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ホーム > 県政情報 > ようこそ知事室へ > 知事記者会見 > 令和5年度 > 令和5年11月17日定例知事記者会見

更新日:2023年11月17日

ここから本文です。

令和5年11月17日定例知事記者会見

時:令和5年11月17日(金曜日)午前10時00分~午前11時19分
場所:5階記者会見室(県庁5階)

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「ムーブかごしま」からもご覧いただけます。

【発表事項】

1.鹿児島・シンガポール交流会議の開催

配布資料(PDF:246KB)

【質問事項】

1.鹿児島港本港区エリアまちづくり(1)

2.西之表港耐震強化岸壁工事

3.鹿児島空港国際線の状況(1)

4.ライドシェア及び地域交通

5.サッカー等スタジアム(1)

6.奄美群島日本復帰70周年記念式典

7.奄美群島振興開発特別措置法の延長

8.自衛隊統合演習

9.馬毛島へのFCLP移転計画

10.姶良家畜保健衛生所移転整備

11.豚熱に対する防疫対応

12.サッカー等スタジアム(2)

13.物流業界2024年問題による農畜産物等の輸送

14.大谷翔平選手への表彰等

15.高病原性鳥インフルエンザへの対応等

16.次期県知事選挙

17.鹿児島空港国際線の状況(2)

18.農業試験場跡地

19.知事とのふれあい対話(1)

20.首相官邸訪問

21.知事とのふれあい対話(2)

22.川内原子力発電所の運転延長等

(広報課)
ただ今から,知事の定例会見を始めさせていただきます。
会見の円滑な進行のため,数値の確認等の詳細事項につきましては,追って担当課に御確認くださるようお願いいたします。
それでは幹事社の方,進行をお願いいたします。

(幹事社)
本日もよろしくお願いします。
まず,始めるに当たってのお願いです。発言される方は挙手をしていただいたうえで,お近くのマイクを使って社名とお名前をおっしゃっていただくようお願いします。
携帯電話はマナーモードの設定をよろしくお願いします。
本日は知事から発表事項があるということですので,よろしくお願いします。

【発表事項】

1.鹿児島・シンガポール交流会議の開催

(知事)
おはようございます。
本日の発表事項は,第21回鹿児島・シンガポール交流会議の開催についてでございます。来週22日水曜日に,サム・タンシンガポール元外務担当兼社会家庭開発担当国務大臣を団長とするシンガポール代表団をお迎えして,第21回鹿児島・シンガポール交流会議を鹿児島で開催いたします。
鹿児島・シンガポール交流会議は,昭和57年に第1回を開催して以来,2年おきに相互の地において,双方の交流促進に向けた協議を行う場として定期的に開催しております。
本県は,シンガポールとの間で定期的な交流会議を行う日本では唯一の自治体として,40年以上の長きにわたりこの交流会議を軸に様々な分野で交流を展開してきております。
今回の交流会議では,アジアの経済・貿易の中心として目覚ましい発展をしてきたシンガポールとの連携・協力関係を更に強化し,議会代表・経済団体代表の方々も交えて,経済・観光・芸術・文化・青少年交流など,幅広い見地から意見交換を行うこととしております。以上でございます。

(幹事社)
それでは発表事項に関して,質問のある方はお願いします。
ございませんでしょうか。
では,続きまして県政一般についての質問に移りたいと思います。まず最初に川内原子力発電所関連以外の質問として,その後に川内原子力発電所関連の質問とさせていただきたいと思います。
最初に幹事社からの質問は省きますので,各社から質問をお願いします。

【質問事項】

1.鹿児島港本港区エリアまちづくり(1)

(記者)
よろしくお願いします。
港湾関係で2つ質問したいのですが,まず北ふ頭についてです。今年で整備からもうすぐ30年が経ちます。当初計画されたコンセプトの中には,「にぎわいと憩いの場の創出」という目的がありますが,そういった観点から,現状の北ふ頭に対する当初の計画を踏まえた今の知事の評価をお聞かせいただきたいのですが,いかがでしょうか。

(知事)
北ふ頭についてのにぎわいの創出という意味で言いますと,現在北ふ頭においては,鹿児島市の水族館と喜界・奄美の一部の航路があるということで,ターミナルもあまり上の方は活用されていない状況にあるという意味では,当初想定されていたような十分な活用ということには至っていないのではないかと思っております。

(記者)
そういった観点ですと,更なる活用というところが必要になってくるのだろうと思いますが,その活用案については,今,検討委員会の方で議論がされて,知事もそこに委ねていると従前の説明ではされていると思います。そこを省いて,今北ふ頭をどうしたらいいかという,知事個人としての意見・アイデアというものはあったりしますか。

(知事)
具体的にどういう施設をということではありませんが,やはりあそこは,ふ頭用地であり,現に今港湾として利用されているという状況で,定期路線の他にもクルーズ船が着くということで,この前もポナン社のクルーズ船が入ってきたところを私も見に行きましたが,あそこに来たクルーズ船の船社の皆さんからは,非常に街にも近いし桜島の眺めも素晴らしいということで,クルーズ船の寄港場所としても非常に高く評価されているということを踏まえますと,そういった港湾としての機能というものを生かしながら,街との接点といいますか,そういったことでの活用,にぎわいということが一つの観光拠点といいますか,そういった活用の仕方というのは考えられるのではないかなとは思っております。

2.西之表港耐震強化岸壁工事

(記者)
あともう1点,西之表港の岸壁の整備について質問したいと思います。令和8年度,2026年の完成予定だった西之表港の岸壁の整備ですが,そこで海底に稀少サンゴが確認されて完成時期がずれ込むような見込みになっています。岸壁に関しては,物流の強化や災害対応の点で地元の期待が大きいということで,完成はいつ頃を見込んでいるかということと,サンゴが見つかって,担当課も「サンゴを別の場所に移植ということを含めて検討する」ということです。夏場の説明ではそういう説明を受けたのですが,今,実際どうなっているのか分かっていたら教えていただきたいのですが。

(知事)
今,まだ私のところにはその辺の具体的な対応・スケジュールは来ておりませんので,確認してみたいと思います。

(記者)
その整備計画の詳細な部分は,今お答えは手持ちではないということですか。

(知事)
はい,すみません。

(記者)
ただ,稀少サンゴは地元ではかなり知られている話ですが,県としてそれを公表していないというところが,公表というか公には出していないというところがあって,地元ではもう周知の話になっているのに,そこはなぜ出していないのか。

(知事)
どうなのでしょうね,私もその辺の事情はあまりよく分かりませんので,事実関係は確認したいと思います。

(幹事社)
ほかに質問のある社はありませんか。

3.鹿児島空港国際線の状況(1)

