閉じる

  •  
 
 

閉じる

 
 

ホーム > 県政情報 > ようこそ知事室へ > 知事記者会見 > 令和3年度 > 令和4年度当初予算(案)等知事記者会見

更新日:2022年2月11日

ここから本文です。

令和4年度当初予算(案)等知事記者会見

時:令和4年2月10日(木曜日)午前11時30分~午後12時50分

場所:6階大会議室(県庁6階)

動画版を見る(外部サイトへリンク)

「ムーブかごしま」からもご覧いただけます。

【発表事項】

令和4年度当初予算(案)等について

1.令和4年度当初予算(案)の要点(PDF:2,926KB)

2.令和4年度当初予算(案)の概要(PDF:2,685KB)

3.令和3年度3月補正予算(案)の概要(PDF:462KB)

4.令和4年度「組織機構改正」の概要(PDF:324KB)

5.公債管理ダイジェスト2022(PDF:639KB)

【知事】
それでは,私の方から令和4年度の当初予算案を発表いたします。
総額は8,699億300万円でございます。
予算規模は対前年度3%増ということで,平成15年度以来の水準となっております。
今回の予算は,「かごしま未来創造ビジョン」で示す鹿児島の目指す,未来を拓く人づくり,暮らしやすい社会づくり,活力ある産業づくりを実現するため,以下の4つの基本的な考え方に立って編成したところであります。
1点目は新型コロナウイルス感染症について,引き続き感染防止対策と医療提供体制の確保に取り組むとともに,経済対策も併せて推進することで,県民の安心・安全と経済活動,社会活動の両立を図るということであります。
2点目は鹿児島県の基幹産業であります農林水産業,観光関連産業や企業の「稼ぐ力」の向上に資する施策を積極的に推進することでございます。
3点目といたしまして,SDGsの理念を踏まえ,デジタル化,脱炭素化,ジェンダー平等,イノベーションの促進等の各般の施策を推進することとしております。
4つ目といたしまして,歳入・歳出両面にわたる行財政改革に取り組み,行財政運営指針で掲げた3つの財政運営目標,すなわち収支均衡,県債残高,基金残高を達成することであります。
特に力を入れた点といたしましては次の2点と考えております。
来年度は,新型コロナウイルス感染症対策として医療提供体制,感染防止対策に万全を期すとともに,新型コロナウイルスの感染急拡大で回復しつつあった観光や個人消費に落ち込みが見られることなどを踏まえ,こうしたコロナによる影響を克服するための経済対策として,鹿児島GoToトラベルや「ぐりぶークーポン」の継続発行事業に大きな予算を投入します。
また,サービス業,製造業,食品関連製造業の生産性向上,宿泊業等の受入環境向上等のために,これまでにない規模の大型補助金を設けております。
こうした事業の活用により,県内企業の「稼ぐ力」の向上を図ってまいります。
なお,令和4年度当初予算については,新型コロナウイルス関連事業を迅速に執行し国の補正予算に速やかに対応するため,令和3年度12月補正予算,3月補正予算と一体的に編成しております。
お手元の令和4年度当初予算の要点に沿って,少し詳しく説明をいたします。
1ページ目でございます。
今回の予算の大きな構成といたしまして,第1は新型コロナウイルス感染症拡大防止及び経済対策でございます。
次に新年度の施策の大きな柱として,基幹産業の「稼ぐ力」の向上など8つの柱を掲げております。
2ページ目でございます。
新型コロナウイルス感染症対策として,まず医療提供体制の確保,感染拡大防止対策にしっかりと取り組んでまいります。その上で,各種の経済対策に取り組み,県民の安心・安全と経済活動,社会活動の両立を図ってまいります。
医療提供体制の確保,感染拡大防止対策として,令和3年度3月補正と合わせた総額で約555.0億円,経済対策として総額で約267.2億円を計上しております。
次に,「稼ぐ力」の向上に向けて,本県の基幹産業であります農林水産業の「稼ぐ力」の向上関連事業に総額110.6億円。観光関連産業の「稼ぐ力」の向上関連事業に総額183.2億円を,製造業,サービス業をはじめとする企業等の「稼ぐ力」の向上関連事業に総額39.4億円をそれぞれ計上しております。
私としては,このような「稼ぐ力」の向上の取組を通じて,本県の産業が地域の外から資金を稼ぎ,稼いだ資金を域内で循環させ,地域経済を強くし,地域に仕事をつくり,地域への人の流れを作ることにより地域経済の好循環を高め,本県の持続的発展に繋がることが重要であると考えております。「稼ぐ力」の向上を図り,経済を持続的に発展させることで,地域の格差是正を図り県民所得の向上を図って,県民の皆様の暮らしと雇用を守りたいと考えております。
また,デジタルテクノロジーを活用した県民の暮らしの質の向上のための関連事業に,総額で48.4億円を計上しております。この中で,交通,医療,介護,教育などあらゆる分野におけるデジタルテクノロジーを活用した利便性の向上,効率化に取り組んでまいります。
地球温暖化は,人類の将来に関わる最も重要な環境問題であり,2050年のカーボンニュートラルの達成に向けて,脱炭素社会の実現と豊かな自然の共生に関する事業に,総額で108.5億円を計上しております。
地方回帰の流れを踏まえ,鹿児島に人を呼び込む移住・定住や,鹿児島の良さを生かしたワーケーションの推進などの移住・交流の促進に関する事業に3.0億円を計上しております。
このほか,防災・減災,国土強靱化のための5ヵ年加速化対策を踏まえ,引き続き,防災・減災,国土強靱化のための取組を引き続き積極的に進めることとしており,県単公共を含む公共事業関連予算について,12月補正を合わせた16か月ベースでは,総額1,460.6億円を確保しております。また,令和3年度当初予算との比較では,0.1%増の総額1,133.2億円を確保しております。
なお,今回の予算編成の中で新型コロナウイルス感染症対策を行うにあたっては,幅広い事業に充当可能な地方創生臨時交付金を可能な限り活用しており,113億円を今回の予算編成において活用し,感染防止対策や経済対策に充てております。
次に5ページでございます。財政健全化の取組についてでございます。
予算編成にあたっては,歳入歳出両面にわたる行財政改革に取り組んだ結果,行財政運営指針で掲げた3つの財政運営目標を全て達成しております。
1つ目の目標であります当初予算における収支均衡については,12年連続で達成しております。
2つ目の目標であります本県独自に発行する県債残高については,新規の県債発行の抑制に努め,令和4年度末の県債残高見込は,令和3年度末の見込額から179億円程度減少し,1.1兆円を下回る1兆419億円程度となる見込みでございます。
3つ目の目標である財政調整に活用可能な基金残高については,250億円を維持しております。
このように財政の持続可能性を維持するための取組もしっかりと行いつつ,重要施策には最大限投資する,メリハリの効いた積極的な予算とすることも心がけたところでございます。
6ページ目でございます。
今年度も行財政改革PTを中心に行財政改革に取り組み,その効果額は約16億円となっております。具体の取組としては,歳出面では事業内容,財源等の見直し,決算額を考慮した予算規模の見直し,新型コロナウイルス感染症の状況を踏まえた事業執行の見直しなど,施策の妥当性,有効性の観点から事業を精査する事務事業見直しを実施したところであります。本県財政は予断を許さない状況にあることから,今後も持続可能な財政構造の構築に向けて,行財政改革の取組を堅持してまいりたいと考えております。
ここからは手前の画面をご覧いただき,御説明をいたします。
まず,新型コロナウイルス感染症に係る医療提供体制の確保,感染防止対策等のうち医療提供体制の確保についてであります。
新型コロナウイルス感染症の感染状況については,本年1月以降,オミクロン株による爆発的な感染拡大により,多くの感染者が確認されております。引き続き,病床確保及び宿泊療養施設の確保に必要な予算を計上しております。
感染拡大防止対策については,飲食店や宿泊施設の第三者認証の取得促進や,無症状者が円滑にPCR検査を受検できる体制整備,市町村や医療機関等と連携したワクチンの追加接種などを推進してまいりたいと考えております。
