鹿児島の環境(特集:平成22年度自然公園ふれあい全国大会開催~霧島屋久国立公園の魅力~)
はじめに
本県は,南北600キロメートルに及ぶ広大な県土を有し,日本で初めて国立公園に指定された霧島,世界自然遺産に登録された屋久島,世界的にも貴重な動植物を有する奄美群島,毎年1万羽以上渡来する出水平野の特別天然記念物「ツル」など,他の地域にない優れた自然環境に恵まれています。このかけがえのない恵み豊かな自然環境を大切に保全し,活用しながら,次の世代に確実に継承することは,現代に生きる私たちの使命であると考えています。
「環境」は,21世紀における人類の共通課題であり,今後様々な行政展開が集中的に求められると考えております。このため,県では,かごしま将来ビジョンに掲げている「地球を守る脱温暖化への貢献」,「地球にやさしい循環型社会の形成」,「自然あふれる癒しのかごしまづくり」に向けて,より一層の取組を推進しているところです。
特に,地球温暖化は,その予想される影響の大きさや深刻さから見て,人類の生存基盤に関わる最も重要な環境問題であることから,平成22年3月に「県地球温暖化対策推進条例」を制定し,県民・事業者・行政が一体となった取組を推進するとともに,同年4月にこれまでの環境部と林務水産部の林務部門を統合して「環境林務部」を設置し,森林の持つ二酸化炭素の吸収機能など公益的機能を増進するための施策を,環境部門と林務部門の連携により一体的に展開しています。
また,循環型社会の形成に向けて廃棄物の排出抑制や減量化,リサイクルの推進を図るとともに,公共関与による産業廃棄物管理型最終処分場の整備を進めています。
さらに,緑豊かな森林や美しい海岸線,希少な野生生物など,本県の豊かな自然や環境を守るため,奄美群島の世界自然遺産登録へ向けた取組や,大気,水環境等の保全対策を推進するなど,自然あふれる癒しのかごしまづくりを進めているところです。
このほか,地球温暖化など環境を巡る情勢の変化などを踏まえ,平成23年3月を目途に「県環境基本計画」をはじめとする各種の計画の改定等を行っています。
このような取組を通じて,地球温暖化を防止し,地球環境を守るとともに,ふるさと鹿児島のかけがえのない環境を守り育て,次世代に引き継いでまいりたいと考えております。
この白書は,平成21年度における鹿児島の環境の現状と施策の内容・成果を取りまとめたものであり,この白書が,県民の皆様の環境に対する認識や意識を高め,環境保全に向けた取組の参考になれば幸いです。
平成23年2月
鹿児島県知事伊藤祐一郎
特集:平成22年度自然公園ふれあい全国大会開催~霧島屋久国立公園の魅力~
平成22年度自然公園ふれあい全国大会開催
1.趣旨
自然に対する理解を深め,自然公園の適正利用の普及を推進するとともに,自然を大切にする心を育む
2.開催日
平成22年11月13日(土曜日)から11月14日(日曜日)
3.開催場所
鹿児島県霧島市霧島国際音楽ホールほか(霧島屋久国立公園(鹿児島県域)及びその周辺地域)
4.主催
環境省,鹿児島県,財団法人国立公園協会
平成22年度自然公園ふれあい全国大会実行委員会
(鹿児島市,指宿市,垂水市,霧島市,湧水町,南大隅町,屋久島町を含む)
○開催の基本方針と実施プログラム
霧島屋久国立公園とは
○山湖等
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活火山(気象庁定義)…霧島山,桜島,池田・山川,開聞岳,口永良部島の5つ
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大浪池……日本一標高の高い火口湖(火口壁の高さは標高1,412m)
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池田湖……九州最大の湖(直径3.5km,周囲約15km,最大水深233m),カルデラ湖
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縄文杉……推定樹齢7,200年(昭和41年に発見),大きさ全国18位,スギで2位(幹周)
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錦江湾……日本唯一のカルデラ湖(傾斜角の大きい椀形の海底地形,最大水深237m)
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宮之浦岳…九州最高峰(標高1,936m)
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日本百名山…霧島山(1,700m韓国岳),開聞岳(924m),宮之浦岳(1,936m)
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県花ミヤマキリシマ(霧島山系に自生)
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天然砂蒸温泉…世界で指宿市にしかない。
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海域公園6箇所…桜島(神瀬,沖小島),佐多(佐多岬,枇榔島),屋久島(口永良部城ヶ崎,栗生)
○文学
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椋鳩十………大造じいさんとガン(栗野),雉と山鳩(霧島山),栗野岳の主(栗野),片耳の大鹿(屋久島),チビザル兄弟(屋久島),海上アルプス(屋久島),やくざる大王(屋久島)
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林芙美子……浮雲(屋久島)
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梅崎春生……桜島
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若山牧水……「有明の月は冴えつつ霧島の山の大間に霧たちわたる」
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与謝野晶子…「渓渓の湯の霧しろしきりしまは星の生るる境ならまし」「さくら嶋草のかづらの糸引くもただ片はしの焼け石にして」
他多数
県自然公園面積全体に占める各公園面積割合
霧島屋久国立公園の市町等別面積割合
○霧島屋久国立公園の再編について
「錦江湾の海域カルデラを中心に国立公園区域を拡充するとともに,これに伴い霧島屋久国立公園を再編成して,霧島・錦江湾地域及び屋久島地域をそれぞれ一つの国立公園とする。」ことが,「平成22年度自然公園ふれあい全国大会式典」にて,環境大臣により公表されました。
再編成後の公園の名称等は,中央環境審議会への諮問を経て,決定される見込です。
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