(記者)
よろしくお願いします。
インバウンドとライドシェアをテーマに,それぞれ2つずつお伺いしたいと思います。
まずインバウンドについてです。5月にコロナが5類に移行してからインバウンドも回復期を迎えており,インバウンド客が戻ってきているという現状ですが,鹿児島はまだコロナ前の数に戻っていないという現状があります。この状況をどのように分析されていて,今後の対応策はどのようにお考えか,ということをまずお伺いしたいです。
2つ目ですが,鹿児島空港で先月から大韓航空の定期便が復活しました。ただ,まだあと2路線再開の時期が見通せていない状況です。鹿児島がこのような状況の中,TSMCが進出した熊本では台湾線が増便を決定していて,貨物空港としての規模拡大も模索しているという話が出ています。このままでは隣の県に奪われかねないと思っていますが,そちらはどのようにお考えか,この2点をお伺いします。

(知事)
インバウンドについては,まだ十分コロナ前まで戻っていないということでありますが,やはり今,2番目の質問とも関連すると思っています。インバウンドといいますと,空港から飛行機で来る人,鉄道で来る人,船で来る人,いろいろありますが,クルーズ船の方はだいぶ戻ってきていて,今年は124回寄港する予定となっていて,だいぶ戻ってはきていると思っています。
一方で,空港が,今御指摘のように,かつて4路線あった定期路線がまだ半分ということで,台北と上海とが戻ってきていません。上海は若干中国の難しいところはあるとは思いますが,そういった状況で,グランドハンドリングのところが御承知のように課題となっているということでありますから,ここのところをなんとか早く元に戻して対応できるようにということで,今,事業者の方々とも検討しているところであります。
熊本は,路線が台湾線も定期路線ができてというようなことになっているということでありますが,鹿児島のお客さんが奪われるというよりは,新たな需要が熊本の方に来るということではないかなと思っておりますので,そういった意味では,鹿児島も非常に台湾の方で来たがっている方が多いので,早くチャイナエアラインの定期路線復活に向けて,先ほど申し上げたグランドハンドリングのところをなんとかしていきたいと思っております。
また一方で,直行便ではありませんが,福岡・熊本あるいは関西・中国地方,こういった所からのインバウンドの誘客ということも取り組みをしておりまして,プロモーション活動など,またそういったことも力を入れていきたいと思っております。

4.ライドシェア及び地域交通

(記者)
ライドシェアの問題ですが,2024年から新法制定を検討すべきだという提言が出ました。これは,過疎地や観光地だけではなくて,事実上全面解禁と受け取れる内容でした。
政府は,「地域の実情を聴取する」という方針を出していますが,鹿児島県としてはどのような方針で政府に伝える予定なのか,というのをお伺いしたいのが1点です。
もう1点が,ライドシェアに関連してですが,鹿児島の今の地域交通の現状や役割をどのようにお考えかをお聞かせいただきたいです。
また知事は,公共交通機関を使って県内を回ったことがあるかどうかも併せてお聞かせください。

(知事)
ライドシェアについては,最近,タクシー・バスの運転手不足ということで,地域の交通,足がなかなか確保されない状況になりつつあるということで議論になっていると承知しております。政府の方でどういった制度設計をされるのかということで,利便性と安全性などのいろんな配慮が必要な部分というのもあると承知しておりますので,その辺の制度の設計の仕方によって,どういった部分にこういった制度を導入するのかということも必要になってくるかと思っております。その辺は鹿児島の各地域によってもいろいろと事情があるかと思いますので,事業者の皆さんの御意見等も伺いながら考えていきたいと思っております。
地域交通の現状ですね。今申し上げましたが,やはり県内の広域的なバス路線等,その辺もだいぶバスの運転手不足という影響があると思いますし,地域内交通としてのタクシーも運転手が不足していて,なかなかタクシーがつかまらないといった状況も出てきているということで,県内でもそういった地域交通への影響というものもだいぶ出てきているのではないかと思っております。
公共交通を使って移動したことがあるかという意味では,市電やJR等は私もたまに乗ったりしております。

(記者)
観光立県としても,移動手段が少ないということはマイナスな部分なのかなということもありますし,鹿児島市内でも「バスの本数が減って,なかなか思った時間に病院に行けない」「代わりにタクシーを使おうと思ってもつかまらない」という声がありますので,どうにかそこを改善していただけるような何かをお願いできればと思います。
併せて,ライドシェアについて追加で質問ですが,現段階で,タクシー事業者の方からは,このライドシェアについていろんな御意見が出ているようですが,実際に事業者の方と何かお話をされたり意見を聞いたりという場は,まだ設けられていないでしょうか。

(知事)
私が直接ということは,まだそういった状況はないですね。

5.サッカー等スタジアム(1)

(記者)
鹿児島港本港区の北ふ頭でのスタジアム整備のことでお尋ねできればと思います。鹿児島市が北ふ頭でスタジアム整備を目指していますが,今月2日にありました県の検討委員会では,北ふ頭の新たなゾーニング案に,スタジアム整備というものは明確には記載されませんでした。また一昨日は,Jリーグの担当者の方が鹿児島にいらして,「このまま整備が進まない場合は,来年9月の,次のライセンス判定に影響が出る恐れがある。」と発言されました。
この点について,改めて知事はどのように受け止めていらっしゃるのかという点と,スタジアム整備自体が,来年9月の時点である程度まとまった話になるのかどうか,整備が可能なのかどうか,御見解を伺えればと思います。

(知事)
本港区エリアの利活用検討委員会での検討で,本港区エリアのゾーニングの作業をしていただいておりますが,これはあくまでゾーニングということでありますから,そのゾーニングに沿った形でどういった施設をここに整備するのか,という具体的なところまで描くという仕組みにはなっておりませんので,そういった意味ではスタジアムと明記するということではないと思っております。
また,Jリーグの方が来られて,県・市にいろいろとヒアリングして,鹿児島ユナイテッドにも行かれたと思います。そういった中で,今お話があったような形で「今後の進捗によってはライセンスにも影響する」というお話があったということは聞いております。一方で,「そんなにすぐできるとも思ってはいない。」というようなお話もありますので,その辺は今後検討していく中で,お互いに連絡をしながらということではないかと思っております。
今後,9月ですか,1年もないわけですが,どういうふうになっていくか,そこはどうでしょうね,まだ時間がかかるのではないでしょうか。そこは鹿児島市の検討・調整にもよるとは思いますが。北ふ頭の今後のあり方ということを港湾の事業者との調整等,いろんな絵を描かなければいけない部分というのは非常に多いような気はしますが,その辺の作業がどういった形で進んでいくのかということにもよりますので,その辺のスケジュールが決まっているわけではないので,どうなっているかというのは私にも分からないところであります。

