昨年4月22日の新聞報道で,県が新総合体育館を29年度にも開設するという記事が報道されましたが,今日までの報道では,桜島の景観保護,多額の事業費,県と市との不協和等に関する記事が多かったように思います。
利活用のアイディアに係る公開プレゼンテーションでは,新総合体育館については,景観を保つため低層化や別の場所で整備を求める意見がありました。
令和6年2月184号「県政かわら版」のエリアコンセプトプラン(案)には,北ふ頭のエリアにサッカースタジアムのサの字もなく,北ふ頭でのサッカースタジアムの整備は全くない,と強く感じました。
かわら版が配布された後,2月11日に知事が市長を訪問し,時間軸を考慮する知事が早期決着に向け引導を渡されたようです。市長は2月13日,サッカースタジアム候補地の北ふ頭を「白紙に戻す」と述べられ,今後は県・市が一緒になって候補地を探したいという報道がなされました。市長の立場を考慮する気持ちがあれば,かわら版を配布する前に市長と面談して,厳しい状況を前もって伝えるべきではなかったかと強く思いました。
新総合体育館については,当初予算より事業費が膨らみ,68億円増の313億円。建築資材や人件費の高騰がさらに続けば,事業費がさらに増加するのではないかと思います。
3月9日,「デヴィ夫人と鹿児島を語ろう会」が開催され,デヴィ夫人は,県がDP跡地で進める新総合体育館整備は景観を損なうとして反対を訴え,「県民はもっと怒るべきだ」と強く呼びかけました。また,事業費が最大313億円に膨らむことについても,「県民の血税から払うことになる。声をあげて計画を止めるべきだ」と強く主張されました。
3月22日に県議会が開催され,新総合体育館事業費関連を盛り込んだ当初予算が可決されましたが,議員からは新体育館整備に反対する意見表明が相次いだようです。
県は,景観確保へ「視点場」を14か所設定して,視点場は鹿児島湾や桜島への展望を損なわないよう配置する必要があるとのことですが,桜島の景観を確保するための特別の視点場を定める必要はないと思います。
旧港湾合同庁舎前面道路から桜島を望んで桜島の景観を壊すような高さの高い構築物は設置すべきではないと思います。
どうしても建設したいということであれば,建設予定地に一夜城的な箱ものを作り,1か月間ぐらい市民・県民に見てもらってDP跡地への建設が妥当かどうか判断してもらったらどうでしょうか。
事業費の増額分については,県農業試験場跡地の売却益50億円を全て新総合体育館の事業費に充てるという方針のようですが,県民はどのように思うでしょうか。売却益は全県民のものとして,全市町村に平等に還元すべきとの意見があるかもしれません。
県内全域で人口減少,高齢化社会に対応するための交通手段の確保が急務とされています。高齢者としては,せめて市街地を走るバスには多くのノンステップバスの配置をしてもらいたいと思います。
景観保持,事業費の膨大化等を考えれば,サッカースタジアム同様に新総合体育館についても白紙化して,サッカースタジアム,新総合体育館の新たな候補地選定を県・市一丸となって取り組むべきではないかと思います。DP跡地への新総合体育館の整備にもう一度検討していただきますようお願いいたします。
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