更新日:2024年1月19日
ここから本文です。
日時:令和6年1月19日(金曜日)午前10時00分~午前11時48分
場所:5階記者会見室(県庁5階)
「ムーブかごしま」からもご覧いただけます。
(広報課)
ただ今より,知事の定例会見を始めさせていただきます。
会見の円滑な進行のため,数値の確認等の詳細事項につきましては,追って担当課に御確認くださるようお願いいたします。
それでは幹事社の方,進行をよろしくお願いいたします。
(幹事社)
本日もよろしくお願いいたします。
まず,始めるに当たってのお願いです。発言される方は挙手をしていただいた上で,お近くのマイクを使って社名とお名前をおっしゃっていただくようお願いします。携帯電話はマナーモードの設定をよろしくお願いします。
知事から発表事項があるということですので,よろしくお願いします。
(知事)
今日の発表事項でございますが,県立夜間中学校の校名についてでございます。県教委におきまして,この新しい県立夜間中学校の校名を「いろは中学校」という方針を決定しました。
この選定理由としては,教育委員会の方で,生徒の希望に応じて基礎からでも丁寧に学べることが表せることなどとしております。来月4日には,夜間中学シンポジウムを開催する予定であり,こうした機会を捉えながら夜間中学の周知をするとともに,開校準備を進めていくことしております。発表事項は以上でございます。
(幹事社)
それでは,発表事項に関して質問のある方はお願いします。
(記者)
夜間中学の名前が「いろは中学校」と決まったわけですが,公募した中から6案がネット投票で絞られて,その中の1つとして,いろは中学校というのが上がってきたと思います。郷中教育の精神といわれる日新公(じっしんこう)いろは歌から取ったと伺っていたのですが,この名前が決まったことについて,名前に対する知事としての印象といいますか,所感があれば教えていただきたいということ,もう1点,他県では不登校の学齢期の子どもたちを受け入れる不登校特例校というのも同時に併設するような所もあるのですが,今のところ鹿児島の方ではそういった不登校特例校というのは,今後想定はされていないのかどうかという点の2点について教えていただければと思います。
(知事)
この校名ですが,当初,公募でいろいろ募集して,その中から6点を選定して,またネット投票等を行って,教育委員会の方で決められたということであります。
その中で,先ほど申し上げたようにいくつか「いろは中学校」「開陽いろは中学校」などいろいろあったわけですが,その中で基礎から丁寧に学べるという本来の夜間中学校の趣旨にも合った名前であるということ,また日新公いろは歌というのもあって,「いろは」ということが県内においてもある程度親しみを持って,学びの場としてそういった精神もあるというようなことから,「いろは中学校」ということで,皆さんにも平仮名で覚えやすい,親しみやすい名前になったのではないかなと思っております。
また不登校特例校については,それは別の課題として,基本的には市町村の方の検討事項として検討していただく必要があると考えておりますので,この今回の県立夜間中学校との併設ということについては,現在予定はしておりません。
(記者)
もう1点だけ追加でお聞きしたいのですが,夜間中学校が今回鹿児島市の開陽高校の中に開設される予定ということで,来年の春の開校を目指すわけですが,鹿児島県内ではやはり離島や大隅半島のそういった方たちはなかなか,やはり夜間中学に通うというのは非常に困難ではないかという点があるのですが,今後,将来的なことになるかとは思うのですが,そういった離島や大隅半島の方たち向けに,分校なり夜間中学をもう1校という形で何か開設されるということについてのお考えは,今のところお持ちでしょうか。
(知事)
夜間中学のニーズというのがどのくらい,どの地域にあるかということに応じて,今後,まずは1校目のこの夜間中学校を開校して,そこでいろんな御意見があれば,また踏まえて,市町村とも相談しながら,必ずしも県立である必要もないと思いますので,その辺は相談しながら進めることになろうかと思います。
(記者)
今の校名について,6つの案の中からインターネット投票で最多の得票を「いろは中学」が得たというわけではないですね。
(知事)
ではなかったように聞いております。詳細な数字までは把握しておりませんが。
(記者)
では,インターネット投票や準備委員会での意見を踏まえて選定されたと。
(知事)
はい。教育委員会の方で選定されたということです。
(記者)
入学者は何人くらいを見込んでいらっしゃいますか。
(知事)
何人だったか,ニーズ調査をした人数では,たしか教室が2クラスか,3クラスでしたか。
(記者)
教室を3クラスですか。
(知事)
3クラスですね。1クラス何人くらいですかね。
(義務教育課)
1学年12人ぐらい。
(知事)
1学年12人だと,掛けるいくつぐらい,36人ぐらいになるのですかね,ということです。
(記者)
入学者の募集方法,募集人数は今のところは設定はされていますか。
(知事)
募集人数というのは,特に設定はしていないですかね。
(義務教育課)
はい,36人ぐらい。
(記者)
募集方法は今からですか。
(知事)
今からです。
(記者)
県内初の夜間中学校になると思いますが,どんな学校にしていきたいでしょうか。
(知事)
夜間中学校というのが,これまで学びの機会を逸した,学び直しをしたいという方々で,年齢あるいは職業など,いろいろ幅広い方が集まってこられると思いますので,そうした多様な皆さんが楽しく,安全にまた学び直して,その後の人生を歩む上での役に立つといいますか,そういった学びの場としてしっかりとした場の提供ということができるような,そういう学校になればいいと思います。
(幹事社)
ほかに質問はありませんか。
では,続きまして県政一般についての質問に移ります。まず最初に川内原子力発電所関連以外の質問とし,その後に川内原子力発電所関連の質問とさせていただきたいと思います。
では,各社から質問をお願いします。
(記者)
能登半島地震関連についてお伺いいたします。まず発災直後から,鹿児島県内からも医療関係者や県あるいは自治体の職員等が順次派遣されているところでありますが,県内からの現時点での人員あるいは物的な派遣状況について,把握されているところをお聞かせください。
(知事)
当初能登半島地震が起きてから,近隣の県を中心に人的支援・物的支援を行っていたところでありますが,本県からの支援としては,災害派遣精神医療チーム,いわゆるDPATが1月10日から,そして災害派遣医療チームDMATが16日から派遣されております。また,避難所等での健康相談等に応じる保健師チームを19日,今日ですね,派遣しております。
今後は,22日から漁港の被害状況を確認するための職員を派遣することとしております。また,避難所運営や住宅の危険度判定職員等を,政府あるいは全国知事会を通じて要請があれば派遣するように準備をしております。
(記者)
先ほど「知事会を通じて」というお話がありましたが,まもなく3週間がたとうとしている中で,現地での避難生活の長期化や災害関連死の疑いなども報道が出ております。今後,県として何か積極的に力を入れていく支援の分野など,お考えがありましたらお聞かせください。
(知事)
支援の分野,力を入れるといいますか,これは本県単独で個別にということではなくて,国を挙げて取り組むべき大きな課題であります。その支援に当たっては,個別ばらばらに自治体や企業が行うというよりは,政府の方でしっかりと現地等の情報を収集した上で必要な支援を行っていくということが基本であると思っておりますので,知事会と政府の方でも調整して,物的支援・人的支援等については,一元的に内閣の方で調整窓口を設定する。あるいは,個別の各関係省庁から,知事会あるいはそれぞれの医療関係の団体等を通じて要請があるものに応えていくということが基本であります。
そういった観点で,先ほどのDMAT等の派遣を県としても行っているわけでございます。また,その他の支援の対象としては,今後また物資の供給あるいは二次避難としての住宅の提供といったようなことが想定されますので,そういったことについては県としてもしっかりと準備しつつ,またこういった支援の用意があるということは,政府及び関係機関には伝えているとこであります。
(記者)
県内に話を移しますと,県内も2つの大きな半島を抱えているということと,離島を多く抱えていますので,もし仮に大規模災害が起こったときに,県内の避難及び高齢者の安全をどのように確保するかということは,同様に課題になっているのではないかと思います。
まず,県内には大規模災害に係る安全対策・防災対策はどのような現状であるとお考えでしょうか。認識についてお聞かせください。
(知事)
防災ということでは,それぞれ防災の避難計画等それぞれの市町村を中心に策定していると思いますが,それぞれいろんな,実際に災害が起きた場合には予想し得ないような,想定外といわれるようなことも起こり得るということを前提に,もう一回今回のような地震の状況等を見て,本県のインフラあるいは道路の状況等,防災面での改善すべき点がないかというようなことは,普段の見直し等あるいは住民の皆さんの防災意識といいますか,そういったことについても,しっかりとまた再確認していく必要があると思っております。
(記者)