具体的には,「第三者認証取得飲食店感染防止対策支援事業」や,「宿泊施設の認証取得促進事業」において,県民や観光客など,あらゆる方に県内の飲食店や宿泊施設を安心・安全に御利用いただくため,新型コロナウイルス感染防止対策を講じられた店舗,施設を増やし,その対策の質を維持するよう,来年度から第三者認証を取得した飲食店等を対象として,感染予防対策用品の購入費用を支援することとをしております。
新型コロナウイルス感染防止対策PCR等検査無料化事業においては,感染の不安がある無症状者がPCR検査を無料で受けられる体制を整備いたします。
「新型コロナウイルスワクチン接種体制確保事業」においては,医療機関の個別接種や企業等の職域接種への支援により,追加接種の加速化,円滑化に取り組んでまいります。
なお,ワクチンの追加接種につきましては,接種の前倒しを受けて希望する対象者の接種を加速化するため,2月19日より鹿児島市,鹿屋市,薩摩川内市の3か所に県の大規模接種会場を設置することとしております。
高齢者施設や障害者施設等における感染防止対策の徹底を図る必要がありますが,高齢者施設や障害者施設における感染防止対策に必要なマスク,消毒液などの衛生用品等の購入経費に対する国の支援制度が令和3年末で終了したところでございます。感染防止対策については継続した対応が必要であり,特に高齢者施設や障害者施設などは万全の対策が求められることから,令和4年1月以降の衛生用品の購入経費については,県独自に高齢者施設等への感染防止対策支援事業,障害者施設等への感染防止対策支援事業を創設し,引き続き支援を行うことといたしました。
また,児童生徒の安心安全のために特別支援学校の通学バスの増便も行ってまいります。
次に,新型コロナウイルス感染症に係る経済対策についてでございます。
新型コロナウイルス感染症の影響により,飲食サービスや特産品等の消費低迷が長期化しているほか,商店街も来街者の減少等により売上が大きく減少しております。このため,県民の消費意欲を喚起するとともに,商店街の売上回復に向けた取組を支援していくこととしております。
具体的には,今年度実施し多くの県民の方にご利用いただき,登録店舗からも高い評価をいただいたLINEの割引クーポン,いわゆる「ぐりぶークーポン」を引き続き発行することとしております。
また,商店街支援については,これまでアドバイザー派遣等を行ってきたところですが,来年度は新たに商店街の空き店舗活用やイベント開催等によるにぎわい創出などの主体的な取組を支援することとし,予算額も大きく増額したところでございます。
また,外国人を含めた県内の観光客数についても大きく減少しており,効果的な需要喚起策を展開していく必要があります。
旅行需要喚起については,これまで国がGoToトラベル事業を実施し,この停止後は,都道府県が国庫を活用して地域観光事業支援を実施することとされ,本県では「今こそ鹿児島の旅(第2弾)」を実施してきたところであります。
先般決定された国の経済対策におきましては,国による新たなGoToトラベル事業及び都道府県による地域観光事業支援について,予算を繰り越して令和4年のゴールデンウィーク前まで実施することとされております。その後については,都道府県が地域の実情に応じて県版GoToトラベル事業を実施することとされております。切れ目なく需要喚起を行うため,今回,「鹿児島GoToトラベル推進事業」として予算を計上しております。
「鹿児島GoToトラベル推進事業」では,国のスキームを基本として旅行商品の割引や商品クーポンを付与することとしておりますが,本県では2つの世界自然遺産である奄美・屋久島等の離島地域への旅行を積極的に誘致するため,離島への旅行について県単独で割引額の上乗せを行うこととしております。
さらに,県内各地への誘客を図るためのタクシーやレンタカーの割引助成や,誘客促進のための県外観光客に対する体験メニューのプレゼントについても併せて県単独で実施することとしております。
また,インバウンドにつきましては,海外旅行市場の再開後に速やかな誘客回復を図るため,国内外の旅行会社や航空会社と連携したプロモーションを新たに展開していくこととしております。
具体的には,国際線は羽田空港などの拠点空港が先行して再開されることから,鹿児島空港国際線の再開までの間,国内航空会社等と連携して関東,関西や福岡等から入国した外国人を本県へ誘客するプロモーションを実施することとしております。
新型コロナウイルス感染症の影響により,利用者が大きく減少している路線バス,航路,貸切バスについて,県民の移動手段の確保や観光需要の本格的な回復に向け事業者の運行継続を支援するため,車両や船舶の点検費等の費用の一部として,バス1台当たり20万円,旅客船1隻当たりの規模に応じて1,000万円または500万円を補助することとしております。
次に,農林水産業の「稼ぐ力」の向上についてでございます。
まず,人づくり・地域づくりの強化についてでございますが,基幹産業である農林水産業を持続的に発展させていくためには,担い手を確保する必要があり,今後とも就農・就業促進に向けた取組を推進してまいります。
このため,具体的な事業として「かごしまの農業未来創造支援事業」において,従来の新規就農者に対する資金交付に加え,新たに新規就農者の機械・施設等の導入支援を行うこととしております。
次に,生産・加工体制の強化,付加価値の向上についてでございます。
本県農業産出額は4年連続で全国第2位を堅持しております。一方で,農業産出額に占める生産農業所得の割合が低いということでございます。このため,今後スマート農林水産業の導入,普及により生産性を向上させる必要があります。
このため,「『稼ぐ力』を引き出すスマート農業普及展開事業」において,予算額を大幅に増額し,野菜収穫機,ドローンなどの導入を促進するなど,スマート農業の導入普及を促進してまいります。
また,令和4年度は本県で第12回全国和牛能力共進会が開催されます。これを契機として,ブランド力の向上や,畜産農家の生産意欲向上を図るため,和牛日本一を目指して,全共鹿児島大会の開催準備,広報活動,機運醸成に取り組んでまいります。
さらに本県の茶については,栽培面積,荒茶生産量ともに全国第2位となっておりますが,より付加価値の高い仕上茶の割合を高めるとともに,鹿児島茶の認知度向上や新商品開発を推進し,さらなる消費拡大を図る必要があります。「『かごしま茶』魅力創出事業」では,従来の鹿児島茶PR対策に加えて,新たにフリーズドライ緑茶の商品化支援などの付加価値向上対策に取り組んでまいります。
このほか,生産確保体制の基盤となる農畜産物の防疫対策として,サツマイモ基腐病対策を引き続き実施するほか,迅速な初動防疫の実施や,バイオセキュリティーの高度化に取り組む必要があります。
「サツマイモ基腐病対策推進事業」では,国が農家に対する健全苗,種いもの確保に関する支援や,蒸熱処理機の導入支援を行うことから,県では育苗業者に対する健全な種いもの確保のための肥料,農薬等の購入支援を行います。
また,令和3年度に地域振興局・支庁単位で3地区に設置しているプロジェクトチームを令和4年度は県内全域に広げ,基腐病の指導体制の強化を図ります。
さらに,令和4年度から国庫を活用して,新たに基腐病対策のための排水対策や土層改良に対する支援を行うほか,防除技術確立のための予算も新たに確保し,サツマイモ基腐病に対して万全を期してまいります。バイオセキュリティーの高度化については,姶良家畜保健衛生所の移転整備等を新たに進めることとしております。
次に,販路拡大・輸出拡大については,鹿児島ブランドに対する消費者の認知度向上や,有利販売につなげる取組を展開する必要があります。
また,農林水産物の令和2年度輸出額は214億円で,対前年度比5%減となったものの,農・畜・林産物は平成23年度の公表開始以降,最高額を更新しております。今後,国全体の輸出が伸びる中で本県産農林水産物等の輸出を一層促進するため,経済成長を続けるアジア諸国など,海外の需要をしっかりと取り込む必要があります。
このようなことから,鹿児島の農林水産物輸出促進ビジョンに基づき,農林水産物全般にわたって,戦略的に販売力を強化していく必要があります。
