壌の乾燥を促す。
- 鉢物類は被覆固定したべたがけ資材を外し,もとの位置に戻すとともに,倒した鉢は直ちに起こす。
- 露地のキク等は,軽く中耕・土寄せを行い,薄めの液肥を施用する。
- 潮風害が懸念される場合は,スプリンクラー等で散水する。
8果樹
事前対策
- 防風樹や防風施設の点検・整備を行う。
- 幼木や若木は倒伏しやすいので,支柱を立てて補強する。
- 高接ぎ樹等は接ぎ木部から裂けやすいので,支柱に誘引する。
- 病害発生の懸念がある場合は,予防散布を行う。
- 収穫中のマンゴーやパッションフルーツ,ハウスみかんでは,ハウスバンド等の締め直しやビニルの補修を行い,ハウス全体をしっかり固定して,ハウス内に雨水が流入しないように対策を行う。また,事前に天井ビニルを外す場合,施設は防風ネット等で被い,保護に努めるとともに,大量の水がほ場内に滞水しないように,徹底した排水対策を行う。
事後対策
- 倒伏樹は速やかに起こし,株元に土入れして再倒伏を防ぐ。
- 枝裂けや枝折れした場合は,切除して癒合剤を塗布する。
- 病害発生の懸念がある場合は,台風通過後,速やかに殺菌剤散布を行う。
- 樹勢低下が懸念される場合は,樹勢回復を図るために葉面散布を行う。
- 潮風害が懸念される場合,散水施設のあるほ場では,台風通過後,速やかに散水する。
- 事前に天井ビニルを外した施設では,できるだけ早めに天井ビニルを被覆し,果実を保護する。
9茶
事前対策
- 茶園に防風ネットを設置している場合には,保守・点検を行う。
- 幼木園では,枝の折損や樹の倒伏を防ぐため,状況に応じて徒長枝を剪定する。
- 防霜ファンの支線等を外している場合には,元に戻す。
- 製茶工場の電気施設及びガス・重油保管施設は,電源や元栓を確認する。また,煙突や排気口・換気扇等の補強・整備を行うとともに,工場内を見回り,電子機器等が濡れないよう対策を行う。
事後対策
- 生育ステージで芽が柔らかいほ場では,殺菌剤を散布する。
- 肥料が流亡している可能性があるほ場は,施肥を行う。
- 幼木園で,株元の土が流亡したり,茶樹が横倒しになったりしている場合には,速やかに起こし,株元に土寄せを行って踏み固める。また,欠株が生じた場合は,秋以降に補植を行う。
- 潮風害が懸念される場合,散水施設のあるほ場では,台風通過後,速やかに散水する。
10葉たばこ
事前対策
- 乾燥施設の状況に応じて,収穫可能な葉たばこは,早急に収穫を行う。
- 乾葉の保管場所の点検を行うとともに,乾葉にシート等を被覆する。
- 収穫葉を乾燥作業中の施設では,停電による品質低下や腐敗が懸念されるので発電機を準備する。また,乾燥機の燃料を十分に確保する。
事後対策
- 乾葉の保管場所の点検を行うとともに,濡れた乾葉がある場合は,仕分けして再乾燥する。
- 落葉があった場合は,労働力,乾燥施設の稼働状況を考え,価値のある葉は早めに拾って洗浄し乾燥する。
- 潮風害が懸念される場合,散水施設のあるほ場では,台風通過直後,できるだけ速やかに散水する。
11畜産
事前対策
- 畜舎の補強や,物が飛散しないよう格納,点検する。
- 畜舎周辺の排水溝の清掃,点検を直ちに行う。
- 給餌,搾乳,通風,換気等電力施設・機械を利用しているところは,停電が懸念されるので発電機を準備する。
- トウモロコシ・ソルガム等の刈取適期に近い作物は,刈り取る。
事後対策
- 台風通過後は,直ちに畜舎内外の排水を行って牛床等を消毒する。
- 今後も生育が見込まれるトウモロコシ・ソルガム等は,ほ場の排水を行い追肥を行う。
- 折損・倒伏したトウモロコシ・ソルガム等は,速やかに刈り取り,ソルガムは再生を早め,トウモロコシは次の作付けを急ぐ。
12園芸作物のハウス等農業施設の保護
事前対策
- 防風垣や防風ネットの設置と補強を行う。
- ハウスは,杭の補強とハウスバンドの締め直しを行い,ビニルの破れた箇所は補修し,ハウス全体をしっかり固定する。また,強風が懸念される場合は,ビニルを剥ぎ取り,作物は防風ネット等でべたがけを行い,保護に努める。
- 果樹の防鳥・防蛾用(忌避灯・ネットの被覆)の補強は,張力専用線を用い,中柱の補充と周囲線の補強を行う。
- ハウス周囲の排水路等を直ちに点検・整備し,ハウス内の浸入防止に努める。
事後対策
- 台風通過後は,直ちにハウス等農業施設周辺を見回り,異常がないか確認する。
- 強風でゆるんだハウスバンド等は締め直し,ビニルの破損は張り替えるか,補修する。
-
作物を保護していた防風ネット等は取り外す。
13農業機械の保護
- 大雨により浸水などの被害が見込まれる場所から,農業機械を待避させる。
- 泥水に浸かった農業機械は絶対にスイッチを入れないこと。農機販売業者等に点検を依頼する。
相談先
最寄りの地域振興局・支庁農政普及課へ御相談ください。
(時間:開庁日の午前8時30分~午後5時15分)
より良いウェブサイトにするためにみなさまのご意見をお聞かせください