(記者)
知事としては,来年9月の交付の時点までに鹿児島市と何らかの妥協点といいましょうか,スタジアム整備について方向性を現状見出せるとお考えでしょうか。

(知事)
その辺はよく分かりません。今申し上げたように,鹿児島市のスタジアムというのは,どういうふうな計画・中身でにぎわいを創出しようとしているのか,また港湾事業者との調整がどういう形でなされるのかというのは全くまだ不透明な状況ではないかと思っております。

(記者)
続けて恐縮ですが,鹿児島市に求めたいこと,北ふ頭でのスタジアム整備に関して何が求められる,あるいは知事が求めたいことがあればお願いします。

(知事)
県としては,市の方にこれまでも,スタジアム整備についての考え方といいますか,課題については説明を求めておりますので,そういったことについて検討を急いでいただくということではないかと思います。

6.奄美群島日本復帰70周年記念式典

7.奄美群島振興開発特別措置法の延長

8.自衛隊統合演習

(記者)
今月11日に,奄美大島で,奄美群島日本復帰70周年の記念式典がありました。知事も御出席されていらっしゃいましたが,この式典に御出席されて,知事の所感を伺いたいのが1点。
奄美群島振興開発特別措置法が今年度で期限切れを迎えます。県と地元の市町村会で,今月8日に中央要望を行って,知事におかれては今月12日に斉藤国土交通大臣に要望書を提出されています。奄振法延長に向けた手応えや知事の思いをお聞かせください。
もう1点,自衛隊の統合演習が10日から全国各地で始まりました。13日に徳之島空港で,民間空港では初となる戦闘機の離着陸訓練が行われて,奄美空港でも,本日17日から行われる予定と聞いております。政党関係者や民間団体の方から,演習での空港使用を止めるような要望書の提出もあったかと思いますが,こういった演習が県内でも行われることについて,知事のお考えをお聞かせ願えればと思います。

(知事)
今月11日に,今年は奄美群島の日本復帰70周年ということで記念式典が開催され,奄美市内で約1,000人が集まって,皆さんでこの復帰に向けた先人の方々のこれまでの取り組み,そしてまた,意義というものを広く共有するというような式典の内容だったかと思います。
その中で,実際に復帰の時にいろんな形で関わっていらしたような各島の高齢者の方々に,中学生・高校生がインタビューして,当時の様子などを聞いたりということを,この歴史を引き継いでいくという意味で,若い人たちも当時のことを理解するという,非常に良いきっかけになったのではないかと思っております。
そういう意味では,奄美群島の皆さんのこれまでの日本復帰の歴史,こういったものをもう一回見直した上で再認識し,受け継いでいこうと,併せて,奄美の文化というものも,各島のそれぞれの文化,芸能発表というのもありましたので,群島の皆さんのそういった今後の群島の更なる発展に向けての思いというものも共有できた良い大会だったのではないかなと思っております。
関連して,奄振が今年度末で期限を迎えるということで,これまで県の方でも群島の皆さんの様々な御意見をお伺いしたり,また出身者の皆さん方からもお話を聞いて総合調査を行い,取りまとめて,これまで国の方にも要望して,国の方の奄美の審議会においても提言をいただいて,今後の延長あるいは充実ということについての提言をいただいているという状況でございます。そういった地元の皆さん,そして市町村,県の関係の国会議員の皆さんや政府,こういったところと一体となって,これまで奄振の延長・充実に向けて取り組んできております。
先般,補正予算も決定されたかと思いますが,奄振の延長,そしてまた今度は沖縄との連携や調和ある発展,そして農業の振興や教育・文化といったことにも対策を充実していこうというような方向で今議論がなされていると思っております。それに合わせて必要な予算の確保ということになりますので,先般,中央の方へも要望してまいりましたし,加藤前大臣が鹿児島に来られたときにも奄振の要望をし,先般,斉藤大臣にも是非この件についてはお願いしたいということで,群島の首長の皆さんと一緒に要望したということで,十分その辺の事情については御理解をいただけているのではないかと思っております。引き続き,しっかりとこの延長と充実に向けて取り組みをしていきたいと思っております。
奄美群島において統合演習がなされているということでございます。御承知のように,南西諸島における安全保障上の状況は大変厳しい状況になっているという中で,これを防衛,安全保障をどう確保するかということで,国の方で演習を行っているというふうに承知をしております。
そういう意味では,地元の住民の皆さんに対しては,政府としてしっかりと,騒音の問題その他あろうかと思いますのでその辺の状況についての,訓練の内容等についての丁寧な説明・情報提供といったこと,あと安全性については万全を期していただきたいと思っております。

9.馬毛島へのFCLP移転計画

(記者)
馬毛島の自衛隊の基地整備について教えてください。工事の着工後,「地元の市町と協議会を設置したい」というお考えを表明されたと思いますが,今の段階ではまだ協議会は設置されていないと思います。実務者レベルでは,連絡会で情報共有等のコミュニケーションはとれていると伺っていますが,改めて,連絡会ではなくて協議会を設置する意義・狙いを説明していただきたいということと,もう1点,現段階で協議会が設置できていない理由について,知事はどういうお考えをお持ちなのか教えてください。

(知事)
昨年,工事着工前に地元の1市2町と県とで,そういった協議会でいろんな出てきた課題について共有したり検討したり,そういう場が必要ではないかということで,そういった方向で対応していきたいということを考えたわけでありますが,地元の皆さんの意向といいますか,なかなか一緒にそういった場を設けるのは難しいという状況で,その状況が今も続いているということであります。
一方で,県の方で個別に関係の団体からいろんな情報を共有したり,個別に自治体とお話をしたり,あるいは連絡会という形で一緒に話をしたりというようなことで,協議会に代わる実体的なところはできているのではないかなと思っております。当面はこうした形での対応をせざるを得ないと思っております。

(記者)
何か,連絡会ではなくて,首長なども参加する協議会だからこそ果たせる役割というのはどういうものだと今お考えですか。

(知事)
協議会ならではの何か役割ということでは必ずしもあまりそこは,何かそういうものがあるとは思っておりません。

(記者)
地元自治体を代表する首長の方たちが集まって,総意として意見をまとめた方が,国との交渉やお願い事もしやすくなるのかなと思いますが,そのあたりはどうですか。

(知事)
国の方に要望するときに,何か協議会でなければやりにくいということはあまりなくて,要望したいことは,これまでも国の方にしっかりとお伝えしていると思っております。