また,このうち特に水産業については,輸出先国の規制やニーズに合わせた産地育成,商品開発に取り組む必要があります。
「鹿児島の農林水産物輸出促進ビジョン推進事業」において,これまでの県内輸出商社の海外営業活動支援等に加えまして,新たに本県の農畜産物を紹介する動画の作成やSNS等による海外への情報発信を行うこととしております。
鹿児島黒牛のブランディング戦略の強化による県産食肉の輸出促進も支援してまいります。
林業については,国内外で環境保全に配慮した木材調達に市場が転換しており,「持続可能な森林経営推進事業」において,新たに国際基準を満たす森林認証の取得支援等を行います。
水産業については,先ほども少し申し上げましたが輸出先国の規制やニーズに合わせた産地形成,商品開発に取り組む必要があり,「かごしまのさかな輸出産品品質向上支援事業」において,養殖ブリの輸出の際に褐変防止のために,CO処理を施さないノンCO処理の商品が一部で求められていることなどを踏まえ,技術開発による規制対応商品の製造技術開発に新たに取り組みます。
次に同じく本県の基幹産業であります観光関連産業の「稼ぐ力」の向上に関する取組についてでございます。
国内外に誇る県産品や観光資源について,これまで「新鹿児島PR戦略」に基づき,認知度向上を図るべく取組を進めてきたところでありますが,新型コロナウイルス感染症の影響等によるライフスタイルの変化などが生じていることから,「新鹿児島PR戦略」の見直しを行うとともに,新たなキャッチコピーを策定し,本県の多彩な魅力を効果的に発信していくこととしております。
魅力ある癒しの観光地の形成については,コロナ禍において新たな旅行形態が求められる中,密を避けるマイクロツーリズムやサイクルツーリズムなどに関する需要,興味が高まってきており,これらの需要の高まりに的確に対応していく必要があります。
県民のマイクロツーリズムを促進するための事業としては,新たにコロナ禍において,県民に再認識された県内の観光素材を県民から募集し,これを新たな観光コンテンツとして磨き上げ,アドベンチャーツーリズムや温泉ツーリズムなど,テーマ別のモデルコースとしてプロモーションを行うほか,季節毎の鹿児島旅カレンダーを作成することとしております。
サイクルツーリズムについて,すでに北薩,甑島,種子島,屋久島,奄美大島,徳之島,沖永良部について県モデルルートを設定しておりますが,新たに南薩,霧島,姶良,大隅,川内川流域についても,モデルルートを追加設定するほか,サイクリストの受入を促進するため,サイクルステーション,サイクリスト向けの宿泊施設などの受入環境整備に向けた補助を実施することとしております。
また,富裕層をはじめとした外国人観光客の来訪を促進するため,民間企業が行うハイブランドホテルの整備に対して新たに融資による支援を行うこととしております。
戦略的な誘客の展開にあたって,本県観光の「稼ぐ力」の向上を図るためには,観光客の増加のみならず,1人当たりの観光消費額を増やしていくことが重要であり,観光客の嗜好を捉えた戦略,効果的なプロモーションを行う必要があります。これまで各種の調査を実施してきたところでございますが,観光消費が期待される層へ確実にアプローチする施策等の立案に向けて,新たに県内観光客について所得状況などの属性や消費動向,周遊傾向など,観光消費額やニーズ等のマーケティング調査を実施したいと考えております。
具体的には年収の高い層や,消費意欲の高い層はどういった場所で消費が活発なのかを把握し,それに基づく効果的なプロモーションを行うことにより,誘客及び観光消費を促進してまいります。
次はオール鹿児島でのおもてなしの推進についてでございます。
県内宿泊施設のバリアフリー対応状況は,全国と比較しても低い水準にあり,今後,旅行需要の回復を促すためにはユニバーサルツーリズム推進に向けた受入体制整備を推進する必要があります。受入体制整備につきましては,これまでバリアフリー化の支援事業とWi-Fi整備やワーケーションなどの新たな需要に対応するための施設整備の支援事業をそれぞれ個別の事業として実施してきましたが,来年度はこれを一つの事業にまとめ,宿泊施設においては,特に重要な客室のバリアフリー化を補助の必須要件として取組を強化しております。
次に企業の「稼ぐ力」の向上に関する取組のうち将来を担う新たな産業の創出についてでございます。
まず,本県は他県に比べて開業率が低く,地域経済の活性化や持続可能な地域社会の形成を図るためには,新たな産業振興,起業を支援する必要があります。
このため,起業マインドの醸成を図るとともに,起業しやすい環境を整備するほか,事業成長に必要な資金調達など,事業成長の段階に応じた支援を行うこととし,来年度は起業初期段階の支援を充実させたいと考えております。
これまで将来的な起業やビジネスプロジェクトのスタートに向けて取り組む起業準備者など,主に創業前のいわゆるシード期を対象に支援を行ってきたところでありますが,スタートアップ企業が成長していくアーリー期,ミドル期における資金調達などの支援が十分になされていないことから,今回新たに支援を行うことといたしました。
具体的には,産学官・金融機関等で構成する協議会を設置し,事業成長が期待されるスタートアップの資金調達に向けたメンタリング支援等を行うこととしております。
次に,中小企業が持続して発展するためには,時代の変化に対応した新事業を展開することが重要であります。
世界の宇宙産業の市場規模は,現在の40兆円から2040年代には200兆円に成長することが予測されており,国も国内宇宙産業の規模を現在の約1.2兆円から2030年代には約2.4兆円に倍増させる目標を掲げております。本県は種子島と内之浦に2つの打上げ施設を有しており,今後は新たに宇宙機器の試験研究や衛星データ画像の解析手法の研究などに対する支援を行うほか,衛星データの利活用実証事業を実施することとしております。
また,ドローン関連産業につきましても,今後様々な分野での利活用が期待される産業であり,国内市場は2025年には現在の約5.3倍の4,361億円の規模となることが見込まれております。本県は離島間の物流や労働力不足,自然災害の多発などの社会的課題を抱えていることから,ドローンを活用したビジネスが生まれる余地が大きいと考えております。
ドローン産業関連の支援については,県内でのビジネスモデルを生み出すため,産業化に向けた課題や可能性の調査を行うこととしております。また県内にはドローン製造メーカーが不在であることなどの理由により,産業界としてのまとまりが弱く,コンソーシアム形成が必要な国の補助事業の活用が進んでいない状況にあることから,県内事業者のコンソーシアムによる地域課題解決型の実証事業を実施し,産業化に向けた県内企業のネットワーク構築やノウハウ向上を図ることとしております。
また,本県の製造業,サービス業は,従業員1人当たりの付加価値額が全国平均より低い状況にあり,県内製造業及びサービス事業者の生産性向上を図ることなどにより,1人当たり付加価値額を高め,競争力を強化していく必要があると考えております。このため,地方創生臨時交付金を活用して,来年度は予算を大きく拡充し,取組を強化することとしております。
具体的には中核企業をはじめとする県内製造事業者のAI,IoTの導入や,ロボット協働等による生産性向上や新製品技術の開発に対する取組を支援いたします。
また,本県の製造品出荷額の約半数を占める県内食品関連製造業者の生産工程の自動化,省力化等による生産効率向上の取組を支援するほか,県内サービス事業者が行う新たな市場への販路開拓や生産性向上を図る取組を支援いたします。
次に,中小企業の経営基盤の強化についてでございます。
県内企業の99%を占める中小企業の経営基盤を強化し,県内企業の成長促進を図るため,株式上場に向けた支援や事業規模の拡大,資本増強等に向けた支援を行うこととしております。これまでも,「かごしま企業成長促進プログラム事業」として,セミナーの開催や,成長戦略策定ゼミを実施するなどの取組を行ってきたところでございますが,上場に向け成長促進していくためには,より深掘りしたハンズオン支援が必要であり,来年度から事業を拡充して実施することとしたところであります。
