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更新日:2024年4月9日
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妊よう性とは「妊娠するための力」であり,女性にも男性にも関わることです。
妊娠するためには,女性では卵子(卵巣)と子宮,男性では精子(精巣)などが重要な役割を果たしています。がんの治療では,このような妊娠に関わる細胞・臓器にがんができた場合だけではなく,一見妊娠と関係のないような臓器にがんができた場合でも,妊娠するための力が弱まったり,失われたりすることがあります。
多くのがんが治療法の進歩によって,克服できるようになってきています。小児・思春期および若年成人(AdolescentandYoungAdult:AYA世代)ががんになった場合,がんの治療が1番大切ですが,無事に治療が終了した後の人生も大切です。
がんそのものや,がんの治療によって,妊よう性にどのような影響があるのかを知りたい場合は説明を受けることができます。必ずしも希望通りにならない場合もありますが,妊よう性温存が可能なのか,どのような選択肢があるのか,安全性や有効性についてもよく聞いて,治療前に本人とご家族やパートナーも含め慎重に検討することが大切です。また,本人が小児である場合には,妊よう性温存について保護者の同意とともに,患者本人の同意も得ることが必要です。まずは担当医やがん相談支援センター等に相談しましょう。
妊よう性温存とは,「妊娠するための力を保つこと」です。
がんの治療を行う際に,妊よう性を温存しながら治療を行うことがあります。例えば,手術の際に,男性では勃起や射精に関わる神経を残したり,女性では卵巣や子宮を残す,もしくは術後の治療で卵巣に放射線があたらないように,卵巣の位置を移動しておくことがあります。こうした選択をする際にはがんの治療そのものに影響がないか十分に検討します。
また,薬物療法を行う前に卵子(もしくは卵巣)や精子の保存をするため,治療開始を遅らせることがあります。この際もがんの治療に影響がないか十分に検討します。
鹿児島県がん・生殖医療ネットワークでは,がん患者さんが化学療法や放射線療法を受ける前に,妊よう性の温存についての相談を希望される場合,専門医が相談及び県内の施設の紹介などを行っております。
鹿児島県では,将来子どもを産み育てることを望む小児・AYA(思春期・若年成人)世代のがん患者等の方々が,希望をもってがん治療等に取り組めるよう,将来子どもを出産することができる可能性を温存するための「妊よう性温存療法」及び妊よう性温存療法により凍結した検体を用いた「生殖補助医療等」に要する費用の一部を助成します。
なお,本事業は国の「小児・AYA世代のがん患者等の妊孕性温存療法研究促進事業」を受けて実施します。
※事業内容等については,こちら(鹿児島県小児・AYA世代のがん患者等の妊孕性温存療法研究促進事業)でご確認ください。
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