具体的な取り組みの予定等はありますでしょうか。
(知事)
現時点で個別に,今回の地震を踏まえた形での取り組みということは予定しておりませんが,また,県の総合防災訓練等もございますし,そういったことの中で,また見直しをしながら検討していきたいと思っております。
(記者)
来月,令和6年度の新年度予算案が議会を通じて提示されることになるかと思いますが,そちらの中に,この能登半島地震を受けて,県内の防災に関して予算を拡張する,あるいは新規に予算を組み込むなどの能登半島地震関連の予算の検討などはされていらっしゃいますでしょうか。
(知事)
特に,まだ地震が起きて2週間で,全容もまだ明らかにはなっていない中でもありますので,特にこれを踏まえた形で,県として何か対策を新たに盛り込むというようなことは,今のところは予定はされていないと思っております。
(記者)
今の関連でお伺いしますが,新年度予算案が間もなく提示されるということになろうかと思いますが,次年度の予算というところで,どのようなところが予算のポイントになるとお考えでしょうか。
(知事)
コロナが,昨年5月8日に感染症法上の位置付けが5類に見直されて,経済社会活動が活発になる一方で,海外の情勢が不安定な中でのエネルギー価格の高騰あるいは様々な資材価格・物価の高騰,こういったことに対しての,そういうことも踏まえてコロナ禍からの景気の回復,こういったものをしっかりとしていくというようなこと,また将来に向けて本県の基幹産業である農林水産業・観光関連産業の更なる振興や中小企業の稼ぐ力の向上といったようなこと,そしてまた人材の確保・育成や,結婚,妊娠・出産,子育てしやすい環境整備といったような,かごしまのビジョンに掲げているような施策の推進といったようなことに重点的に予算配分していくということで,今作業をしているところであります。
(記者)
県政全般に係る予算ですので多方面にわたるかと思いますが,知事の思う例えばここがポイントというような,何か絞れる部分,柱になるような部分はありますでしょうか。
(知事)
今申し上げたことの繰り返しになるかと思いますが,コロナ禍からの早急な景気の回復に向けた支援,そしてまた稼ぐ力の向上,そして将来に向けた人材の育成・確保というようなことで,結婚,妊娠・出産,子育てしやすい環境整備等に力を入れていきたいと思っております。
(記者)
最後に予算規模についてお伺いしますが,今年度と比べて,新年度予算というのはそれよりも更に大きな額になりそうな見通しでしょうか。
(知事)
全体の規模はまだよく分かりませんが,国体やコロナといった大きな部分というのが変わるということになろうかと思っております。
(記者)
私も来年度予算について伺いたいのですが,今のお話ですと,稼ぐ力の向上,経済対策,人材確保・育成の二枚看板みたいなイメージを想定されているのでしょうか。
(知事)
県政も課題が非常に多岐にわたりますので,それぞれ重要な課題があるので,そういったことについての予算というものを検討していく必要があろうかと思いますが,基本となるのは,やはり経済対策としての景気のコロナ禍からの回復と稼ぐ力の向上ということは,持続的に行っていく必要があると思っております。
それと,県民の皆さんの暮らしということをしっかりと支えていくということ,その中で少子高齢化が進行する中での子育て支援ということは重要な課題だと思っております。
(記者)
人材確保・支援の問題意識を詳しく伺いたいのですが,おそらく人がいないことには世の中回らないという側面があろうかと思いますが,知事はその辺はどのようにお考えなのでしょうか。
(知事)
やはり今県内でも,いろんな所,どの業種・地域でも,「とにかく人手が足りない」と,こういう声が多いわけです。それは少子高齢化あるいは人材の県外への流出といったようなことがあるわけでありますが,経済・地域を支えるには,やはり担い手である人材が不可欠ということかと思います。
そういった中で,生産性を上げて省力化をしていくというのが一つの流れかと思いますし,また,県内の人材を県内に定着させる,あるいはUIターンなど外部からの人材に来ていただく,そしてまた分野によっては外国人の活用と,こういったいろんな対策があるかと思います。県としても,こういったことをしっかりと支援していきたいということ。
それと長期的には,やはり少子化対策ということも必要になってきますので,そういった意味での子育て支援というようなことも重要になってくると思っております。
(記者)
子育て支援についてですが,これまで議会答弁の中で,乳幼児医療費の現物支給の関係,割と前向きな答弁をされてきたのかなと思っていますが,来年度予算に向けて,現状はどんな状態か教えてください。
(知事)
今申し上げた,中長期的に鹿児島県においての人材確保のためには,少子化対策にしっかりと取り組む必要があると思っておりますが,そういった中での子育て支援ということは重要な課題だと思っております。
子育て支援といったときには,いろんな対策があり,要因も様々だと思います。結婚・妊娠・出産,子育てしやすい,そういう社会ということを考えたときに,結婚の支援,あるいは若い方々の経済的な部分,その他に医療的な部分,いろんなものがあろうかと思います。様々多岐にわたる子育て施策の中の1つとして,今御指摘の医療費の問題があると思います。これまで鹿児島県においては,本当に重篤化しかねない,そういう経済的に非常に厳しい状況にある非課税世帯について,高校生までを窓口負担ゼロということで対策を講じてきたところでありますが,これまで非常に多くの方々からこの現物給付方式,「課税世帯に対しての現物給付方式を実現してほしい」という声が挙がっていたわけであります。
ひとつには,三師会なども一緒になって,子ども医療費窓口負担ゼロ実行委員会という団体で,約7万人ぐらいでしたか,県内外からの署名を集めて要望もいただいたり,あるいは医師会・薬剤師会・歯科医師会いわゆる三師会からも強い要望をいただき,また先般も市長会から,これまでも従来からもいただいておりましたが,先般も子ども医療費についての要望・照会などもいただいております。
また,これまで県議会での代表質問等でも何回か私自身,子ども医療費,この課題についての現物給付方式にというような御要望,各方面から非常に多くの要望をいただいておりまして,こういった要望を受けて,先般から議会の方でも子育て環境をより良くするという観点から,現物給付方式等についての対策をどうするかということを検討するということにしておりましたが,現在,こうした課税世帯に対しても現物給付方式を導入することができないかという方向で,今検討をしているところでございます。
また対象年齢等,まだ様々論点がございますので,依然として厳しい本県の財政状況等を勘案しつつ,持続可能で安定的な継続できる制度になるように,慎重かつ丁寧に,今見直しの内容について検討を進めているところであります。
(記者)
「中学生まで適用すべき」というような要望もあったかと思いますが,適用範囲はこれからという理解でいいのですか。
(知事)
そうですね,乳幼児まで,未就学児まで,小学校まで,中学校まで,あるいは高校と,いろんな段階が考えられますが,子育て政策全体に対して,どのように予算を配分するかというようなこと,ここをよく見極めつつ検討する必要があると思っております。
(記者)
それでいえば,課税世帯の乳幼児というのが一つ適用範囲の最低ラインとして存在するのかなと思うのですが,知事は最低限カバーすべき範囲はどこだと考えますか。
(知事)
1つは未就学児のところというのが,やるとすれば未就学児をしないで小学校,中学校ということではないとは思いますので,他県を見ても「まずは未就学児から」ということで,未就学児プラスどこまでいけるか,ということが考え方の基本かなと思います。
(記者)
そこは財政状況,他の施策との勘案で検討すると。
(知事)
財政上の,どれくらいということと,あるいはニーズがどれくらい,小さな頃のほうがやはり医療費,病院に行くのは多いなど,いろんな状況を見ながら検討しているところであります。
(記者)
導入の方向で検討ということですが,来年度予算に反映されるのはどういった形,来年度からスタートというふうに。
(知事)
これは方向性を決めてから即,すぐ導入できるというものではありませんで,方向を決めた後に,各市町村の方でも条例の改正あるいはシステムの改修,周知期間や受給者証などいろんな手続き等がありますので,これまでのいろんな例でいきますと,やはり1年半から1年数カ月ぐらいはかかっているというのが,これまでの実態ではあります。
(記者)
ということは,単純にカウントしていくと,令和7年度の途中からスタートということでよろしいですか。
(知事)
その辺はまだはっきり日程はどれくらいか分かりませんが,一定の期間というのが必要になると考えております。
(記者)
では,早ければ令和7年度スタートという理解でいいですか。
(知事)
ですかね。今ちょっと計算があれですが。
(記者)
1年半ということはそういう勘定になるのですが。
(知事)
1年半からまだもう少しかかる場合もありますが。
(記者)
早ければですね。
すると来年度は,県として予算計上されるのは,システム改修など,その辺のことになってくるということになるのでしょうか。
(知事)
システム改修までいけるのかどうか,そこら辺もまだよく分かりません。
