汚染防止のための施設・機器管理のチェックポイント
汚染防止のために
衛生管理を行う場合,その施設の利用状況や設備によって注意すべき点が異なります。
ここでは,県条例等に盛り込まれている浴槽等の衛生措置及び構造設備の基準をふまえたレジオネラ症防止のための衛生的な施設の構造や管理方法を紹介します。
[凡例]●衛生措置の基準■構造設備の基準
貯湯タンク
問題点
貯湯タンクの中や配管では,お湯の滞留時間が長いため,レジオネラ属菌が繁殖しやすい環境となります。
対処方法
●貯温を常に摂氏60度以上に保つ
もしくは
●湯水の消毒をする
●生物膜の状況を確認し,発生の場合は除去のための清掃消毒を行う
循環ろ過装置
問題点
ろ過装置内で,レジオネラ属菌はアメーバなどに寄生し増殖します。
また,浴槽や配管の内壁でもぬめり(生物膜:バイオフィルム)ができやすく,レジオネラ属菌の定着につながります。
対処方法
●ろ過器は1週間に1回以上逆洗して汚れを排出する
●循環配管の消毒を徹底し,浴槽を清掃する
●消毒設備の維持管理を適切に行う
●集毛器を設置し,毎日清掃する
■ろ過器のろ材は,逆洗浄が十分に行えるもので,ろ過器に入る前の位置に集毛器を設置する
■薬注装置は,ろ過器の直前に設置する
気泡発生装置ジェット噴射装置打たせ湯シャワー等
問題点
気泡発生装置(ジャグジー)やジェット噴射装置,打たせ湯,シャワーなどは,エアロゾルを発生します。
これにレジオネラ属菌が含まれていると感染につながる恐れがあります。
対処方法
●打たせ湯・シャワーなど水しぶきが上がるものには,原湯・原水を使用する
●気泡発生装置等を設置している場合は,全てを換水した24時間以内の浴槽水を使用する
■空気の取入口は,土ほこりが入らない構造にする
浴槽・露天風呂
問題点
原湯と循環水は配管で接続すると,原湯が汚染される恐れがあります。
また,露天風呂は外界と接しているため,レジオネラ属菌に汚染される機会が多くなります。そのため,内湯よりも厳しく管理する必要があります。
対処方法
■露天湯が配管を通じて内湯に混じらないようにする
■原湯の配管は,循環配管に接続せず,浴槽に直接供給する
■循環している浴槽水を浴槽の底部に近い部分で補給する
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