具体的には,企業の成長にとって大きなターニングポイントとなる株式上場に向けた研究会を開催するほか,金融機関や投資ファンド等と連携し,新たに高度な経営管理体制の構築のための伴走型支援を行うこととしております。
伝統的工芸品や焼酎などの県産品については,ライフスタイルの変化や人口減少などにより市場が縮小傾向にあります。このため伝統的工芸品については,消費者ニーズに対応した伝統的工芸品産業の商品開発力や販売力を強化するほか,焼酎については消費者の嗜好を踏まえた多様な飲み方の提案等により市場開拓を図っていくこととしております。
伝統的工芸品につきましては,産地組合や製造事業者が行う新たな生活様式に対応した新商品開発などの取組を支援いたします。また,伝統的工芸品産業は,多くが零細企業で受注生産が主体で,商品開発力や営業力が弱いことから,これを補うため新たに住宅メーカーなどの多様な主体とのコンソーシアムにより,伝統的工芸品の素材や技法を生かした良質でデザイン性,機能性に優れた新しい商品を開発する取組を支援することとしております。
このほか,特に生産額や従事者数の規模が大きい大島紬については,事業者の収益向上に向け,産地から直接,着物ユーザー等へ販売する機会を創出するため,着物専門小売店等との連携による大島紬の展示販売会の開催などの取組を新たに支援することとしております。
焼酎につきましては,今年度から県外大手酒販店等と連携し,香り系焼酎のソーダ割などの多様な飲み方の提案等を含めたキャンペーンを実施してきており,連携する酒販店との協力体制も整ってきていることから,引き続き取組を進めていくこととしております。また,新たに東北や関東において,飲食店経営者向けに,県産本格焼酎の多様性を知ってもらうための焼酎フェアを開催し,販路拡大を図ってまいりたいと考えております。
次に,デジタルテクノロジーを活用した県民の暮らしの質の向上についてでございます。
暮らしと産業のデジタル化のうち交通部門については,MaaS等の新たなモビリティサービスの取組による地域公共交通の活性化や,観光客などの利便性向上を図るため,新たに移動手段のアプリによる予約やキャッシュレス化等を推進する鹿児島版MaaSの実証実験を行うこととしております。
産業部門については,県内企業のデジタル化に向けた取組を一層推進するとともに,高度デジタル人材を確保・育成するため,中小企業のデジタル技術導入に関する計画策定から,先進的な取組の導入までを一貫して支援するとともに,新たに専門家によるデジタル化に関する専門的な助言,導入事業者へのフォローアップなどに取り組むこととしております。
教育部門については,デジタル技術を活用した英語力の向上や,ICTを活用した効果的な事業の研究に取り組むため,「教室から世界へ!鹿児島グローバルクラスルーム事業」において,新たに海外の学校と年間を通じたオンライン交流等を実施するとともに,「みらいの学び推進事業」において,新たにICTを効果的に活用した授業づくりの研究等を行うこととしております。
行政のデジタル化については,新たにデジタル技術等を活用した業務改革に取り組み,業務効率化を推進するとともに,キャッシュレス決済導入の実証実験等を行い,住民サービスの向上,行政事務の効率化を進めてまいります。
次に脱炭素社会の実現と豊かな自然との共生,カーボンニュートラルに向けた取組についてであります。
まず,2050年カーボンニュートラルの実現に向けて,行政,県民,事業者等における一層の取組が求められており,取組に対する,気運醸成,理解の深化を図るため,新たにCMや動画による情報発信,各種イベントの開催による普及啓発を行っていくこととしております。
また本県は,運輸部門の温室効果ガス排出割合が4割と高く,その多くは自動車からの排出となっていることから,今年度と同様に電気自動車等の充電設備に対する支援を行います。また,ランニングコストを含めたトータルコストでの本土との格差縮小や,災害時のレジリエンスの強化の観点から,新たに離島における電気自動車購入を支援することとしております。
また,産業部門・業務その他部門についても省エネを促進するため,これまで製造業者に限っていた省エネ設備等の導入支援の対象を,製造事業者以外の中小事業者にも拡充し,省エネ設備導入を支援することとしております。
次に,再生可能エネルギーを活用した地域づくりについては,脱炭素に向けて本県の資源を生かしたさらなる再生可能エネルギーの導入促進が必要であり,地域の資源を地域で利用するエネルギーの地産地消を促進するため,マイクログリッドやPPA等の先進的取組の際の,蓄電池導入費用等への支援を新たに行うことといたします。
また,エネルギーの自給率向上や,非常時の電源確保に繋がる地産地消型再エネの推進のため,令和3年度に実施した蓄電池やFCVの導入に対する支援に加えて,多様な再生可能エネルギーの導入を促す観点から,新たにバイオマス,小水力,地熱発電の導入可能性調査に対する支援を行うこととしております。
次に,移住・交流の促進についてであります。
まず,移住・交流の促進について,地方回帰の気運が高まる中,本県への移住者数は増加傾向であり,これをさらに定着させるため,「移住・交流・関係人口拡大推進事業」の予算額を大幅に増額し,これまでの移住・交流相談体制,大都市圏でのセミナー,移住に関する情報発信,市町村との連携について取組内容を強化することといたしました。また新たに市町村営住宅の移住者向け住宅への改修に対する支援を実施するなど,移住・交流・関係人口拡大に関する施策を実施することとしております。また,若年層や移住希望者等へのアンケート調査や客観的なデータなどから,現状分析,実態把握を行うことにより,効果的な施策を展開していくこととしております。
次に関係人口の創出拡大については,地域の課題解決のために地域外の人材の活用が求められており,地方に関心を有する都市住民等と県内地域との関わりを深める機会を提供し,将来的な移住につなげていくため「かごしまワーケーション推進事業」の予算額を大幅に増額し,これまでのモデルコースの構築,モデルツアーの実施に加えて,新たにワーケーション拠点整備への支援,移住を見据えて実施するワーケーションに係る滞在費等の助成を実施するなど,ワーケーションに取り組む民間事業者の支援などに取り組むこととしております。
ここから再びお手元に配付している当初予算案の要点に戻っていただきたいと思います。
15ページをご覧いただければと思います。
まず,子どもの夢や希望を実現する教育環境づくりについては,授業準備や採点など教員の補助を行う教員業務支援員を現在の3名から52名に大幅に増員配置いたします。特別支援学校の教育環境の改善を検討するための委員会の設置や,楠隼中高一貫教育校の共学化及び全寮制廃止の課題に係る調査等を行います。また,夜間中学の開設など就学機会の提供についての調査研究を市町村教育委員会,大学,学校長,PTA連合会などの関係者と行います。
次に,文化の薫り高いふるさと鹿児島の形成として,篤志家からいただいた寄附を原資に,霧島国際音楽ホールにパイプオルガンを整備いたします。霧島神宮の国宝指定を契機として,県内の歴史的建造物の魅力を再発見するイベントを開催することとしております。
最後に,いわゆる新総合体育館については,スポーツの振興拠点であるだけでなく,コンベンションやイベント開催にも利用される多目的交流拠点として整備する方向で基本構想案が取りまとめられたことから,名称をスポーツ・コンベンションセンターと変更し,その整備に向けて整備手法等の検討や地盤調査を行います。
16ページをご覧いただきたいと思います。
まず,高齢者が健やかで生きがいを持てる社会の形成については,地域活動に意欲のある高齢者の社会参加を促進するため,シニア人材が必要な知識等を習得する研修の実施を支援いたします。
次に,女性がいきいきと活躍できる社会の形成については,引き続き,固定的性別役割分担意識などにより生じているジェンダーギャップを解消するため,ジェンダー平等推進プロジェクトチームの会合の開催等を通じて,県民のジェンダー平等への気運醸成を図ります。また,「生理の貧困」に対応するため,県の相談機関等における生理用品の無料配布や,市町村における無料配布の取組を支援いたします。
