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更新日:2024年7月25日

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建築士と設計工事監理について

建築士法では、建築物の安全性などの質の確保を図るために、原則として建築士が設計・工事監理を行わなければならないこととなっています。建築士には一級建築士、二級建築士及び木造建築士の3種類の資格があり、建築物の規模、用途、構造に応じて、それぞれ設計・工事監理を行うことができる建築物が定められています。

建築基準法においても、建築士法に違反して設計された建築物についての確認申請書の受理や工事の施工を禁止しています。

一級建築士が設計・工事監理を行わなければならない建築物

(例)
・高さが13m又は軒の高さが9mを超えるもの
・鉄筋コンクリート造、鉄骨造等で延べ面積が300平方メートルを超えるもの

一級建築士・二級建築士が設計・工事監理を行わなければならない建築物

(例)
・鉄筋コンクリート造、鉄骨造等で延べ面積が30平方メートルを超え300平方メートル以内のもの

一級建築士・二級建築士・木造建築士が設計・工事監理を行わなければならない建築物

(例)
・2階建までの木造建築物で延べ面積が100平方メートルを超え300平方メートル以内のもの

『設計』とは・・・

建築士法では、「設計」とは設計図書を作成することとされています。設計図書とは建築工事実施のために必要な図面と仕様書のことです。
この設計図書が適切に作成されていなければ、その設計図書に基づいて行われる工事監理業務に支障が生じることとなります。

安全で安心な建築物を建てるためには、建築士に設計を依頼し、適切な設計図書を作成してもらうことが必要です。

『工事監理』とは・・・

「工事監理」とは建築主の立場に立って工事を設計図書と照合し、工事が設計図書のとおりに実施されているかどうかを確認することです。

この工事監理は、建築物の安全性等を確保するためには確実に実施されなければなりません。

そこで、建築基準法では、工事監理者を定めなければならないとしています。また、完了検査の申請の際には申請書の中に工事監理の状況の報告を記載しなければならないこととなっています。

したがって、建築士に工事監理を依頼し、その内容を報告してもらう必要があります。

設計・工事監理に当たっては建築士事務所協会等の関係団体が標準契約約款を整備しているので、それを活用することができます。

また、その報酬については国土交通大臣の定めた報酬の基準があります。

工事監理の標準的な業務内容について
・設計意図を施工者に正確に伝えるための業務
・施工図等を設計図書に照らして検討、承諾する義務
・工事が設計図書通りであることの確認をする業務
・工事監理報告書・関係図書の建築主への提出

建築士事務所との契約について

建築物の設計・工事監理の業務は,都道府県知事の登録を受けた「建築士事務所」でなければ行うことができません。対等な立場での公正な契約締結及び誠実な履行が求められ,設計・工事監理の業務の受託契約を行った際は、書面の交付が義務付けられております。
また、書面の交付の際は,当該設計又は工事監理に従事する建築士の氏名などを記載することとなっていますので、よく確認した上で契約を結びましょう。

<建築士法>
(設計受託契約等の原則)
第22条の3の2設計又は工事監理の委託を受けることを内容とする契約(以下それぞれ「設計受託契約」又は「工事監理受託契約」という。)の当事者は、各々の対等な立場における合意に基づいて公正な契約を締結し、信義に従つて誠実にこれを履行しなければならない。

【参考】国交省パンフレット
建てる前に知っておきたい建築士(建築士事務所)の仕事

『業務報酬基準』について

「建築の設計」や「建築の工事監理」の契約を締結しようとする際の業務報酬基準については,報酬額算定の目安として、建築士法の告示でその報酬基準を定めています。業務が適正に行われなくなるような問題が生じないよう、契約時にどのような業務報酬の算定をしているかを確認しておけば安心です。

<建築士法>
(適正な委託代金)
第22条の3の4設計受託契約又は工事監理受託契約を締結しようとする者は、第25条に規定する報酬の基準に準拠した委託代金で設計受託契約又は工事監理受託契約を締結するよう努めなければならない。
(業務の報酬)
第25条国土交通大臣は、中央建築士審査会の同意を得て、建築士事務所の開設者がその業務に関して請求することのできる報酬の基準を定めることができる。

【参考】国土交通省HP
建築:設計、工事監理等に係る業務報酬基準について

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