(記者)
いずれにしろ,何かしら予算を計上されますよね。
(知事)
まだ,どうでしたか,確認をして,それは予算発表の時にしっかりと御説明したいと思います。
(記者)
医療費の現物給付は,鹿児島が遅れている状況というのをどのように現状認識,受け止めていらっしゃいますか。
(知事)
いろんな考え方,それぞれ各県によって違いますが,鹿児島県の場合には,非課税世帯で本当に医療を受けたいけれども受けられないという人がいないようにということで,限られた財政の中で,非課税世帯については高校生まで,本当の意味での窓口での負担ゼロということでやっております。他県においては現物給付方式ではありますが,1回当たりいくらかお金をいただくというようなケースが多いわけです。非課税世帯も含めて,そういった対応をとっている県が多いわけですが,本県の場合は非課税世帯に限って,しっかり手厚く支援するという方向でこれまでやってきたわけであります。
ただ,こういった部分だけではなくて,課税世帯においても安心して医療を受けられるようにということで,子育てしやすい環境ということを実現してほしいという要望等を非常に多くの方々からいただいておりますので,そういったことを踏まえて,今回そういった課税世帯についても財源をしっかり踏まえながら検討していきたいということであります。
(記者)
これは当然のことの確認ですが,早ければ令和7年度からということになろうかと思いますが,県内一律,制度的に一斉スタートということになるのですか。
(知事)
そうですね,そこは県内一律でということになろうかと思います。
(記者)
現状,各市町村が既にいろいろ制度を持っている所もあろうかと思いますが,それは自治体ごとの上乗せ措置というような理解になってくるのですか。
(知事)
上乗せということではなくて,県としてしっかりとその分について負担する,必ずしも医療費については,今も償還払い方式で返ってきているわけですから,これが何か更にプラスでもらえると,そういうことではないですね。給付方式が変わるということで,その分の給付対象や給付額が増えるというのがこれまでの経験としてはあるということですね。
(記者)
現状,非課税世帯でいえば,高校生までカバーしているわけですが,そこの不利益変更はあり得るのですか。
(知事)
今のところそれは考えておりません。
(記者)
そこは変わらないわけですね。
(知事)
はい。
(記者)
全然違う話ですが,先ほどの半島防災の関係です。現状,県からも人の派遣が進んでいますが,予算のことはあろうかと思いますが,現地で得られた知見を鹿児島県にどうフィードバックしたいとお考えでしょうか。
(知事)
東日本大震災あるいは九州北部豪雨や熊本の地震,いろんな災害がずっと起きてきているわけですが,そういった場合に派遣された職員が現地でさまざまな業務に携わるということは,本県の防災の将来何かあったときのための経験として役に立つものだと思っておりますので,そういった観点からも現地の状況等については見てきて,そういった機会を得られるということは有益なことだと思っております。
(記者)
例えば報告会などをオープンな形で開きたいと,何かそういったお考えはないですか。
(知事)
特にそこまでは今予定はしておりませんが,いろんな知見については,防災の部局等では共有するようなことは考えていきたいと思います。
(記者)
子ども医療費関係で質問です。今,窓口負担に関しては非課税世帯の高校生まで無料化されていると思いますが,課税世帯については,自己負担額の支払いを求める考えなのでしょうか。
(知事)
そこも含めて,どういうふうな制度設計にするかということは検討していきたいと思っております。多くの他県の例を見ても,一定の自己負担を求めているというケースも多いようですので,そういったことも全体の財政への負担がどうなるかということにも関わってきますので,いろんなバリエーションがあろうかと思いますが,そういったことも含めて,様々な可能性を検討しております。
(記者)
農政関係で2つ質問させていただきます。今月下旬にも,通常国会で食料・農業・農村基本法の改正案が提出されますが,知事の受け止めをお願いします。
(知事)
食料の安全保障というのが今,非常に大きな国政上の課題になっているということでありまして,今後の食料をどのように確保していくかという観点から非常に重要な法案だと思っております。農業の産出額が全国第2位の本県においても,やはり今の飼料価格や肥料価格の高騰,その資材価格等が高騰する中で,食料品の価格がなかなかコストが回収できないという中で,適正価格をどのように実現していくかといったようなさまざまな課題がありますので,そういったことについて国の方でのそういった法案やいろんな制度改正,支援策,こういったものが本県の農業にとっても重要なものになってくるのではないかなと思っております。
(記者)
先ほども知事がおっしゃったように,今回の改正が,食料安全保障の強化というのが柱になっていますが,現在鹿児島県内では高齢化による農家の減少,また産出額では全国2位になっていますが,生産農業所得の産出額に占める割合は全国最下位と課題を抱えています。食料供給基地を維持するために県として,今後重点的に取り組みたいこと等があればお考えをお聞かせください。
(知事)
やはり担い手を確保して,今後本県が持続的に食料供給県としての位置付けで責任をしっかりと果たしていくためには,やはり農業でしっかりと稼いでいける,こういったことを実現していくことが必要だと思っております。
そのためには,やはり販売数量,生産量を確保するための生産基盤の強化ということが必要だと思っております。そしてまた輸出も含めた販路開拓を打っていく。あとはコスト面での,できるだけコストを下げていくようなスマート農業等の実現という,こういうことと,付加価値を高める努力をするということかと思っております。
(記者)
今おっしゃっていただいた担い手確保,生産基盤の強化,スマート農業に対して,県として何か具体的に取り組んでいること等があるのでしょうか。
(知事)
いろんな国の制度等も活用して,畜産クラスター事業等で増頭した農家に対しての支援や,スマート農業でいえば,いろんな事業への支援といったようなことは,これまでもやっております。また販路開拓についても様々な展示会等において鹿児島の産品の販売,あるいは輸出商社の支援をして,輸出の拡大を図っていくというような様々な取り組みをしてきております。
(記者)
販路開拓について,今年に入ってベトナム・香港・シンガポール,あとマレーシアもでしたか,県産食材のレストランやPR活動をされていますが,狙い・手応え・現地の反応はいかがなものだったのでしょうか。
(知事)
詳細なところは,まだ私自身直接は聞いておりませんが,いろんな所で鹿児島県の食材について,例えばベトナムでは「カンパチなどの水産品について非常に反応が良く,また和牛についても非常に柔らかくて人気があった」という話を聞いておりますし,「金柑なども贈答品用として非常に魅力のある商品だという評価をされている」ということは聞いております。
(記者)
スタジアム関連ですが,年頭会見でもお聞きしましたが,県としては今,市に対して示している課題を時間軸も考えて早急に対応策・解決策を示してほしいという認識で変わりないですか。
(知事)
はい,そうですね。やはり年頭の会見の時にも申し上げたように,鹿児島ユナイテッドがJ2に昇格したということで,これからどういうふうなことになるかはまだ分かりませんが,J1に昇格するという可能性もあろうかと思いますので,そういったときにライセンスとの関係でスタジアムをどのようにしていくのかということが出てきますので,やはり時間軸ということを考えながら,今,目の前にある課題,これについての検討ということをしっかりと早くしていただく必要があると思っております。
(記者)
整備の可否についても,まだ具体的にどうという計画が分かってきていないので,県として「良い」「悪い」という段階にないという考えということ。
(知事)
はい。
(記者)
整備の可否ということを示す場というのを,新年度以降に設ける可能性はどうですか。
(知事)
スタジアムをというか,今,本港区エリアの利活用の検討委員会を実施しておりますので,ここでのゾーニングあるいはエリアコンセプトプラン,これが出てきて,実際にそれぞれのエリアをどのように開発していくかということを検討する何らかの検討の枠組みなどを作っていくことが必要かと思っておりますので,そういった中で今,鹿児島市が北ふ頭ということを念頭に構想を検討したいということでありますから,北ふ頭でのいろんな施設整備をどのようにしていくのかというようなのを検討する,そういった枠組み,あるいはそれが北ふ頭だけなのか,本港区エリア全体でやるのか分かりませんが,そういった中で改めて施設をどのようにするかということは議論がなされていくということではないかと思っております。
(記者)
ただ,それも計画が出てこないと,いつするといった,新年度にそれが入ってくるというのは今の段階では言えないという感じですか。
(知事)
そうですね,やはりそこで具体的に考える際にも,どういったものを造るのかというものがないと,なかなか別のアイデアがあったときに,どちらが良いのかというような比較も難しいかなと思いますね。
(記者)