次に障害者等の個性と能力を生かせる社会の形成については,重度心身障害者医療費助成について,市町村や医療関係者等で構成する関係者会議を設置し,制度改正に向けた検討を行います。次に,医療的ケア児への支援については,地域で安心して暮らしていけるよう医療的ケア児等コーディネーターの養成を進めることに加え,保育所等において医療的ケアを行う看護師等の配置を支援して保育所等における医療的ケア児の受入体制を整備いたします。みやまコンセールについて,駐車場からホール入口までの通路に手すり等を設置するとともに,身障者用駐車場を増設整備し,バリアフリー化を図ります。
結婚,妊娠・出産,子育ての希望がかなう社会の実現のために,低出生体重児等の保護者への寄り添った支援を充実するため,鹿児島県版リトルベビーハンドブックを作成いたします。また,不安を抱えた妊産婦等が身近に相談できるオンライン相談窓口,いわゆる「かごぷれホットライン」を引き続き設置し,予期しない妊娠等への相談支援を行います。ヤングケアラーについては実態調査を行うとともに,福祉,介護,医療,教育等の関係機関職員への研修を実施し,ヤングケアラーへの支援体制の強化を図ります。
18ページでございます。奄美世界自然遺産登録を契機とした取組でございます。
島々の魅力を生かした奄美の振興として,奄美独自の文化である島唄の魅力を発信するため,「ほこらしゃ奄美音楽祭」を開催いたします。また,自然遺産の保全と観光の促進の両立に向けて,遺産地域における利用ルールの策定やロードキル対策等により貴重な生態系の保全を図ります。また登録1周年の記念シンポジウムを開催いたします。さらに,観光振興のために奄美と沖縄や奄美と屋久島の周遊促進のためのプロモーションを実施いたします。
19ページでございます。令和3年度3月補正予算の主な内容について記載してございます。
これまで御説明していない部分では,令和5年の開校に向けた鹿児島市南部地区特別支援学校の整備を当初の予定よりも前倒しで実施することとしております。
その他の主要施策についていくつか御紹介をいたします。少しページを飛んで26ページの(1)の③でございます。
若年がん患者等への支援として,将来,子どもを産み育てること望むがん患者等に対する妊孕性温存療法に要する経費や,造血細胞移植を受けた20歳未満のがん患者等へワクチン再接種費用に対する助成を行います。
次は27ページ(2)の③でございます。
外国人介護人材の確保のために,県内介護施設等で就労を希望する特定技能外国人と介護施設等とのマッチングを支援いたします。
次30ページの(4)の①でございます。
令和5年に本県で開催する国体及び全国障害者スポーツ大会に向けて開催準備を着実に進めるとともに,国体での天皇杯・皇后杯の獲得に向けて競技力向上を図ってまいります。
次は35ページでございます。
(2)の②でございますが,老朽化,狭隘化の著しい鹿屋警察署庁舎について,来庁者の利便性の向上や大隅半島における警察力強化を図るため現地に新庁舎を整備いたします。
次は36ページ(1)の①でございます。
地域間の交流連携の強化,産業や観光の振興等を図るため,高規格幹線道路と主要幹線道路の整備や,その下の②の臨港道路鴨池中央工区線の整備を引き続き進めてまいります。
次に37ページの⑩でございます。
厳しい経営環境が続く航空会社に対し支援を行うとともに,鹿児島空港将来ビジョンの実現やコロナ後の航空業界の変化に対応するため,鹿児島空港が新たに備えるべき機能,設備等について検討を行います。
この同じページの(2)の③でございます。
天文館地区の千日町1・4番街区で実施されている再開発事業について,安定した事業運営による公共空間の有効活用を促進するため,再開発ビルの管理法人に無利子貸付を行うことといたします。
次は46ページの(2)の⑤でございます。
経済界が主体となって進められる磯地区への新駅の設置について支援をしていきます。
47ページ(3)の③でございますが,県内外の学校が県内で実施する修学旅行のバス借上経費などを支援することにより,本県への誘客を促進していきます。
以上,主な施策の概要について御説明をいたしました。続きまして令和4年度の組織機構改正案が取りまとまりましたので,説明をさせていただきます。
お手元の「令和4年度組織機構改正の概要」をご覧いただきたいと思います。
まず1ページ目でございますが,1つ目は「産業政策総括監」の設置でございます。農林水産業や観光,企業の「稼ぐ力」の向上に向け各部局の一層の連携を図り,産業分野における庁内の政策立案,調整機能を強化するため,総合政策部に次長級の「産業政策総括監」を設置し,各施策を効果的に推進してまいります。
次に商工労働水産部の体制強化でございます。
県内企業等の「稼ぐ力」の向上やカーボンニュートラルの実現に資する施策等について,より一体的かつ効果的に推進するため,既存の組織を改組した上で,商工労働水産部の体制を充実・強化することとしております。
具体的には,国内・海外市場への販路拡大・開拓に係る各部門の連携を強化することなどにより県内企業のさらなる販路拡大や輸出促進を図るため,観光・文化スポーツ部かごしまPR課を改組した上で,商工労働水産部に「販路拡大・輸出促進課」を設置し,商品開発から販路拡大に至る支援を切れ目なく展開することとしております。
また,雇用促進とUIターン,移住促進,外国人材受入に係る施策を一体的に取り組むため,各施策に係る組織を改組,一元化した上で,商工労働水産部に「産業人材確保・移住促進課」及び同課の課内室として「外国人材政策推進室」を設置し,産業人材の確保をより効果的に推進することとしております。
さらに再生可能エネルギー等の導入と企業等における利活用や省エネを一体的に推進するため,総合政策部エネルギー政策課を改組した上で,商工労働水産部に「エネルギー対策課」を設置し,県内企業等におけるカーボンニュートラルの実現を強力に推進することとしております。
次にサツマイモ基腐病対策に係る体制強化でございます。
サツマイモ基腐病については,県内各地で被害が発生しており,本県の基幹作物であるサツマイモの生産安定を図る上で大きな課題となっていることから,国や関係機関,団体と一体となり,より効果的な施策を企画・実践するなど,サツマイモ基腐病対策の取組をより一層推進するため,農政部農産園芸課に「サツマイモ基腐病対策班」を設置し,体制を強化することとしております。
2ページ目でございます。
次に,「新型コロナウイルス感染症感染防止対策課」及び「新型コロナウイルス感染症療養調整課」の設置でございます。
新型コロナウイルス感染症対策につきましては,各般の対策に迅速かつ確実に取り組むため,昨年4月に「新型コロナウイルス感染症対策室」を設置し,様々な対策に取り組んできているところでございます。今後,膨大かつ多岐にわたる新型コロナウイルス感染症対応業務について万全の体制を構築するため,くらし保健福祉部の新型コロナウイルス感染症総括監の下に,「新型コロナウイルス感染症感染防止対策課」及び「新型コロナウイルス感染症療養調整課」を設置することとしております。
次に国体・全国障害者スポーツ大会局の体制強化でございます。
「燃ゆる感動かごしま国体・かごしま大会」を1年後に控え,今後本格化する開催準備及び天皇杯・皇后杯の獲得に向けた競技力向上対策をより一層推進するため,国体・全国障害者スポーツ大会局の体制を強化することとしております。
次に「行幸啓室」の設置でございます。
令和5年度開催予定の「2023かごしま総文」及び「燃ゆる感動かごしま国体・かごしま大会」等における行幸啓やお成りの準備に万全を期すため,総務部に「行幸啓室」を設置することとしております。
次に「学校教育ICT推進班」の設置でございます。
GIGAスクール構想の着実な実現に向け,県立学校のICT環境の充実や市町村立学校のICT環境に係る指導・助言,教職員の研修に関する施策等を一体的かつ効果的に推進するため,教育庁高校教育課に「学校教育ICT推進班」を設置することとしております。
次に「学校教育生徒指導班」の設置でございます。
複雑化・深刻化するいじめや不登校等の生徒指導に係る諸課題に対して,生徒指導業務を一元化し,より迅速に対応するため,教育庁高校教育課に「学校教育生徒指導班」を設置することとしております。
組織機構改正についての説明は以上でございます。ちょっと長くなりましたが,どうぞよろしくお願いいたします。

