更新日:2020年3月24日
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外来種とは、もともとその地域に生息していなかったのに、人間の活動によって他の地域から入ってきた生物のことです。海外から入ってきた生物はもちろんですが、もともと生息していなかった生物が国内の他の地域から移入してきた場合も、移入先の地域にとっては外来種ということになります。
生態系は非常に長い時間をかけて微妙なバランスの基に形成されています。そこに外来種が侵入して在来種を捕食したり、周辺の植物の生育を阻害したりすることで生態系のバランスが崩れ、在来の動植物の絶滅につながるおそれがあります。奄美大島では、マングースやネコなどの外来種が自然界に侵入したことによりアマミノクロウサギなどの希少な野生生物の生息に影響が出ており、国、県、市町村が連携して対策を実施しています。
なお、外来種の中でも地域の自然環境に大きな影響を及ぼし、生物多様性を脅かすおそれがあるものを特に「侵略的外来種」と呼び、環境省及び農林水産省が平成27年3月にリストを作成しています。
大島支庁衛生・環境室では、令和2年2月~3月に奄美市名瀬の市街地~佐大熊の範囲で、身近にどのような外来植物が生息しているか調査しました。(調査した範囲は下記の地図を参照)調査の結果、奄美市名瀬の市街地で確認された主な外来植物についてお知らせします。
調査範囲の地図(国土地理院の地図を加工して作成)
【出典:国土地理院のウェブサイト】
種名 | アメリカハマグルマ |
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環境省カテゴリー | 緊急対策外来種 |
県カテゴリー | 重点啓発種 |
形態等 | 茎は地上を這い粗い剛毛がある。葉は被針形で表面に剛毛がありざらつく。頭状花序は径4cmほどで色は黄色。地面に接した茎や、破片から根を出して増える。 |
確認された場所 | 名瀬港臨港道路沿線、河川沿い |
3月上旬に撮影したため花は咲いていなかった。
花壇を覆うように広がっている。
種名 | センダングサ類(タチアワユキセンダングサ、アメリカセンダングサなど) |
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環境省カテゴリー | 重点対策外来種 |
県カテゴリー | 重点啓発種 |
形態等 |
タチアワユキセンダングサは、高さ0.5~1.5mの1年草~多年草。葉は5枚の小さな葉が一つになる複葉。黄色い頭状花と白い舌状花をつける。果実にはとげがあり、衣服などに付着しやすい。 アメリカセンダングサは1年草で、小さい葉が一つになる複葉を持つ。頭状花は黄色で、舌状花は小さく外からは見えない。果実にはかぎ状の剛毛の生えた2本の刺があり、衣服に付着しやすい。 |
確認された場所 | 調査した範囲の道路沿い、空き地等に広く分布 |
道路脇に咲いていたセンダングサ類の植物。種名は不明。
調査の中では、他にもアカギやハイビスカスなどが街路樹などとして生息している状況が確認できました。また、今回の調査は2~3月に実施したため開花などの時期に合わず確認が難しかった種もあったため、実際にはもっと多くの侵略的外来種が市街地にも入ってきていると思われます。
外来種、その中でも侵略的外来種と呼ばれるものの多くは繁殖力が強く、一度広がってしまうと完全に取り除くのは困難になります。そのため、希少な野生生物が生息する奄美の自然の中に入るときには、調査で確認されたような外来種を持ち込まないように気をつける必要があります。意図していなくても持ち込んでしまう場合もあるので、特に次のようなことに注意してください。
靴の裏の溝に土が挟まっている場合があります。この土の中に外来種の根、茎、種子などが含まれていると土が落ちた場所で発芽するおそれがあります。自然の中に入るときには靴の裏をきれいにしてから入りましょう。
靴底の溝に詰まった土。ここに根や茎などが入っていると気づかないうちに外来種を拡散させる。
市街地に広く生息しているセンダングサ類の種子は、下の写真のように気がつかないうちに服にくっついているときがあります。そのため、気づかないうちに種子を運んでしまう場合があります。同じような形で種子を拡散させる場合があるので、自然の中に入るときには服に種子がついていないか注意してください。
上着の袖についたセンダングサ類の種子
用語や植物の特徴などは下記のサイトを参考としています。
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