能登半島地震の関係で,知事の考え方を聞きたいのですが,今回の地震で能登半島の道路の寸断等が非常に激しくて,物資の輸送や安否確認,こういった救助作業に支障が出るという問題があったかと思います。同じような規模の地震が鹿児島県内で起きた場合,こういった似たような問題が生じる恐れがあると考えていますか。
(知事)
そうですね,本県において道路が,この前の奄美大島での豪雨の時にも瀬戸内の方の久慈地区ですかね,一部孤立集落が出たというようなこともありますので,そういったインフラが使えなくなった場合の集落が一部孤立するということは,そういう可能性はあろうかと思います。
(記者)
鹿児島の地理的な特徴を考えた場合に,能登半島と全く一緒とは思いませんが,鹿児島県も薩摩半島・大隅半島とあります。こういった地理的な特性を考えたときに,ことさら鹿児島県内で同じようなリスクが高いというような,その辺はどう考えていますか。
(知事)
どうですかね,地域によっていろいろあるかと思いますが,大隅半島の方でも南大隅町の方に行くとき,あるいは錦江町の辺りで海岸線の通りがあり,また今整備している大隅縦貫道,ここが2つとも駄目になった場合に,辺塚の方に抜ける道は非常に細くて,物資の供給をするのに十分な道路かどうか,あるいは幸いにも三方を海に囲まれていますから,海上輸送で対応できるのかどうかと,以前にも鹿屋の基地から,戦後すぐの時代には鹿屋から内之浦の方に船で物資を輸送したというようなことも聞いたことがありますので,いろんな可能性あろうかと思いますので,そこら辺はどこがどういうふうに,どこまであるのか,3本ある道のうちの2本がふさがったり,3本ともふさがるのかと,いろんな状況があろうかと思いますが,やはり集落で孤立する所が出てくるという可能性はやはりあると思いますし,それは半島だけではなくて,山間部などいろんな地域でもそういったことはあり得るというふうに考えて,いろんなことを想定しておく必要があるだろうと思います。
(記者)
半島や中山間地域と,地域の条件によっていろいろかとは思いますが,これまでも豪雨のときに発生している集落の孤立を防ぐためには,どういう対策が必要だと考えますか。
(知事)
孤立しやすい場所がどこかというのがもし分かっているのであれば,孤立したときのための備蓄等の備えをしておくということも一つの方向だと思いますし,道路について寸断された場合の道路警戒をどのように進めていくかというようなシミュレーションは,県・国一緒に検討しておく,あるいは代替輸送やヘリ・空輸を使うなど,いろんな可能性ということは考えておく必要があるのではないかと思います。
(記者)
今回能登半島地震ではそうでしたが,高齢化率が非常に高い50%前後の自治体で被害が拡大したという面があったかと思います。高齢化に関連して人口減少もそうでしょうが,そういった流れが進む中で,コミュニティーの担い手も十分ではない状態の地域が増えているのではないかとは思いますが,災害時における住民による共助の仕組みは,現状鹿児島県内において困難になっているというような,その辺の認識について教えてください。
(知事)
昔に比べれば,そういった共助というコミュニティーの力は,必ずしも十分ではなくなってきている部分はあるかと思います。消防団の人員の確保等も昔に比べれば厳しくなっているような所もあるようには聞いております。また,今の高齢化率でいいますと,本県においても半分くらいまできている所もありますので,そういった所での災害が発生したときに,どのように復興に向けて,あるいは災害からすぐいろんな救助活動等をしていくかということは,そこの地域だけではなかなか難しいところがあろうかと思いますので,そういったときには外部の力をいかに借りるかということになろうかと思っております。
(記者)
地域の対応力が落ちてきているということを踏まえると,外部からの力を借りる,支援を借りる体制を作ることが一つの対策だと思うという趣旨かと思いますが,外部からの協力を得る,協力を借りるというのは,もう少し具体的にいうと,例えばどんな方法を考えていらっしゃるのですか。
(知事)
まず災害が起きたときには,やはりまず最初のときは食料ですね,おにぎり・パンといった,政府の方でもプッシュ型支援をしていただいております。それとあとは毛布・水・最近では仮設トイレ,こういった物資の補給ということがあろうかと思いますので,この部分については国の方から自衛隊等も含めた協力ということが必要だと思っております。その後の災害家屋・災害廃棄物等いろんな問題も出てきますが,そういったことについては,今私どもも派遣しておりますが,各自治体の職員や災害ボランティア,そういったことの力を借りるということではないかと思っております。
(記者)
最後に,過疎地の基礎自治体における災害対応能力,ここについて課題があると考えているのかどうかというのと,そこに課題があるというのであれば,県としてはどういう支援をしていきたいかというところを教えてください。
(知事)
やはり過疎地になりますと,自分たちだけでいろんなことができないということで,役場も非常に大きな災害が起きたときには,いろんな対応が非常にやることが多くて対応できない部分がありますので,そういったところについては,県が一定の行政機能というものを果たす必要があると思っております。その他には,国等の支援を受けながら必要な物資の支援等も行っていくということではないかと思います。
(記者)
今おっしゃった「県が一定の行政機能を果たす必要があると思う」という,この一定の行政機能というのは,具体的には人の派遣,職員の派遣,そういったイメージでしょうか。
(知事)
そうですね。やはり現地に行ってやることが,避難所の運営や今も起きていますが倒壊したあるいは倒壊しかかっている家屋の危険度判定をしたり,災害に関しての罹災証明の発行等,いろんな事務が出てきますが,そういった面での役場の手が足りなくなりますから,そういった点についてはむしろ市町村の方が事務に精通しているところがありますから,その被災地以外の市町村の職員に協力を求めるところもあろうかと思いますが,そういったいろんな人の運営等については県の方で,政府との関係でのやり取り等,いろんなことをやっていく必要があるかと思っております。
(記者)
そういったいろいろ発生する事務に対応するために職員を派遣して,県から当該現地に対して人を派遣してというのを,当然そういうふうにできればいいと思いますが,今回の能登半島地震で起きたこととしては,そもそも道路等が寸断されてなかなか現地に行けない,つまり職員を派遣しようと考えてもそれがなかなか難しいというような現実があったのではないかと私は思いますが,今回のそういった災害を見て知事として思うところがあれば教えてください。
(知事)
災害はいろんなパターンがありますから,できるところでどこまでというのがなかなか想定しにくいところがありますが,今回のような現地になかなか行けないという場合の,そこはただ最初のうちは県の職員が行ってということではなく,また物資の支援等そういった人命救助ということであれば,自衛隊なり消防・警察というところが,まず入っていくということかと思いますので,その後の事務的ないろんな対策ということは,一定の期間をおいた後にまた再開するということかと思いますので,その辺状況を見ながら,個別に臨機応変に判断して対応していく必要があると思っております。
(記者)
馬毛島についてお聞きします。基地の着工から1年がたちましたが,今地元自治体として,どんな課題が現れていると考えているか教えてください。
(知事)
1年たって,これまで工事が始まってから,地元の皆さんからいろいろ御意見等をお伺いして,政府の方にも要望をしてきておりますが,一つは作業員の皆さんの宿泊をどう確保していくのか。そのことに伴う一般の宿泊施設の利用というものが困難になって,観光への影響が生じるのではないかと,そういった懸念です。
それから多くの方が入ってくるということでの環境面での影響といいますか,廃棄物処理の問題ということもありましたし,あるいは道路交通の渋滞あるいは交通事故やさまざまなトラブル,そういった治安といいますか,生活環境といいますか,そういったものへの懸念。
あるいは人手不足に対応しての,農業・建設業・漁業の方が,本来の生業ではない方に人材を取られることによる地域の産業・経済への影響というものが懸念されるといった,そういったようなことが主な懸案事項として地元の方からもお伺いしてきております。
そういったことを踏まえて,私も国の方へ行きまして,防衛省に対して,さまざまな要望をして,一定の協力をしていただいていると思っております。
(記者)
今,そういった地元との情報収集やコミュニケーションは,現場の方たちの連絡会でされていると思います。前もお聞きしましたが,知事が当初,首長が集まって協議会のような形で議論する場を設けたいとおっしゃっていたと思いますが,今もその設けたいというお考えに変わりないかということと,そういった協議会の場にどのような役割を期待しているかというところを教えてください。
(知事)
当初,協議会という形で県と地元の1市2町との間で,そういった状況についての意見交換や課題についての共有といいますか,対応をどうしていくかということをできればと思って,「協議会を」ということを申し上げていたところですが,なかなか地元の方のお考えが違うところがあって,まとまらないということで,なかなかこれは実現が難しいという状況が続いております。