【記者】
まず,知事として2度目の予算編成となりました。自己評価をお聞かせください。

【知事】
自己評価ってのはなかなか難しいと思いますけれども,昨年度と共通するところもございますけれども,まずやはりコロナ対策というのが,やはり非常に大事な状況が続いていると思っておりますので,コロナの感染拡大防止等の予算,それと合わせて経済対策ということをしっかりとやっていくということに,この予算編成上は意を用いたところでございます。
また,その後のコロナ後も見据えて,鹿児島県の基幹産業あるいは企業の「稼ぐ力」というものをしっかりと伸ばしていくための予算というものをしっかりメリハリをつけながら盛り込むことができたのではないかと思っております。

【記者】
特に知事としてこだわった部分,県民にお伝えしたい部分ってのがあればお願いします。

【知事】
色んな細かいことで言えばあるとは思いますけれども,今申し上げたことが一番大きなポイントで,特に力を入れた点ということで先ほど申し上げたところでありますけれども,その他に個別事項としては,県民の皆さんからいただいたふれあい対話等で御要望いただいたことなども,いくつかは新たな事業等で盛り込んでいるというふうに考えております。

【記者】
あと,予算を見ていると例えば仕上げ茶の割合を増やすとか,世界の市場規模が5倍に拡大する宇宙ビジネスの参入促進といった,ねらいを絞った施策が目立ちまして,県民の「稼ぐ力」を政策で誘導しようという意図を感じました。そのあたりの知事の思いをお伝えください。

【知事】
産業政策として縦と横があると思うんですね。業種別対策っていうものと,一般的な横割りの産業政策全般としての取組ということで,今回,製造業者あるいはサービス業者の生産性向上というところに,大型の補助金を用意したっていうことは,これは業種に限らず鹿児島の「稼ぐ力」を向上させるための取組だというふうに思っております。
それに加えて,個別の今後成長が見込まれる分野,伸ばしていきたい分野として,今,御指摘のあったようなお茶であったり,あるいはものづくりであれば宇宙関連産業やドローン産業といったところにも力を入れながら,全体として鹿児島県の「稼ぐ力」の向上ということを図っていきたいと考えております。

【記者】
あと新規事業が,補正を含めて374件とお伺いしました。かなり多いんですけど,このねらいがあれば教えてください。

【知事】
新規事業もですね,全く本当に全部の新しいものもあれば,組み替えたり,一部強化したりっていうなこともあろうかと思います。今回の予算編成にあたって,重点分野ということで新規事業枠を設けて,それについてはスクラップアンドビルドなしでとか,いろんな工夫をしていただいたということで,県庁の職員も色んな事業,新しい事業を,今後,鹿児島県発展のために取組を進めていきたいという,そういう意欲が出てきているのではないかというふうに思います。

【記者】
ありがとうございました。あと一方で,こういった知事の「稼ぐ力」の中身がなかなか見えないという声も聞きます。こうしたの今の予算に込めた思いを,県民や事業者にどうやって伝えていくのか,発信力についてお伺いしたいんですけれども。

【知事】
なかなか見えないっていうのがちょっとよく分かりませんけど,こうした県の事業あるいは国も活用できる事業をいろいろ持ってると思いますので,様々な事業メニューについては,事業者の皆さんにしっかりとお伝えができるようにPRには努めていきたいというふうに思いますし,またいろんな協議会を設置したりする時には,関係の皆様には声をかけるような形で皆で一緒に取り組めるような,そういう体制も作っていきたいというふうに思います。

【記者】
例えば移住者の数とか,5年間で1万3,000人というような数値目標,あとはカーボンニュートラルとか,再生エネルギーの導入量とか,いくつかの目標がありますけど,もっとそういう目標をどんどん出してもいいのかなというふうにも思ったんですが,そのあたりのお考えをお聞かせください。

【知事】
それぞれの事業といいますか,KPIみたいなものはですね,一応設けてはあると思いますし,様々なビジョンに基づく計画はいっぱいありますが,そこでの数値というものがありますけれども,なかなかそこは周知をされてないということかもしれませんので,その辺の目標値についてもですね,関係の皆さんにはお伝えするようにしていきたいと思います。

【記者】
今回就任2回目の当初予算ということで,昨年の会見ですと独自色に「稼ぐ力」ということを挙げてらっしゃるかと思うんですが,今年の予算ではご自身ではどの辺りに独自色が出ているというふうにお感じでしょうか。

【知事】
独自色といいますか力を入れたところではやはりコロナと「稼ぐ力」ということが,非常に大きな部分だと思っております。
このほかに加えて,これも昨年もこの「稼ぐ力」にも繋がりますけれども,デジタル化であったりカーボンニュートラルといったような最近の世の中の動きにしっかりと対応できるような,各般の施策の推進ということも併せて力を入れていきたいというふうに思っております。

【記者】
「稼ぐ力」の予算を昨年の資料で比較すると,昨年が140億円ぐらいで,今年が330億円ぐらいで2.3倍ぐらいということで,その「稼ぐ力」にこれだけ重点を置く,その思いだったりねらいというところを改めてお聞かせいただけますか。