(記者)
今,西之表市だけが工事に対して容認に,明確な態度を表明していないと思いますが,そういう異なる立場の方たちとの議論する場としても,協議会のようなものがあった方が,妥協点や,ここは共通して国に要望できるというところも探りやすいのかなと思うのですが,そういった場としての協議会という,そういったお考えはないですか。

(知事)
何でしょうね,西之表市・中種子町・南種子町,それぞれ要望したい事項があれば,それはそれでしっかりと把握した上で,県は県として,またそれぞれの市・町の方でも要望等はしていると思いますので,そこが,一緒に集まった方がやりやすいということでは必ずしもないような気がいたします。

(記者)
そうすると,当面は今の連絡会という形で情報共有・コミュニケーションを取っていければいいなとお考えで。

(知事)
だと思います。

10.姶良家畜保健衛生所移転整備

(記者)
大きく,姶良家畜保健衛生所の移転の話と豚熱と,この2点についてお伺いさせてください。
最初に姶良家畜保健衛生所の件です。先日,住民の見直しを求める会の方々が,条件付きで容認されるということで,今月中にも着工されるということでした。この住民の方々が受け止められたことに対して,知事は今どのように思われているかというところをお伺いしたいのと,今月中ということですが,具体的にはいつ着工する予定なのか,まずその2点を教えてください。

(知事)
姶良家畜保健衛生所については,非常に老朽化しているということで移転をということでしたが,住民の皆さん一部反対ということで,私の所にも来られて,その後,担当の方から説明をしたり,様々,実際の最新の施設を見ていただいたりと,いろんなことで調整をした結果として,今お話がありましたように,住民の皆さんとの間で覚書を締結して,認めていただけるようになったということでございますので,しっかりと住民の皆さんの御理解をいただいた,そういった点に沿って,県としても誠実に対応していきたいと思っております。
具体的な着工の,何日というところまではまだ私も聞いておりません。今月の下旬ぐらいでしたかね,ということで,何日というところまではまだ聞いておりません。

(記者)
では,着工されるときには,公表されるということでよろしいですか。

(知事)
公表するのかどうかよく分かりませんが,住民の皆さんには当然お知らせするということだと思います。

(記者)
住民の方に先にお知らせしてから。

(知事)
当然,新聞で知るというよりは,そこは丁寧に住民の皆さんに事前にお知らせした方が良いのではないかなと思います。

11.豚熱に対する防疫対応

(記者)
豚熱についてです。ワクチンの初回接種ですが,これは12月中旬に終了するということで,先月お示しいただいていたと思います。改めて現在の進捗状況と予定通り12月中旬に終わりそうかどうかというところを教えていただきたいのと,もう1つ,野生イノシシの対策として豚熱の経口ワクチンの散布の協議会を設立するように,九州農政局が,10月上旬までに設立するようにという要請をしていたと思います。それがたぶんまだ設立されていないと思いますが,他県でいうと大分県は3月に設立されていて,宮崎県も6月に設立して,もう既に散布演習もされていると思います。鹿児島はいつ設立されるのか,まだ設立されていないのであれば,遅れている理由があれば教えてください。

(知事)
豚熱のワクチンについては,農場の数でいきますと,822ある中の約7割の農場で,822は鶏の方でした,もう少し少ないですね。だいたい農場数でいきますと7割くらいの農場でワクチンの接種を既に開始していて,頭数でいきますと約8割が今接種を始めているという状況で,12月中旬ぐらいまでにはなんとか今のペースで終わる見込みというところは変わっていないというふうに承知しております。
イノシシの協議会設立等については,私も今事実関係を把握しておりませんので,確認したいと思います。

(記者)
では,設立はするということでいいのですね。

(知事)
その辺も含めて,担当に確認したいと思います。

12.サッカー等スタジアム(2)

(記者)
スタジアム・本港区関連ですが,この前,県の利活用委員会で,北ふ頭は,新たな集客力を有し,中心市街地との相乗効果をもたらすエリアというところに位置付けられて,機能として宿泊・飲食・物販・交流・観光・娯楽というのが入ってきました。委員長も「鹿児島市が整備を目指しているスタジアムというものを否定するものではない」と言っているのですが,知事としては,これは余地は残っている,肯定するわけではないが余地は残っているというような理解でいいですか。

(知事)
飲食・宿泊・娯楽,娯楽というので読めるといえば読めるのかもしれませんが,スペース的なもの,そういったところがはまるのかどうかという具体的な検討というのは必要になってはくると思います。

(記者)
具体的な議論というのが必要になってくるということですか。

(知事)
何と言うのでしょう,ゾーニングがあって,そのゾーニングにはまるものであれば何でもできるかというと,そこは具体的にどういうものを整備するかという議論はその次にありますから,そこでの議論になるのではないでしょうか。

(記者)
ということは,読めるといえば読めるというふうな。

(知事)
まぁ,そうですね。娯楽といえば娯楽。

(記者)
この前鹿児島市が,新しいスタジアムの配置案というのを示して,下鶴市長が定例会見で「港湾関係者が一定程度作業できる広さを確保した」という見解を示していますが,それについては知事はどうお考えですか。

(知事)
それは「確保した」というのは,鹿児島市としては確保したつもりであるという理解なのだろうと思うのです。それは,現場の港湾の事業者としてそれで確保されていると思っているかどうかということは,まだ調整というか協議している段階ではないでしょうか。

(記者)
今,県が市に対していくつか宿題というか,こういう課題に答えてくれというのを出していると思いますが,今の段階で市はどれぐらいそれに対応できていると知事としては受け止めていますか。

(知事)
どれぐらいと,定量的にどうと,何%というものではないですが,まだ検討すべき課題は多く残っているという気はしています。

(記者)
その中で,先日Jリーグが視察に来て,北ふ頭というエリアを「中心エリアから近くて街のにぎわいを創るという意味では魅力がある」というふうに評価していましたが,これについては知事はどう考えていますか,立地という面では。

(知事)
JリーグとしてはJリーグのお考えがあるのでしょうが,おそらくサッカーということを考えれば,何というのでしょう,サッカーのスタジアムとしての機能というものが最低限あればいいということではないかと思いますが,それに加えて街中スタジアムということでの評価をされたのだろうというふうに思っております。

(記者)
そこは,にぎわいを創るという意味では魅力があるという考えは,知事も同調できるというか,妥当だというふうに考えますか,どうですか。

(知事)
グランドデザインとの整合性ということをこれまでも申し上げてきておりますが,グランドデザインというのは,365日にぎわうということを申し上げているわけで,そういった観点で,スタジアムというのは通常はJリーグの試合は年間に20試合しかないという中で,その他の多機能複合型というような御説明をされていますが,そういった機能というものがどういうもので,どれぐらい本当ににぎわいというものが創出できるのかということをまだ十分な説明ができていないのではないかと思っております。