そういった中で,連絡会という形での,情報を個別にお聞きしたり,あるいは一緒に事務的なレベルでの情報共有をしたり,あるいはまた1市2町以外の関係の経済団体やいろんな関係団体,こういったところにお話をお伺いしたり意見交換をしたりというようなことで,先ほど申し上げたような状況の把握に努め,またそれぞれの対応を検討してきているということで,そういった形で実質的には所期の目的といいますか,そういったことはできているのではないかなと思っております。
(記者)
地元の首長さんたちに話を聞くと,やはり知事が当初おっしゃっていたような首長が入っての協議会というのは,やはり今でも設けた方が良いという意見や設けてもらえれば参加したいという意見が出ているのですが,現状,その設立に至っていないのは,どういったところに原因があると考えていらっしゃいますか。
(知事)
参加したいというのは。
(記者)
もし協議会ができれば,首長さんたちも参加したいし,そういう場があるとありがたいという意見が結構あるのですが。
(知事)
結構というか,3人しかいないです。
(記者)
はい,お三方とも,私たちの取材ではそういったお答えをいただいているのですが。あと,環境が整えばという条件付の方もいらっしゃいました。
(知事)
その環境が整えばというのが,なかなか整っていないのではないでしょうか。
(記者)
そこは,馬毛島がある西之表市が賛否を明確に示していないので,方向性が分からないというところが一番原因に。
(知事)
と聞いていますね。だからそういった西之表市の状況を踏まえると,他の自治体としては一緒にはやれないという,そういうことがずっと続いているということなので。
(記者)
知事も理解せざるを得ないと容認を表明されてから1年以上たちましたが,西之表市がその後賛否を1年以上表明しないというのは,そこは想定していなかったなという感じですか。
(知事)
そうですね。たしか八板市長もそろそろ判断すべきだと言っていらしたような気がするのですが。なかなかそこは進んでいないということですね。
(記者)
そこの判断が,西之表市が示されれば,協議会設立に向けては,動き出すのではないかと考えてよろしいのですか。
(知事)
そこはよく分かりませんが。2町がどういうふうにお考えになるかは。
(記者)
あと,今想定されているのは,地元の1市2町の首長さんと,知事もそこの協議会に参加してという形を,もし実現すれば考えていらっしゃるのですか。
(知事)
まぁ,そうですね。首長の集まりであれば一緒にと。
(記者)
課題を議論したり,共有したりという場にしたいということですか。
(知事)
はい。
(記者)
まず県内の観光客についてですが,観光消費額が国内で初の5兆円を超えたと思いますが,県内の状況について知事の所感を教えてください。
(知事)
観光消費額がその5兆円のうちの鹿児島県がいくらかというデータは,私も今把握しておりませんが,昨年の1月12日から韓国のチャーター便が再開したときに,インバウンドの方々の観光消費額は従来に比べると多くなっているというようなことは,観光事業者の方からよくお伺いはしておりますので,そういった意味でインバウンドが増えているという中で,観光消費額も増えてきているのではないかなと思っております。
また,県内の観光施設なども,コロナの時には非常に厳しい状況であったようでありますが,最近では割とお土産品なども,これはインバウンドだけでなくて国内もそうでしょうが,ある程度回復してきているのではないかと思っております。
(記者)
コロナ前と比べるといかがだとお考えですか。
(知事)
コロナ前と比べると,単価がどうかというとたぶん上がっているような気もしますが,数量的に国内の宿泊客が11月の段階ではコロナ禍前の令和元年と比べると9割ぐらいになっていて,インバウンドは7割ぐらいということですから,まだ総額としてはコロナ禍前に十分達しているということではないのではないかなと思っております。
(記者)
総額としては達しないというのは,背景としてはやはり空港のグランドハンドリングの影響で国際線がコロナ禍前の水準まで回復していないと,そういう部分が原因になるのでしょうか。
(知事)
いろんな要因があると思います。国内でもまだコロナ禍の影響というものが多少あるのか,あるいは受け入れる宿泊等いろんな観光面でも人手不足というのが一つの要因で,フルに稼働することが難しい状況がある,そういう施設もあるように聞いております。あとはインバウンドの関係では,今御指摘のようなグランドハンドリングのところがまだ十分に確保できていないということで,コロナ禍前の路線というのが完全には回復していない,そういったこともあるのではないかと思っております。
(記者)
今,宿泊施設やグランドハンドリングの部分の人手不足ということですが,今後県としての支援については,予算の編成もありますが,どのように考えていらっしゃいますか。
(知事)
人手不足は,業種にもよりますが,なかなか県としてというのは難しいところもありますが,県としては,やはりいろんな就職面での県内に若い人が定着するということについての就職フェアなど,そういうようなことの支援,あるいはUIターンを支援するための東京での窓口の強化などもしておりますので,移住・定住促進,そういったことに取り組むことと,外国人の導入についても海外からのいろんな,ベトナムとの関係強化といったこともやっておりますので,引き続き,そういったことには取り組んでいきたいと思っております。
(記者)
能登半島地震についてですが,現地で物流が混乱したり産業活動に影響が出ていると思いますが,県内経済への影響は現時点で把握されていますか。
(知事)
まだ今のところ県内への影響ということは,特には聞いてはおりません。ただ,どうなのでしょうね,能登半島ではないですが,富山県の氷見が鹿児島県のブリの消費は非常に大きいと聞いておりますが,そういった面で消費面での影響があるのかどうか,そこはまだ,何かあるというのは聞こえてはきておりません。
(記者)
今後の懸念としても,今おっしゃっていた氷見のブリの取引のあたりでしょうか。
(知事)
そこは富山県の方はそこまで大きな被害は出ていないと聞いておりますので,そこまで大きな影響があるかどうか,その辺はよく分かりませんが。
(記者)
TSMCが来月開所で,今年度末から出荷が開始されると思いますが,県内産業への影響をどのように考えていらっしゃいますか。
(知事)
TSMCが熊本に立地するということで,九州全体の半導体関連産業というものに良い影響が出るということを期待しております。九州全体として,シリコンアイランド九州の復権ということに向けて,人材育成等一緒に取り組んでいきましょうと,こういうことでございますので,そこのところは良い影響が出ることを期待しております。
(記者)
現時点では,良い方向への影響が広がるのではないかというふうに知事としてはお考えということですね。
(知事)
そうですね。そういったことを期待したいと思います。
(記者)
まず能登半島地震に関連してですが,半島や離島の防災に関して,国の方に何かこういう支援・助成をしてほしいということは,知事は考えていらっしゃるのでしょうか。
(知事)
今,現時点でということは,災害が起きれば当然いろんな協力を国に仰がなければいけませんが,地震等が発生した時に今回のようなインフラの状況がしっかりと持続できるような形でのということであれば,これまでも道路の整備については,防災という観点からのリダンダンシー(冗長性)の確保,そういったことが南九州西周り自動車道についても,国道3号や九州自動車道がもし止まった時のための,迂回路としての代替道路としての役割・機能を発揮するという観点からの整備促進ということのお願いをしてきておりますし,そういった地域においての道路整備においては,しっかりとそうした災害時の単一路線ではない,迂回路等を確保するという観点からも整備をお願いしたりということもしております。また,重要港湾等についても耐震化に向けた工事等も今進めたりということをしております。そういったインフラ面での整備といったようなことについては,これからもしっかりと国とも連携しながら進めていきたいと思っております。
(記者)
氏名公表についてです。今回,死者に関しては石川県が,鹿児島県もそうですが,遺族の同意を必要としているということもあり,少し時間がかかっています。あと安否不明者に関しては,全容がなかなか分からないということもありますし,市町村等でいえば事務作業を,公表前の準備というところがなかなか追いつかないというところもあると思います。鹿児島県に置き換えた場合,この氏名公表に関して,今の鹿児島県の基準で何か課題と感じているところはありますでしょうか。
(知事)
安否不明者の氏名公表と死者についての氏名公表ということで,安否不明者については72時間以内に救命作業ということを迅速円滑にするという観点から,公表するということで政府の方での方針でもありますので,それを踏まえて,県としても同様な対応をすることにしているところであります。
一方で死者については,今回の石川県と同様に本県においても遺族の同意を得た上で公表するということにしておりますので,今のところはそういった方向で対応することとしております。国の方でまたいろんな指針等,今回のことも踏まえて何かお考えであれば,そういったことも踏まえて検討したいと思います。