【知事】
今後,鹿児島県が持続的に発展していくためには,やはりその地域において「稼ぐ力」というものを持っていくということが,若い人が今,県外に出て行ってますけれども,県内に定着をすると,少子高齢化の中で若い人たちが鹿児島で引き続き暮らしていけるというようなことで,持続的な発展ということが実現できるというふうに思っておりますし,またあるいはいったん,外に出た方が,UIターンで戻ってくるというようなことで,鹿児島県の発展の基盤を支える,そういった意味では「稼ぐ力」,仕事があるということが非常に大事だと思っておりますし,それをベースとして様々な高齢者や女性,障害者,子どもの生活ということの基盤にもなるというふうに思っておりますので,ここのベースのところをしっかりと伸ばしていくっていうことが大事なんではないかと思っております。

【記者】
先ほどお話で,新事業の中でふれあい対話で出たものも盛り込んでるとありましたが,何かこれはそういったものですというのがあればお聞かせいただけますか。

【知事】
いくつかあったと思いますけども,例えば湧水とか伊佐地域でのふれあい対話では,非常に多くの方が特別支援学校の設置ということを要望されておりまして,今回特別支援学校の配置についての検討を行うという予算を入れておりますし,また「生理の貧困」についての声もいくつかあったというふうに記憶をしております。「生理の貧困」についての対策というのが予算にもありますし,また移住者用の空き家を活用したいという,ここでの支援ということも確かいただいたというふうに思っております。そういった移住者用の空き家の改修を支援するというようなことも今回盛り込んでいると思いますし,あと離島における電気自動車の導入支援といったようなこともありました。あとはぐりぶークーポンをぜひ継続して欲しいというような,そんな意見もありましたので,そういったことも予算的には対応しているというふうに思っております。

【記者】
まずコロナ対策で822億円,総額で投入されていますが,「稼ぐ力」の方はこれまでにない規模の補助金だという言葉もありましたけれども,この822億円という額は知事はどのように評価されてますでしょうか。コロナ対策に充てたこの822億円というこの規模について,知事の評価を教えてください。

【知事】
非常に大きな規模だというふうに思っております。これまでの県の財政の規模からいってもですね,全体が8,700億円ぐらいですから,1割ぐらいということで非常に大きな金額になっているというふうに思います。

【記者】
2点目なんですけれども,2回目の編成ということで,本来,自由に塩田カラーを出す部分というのがコロナ対策に大勢割かれてるような状況が続いてると思うんですけれども,そういったこの編成の難しさと,意識した点,工夫した点というところを教えていただけますでしょうか。

【知事】
コロナ対策で非常に職員も忙しい状況がずっと続いていたり,コロナの対策の検討というのに,だいぶ労力を割かれているという部分がございますけれども,今回の「稼ぐ力」を昨年よりもまた少し一歩先に進めることができたかなというふうには思っておりますので,そういった意味では,この財政の厳しい状況の中でも,メリハリのついた予算ということができたのではないかと思っております。

【記者】
「稼ぐ力」について伺います。要点の9ページになりますが,新規就農への支援ということでこれまでもこういった制度がありましたが,ただ今回は機械の導入など初期投資への支援という形をとっておられます。この就農への思いってのはどのような思いでしょうか。

【知事】
本県の基幹産業であります農林水産業において,やはり従事者の減少であったり,あるいは高齢化という問題があります。そういった中で労働力不足というようなことも現場からはいろいろと声が上がっているので,そういった中での担い手を確保していくということが,今後の農林水産業の「稼ぐ力」を維持していくということでは必要になってくる。その中でやはり大きくそんなに人口が急に増えるわけではないので,機械であったり先ほど申し上げたようなスマート農業といったような設備面での対応ということをこれからしっかりやっていく必要があるという思いで,こういったものもですね,導入をしていこうということかと思います。

【記者】
同様に,企業の「稼ぐ力」においてもスタートアップという,いわゆる起業についての支援も入っております。鹿児島県は開業率が低いということも聞いておりますが,経産省出身の知事としてはどのような意気込みで臨もうとお考えでしょうか。

【知事】
既存の企業をしっかり「稼ぐ力」を伸ばしていくという,生産性を向上させるということもありますけれども,やはりこれから伸びていく分野あるいはその地域の課題を解決するための新たな産業,技術力を持ったような,そういう競争力のある企業というものを育成をしていくっていうことが非常に大事なんだろうと思っております。そういう意味で,全国で4.2%ぐらいの開業率は鹿児島では3.7%で,なかなか上場も難しいという状況でありますから,こういう中でしっかりとした新たな産業というものを,競争力のある産業を育てていきたいということでございます。

【記者】
今回特に産学官あるいは金融機関とも連携した取組と聞いておりますが,そういうことの効果ってのはどのようにお考えでしょうか。

【知事】
いろんな事業だったり技術を持ってる会社っていうのがある中で,そういったものをどういうふうに芽を伸ばしていくかということを,本人たちが思いもよらないところで,それが事業化のためになるという場合がありますので,そういった目利きみたいなこと,あるいはその後の事業計画を作っていく中での事業計画を作っていく。事業化していく。それをさらに販路拡大をしていくというような段階ごとの支援というものを,金融機関であったり,技術の機関であったり,いろんな支援機関が一体となって検討していくという場があることで,より効果的な企業支援というのができるんじゃないかと思っております。

【記者】
コロナの経済対策についてお伺いいたします。現在第6波の最中にあって,観光事業者等は売上が立たない状況が続いています。その現状に対する知事の認識と,支援は十分かどうかという点が1点。あともう1つなんですけれども,需要喚起策に力を入れたということなんですけれども,需要喚起策は昨年度もですね,感染が拡大する度に停止するようなことを繰り返してきました。こういったことで,課題は感じておられないかっていう点。あと,他の方策ですね。他の支援の方策について検討する必要っていうのはないでしょうか。

【知事】
観光関連産業に対する支援ということお尋ねかと思います。飲食店の場合ですと,自営業時間短縮をして,そこに見合うだけの協力金をお支払いするということがあるわけですけれども,観光関連産業の場合に県外との往来を自粛したりというようなことをこれまでお願いすることがあって,その際にはやはり人流が抑えられるということで,県外からの観光客が来なくなるということでなかなか厳しい状況で,人流を抑えるという観点から観光の人の行き来に関する分の需要喚起策というものが停止になるということで,非常に厳しい状況にあるということは私ども認識をしているところであります。
そういったことで,全国知事会においても貸切バス等に対する需要喚起策ではない直接的な支援のようなことができないかということは,いつも申し上げてきたところでありますが,なかなかそれが実現には至っていないということであります。ただ,公共交通等についての運航の継続という観点では,これまでも一昨年ですかね,9月に補正で予算をつけたりというようなことでやっておりますけれども,なかなかそれで十分かと言われると,なかなか厳しい状況にはあるということだと思っております。
そういったことで,今回県の方でも先ほど申し上げた交通事業者については,貸切バス等に対して,1台当たり点検費用等の一部として20万円,旅客船については,その規模に応じて1,000万円または500万円の支給をするというようなことをしているところであります。
今後このコロナの感染の拡大状況がいつまで続くかっていうことはちょっとよく分からないところでありますが,その後の感染が収まった段階では,先ほど申し上げたような切れ目のない需要喚起策を行うということで観光事業者の皆さんの需要喚起といいますか,そこの支援ということをしっかりとやっていきたいというふうに思っております。
また,なかなか皆さんコロナの感染拡大状況下では,どうしても動きが止まってしまうというのはありますけれども,今回のこのまん延防止等重点措置においても,県外との往来自粛ということまではですね,申し上げていない状況で,皆さん往来するにあたっては気をつけて感染防止をしっかりと行っていただきたいということでありますので,今後も状況に応じてですけれども,マイクロツーリズムというようなインバウンドがない中では,そういったできる範囲での需要喚起策ということも,しっかり検討して支援をしていきたいというふうに思っております。