(記者)
先ほどの他社の質問と少し重複するかもしれませんが,「1年かけて検討した先にスタジアムができないということになるとネガティブな印象になる。」というような見解も示していて,でも知事としては,まだ1年後というのは,道筋が見えるまでにはなかなか時間がかかるのではないかというような考えですか。

(知事)
どうでしょうね,これまでも鹿児島市に対してはいろんな検討をお願いしてきておりますが,非常に検討に時間がかかっているという状況ではありますから,今後1年近い時間でどこまで何ができるのかなということについては,また私もよく分からないという状況です。

(記者)
スタジアムの件に関連してお伺いしたいと思います。先ほど知事が「検討委員会の役割というのは,どういったものを造るのかというゾーニングに沿った形での議論だ。具体的にどういうものを造るかというのは決める権限はないだろう。」というお話をされました。検討委員会は,3月に何らかの形で結論を出されると思います。鹿児島市も引けない状況でして,候補地は他にはないというところで,県の方も苦しい状況かとは思いますが,検討委員会の結論を踏まえて,どのような形で,誰が決めるのかと。鹿児島市の方は「北ふ頭に造りたい」と言っているわけであって,では県の方は「その材料を示してくれ」と言っている状況だと思います。となると,検討委員会の議論というのがこれ以上進まないだろうというのが私の個人的な考えで,そこから先,では3月に検討委員会が一定の結論を出したときに,北ふ頭に関して,誰がどのような形で候補地というか整備地を決めるのかと。その点について,知事はどのようなお考えでしょうか。

(知事)
本港区の利活用の検討委員会の方のゾーニングというものが,現時点でも結論を出すのに別に支障はないと思っております。ですから,「ここのエリアというものは,こういったエリアとして今後整備を検討していくべきだ。」という方向性を出していただくということで,そこで具体的な施設について何かこう,これです,あれです,ということではありませんから,そういったものの中でいろんな議論をその後進めていくと。では,それをこのエリアにどういった施設なりを整備していくのかということについての検討の進め方については,まだ決まっているわけではありませんが,県・市あるいは民間の事業者等の間でいろんな議論をしながら検討を進めていくということになるのだろうと思います。
一方で,サッカースタジアムをどうするかという議論というのは,場所の問題もありますが,どういった施設にするのかといったことも含めて,それはそれでまた検討を進めなければいけないのだというふうに思いますが,その辺の議論をどのように進めていくのかということについては,鹿児島市とまた相談しながら連携してやっていくということかと思います。その中で,今,そこの場所しかないのかどうかということも含めて,そこは港湾事業者との調整等いろんなこともありますから,そこしかないということでもないのではないでしょうか。そこは,いろんな議論というのがどうなるのか,鹿児島市がどう考えているかも,そこしかないということなのか,その辺はまた,いろいろ議論しながらということではないでしょうか。

(記者)
おっしゃるとおりで,なかなか難しい状況だとは思いますが,検討委員会の結論が出てからまた議論が進むという,スタジアムに関して,一定の結論が出てからスタジアムをどうするのかというのがスタートするという認識でよろしいでしょうか。

(知事)
いや,スタジアムの議論は今もしているわけですから,別にどういった多機能型のそういった施設でどういうふうにしていくのか,どれぐらいの規模にするのか等,いろんな検討事項はあると思いますし,先ほど申し上げたようなにぎわいをどのように創出していくのか等,いろいろ検討は並行して進めていくということはできるのではないでしょうか。

(記者)
もう1点,そこを踏まえると,常々知事は「北ふ頭にサッカースタジアムを整備する場合に港湾計画の変更が必要であって,その時間がどれくらいかかるか分からない。10年以上かかるかもしれないし,それより短いかもしれない。だいぶ時間がかかる。」ということをおっしゃっていました。そうすると,Jリーグの方のライセンスの関係で,果たしてライセンスの交付の条件として,J1に上がる際に「年間の整備計画を出さなければいけない」という条項があると思いますが,それとの整合性が果たして取れるのだろうかというのが素直な疑問ですが,そこはいかがでしょうか。

(知事)
この前Jリーグの方が来られたときも,「そんなにすぐにできるとは思ってはいない」というお考えだったかと思います。一定の,ふ頭用地であるという,港湾エリアだということについては御理解いただいていると思いますので,すぐそれができなければということではなくて,こういったことできちんと進んでいるということがあれば,Jリーグの御理解は得られるのではないかと思っております。

(記者)
進まなければライセンスの交付は難しいということにもなるかと思うのですが,その進んでいるというのを示すためには,どういうものが必要だと知事はお考えでしょうか。

(知事)
何でしょうね。いろんな施設の整備の中身,あるいは今後の工程というものが何か協議がまとまるなど,いろんなことが考えられるとは思いますが,具体的にこれというものが示されているわけではありませんが,きちんとスタジアムの整備に向けて関係者の間でしっかりと協議・検討が進んでいるというようなことを御理解いただければというふうに思っております。

13.物流業界2024年問題による農畜産物等の輸送

(記者)
物流の2024年問題についてです。鹿児島県は,他県に比べて大消費地から遠いという地の利のハンデがありますが,鮮度維持や運賃上昇といったことを危惧する農家さんの声もあります。農畜産県としては,大消費地への出荷は欠かせない現状の中で,大生産地である鹿児島から独自の支援策が必要ではないかと考えますが,知事のお考えをお聞かせください。

(知事)
物流の2024年問題ということで,トラックの運転手の人員不足に加えて働き方改革等もあり,トラック輸送ということがなかなか難しい状況が出てくるということで,鹿児島県の農畜産物の消費地への輸送というものに支障が出るというような懸念もないわけではないということであります。
そういう中で,県としてはトラックの荷物を途中で積み替えたり,積み替えるといってもいろんなやり方がありますが,そういった形でドライバーの皆さんが十分働きやすい環境の下で,きちんと物流が確保できるというようなやり方についても実証するようなことも行おうとしておりますので,そういったことも含めてできるだけそういった物流面での支障というものがないように検討を進めていきたいと思っております。

14.大谷翔平選手への表彰等

(記者)
先ほど,メジャーリーガーの大谷翔平選手が史上初の満票で2度目のMVPを獲得されたということです。大谷翔平選手といえば,シーズン中は兜のパフォーマンスで鹿児島にもスポットライトが当たったと思いますが,県として何か,特別県民栄誉賞などといった賞を検討される御予定はありますか。もしよろしければお願いします。