(記者)
昨年度末,少し県の基準を変えたときに,例えば,個人情報の規程等に,そういう災害時の公表というのを使用目的として盛り込むべきであるという国の指針もあったかと思いますが,そこについては県で何か対応する予定はありますか。
(知事)
今,何か特段対応するとは,私は聞いておりません。
(記者)
別件ですが,公文書管理についてです。先日15日,第4回公文書管理委員会がありまして,公文書管理規程,知事部局以外の分について審議があったのですが,委員の方から結構厳しい意見も出まして,再検討という形になりました。この時は知事部局以外のことですが,学事法制課になると思いますが,事務局との連絡というか情報共有をもう少し密にすべきではないかという意見も出たのですが,この再検討となったことに関して,知事はどのようにお考えでしょうか。
(知事)
有識者の皆さんの御意見ということでありますから,それぞれ御指摘を踏まえて,しっかりと検討すべきところは検討していくということだと思います。
(記者)
そもそも,公文書管理というところに関して,全般に関していうと鹿児島県は,他県の状況をみると若干遅れているというところがあると思いますし,もともと公文書管理条例が昨年度できたのも,発端としては県議会からの政策提言というところ,流れとして県議会主導でできたというところがあると思うのです。県として,知事として,公文書管理というところに関して,どの程度重要性というか,思いを持って取り組もうとしているのかを教えてください。
(知事)
政府の方でもそうですが,やはり公文書管理というものが県のさまざまな施策を検討する上でのさまざまなプロセス,そういったものを明らかにしていく,そういう観点から非常に重要な文書であると思いますので,そういったところでしっかり保存なり閲覧なり,そういったことができるように整理していくということは大事なことだと思っております。また,議会の方からもそういった御指摘を踏まえて提言をいただいて,そういったことをしっかりと,これからまた取り組んでいきたいと思います。
(記者)
その公文書管理条例について,昨年度できて,全面施行は今度の4月からですが,現時点でこの公文書管理条例自体に何かしら修正すべき点がある,もしあれば例えば修正案を議会に出すと,そういうお考えは今何かありますか。
(知事)
特に今のところそういった話はないかと思います。
(記者)
もう1点,公文書館,いわゆる保管する設備についてですが,これは条例制定時は特に規定はされていなかったということですが,現時点の検討として何か進展はあったのでしょうか。
(知事)
特に進展はないと思いますね。公文書管理条例に基づいて,公文書がどれぐらいどういうふうな形で量があり,どういうふうに保管するか,その量・スペース,そういったことを考えた上でということになろうかと思いますので,まだそこの進展というところは特にないと思います。
(記者)
では,造る・造らないも含めて今後検討していくということでよろしいですか。
(知事)
そうだということですね。
(記者)
先日,デヴィ夫人と今井さんらが体育館の件で要望がありましたが,どのように受け止めていらっしゃいますか。
(知事)
デヴィ夫人ですね。来られて,最初は表敬と言っていたのが,急に街づくりについての意見交換というのがあり,私も少々,趣旨がよく分からなかったところがあるのですが,おっしゃっていたのが,「桜島の景観というのは非常に重要なもので,これをなんとか守るべきではないか。」「中学生・高校生しか使わない体育館に数百億円もかけて,これから少子化で子どもたちが減っていく中で,こういった体育館が必要なのか。」というような話や,「8千席もいらないのではないか。」「住吉の15番街区でいいんじゃないか。」「コンベンションだったらまだ分かるけど。」というようないろんなお話をいただきました。
ただ,そういったいろんな御指摘の点については,これまでも県内で3年くらいかけて,基本構想検討委員会や県民の意見募集など,さまざまな形でいただいていた御意見でもありますし,そういったことは既に検討した上で,基本構想検討委員会で決定し,また県議会でも議論を積み重ねた上で,今こういった経緯で進めているところでありますので,そういった事情もこれからまた御理解いただければとは思いますが。そういったやり取りがありました。
(記者)
県議会などが容認したからというようなお答えをされたということ,これまでの経緯を御説明されたということですか。
(知事)
あまりそんなに時間もありませんでしたので,詳しく御説明したというよりは,お聞きしたということで,一部,このデヴィ夫人ではありませんが,「県議会で決めたことも知事が反対すれば変えられるんだから,変えてください。」と言われて,「いや,そういうことではなくて,県議会で議論してお決めいただいたということは,執行部としてもそう簡単に変えるということ,知事の一存で変えるというようなものではありません。」というようなことは申し上げたのですが。
(記者)
県議会などで決めたということですが,知事御自身としてのお考えはいかがなのでしょうか。
(知事)
それは,やはりこれまでいろんな経緯がありますが,体育館については,最初県庁東,その後スーパーアリーナ構想があったり,また中央駅西口,県庁の東というので,どちらかといいますと,当時の知事が「ここだ」というような形で言って混乱したということでありますから,「まず場所ありきではなくて,どういった体育館を造るのかという,そういった構想をしっかりとみんなで議論して,より良いものを造るということをまず議論しましょう。」ということで,基本構想検討委員会をつくったわけです。
その後,また場所についても,どういった所にすべきかというのを基本構想検討委員会で,皆さんで議論していただいたということでありますから,そこでまた県議会でも,そういったことも踏まえた上でいろいろ御意見をいただきながら,今の状況にまとまってきているわけですから,県としてそれを何か,やはり県議会なり,県民の皆さんの御意見等も聞きながら,コンセンサスを得ながら,まとめていくということをこれまでやってきておりますので,そこで私自身がどうだこうだということで,何かそれと違う方向へ持って行くべきだとかなんとかということは,正しいやり方ではないだろうと思っております。
(記者)
先ほどの農業の話で,付加価値を高める努力が必要とおっしゃいましたが,具体的に付加価値を高めるというのはどういうことが考えられますか。
(知事)
付加価値を高めるということは,やはりできるだけ適正価格といいますか,高く売るということですから,流通でも高く買ってくれるところに売る等,今,大将季などは千疋屋に持って行って,3千何百円というようにやったり,パッションフルーツもそうですし,最近出てきているピタヤ等もそうですが,そういった高級な流通経路で販売する,あるいは和牛についても東京でホテルフェアをやったり,東京での人気レストラン等でフェアをやり,一定の富裕層向けの流通経路に乗せていくというような形での高付加価値化というのがあると思いますし,そういったことがブランド化にもつながって,全体としての鹿児島県産のものが高く評価されるというようなことにもなろうかと思います。
またあとは,付加価値を高めるという意味では,今あまり利用されていないような,最近では深海魚などもみるように,こういった今まで捨てられていたものを,一定の価格で販売するということで,そこに付加価値が生まれてきたり,あるいは曲がったキュウリなどのいろんな規格外品,こういったものをジュースやカット野菜などの加工品にする,いわゆる6次産業化みたいなもので付加価値を高めるというような,いろんな取り組みということが考えられるかと思います。
(記者)
2点お聞きします。1つ目が観光インバウンドで,2つ目が外国人材の登用の話です。
インバウンドの客数については,鹿児島は戻りが遅い方の県の一つだと思いますが,新年度予算等で新しい対策など何か具体的な方針はあるのでしょうか。
2つ目の外国人材登用は,たぶんこれは農業実習生だけではなくて,特定技能の人を増やしたいという話かと思いますが,どういった分野の人を増やしたいか。またそれを支援することの対策を何かお考えでしょうか。
(知事)
まず,インバウンドについては,なかなか鹿児島は戻りがという話で,やはり空港のグランドハンドリングの人員不足に伴う定期路線の復便,これが十分でないということがあるかと思います。一方で,クルーズ船については,昨年鹿児島県に125回寄港して,外国からも多くの皆さんが来て,中国のクルーズ船も今年は本格的に再開されるということでありますから,そういったクルーズ船の受入れ,こういったものをしっかりと受け入れる体制というものをまた考えていく必要があると思っております。
今,二次交通の問題等もありますが,海上輸送で県内全域に行くようにしたり,あるいは新幹線を使って出水の方に行くようなツアーを企画したりというようなことがありますので,そういった形で県内への波及効果を増やしていくような取組みであったり,あるいはクルーズ船の離島の寄港というものも非常に高く評価されておりますので,その辺の受入体制も検討する必要があるかなと思っております。
それと併せて,観光庁の事業などで,観光地の高付加価値化事業というのもやっていますので,外国人の皆さま,富裕層が訪れて楽しめるようなそういった観光地域づくりというようなことも取り組んでいきたいと思っております。