【記者】
楠隼中高一貫校の調査検討事業についてです。知事は共学化と全寮制廃止をマニフェストに掲げていらっしゃいますけれども,選挙時にもマニフェストに掲げていらっしゃいましたが,改めてなぜ公約に掲げられたか,理由を教えてください。あと,そのお考えに変わりがないかというところも併せて教えてください。

【知事】
楠隼中高の一貫教育で今,男子校全寮制ということで行っているわけですけれども,普通の県立高校とは違う特色のあるカリキュラム,授業というのでございますので,そういった特色ある授業を男子だけではなく,あるいはその寮に入寮するにはやはりその経済的負担もありますから,必ずしもその寮に入らなくても通学でそういった授業を受けるという,門戸を開くということがいいんではないかということで,楠隼校における男女共学化,全寮制の廃止ということをマニフェストには掲げたところであります。
今,各地元の自治体や保護者や生徒の皆さんへのアンケートや意見聴取等を終えておりますけれども,今後これまで共学化をした学校がどういうふうにしたかとかですね,いろんなソフト面ハード面での対応というのがどういうことが必要なのかということを検討していこうということで,今回予算に計上しているところで,大きな方向性としてはですね,今でも変わっておりません。

【記者】
いつまでに実現するかなど,もしお考えがあれば教えてください。あと,今知事がおっしゃったアンケートの中で,反対する意見が多く出ていると思うんですけれども,その結果についての知事のお考えも教えてください。

【知事】
今おられるですね,生徒の皆さんや保護者の皆さんは,今の楠隼中高の男子校,全寮制,そういったことを前提に入学をされてるということでありますから,現状ということについて,現状のままがいいんではないかというような声が多いんだと思います。今後入ってこられる方ということで言えば,そこら辺のですね,変更があればですね,変更前提として来ていただくということかなと思いますので,そこら辺のなぜ今の男子校,全寮制がいいのかと,何か実質的な理由があるかどうかということも含めて,よく吟味する必要があるかと思っております。

【記者】
楠隼を開校するまでには,男女平等の観点から御指摘があって,現段階でも学ぶ機会というのが楠隼では男子だけに限られている状況になってると思います。県立の学校として学ぶ機会が男子だけに限られているというこの状況をどういうふうに受け止めていらっしゃいますか。

【知事】
県立の高校あるいは公立の高校で男子校とか女子校というのはあると思いますが,全てを男子校は駄目とか女子校は駄目というつもりはないんですけれども,楠隼校におけるその特色のある教育っていうのは,他に選択肢がないわけですよね。楠隼と同じような女子校が別途あるとか,そういうことで選択肢がもしあるんであれば,それはまたそれでまた考え方があろうかと思いますが,楠隼校というのは非常にその特別なカリキュラムの,特色のある教育を行うということで,そこでしか学べないという状況の中で,そこを男子に限るということについては,女子にもですね,開放する方がいいんじゃないかという考え方でございます。

【記者】
先ほどの楠隼中高の関連で引き続きお尋ねします。調査事業ということですが,これは知事のマニフェストである共学化,全寮制廃止の実現に向けて具体的に進めると捉えていいのでしょうか。先ほど回答されたのでも感覚は伺ったんですか,念のため伺います。

【知事】
楠隼校についての男女共学化,全寮制廃止にあたって,そういう実際の共学化を図った学校がどういう課題があったかとか,ソフト面ハード面での対応がどういうことが必要なのかというようなことをですね,検討していただくということを考えておりますので,今おっしゃったような楠隼校の改革に向けての検討をしていただきたいと思っております。

【記者】
1行目に検討とありますが,その調査結果を検討するということを含め,最終決定を新年度内に予定されているのかどうかもお聞かせください。

【知事】
まだ,いつ頃どういう形でっていうのはですね,楠隼中高の男女共学化,全寮制廃止っていうことについての,それぞれ進め方ってのもいろんなバリエーションがありますので,その辺のやり方についても検討した上で,スケジュールについても地元の自治体等とも相談しながら進めていきたいというふうに思っております。現段階で,こういうスケジュールでということまでは至っておりません。

【記者】
事業の見直しについてお伺いしたいんですけども,令和3年度は19億円を捻出して,今年度は14億円になってると思うんですけれども,さらに今後,事業の見直しで捻出できる余地というのが残っているとお考えでしょうか。

【知事】
もうちょっとそこら辺は具体的に検討してみないとどうかっていうのはあるんですけど,これまでも毎年,行財政PTにおいてそれなりに捻出はしてきておりますので,そういった努力は今後もしっかり続けていきたいと思っております。

【記者】
その中で今後,体育館で200億円を超える事業が待っていますけれども,今の財政状況等,今後そのような大型事業に備えてどのような財政運営をしていくかをお聞かせください。

【知事】
色んな,今後体育館に限らず公共施設の老朽化がありますので,そういった財政需要というものは一定程度ありますので,そういった中で何とか行財政目標の3つというのがありますけども,1.1兆円以下というような部分でですね,しっかりと財政は回していきたいと思っております。

【記者】
要点の17ページなんですが,医療的ケア児の支援事業,初めて盛り込まれたと思うんですが,この理由と意図についてお聞かせください。

【知事】
医療的ケア児コーディネーターの養成というのは,これまでも一部やってはいたと思うんですけれども,昨年も自民党を含む県議会の方からの政策提言でもいただいているところであります。そういった意味で,医療的ケア児の問題っていうのが,やはり大きな社会的な課題にもなってきているというふうに思っております。
昨年からですかね,錦江町の方で小学校に上がった方もいたりというようなことで,そういった方々への支援というものをしっかりやっていく必要がありますし,医療的ケア児コーディネーターっていってもなかなか急に育成してできるようになるものでもありません。時間もかかる部分もありますが,そこら辺は中長期的にもしっかりと対応していく必要がある事項だというふうに思っております。

【記者】
保護者の方に取材をしていますと,なかなかこう相談する場所がないというような声を聞くんですけれども,そこら辺の解消にも繋がりますでしょうか。

【知事】
そうですね。学校の方に看護師の方を配置するようなことも,この事業の中にも入っていたと思いますので,そういった,どなたに言ったらいいのか分からないっていうことが,いろいろな課題があると思いますので,その辺,現場の声も聞きながら,また改善できるところは改善していきたいと思います。

【記者】
あとヤングケアラーの実態調査なんですが,これまで実態調査がなかなかできていなかったと思うんですが,今回その実態調査に乗り出すという理由についてお聞かせください。

【知事】
ヤングケアラーの問題も非常に社会的な大きな問題になってきているというふうに思ってますし,自覚してないヤングケアラーっていうのが,自分がそうなのかどうかっていうことが分からないまま,実際その第三者的に見ると,ヤングケアラーになってる方っていうのもいる,あるいはその家族の中でも意識がそこまで気づいているか気づいてないかとか,いろいろあると思いますので,そういう意味でのヤングケアラーの実態調査ということをですね,まずはする必要がある。それを踏まえた上で対策っていうのが次に来るというふうに思っておりますので,そういった意味でこれまでなかなかその実態把握が難しいヤングケアラーの調査ということをですね,行っていきたいと思っております。

よくあるご質問

このページに関するお問い合わせ

総務部広報課

より良いウェブサイトにするためにみなさまのご意見をお聞かせください

このページの情報は役に立ちましたか?

このページの情報は見つけやすかったですか?