(知事)
いや,今のところそういった予定はありませんが,鹿児島県の兜をPRしていただいたという意味では,大変ありがたいと思っておりますので,感謝したいとは思っております。

15.高病原性鳥インフルエンザへの対応等

(記者)
鳥インフルエンザについてお伺いします。野鳥での感染が今シーズンも確認されて,次,また家畜の鶏への感染もいよいよ心配なところだと思います。昨年は家畜で感染した農場も多く,県の職員の方々が消毒などの対応で帰りが遅くなり,翌日の勤務のインターバルが短くなって,そういったインターバルの確保が難しかったようです。今年また感染が起こったことを想定して,職員の方々の労働環境みたいなものを改善していくということに向けた対策等は何かお考えはありますか。

(知事)
昨年は非常に,県内各地で鳥インフルエンザの発生が相次いだということで,137万羽殺処分をして,自衛隊や地元の市町村で建設業協会の皆さんをはじめ多くの皆さんに御協力いただきながら,なんとか対応してきたということでございます。県の職員も本当に寒い中,夜を徹して,非常に過酷な作業を一生懸命していただいたと思っております。そういう意味では,非常に残業など労働条件といいますか,そういった意味では大きな影響があったと思っております。
また,これを合理化というところもなかなか,消毒ポイントでできるだけ機械を導入したり,委託をしたりと,そういったことは行ったりするようにしておりますが,殺処分そのもののところ,埋却処分,こういったところは合理化するのもなかなか難しいと思っていますので,できるだけ通常の業務との関係で職員の健康等に影響が出ないような形でのローテーションをしっかりと確保したり,作業に従事した後の健康診断等,現場の方でも保健師の皆さんに待機していただいたりということもしておりますので,そういった職員の皆さんの対応について,しっかりとまた健康面でも留意していきたいと思っております。

16.次期県知事選挙

(記者)
少し時期尚早かもしれませんが,今度の知事選,2期目の出馬について,もし今お考えがあれば教えてください。

(知事)
まだそこまで思いが至っておりません。

17.鹿児島空港国際線の状況(2)

(記者)
インバウンド関連で教えてください。たしかベトナム便,ハノイ便を飛ばそうという努力をされていたと思いますが,先ほどあったように地上職員不足がこれに影響しないのかという点と,全国的な課題ですので,県独自としてこの地上職員不足に何らかの対応策,今されている補助金等はありますが,それ以外に何か考えていらっしゃるかどうか,この2点を教えてください。

(知事)
ベトナムとの関係では,2020年にLCC会社のベトジェット航空がハノイ-鹿児島間の直行便を就航させるという話がありましたが,コロナで延期になったままになっております。
一方で,先般7月にベトナム航空と,ベトジェットもお伺いしましたが,ベトナム航空でも鹿児島との間の直行便について,前向きに検討していただけるということで,それに向けてお互いにプロモーション活動をしっかりとやっていきましょうと。それを見据えた形で年度内にチャーター便を飛ばしましょうということを行っております。また,こういった方向に向けて県としても,エイチ・アイ・エスとも協力関係を結んでいこうということで,今準備をしているところであります。
その中で,このグランドハンドリングの課題というのがやはりネックになる,障害になる可能性もあるわけですから,そこのところを解消に向けて今取り組みをしているところであります。県の方ではいろんな採用活動への支援あるいは同業他社からの応援,職員に対してのいろんな経費の支援といったことを行ったり,あとは航空会社からも応援要員の派遣要請ということで,人員確保に努めてきております。
その他,鹿児島では1社だけで対応していますが,同業の他社で参入できるようなところがないかということも探したりというようなことで,今あらゆる手段を尽くしながら検討はしているところであります。

18.農業試験場跡地

(記者)
先般,市民グループが知事あてに「サッカースタジアムの立地場所が正式に決まるまでは,農業試験場跡地の売却は止めてほしい」という要望が上がっていたと思いますが,それについてのお考えをお聞かせください。

(知事)
農業試験場跡地については,県の未利用財産についてはできるだけ早急に売却等していくということが基本的な考え方だと思っております。そういったことで,国・鹿児島市などに利用する意図があるかどうかということを確認した上で,それを踏まえた形で,それがなければ民間への一般競争入札ということが基本になろうと思っております。
その中で,売却する場合の土地の利用の仕方としては,鹿児島市の地区計画がありますので,それに沿った形での施設の整備ということになろうかと思っておりますので,こういった方針で今後対応していきたいと思っております。

(記者)
スタジアムの立地場所が決まるかどうかについては,特に判断材料に入ってこないという。

(知事)
はい。そもそも地区計画で,スタジアムというものができる状況にはないと思っております。

(記者)
できる状況ではないということですね。分かりました。

19.知事とのふれあい対話(1)

明日,霧島市で開く知事とのふれあい対話ですが,これでもって県内自治体一巡することになろうかと思います。少し早いですが,一巡にあたっての所感,どんな意義があったか,その辺をお聞かせください。

 

(知事)
知事とのふれあい対話という形で全市町村を回りまして,直接県民の皆さんから,地域のいろんな実情・課題・要望・意見,いろんなことをお伺いしてきました。やり方としては,15人の方から御意見をいただくことにして,5人の方は地元の自治体から御推薦をいただき,残りの10人の方については幅広いいろんな方から多様な御意見を伺うという意味で,公募という形でしてまいりました。また,事前にテーマを決めたり発言事項を求めたりすることなく,自由に意見をいただくというような形でしてまいりました。
いろんな御意見,本当に多種多様な御意見が,それぞれの地域ごとに聞くことができたというのが大変有意義であったと思っております。それを踏まえて,いくつか県政の方にも反映してきた部分というのも相当あったかと思いますので,こういったことについて参加していただいた,あるいは傍聴も含めて関わっていただいた皆さんに感謝申し上げたいと思っております。

(記者)
2巡目というか,今後の方向性をお聞かせください。

(知事)
2巡目というのが,私の任期もあと,そんなにはありませんので,取りあえずこれで一段落ということで,今後またどういった形で県民の皆さんの御意見をお伺いするかということについては,また少しやり方を考えてみたいと思っております。