(知事)
それから,外国人材ですね。外国人材でいいますと,去年7月にベトナムへ行きまして,ベトナムのハイズオン省と包括連携協定を行っておりますので,今後とも鹿児島の方に人材をということで申し上げたところであります。ベトナム,送り出す側としても,単純労働ではない,できるだけしっかりと技能を習得できるような形での派遣というような問題意識を持っていると思いますし,ベトナムの国立農業大学とも連携協定を結んでおりますが,ここは農業大学といっていますが,総合大学であって,いろんな人材の確保ということを期待したいと思っております。鹿児島県の企業でも,ベトナムから来られた方で,一級建築士の仕事を持っていたりというような人材もいますので,そういった高度な人材を建築・建設分野でも来ていただきたいと。
あとは,昨年から始めましたバングラデシュからのIT人材の確保事業ということを今年も考えておりますので,そういったIT人材の確保というようなことも取り組めたらと思っております。
(記者)
能登半島地震に関連して,緊急輸送道路の整備状況についてですが,県内に震度6以上の地震が発生する可能性のある地域に,まだ耐震化されていない橋がいくつかありまして,その中で,今回の地震を受けて耐震化をもっと加速させるという考え方が県としてあるのかを伺いたいのと,いつまでに全ての橋梁の耐震化を完了させたいかという目途があるかを教えてください。
(知事)
すみません。私も,橋がどこがどのように耐震化が進んでいないかという点について,まだ聞いていませんので,そういった所があるのであれば,できるだけ早く耐震化のそういったことをしていきたいと思いますが,国道・県道いろいろあろうかと思いますので,その辺連携しながら取り組みたいと思います。
(記者)
今回,倒壊などで道をふさぐ可能性のある沿線の緊急輸送道路近くの建築物に対して,耐震診断というのを県として義務化しているのか,そこの現状がよく分かっていないのですが。義務化していないのであれば,義務化するお考えはあるのかを伺いたいです。
(知事)
なかなか,そこは義務化というのはどうでしょう,私もあまりよく分かりませんが,どこが危ないかどうかというので,どうなのでしょうね,それは検診といいますか,そういうのをしなければ,なかなか分からないのではないでしょうかね。
ただ,一方で,いつからでしたか,昭和58年以降ですか,建物であれば耐震基準というのは満たしているということでありますから,よほど古いもので耐震工事を何もしていない所があればでしょうが,鹿児島の場合は,今回の石川県よりはまだ耐震化率は高い82%だったかと思います。全国的には,やや低いところはありますが,8割くらいは確保されているということで,そういった道路沿いで危ないというのは,見て分かるものなのかどうかですが,もしそういうのがあれば,改善できるところは改善するようにということは,通常の道路の維持という観点から,日々,出先機関も含めて,パトロール等していると思いますので,そういった中で情報があれば何らかの対応を考えたいと思います。
(記者)
先日,4月に姶良市の保育園で6カ月の女児が亡くなる,誤嚥(ごえん)して死亡したという事案がありました。それで,先日市が設置した検証委員会の中間報告がありました。
その誤嚥した原因は特定されていないのですが,その中間報告の中では,園が生のリンゴをすりおろして食べさせたことについての手順について,見解が示されました。国が示しているガイドラインでは,離乳食完了期までは,リンゴなどは加熱して与えることと注意が促されています。それに対して検証委員会の方は,加熱していないから事故が起きたとは言えないのではないかという見解を示されました。知事は,この見解について,どういう印象を抱かれるのか,県が監査等に入られているので,どういうふうに思われますか。
(知事)
新聞で,中間報告において原因がよく分からないと,そういうことになっているということで,一方で,国の今の加熱して与えるというガイドラインがあるにもかかわらず,それが現場であまり徹底されていないということでありますから,それが仮に原因になっているかどうかは分からないにせよ,そういうガイドラインがあるのであれば,その内容ということは,もう少ししっかりと徹底していく必要があると思っております。
私どもの方の担当の部局でも,そういったガイドラインについては,しっかりと点検表等を作って徹底するようにということを今していると聞いております。
(記者)
明日から知事は台湾に行かれますが,チャイナエアライン本社に行かれる予定と,台北線の再開に向けた進捗状況を教えてください。
(知事)
今回の訪台の目的は,南部の方の屏東県とのMOU締結ということでありますので,チャイナエアラインへの訪問等は予定されておりません。
チャイナエアラインとの航空路線の復便の状況については,先方も,台湾からの日本への観光客のニーズというものは非常に高いということはありますが,なかなか受入れの方のグランドハンドリングがまだ十分ではないということで,その後の具体的な進捗はないというのが現状であります。
(記者)
能登半島地震の関連ですが,一時避難所になるのは地域の小中学校・高校がなることが多いのですが,昨年文科省が発表した防災設備の整備状況でいうと,鹿児島県の学校の避難所機能の中で,指定されている中で,非常用電源を備えている割合が全国でも下から3番目ぐらいだったかと思います。今回の事案を受けて,学校避難所のそういったものの整備ということについて,何かお考え,今のところありますでしょうか。
(知事)
夏場なのか,冬場なのか,災害というのはいつ起こるか分からない中で,今回非常に寒い時期でのこういう災害で,避難所において,いかに暖かい環境をつくるかということは,命にも関わる非常に大事なことだと思います。逆に夏場であれば,熱中症対策ということで,簡易クーラー等の設備を導入したりということが,これまでの豪雨災害等でも見られたわけで,そういった中で,電源をどう確保するかということが,非常に重要な課題だとは思います。
その中で,停電がどれくらい発生するのかということが分からない中で,非常用電源というものが,医療関係等のいろんな所にはしっかりとあって,またそれがダウンしそうなときには,電源車を配置したりということで対応するということになっております。一般的な所で,どこまで整備が必要なのかということも,これからまた十分検討していきたいと思います。
(記者)
鹿児島県は,離島を有している地域でもあります。離島振興についてお伺いします。今,フェリーとしま2の運航再開の見通しが立っていません。この状況について,知事はどのようにお考えでしょうか。
(知事)
十島のフェリーが,エンジントラブルで約4・5カ月かかりそうだというようなことであります。そうした中で,フェリーみしまが臨時的に,今までに3回ぐらい人を運んでいただいたりというようなことで対応して,また,自前での,ななしま2ですか,これは12人乗りですが,これを30人乗りぐらいに変更したいということで手続きをしていると聞いておりますが,これで屋久島から島伝いに奄美まで行ったり,海上タクシーを使ったりということで,人流については,一定の需要にはしっかり応えられていると聞いております。
物資についても,日用品等については,フェリーみしま等を活用しながら運んだりしています。
あとは,燃料を運ぶのがなかなか難しいということではありましたが,別途貨物船,台船等で運ぶことで,物流についても今のところ確保されていると聞いております。
(記者)
現状としては,危機的な状況ではなくてという認識で。
(知事)
今のところ,なんとか対応はできているという状況ではあります。
(記者)
十島村・三島村両村から,県に対して支援を求めるようなお話はありましたか。
(知事)
いろんな手続き面での迅速化,あるいは貨物船や貨客船,そういったものを確保するに当たって,やはり県からもいろんな所に声をかけたりと,そういったようなお話。あとは,今回,フェリーとしま2の運休に伴い,他に代替の措置を取っておりますので,そういったことについての経費については,また今後いろんな御相談があるということかと思っております。
(記者)
では,経済的な支援も視野には。
(知事)
そうですね,今後はそういった御相談もあるかと思います。
(記者)
では,一般航路が発着する本港区の活用・活性化についてです。来週,検討委員会でゾーニング案が示される,改めて協議されると。その点について方向性は,知事はどのようなお考えを持っていらっしゃいますか。
皆さん,検討委員会でお話はされるのですが,知事としてこういうふうなことが望ましいというような,知事御自身の意見をお聞かせください。
(知事)
本港区エリアというのは,基本的には港湾として整備されているわけですから,まずは港湾としての機能,そしてそれに付随するにぎわい・レクリエーション,そういったものをしっかりと維持しながら整備する。
一方で,港湾も街の一部ではありますから,そういったまちづくりの観点から,この港湾機能というものをどういうふうに関連付けて整備していくかという観点から,いろんなエリアごとの特性に応じたゾーニング,エリアの活用方法,そういったものをしっかりと打ち出していければと思っております。
(記者)
