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ホーム > くらし・環境 > 環境政策 > 環境白書 > 平成25年環境白書概要版 > 鹿児島県の環境(特集:世界遺産登録20周年を迎えた屋久島)

更新日:2014年3月31日

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鹿児島県の環境(特集:世界遺産登録20周年を迎えた屋久島)

はじめに

本県は,南北600キロメートルに及ぶ広大な県土を有し,日本で初めて国立公園に指定された霧島や世界自然遺産に登録された屋久島,世界的にも貴重な動植物を有する奄美群島,毎年1万羽以上渡来する出水平野の特別天然記念物「ツル」など,他の地域にない優れた自然環境に恵まれています。このかけがえのない恵み豊かな自然環境を大切に保全し,活用しながら,次の世代に確実に継承することは,現代に生きる私たちの使命であります。
近年の環境を取り巻く課題は,身近な地域の環境問題から,越境大気汚染や地球温暖化など地球規模の問題まで多岐にわたっています。
このような中,県においては,県環境基本計画に基づき,「人と自然が調和する地球にやさしい社会づくり」を目指して,低炭素社会づくり・循環型社会づくり・自然共生社会づくりを基本目標として,各般の施策を総合的かつ計画的に推進しているところです。特に,地球温暖化は,人類の生存基盤にも関わる重要な問題であることから,県地球温暖化対策推進条例に基づき,地球環境を守るかごしま県民運動を展開するととともに,二酸化炭素排出量を森林整備による吸収量で埋め合わせるカーボンオフセットの仕組みの普及など,県民や事業者,行政が一体となった対策を推進しています。
また,循環型社会の形成に向けて,廃棄物の排出抑制や減量化,リサイクルの推進を図るとともに,公共関与による安全性の高い全国でもモデルとなるような産業廃棄物管理型最終処分場(エコパークかごしま(仮称))の整備を進めています。
さらに,奄美群島の世界自然遺産への登録を目指して,地元市町村やNPOなどと連携して希少野生動植物の保護等の取組を進めるとともに,本県の豊かな生物多様性を保全し,将来にわたってその持続可能な利用を図るため,「生物多様性鹿児島県戦略(仮称)」を本年度中に策定することとしています。
このような取組を通じて,温暖化対策を進め,地球環境を守るとともに,ふるさと鹿児島のかけがえのない環境を守り育て,次世代に引き継いでまいりたいと考えています。
この白書は,平成24年度における本県の環境の現状と施策の内容や成果を取りまとめたものであり,この白書が,県民の皆様の環境に対する関心と理解を深め,環境保全に向けた取組の参考となれば幸いです。


平成26年3月

鹿児島県知事伊藤祐一郎

特集:世界遺産登録20周年を迎えた屋久島

屋久島世界自然遺産の概要

世界遺産とは,1972年(昭和47年)に国連教育科学文化機関(ユネスコ)総会で採択された「世界の文化遺産及び自然遺産の保護に関する条約」(世界遺産条約)に基づき,「世界遺産一覧表」に登録された遺跡,景観,自然など,人類が共有すべき顕著で普遍的な価値を持つもので,自然遺産,文化遺産,複合遺産の3種類があります。
屋久島は,巨大なヤクスギ天然林の景観と植生の垂直分布が顕著な島嶼生態系がそれぞれ「自然景観」と「生態系」の評価基準を満たしているとして,1993年(平成5年)12月11日に白神山地とともに日本で初めて世界遺産に登録されました。

※登録面積:10,747㏊(国有地:10,259㏊,県・町有地:488㏊で屋久島全体面積の1.3%)

世界遺産登録20周年

 

世界自然遺産登録後の屋久島の状況

 

世界遺産登録以降,国や町,地元関係者と連携しながら,様々な対策を実施してきました。
一方で,山岳部での利用集中,植生の荒廃やし尿処理の問題などの課題も生じてきています。

  • 県内のほとんどの離島で人口の減少に歯止めがかからない中で,人口が維持されています。
  • 屋久島への入込客数はピークの平成19年度には40万人を超え,遺産登録された平成5年度の1.9倍まで増加しました。その後,平成21年度から24年度においては,約30~33万人で推移しています。縄文杉登山者は,約3万人から9万人へ増加(H12~23)しました。
  • 登録以降,宿泊,運輸,ガイド業等の観光産業が発展し,雇用の創出につながっています。
  • 山岳部への利用者の集中などにより様々な課題が生じてきています。

 

遺産登録前後の観光産業の状況

 

屋久島の環境保全を巡る取組の経緯 

県では,平成4年策定の「屋久島環境文化村構想」に基づいて,屋久島環境文化財団の設立,屋久島環境文化村センター,屋久杉登山道やトイレの整備,山岳部保全募金の導入など地域と連携して様々な取組をしています。

 

木道の整備(縄文杉登山道)

山岳部トイレのし尿搬出

屋久島自然遺産登録20周年記念事業

白神山地・屋久島世界自然遺産登録20周年記念トークセッション

平成25年7月25日に,屋久島と同時に世界自然遺産に登録された白神山地のある青森県と共同で,鹿児島市において,記念イベントを開催し,両地域の傑出した自然の魅力を発信しました。

両県知事等によるトークセッション

 

屋久島世界自然遺産登録20周年記念式典

平成25年11月23日に,地元屋久島町において,世界自然遺産登録20周年という大きな節目を多くの方々と祝うとともに,今後の利用のあり方について考えるイベントを開催しました。

屋久島在住の高校生や若者などによる「屋久島からのメッセージ」

世界遺産登録からこれまでの20年を踏まえた今後の取組

屋久島の世界遺産登録20周年を記念して実施した記念式典では,屋久島の自然資源を次世代に遺すためのルールの確立や伝統文化を活かした地域づくり,産業振興の推進などを内容とする「屋久島からのメッセージ」が発信されました。
県としては,発信されたメッセージやこれまでの取組の検証を踏まえながら,国,屋久島町,地元の皆様と協力し,世界自然遺産にふさわしい自然環境の保全と適正な利用に向けた取組を一層進めてまいります。

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