(記者)
何かアイデアはありますか。

(知事)
いや,これから検討したいと思っております。

20.首相官邸訪問

(記者)
先般,上京の際に首相官邸を訪問されていますが,その辺の経緯やどんな意味があったか,改めてお聞かせ願えますか。

(知事)
先般,総理官邸にお伺いした趣旨というのは,明治日本産業革命遺産,世界遺産の協議会の会長を私がしているという立場でお伺いしたわけです。たしか9月か10月でしたか,リヤドで行われた世界遺産の会議において,日本政府の取り組みというものについてきちんと評価していただいたということの御礼ということで,是非行ってほしいということが協議会の事務局からお話がありましたので,そういった形で上京の折に日程が合いましたので,お伺いしたということであります。
併せて,昨年10月の第12回全国和牛能力共進会の際に,内閣総理大臣賞を総理自らお越しいただいてお渡しいただいたというようなこともありました。だいたい1年たちましたので,その1周年記念ということで,和牛の消費拡大ということも今必要なことでありますので,鹿児島県産の肉も贈呈したということであります。

(記者)
タイミングとしては,原子力発電の県民投票条例が終わった,臨時会の後,あるいは九州電力の社長が県庁に来た翌日という,原発がらみの日程に近いところだったと思いますが,その辺の話は。

(知事)
それはなかったかと。

(記者)
特にないですか。分かりました。

21.知事とのふれあい対話(2)

(記者)
先ほどの知事とのふれあい対話に関連して,「県政に反映したものもいくつかある」とおっしゃったと思いますが,具体的にこういうものというものがもしあれば教えていただけますか。

(知事)
大小様々いろんなことがありますが,ここの道路をなんとかしてくれ,草をなんとか,寄り洲除去をしてくれ,港湾等いろんなことがありますが,伊佐・湧水に行ったときには,多くの方から「特別支援学校の充実,分校の設置」ということを要望いただいて,それはふれあい対話以外の場でも何度か御要望いただいていた事項ではありますが,そういったことについて教育委員会の方に検討をお願いして,今検討が進んでいるということもございます。
あるいは,与論のドクターヘリの運用についての,沖縄県との連携の強化といいますか,そういったことについても御意見をいただいたりというようなこと。
あるいは,医療的ケア児の対応というものをもう少し充実してほしいという御意見への対応,いろんなことがあったように思います。

(記者)
やり方は,任期もありますが検討したいということですが,現時点で,今のふれあい対話のやり方・方式というところで,何か課題というのはあるのでしょうか。

(知事)
そうですね,課題としては,やはりテーマを設けていませんので,重複する場合もあれば,県政というよりは市の身近なことへの要望みたいなことが割と多いというような地域もありましたし,その辺のやり方というものも県政に対して何かテーマを設けた方が良かったのか,あるいはテーマを設けると発言がなかなか難しくなったり,その辺をどのように工夫すればいいかというのはありますね。

(幹事社)
それでは県政一般に関しての質問は終了し,続きまして川内原発関連について質問のある社はお願いいたします。

22.川内原子力発電所の運転延長等

(記者)
まず来週の21日に開かれる,県の専門委員会についてお伺いしたいのですが,そこで,かねて知事も言及されていましたように,規制庁からの運転延長認可に関する説明がなされるわけですが,そこでの規制庁の説明に関して,知事が今後の判断に資するというところで注目すべきポイントについては,どのようにお考えかをお聞かせください。

(知事)
先般,11月1日に規制庁が20年延長についての審査をした結果,認可したということでありますが,その審査で認可をするに至ったその規制庁の判断の審査の内容について御説明をいただけるというふうに考えておりますが,特に具体的にこの部分ということがあるわけではありませんが,我々としては,やはり厳格な審査ということをお願いしておりましたので,そういった形での審査がきちんと行われていたかどうかということが重要なポイントではないかと思っております。

(記者)
おっしゃいました「厳格な審査」というところが,いくつか観点があると思いますが,原子力発電所そのものの安全管理,地域住民に対しての十分な説明,事故が発生した場合の対応など様々あろうかと思います。いくつか列挙されるとすれば,それはどういったところになりましょうか。

(知事)
何と言うのでしょうね,この20年の延長の審査というのは,原子力発電所そのもの全てについての安全の審査に関わるものではなくて,今おっしゃったようなことではなくて,20年延長して運転するにあたっての劣化状況がどうなっているのか,それが耐え得るようなものなのか,ということを審査していただくということでありますから,コンクリート工学上,その劣化の状況の評価というものが適切に行われているのかどうか,特別点検の内容,劣化評価,そういったことについてきちんと評価したことが適正であるかどうかということについての審査の判断した内容,こういったことについて御説明があるものと思っておりますので,その点についての安全性の評価がきちんとなされているのかどうかということを委員の先生方に見ていただくということになるかと思っております。

(記者)
御自身も御出席される御予定と伺っていますが,県の専門委員会の中で説明を聞いて,今後の判断の材料にしていくということになるでしょうか。

(知事)
これは非常に専門的な技術的な話でありますから,私自身がその内容について説明を聞いて,私だけで判断するということではなくて,専門委員会のそれぞれの委員の先生方に聞いていただいて,そこでしっかりと見ていただくということが重要だと思っております。

(記者)
細かい確認で恐縮ですが,つまり,県として何らかの判断をする場合には,その規制庁の当然説明だけではないですが,主としては,専門委員会がどのように判断するかということを大きく勘案するということでしょうか。

(知事)
県の専門委員会の方で,国の方の規制委員会の考え方を聞いていただいて,きちんと適切になされているかどうかということを見ていただいて,その御意見等をお伺いした上で,県として判断する必要があるというふうに思っております。

(記者)
最後に,県の考えについての表出の時期について,一つ今月の28日に第4回定例会が開会する予定ですが,そういったところも踏まえて,今知事の中でどのタイミングになるかということをおっしゃられる範囲でお聞かせいただければと思います。

(知事)
まだタイミング,スケジュールがどうなるかということは,はっきり分かりませんが,いずれにしてもこれまで申し上げているとおり,規制庁,そして九州電力の対応について,どういうふうに対応するかということだけではなくて,県議会での御論議ということを申し上げておりますので,県議会冒頭でのそういった方向性を出すというようなことはないというふうに思っております。

(記者)
今のおっしゃり方ですと,つまり,早くとも会期の中・後半からそれ以降ということになるということでしょうか。

(知事)
県議会での御論議がどういうふうに進むかが分かりませんので,そのタイミングについても現時点ではよく分かっておりません。

(記者)
県議会の御論議というのは,具体的には県側から何か関連議案を出すということではないですけれども,例えば陳情や何か別の形での提案があっての御論議ということでしょうか。

(知事)
陳情・請願,そういうようなことに対しての県議会としての対応がどうなるか,あるいは委員会における県議会での議論というものがなされるわけでしょうから,その辺の議論というものがどういう方向になっているかなど,さまざまあろうかと思います。