離島振興で最後です。奄振が3月に期限切れを迎えます。沖縄との連携も全面的に出されています。沖縄と奄美のアクセスの向上についてはどうお考えでしょうか。
(知事)
奄美と沖縄の間のアクセスについては,今も一定程度はあるかと思いますが,主として中心は航路になっているかなと思いますが,今後また人流が活発になれば,いろんな動きはあるかもしれませんが,人流・物流含めて,やはり沖縄との連携というものを強化していくということは,これからまた必要なことだと思っております。
(記者)
それだと,航空便の増設といったことも考えてもおかしくはないというか。
(知事)
そうですね。いろんな形での航空,今もアイランドホッピングなどいろんな形のものはあろうかと思いますが。今の沖縄から安く飛行機が飛んできてくれれば,これは非常に鹿児島にとってはありがたいことだとは思いますが。
(幹事社)
では,川内原子力発電所関連についての質問がある方はお願いします。
(記者)
今回の能登半島地震のように,川内原子力発電所の事故のときの避難経路でも道路の寸断による孤立が発生する可能性があると考えているか,知事のお考えを聞かせください。
(知事)
川内原子力発電所からの避難の際の道路がどうなるのかということは,具体的にここが危ないということが今想定されているわけではありませんが,やはりそういった道路が寸断される,一部通行できないというようなことも想定はされると思っております。
(記者)
道路の寸断に対する対策等を強化することは,今後考えていらっしゃいますか。
(知事)
対策としてどういうことがあるかというと,地元の薩摩川内市からは,宮之城薩摩道路を整備することで,もう1つ選択肢が増えるということがありますので,そういった道路の整備をしっかりやってほしいというようなことや,その他の地域のいくつかの道路について整備を,拡幅等のいろんな対策は要望を受けて,それについては,これまでも随時取り組みを進めてきております。
(記者)
では,防災計画の見直しなども今後検討される予定はありますか。
(知事)
計画ですか。
計画については,今具体的に能登半島地震のこの地震を受けてということで何かということが,今すぐにあるわけではありませんが,いろんな訓練等を重ねる中で随時この計画というものも必要に応じて見直したりしていく必要は出てくると思います。
(記者)
前回の会見でも質問したかと思いますが,その経過で。避難の話で,バス協会の協力を得ることになっていると思いますが,やはり現状,バスやタクシーの運転手が不足している中,対応策見直し等,前回は特にされていなくて,訓練をしながらということだったと思うのですが,その後,何か変更等はなかったでしょうか。
(知事)
特に変更があるかというと,ないわけですが,あの後確認しますと,原則避難というのは自家用車で避難する。自家用車での避難が困難な方については,バスを手配するということで,今後改善という意味では,今回の訓練でも導入する防災アプリの中での配車の需要マッチングなどのアプリ,これによって円滑にマッチングして迅速な避難につなげると,こういったことは,これからまた訓練でも積み重ねていきたいと思っております。
またバス協会の方で対応できない場合には,国の方からも支援ということを要請していただいたり,九州各県,山口県までの中での他県からの応援,こういったものも協定に基づいて要請していくというようなことを行っていくということになっております。
(記者)
志賀原子力発電所について,周辺の断層が複雑な動きを見せているというような専門家の指摘もありますが,改めて,川内原子力発電所の活断層について再評価を求められるというようなお考えはありますでしょうか。
(知事)
特に,今のところ改めてということはありませんが,川内原子力発電所の地震対策については,これまで川内原子力発電所の方でさまざま検討しながら,今,原子力規制委員会の方に新たな基準地震動の申請をしているところでありますので,そこでしっかりと規制委員会の方で判断をされると考えております。
(記者)
変圧器やモニタリングポストが一部破損したりデータが受信できないという状況が続いていますが,そういったところで九州電力に何か申し入れられるか,地震時に備えた対策を申し入れられると,そういった動きは今後検討されていますか。
(知事)
個別のそういったことについて,今申入れということではないですが,やはりいろんな細かいことも含めて,しっかりとした安全対策を行っていただくということは大事なことだと思いますので,そういったことは日常的に報告を受けたりする中で,現場での対応も含めてしていきたいと思います。
(幹事社)
川内原子力発電所関連で,ほかにないでしょうか。
では,もしお時間いただけるのであれば県政一般で質問し足りない方。
(記者)
先ほど,できれば質問したかったのですが,過疎地の防災です。いわゆる買い物弱者や交通弱者という方の,何といいますか,重なりが大きいのではないかと思うのですが,県として,その辺の分野横断的な総合対策を考えていく,その辺のお考えをお聞かせください。
(知事)
どうでしょうね。買い物弱者と避難の時の要配慮者というものが一部重なるところはあるのでしょうが。その重なったときの対策というものが,共通の対策になり得るのかどうか。買い物弱者であれば買い物に行く,あるいは買い物に行く物を届ける,いろんな双方向の対策というものもありますので,どういった方が要配慮者なり,そういう支援を要支援者であるかということの認識をすり合わせるということは,漏れがないようにするという意味でも有効かとは思いますが,それぞれの対策については,またそれぞれ個別に検討していくということではないかなとは思いますが。
(記者)
ある程度共通化した方が,どうせやる人は基本的に地域の方々が主体でしょうから,重なりが相当大きいのではないかと思うわけですが。
(知事)
買い物に連れて行く人と,域外の施設まで避難に連れて行く人は,ある程度マンツーマンで決まったりしていればいいのでしょうが。その辺もただ災害の時には,いろいろ困難もあるでしょうから,その辺の仕組みをどのようにするかということは,また検討ができれば考えたいと思います。
(記者)
能登半島地震に関連してですが,今回,宿泊施設などを二次避難所として整備して,石川県内外の宿泊施設,ホテル・旅館と連携して避難所として開放するという動きを,県なり国なりというところが進めていると思います。知事御自身として二次避難所の必要性をどのように考えていらっしゃるかというところと,今回県外の方とも広域連携が進んでいると思いますが,例えば鹿児島で同じような災害が起きた場合に,宮崎県・熊本県などとの連携もこれから出てくる可能性があると思います。事前に協定を結んだり,そういった災害時の対応をお互いに共有するなど,そういったところの取組みを強化するというようなお考えはありますでしょうか。
(知事)
二次避難所は,やはり皆さんの避難所生活というのは,先ほどの気温やいろんな生活面での非常に厳しい状況がある中で,健康管理等も含めて,やはり旅館・ホテルといった二次避難所に移っていただくということが効果的で安心だというふうに考えますので,そういったことを順次進めていくということは必要な対策だろうと思います。
そういった中で,本県で災害が仮に発生した場合に,本県のそういった施設も災害にあっていたりという中で,他県に協力を求めるという場合には,しっかりそこはお願いするということで,一定の協定等は,たしかあったと思います。昨日の国民保護訓練でも,県をまたいで熊本県の方に協定に基づいて受け入れていただくということで,八代をはじめとする熊本県内4市に3,200人の方を受け入れていただくということにしておりますので,そういった場合には,しっかりと隣県あるいはもう少し遠い所も含めて受け入れる。そういった環境整備等は進めていきたいと思います。
今回の能登半島地震においても,だいぶ離れていますが,本県としても県営住宅について110戸空きを確保して,問合せがあれば入居できるようにということで準備はしておりますし,各市町村においても市営住宅等を一定数確保していただいているということでありますから,こういったことについては全国的に連携しながら対応できるようにしていきたいと思います。
(記者)
防災計画に,ホテルや旅館にというのは今も記されているかとは思いますが,改めて二次避難所の必要性を盛り込まれるようなお考えはありますか。
(知事)
それは何にですか。
(記者)
県の地域防災計画などに。
(知事)
計画に。
(記者)
はい。
(知事)
今は全然入っていないのでしたっけ。
(記者)
今は,ホテル等に,必要があれば避難させるというのは入っているかと思いますが,今回の件を含めて,もう一度記し直すということはありますか。
(知事)
どうなのでしょうね,計画の中身が,そこを変える必要があるかどうか。実際には,運用で当然そういう方向になろうかとは思いますが。
(記者)
明確に位置付けるというような,そういったことは。
(知事)
そこまで今議論はないかと思いますが,今後また,そういった議論があれば,検討したいと思いますが。
(幹事社)
質問はよろしいでしょうか。
ないようですので,これで終わります。
(広報課)
これをもちまして,知事の定例記者会見を終了させていただきます。
よくあるご質問
このページに関するお問い合わせ
より良いウェブサイトにするためにみなさまのご意見をお聞かせください