(記者)
今の質問に関連してですが,いわゆる地元同意という枠組みがない中で,県の考えを示す意義・狙いを改めて教えていただいてよろしいですか。

(知事)
やはり,今回20年延長するにあたって,事業者・国が,既に国の方は認可していますし,事業者の方にも特段の何らかの制限というものがあるわけではありませんが,当然,地元の立地県としては,安心・安全ということが重要であるということがありますので,そういった観点からは,県としての専門委員会も設置しているわけですから,私どもの方の考えということはしっかりお伝えしたいと思っております。当然,我々の申し上げたことについては尊重していただけるというふうに思っております。

(記者)
県の方の考えが九州電力の方にも尊重されるということだと思うのですが,知事の考えを示される上でのスタンスについてお伺いしたいのですが,これはいわゆるゼロベースで,運転延長に対して否定的な意見も示すというところも含めて考えを示されるのか,それとも,規制委員会の方も認可していますが,運転延長を前提とした上で考えを示されるのか,その部分は今の時点でどのように考えていらっしゃるでしょうか。

(知事)
運転延長を前提としてということでは必ずしもありませんが,これまで全く白紙で意見を言うというわけではありませんから,これまでの県の専門委員会・分科会での議論の積み重ね,そして,また九州電力に対しての要請を行い,それに対する回答をいただいていて,また国の方の規制委員会の方の考えをお聞きした上で,また県議会で議論した上で意見を述べると,整理をするということでありますから,そういったことを踏まえた上での意見ということになると思います。

(記者)
安全協定に関してですが,事前協議の対象が非常に,解釈といいますか,あいまいな部分があるかと思うのですが,今後,60年超運転という動きも控える中で,改めて運転延長というのを事前協議の対象に加えるという,ここで改めて整理するという,そういったお考えはおありでしょうか。

(知事)
60年を超えてというのが実際にあるかどうかよく分かりませんが,そういったときに,そのままの延長なのか,あるいは施設設備の変更を大幅にした上でなのかということによって変わってくるかと思いますので,そういった状況の中で変更が必要であれば,当然協議の対象になってくるわけですから,そういったものはしっかりと対象にしながらということで,現状の中での対応ということを基本として考えております。

(記者)
今回の20年延長というのは,その事前協議の対象ではないという認識でしょうか。

(知事)
はい。

(記者)
運転延長に関して,県と同時に薩摩川内市の方も協議を進めていまして,田中市長も「議会の意向を」ということをおっしゃっています。
率直に言うとどちらが先かというところで,知事としては立地自治体を尊重したり,調整というか,連携というか,そういう話し合いというのは薩摩川内市の方とされているのでしょうか。

(知事)
薩摩川内市の方で,たしか特別委員会での議論をされているのですかね。そういった形でのいろんな議論もされると伺っておりますので,そういった動向については,今後またお伺いしながら,県としても考えていきたいと思っております。

(記者)
県としては,市の方がやはり先だという,知事のお考えで結構ですが,どういうお考えでしょうか。

(知事)
当然,薩摩川内市,地元でありますから,そこでの動向といいますか,動きということについては,当然尊重する必要もあるだろうなと思っております。

(記者)
もう1点,規制庁に要請書を出されていると思いますが,その回答はまだ届いていないと思うのです。次は,21日ですか,専門委員会で規制庁からいらっしゃいますが,その場で回答の御予定は,規制庁の方から何かあるのでしょうか。

(知事)
その場で御説明がいただけるというふうに考えております。

(記者)
ではその場で,県の要請に対する回答が規制庁の方からあるということでよろしいですか。

(知事)
はい。

(記者)
この前,九州電力の社長さんがいらっしゃって,それで薩摩川内市の方に行かれて,議会の方と九州電力の社長さんがお話しされたのです。そうすると議長さんが,例の使用済核燃料の問題について言及されました。議長さんの方は,九州電力の社長さんに「使用済核燃料の搬出をしっかりやってほしい」というような主旨の意見というか,そういうのがあったのです。たしかに市議会の方では,「使用済核燃料をどうするのか。」と住民の方からもそういう声があるというようなお話でした。
20年の延長の問題で,使用済核燃料の搬出について,先ほどからお尋ねしている県としての判断に含まれるのか。またそれに含まれなくても,例えば九州電力に対して何らかの要請をする,何らかの条件を付ける。もうご存じかもしれませんが,福井県の方では,使用済核燃料の県外搬出ということについて,関西電力さんにかなり厳しくおっしゃっていますが,そういうふうな要請を,延長という節目において,問題の節目において,鹿児島県として使用済核燃料の搬出について何らかの要請をする,何らかの条件を付けるというようなお考えというのは,今ありますか。

(知事)
この20年延長問題といいますか,これとからめて使用済核燃料の搬出についての要請をするというようなことは,現時点では予定はしておりません。ただ,今後の使用済核燃料がたまってくるという中で,それへの対応ということについては当然これからまた,20年延長とは別に九州電力ともいろいろ相談したりお願いしたり,というようなことは出てくるかとは思っております。

(記者)
20年延長判断という,一つの節目であるので,やはりそのときに何か要請するなり,言い方は適当か分かりませんが,くぎを刺しておくと,そういうことも必要ではないかなという感じもないこともないのですが,そこのところはいかがでしょうか。

(知事)
県の考え方を整理する中で,そういったことまで含めるかということについては,また考えたいと思いますが,現時点においては,この2つを絡めてということまでは考えてはおりませんでした。

(記者)
改めて,念のための確認ですが,県としての考え方,これは知事のお考えにもなるかと思うのですが,運転延長についての知事のお考えというのは,28日開会の県議会の会期中に表明されるという理解でよいのか,改めて伺えますでしょうか。

(知事)
いや,必ずしもそういうことではありません。28日冒頭はないですよね,ということで,そこから県議会での議論というのはあるわけで,そこでの議論がどういうふうになるか,結論が出るのか出ないのか,いろいろわかりませんので,県議会での議論ということだけで,それがいつの時期になるのかということまでは,現時点では分からないということです。

(記者)
すると,必ずしも会期中ではないと。

(知事)
はい。

(記者)
あと,意見を表明されるときには,賛否という形で表明されるという理解でよろしいでしょうか。

(知事)
そこも含めて,まだこれから検討したいと思っております。

(記者)
では,必ずしも賛否ではないという。

(知事)
いや,ですからどういうような考え方になるか,そこも含めてこれから検討したいと思っております。

(幹事社)
ほかに質問のある社はないでしょうか。
質問はないようですので,これで終わります。

(進行)
では,これをもちまして,知事の定例記者会見を終了させていただきます。

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