更新日:2024年4月26日
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本県では,高齢者に対する権利擁護(虐待防止)の推進を図るため,介護施設等の従事者や市町村・地域包括支援センター等に対し,高齢者権利擁護意識の向上を図るための研修の実施や,ホームページや広報誌,リーフレットを作成するなどの普及啓発を行っています。
鹿児島県高齢者虐待防止リーフレット(PDF:1,474KB)
高齢者虐待防止法「高齢者虐待の防止,高齢者の養護者に対する支援等に関する法律)が平成17年11月1日に第162回通常国会において可決・成立し,平成18年4月1日から施行されました。
この法律は,1.高齢者虐待の定義,2.家庭における養護者による高齢者虐待への対応(及び養護者への支援),3.施設高齢者虐待への対応の3本柱で構成されています。また,虐待を受けたと思われる高齢者を発見した者に対し,市町村への通報の努力義務を課しており,特に養介護施設等従事者等に対しては,虐待を受けたと思われる高齢者を発見した際には,速やかにこれを市町村に通報しなければならないとあり,通報が義務づけられているほか,施設職員が通報したこと等を理由とした解雇等の不利益な扱いをしてはならないと定められています。
この法律の施行により,自治体や関係機関等による高齢者虐待防止の広報がなされ虐待防止の周知がなされてきましたが,養護者による虐待の通報件数は増加傾向にあり,高齢者に対する虐待の事例は後をたちません。また,養介護施設従業者等による高齢者虐待についても,介護職員等のストレスや知識不足等から虐待が繰り返されたり,過去に何らかの指導を受けたにもかかわらず虐待に至る事例も確認されています。
高齢者虐待は,高齢者の尊厳を冒す重大な人権侵害であり,誰にでも起こり得る身近な問題です。
一人一人が決して,高齢者虐待を「しない」,「させない」,「見過ごさない」ためには,高齢者虐待について正しい理解・知識が必要となります。
「高齢者虐待の防止,高齢者の養護者に対する支援等に関する法律(平成17年11月9日法律第124号)の概要(PDF:1,638KB)
「高齢者虐待の防止,高齢者の養護者に対する支援等に関する法律(平成17年11月9日法律第124号)(PDF:4,364KB)
高齢者虐待防止法では,高齢者虐待を以下のように定義しています。
1「高齢者」とは,65歳以上の者(高齢者虐待防止法第2条第1項)。
65歳未満の者で養介護施設に入所し介護サービスの提供を受ける障害者(同条第6項)。
2「高齢者虐待」とは,養護者や,養介護施設従事者等が以下のいずれかに該当する行為をいいます。
(1)身体的虐待:高齢者の身体に外傷が生じ,又は生じるおそれのある暴力を加えること。
(2)介護・世話の放棄:放任高齢者を衰弱させるような著しい減食,長時間の放置,養護者以外の同居人による虐待行為の放置など。
(3)心理的虐待:高齢者に対する著しい暴言又は著しく拒絶的な対応その他の高齢者に著しい心理的外傷を与える言動を行うこと。
(4)性的虐待:高齢者にわいせつな行為をすること又は高齢者をしてわいせつな行為をさせること。
(5)経済的虐待:養護者又は高齢者の親族が当該高齢者の財産を不当に処分すること。高齢者の年金や預貯金を勝手に使うこと。日常生活に必要な金銭を渡さない,使わせないこと。
このほか,養護,被養護の関係が明らかでない65歳以上の高齢者への虐待が生じている場合や,社会から孤立し,生活行為や心身の健康維持ができなくなっている「セルフネグレクト(自己放任)」も高齢者虐待に準じた対応が求められます。
3「養護者」とは,家庭内において介護する人(家族,親族等)を指します。
4「養介護施設従事者等」とは「養介護施設」又は「養介護事業」(居宅サービス等)の業務に従事する者を指します。
高齢者虐待の背景には被虐待者の「認知症の症状」,虐待者の「介護疲れ・介護ストレス」等の様々な要因が考えられます。
また,これらの要因は単独で発生することもありますが,複数の要因が複雑に絡み合って虐待に発展し深刻化していくケースも多くみられます。
介護保険施設等における身体拘束は,原則として高齢者虐待に該当します。
ただし,「生命又は身体を保護するため緊急やむを得ない場合」は,例外的に高齢者虐待に該当しません。
次の三つの要件を全て満たす状態であること。
1.切迫性:本人または他の利用者等の生命又はは身体が危険にさらされる可能性が著しく高い
2.非代替性:身体拘束その他の行動制限を行う以外に代替する看護・介護方法がない
3.一時性:身体拘束その他の行動制限が一時的なものであること
認知症を恥ずかしいことととらえ,家から出さないようにする,必要な治療を受けさせないということも一種の虐待です。
また,虐待を受けている高齢者のうち約8割の方に認知症の症状がみられ,認知症高齢者は,虐待をもっとも受けやすい方々です。
認知症による言動の混乱は,介護者の負担やストレスを高め,虐待に発展してしまうことがあります。認知症を正しく理解し,適切な支援により介護負担を軽減していくことで,虐待を未然に防ぐことができます。
○認知症に関する相談
【公益社団法人認知症の人と家族の会鹿児島支部】
(相談日/月~金曜日10時~16時)※祝日,年末年始は除く
Tel099-257-3887
○若年性認知症支援相談窓口
【社会福祉法人天祐会】
(相談日/月~金曜日10時~17時)※祝日,年末年始は除く
Tel099-251-4010
地域で暮らす高齢者に接する人は,だれでも高齢者虐待を発見する可能性があり,特に,高齢者の保健,医療,福祉に携わる関係者は虐待を発見する機会が多い立場にあります。
高齢者虐待を予防し,又は早期に発見するためには,高齢者が発している高齢者虐待の兆候を示すサインを見過ごさないことが大切です。
しかしながら,サインは,あくまでも虐待の疑い,可能性を示すもので,高齢者虐待が行われているとは断定できません。「虐待かもしれない」と思ったときは,市町村担当窓口や地域包括支援センターに相談してください。
高齢者虐待の手引き「早期発見に役立つ12のサイン」(PDF:487KB)
高齢者虐待防止法では,市町村が第一義的に高齢者虐待に対応することとされています。虐待を受けている疑いがあると思われる場合は,お近くの市町村担当窓口又は地域包括支援センターに相談・通報してください。また,虐待を受けている高齢者本人も相談できます。
通報又は届出を受けた市町村や地域包括支援センターの職員には,守秘義務が課されています。
市町村担当窓口及び地域包括支援センター一覧(PDF:220KB)
成年後見制度は,認知症など判断能力の不十分な高齢者等が,不動産や預貯金などの財産管理,介護サービスや施設への入所契約の締結など日常生活に支障がある人の法律行為を支える制度です。
低所得者の高齢者に対しては,申立てに要する経費や成年後見人等(成年後見人・保佐人・補助人)の報酬の助成を行う「成年後見制度利用支援事業」による支援があります。
詳しくは,お住まいの市町村や地域包括支援センターにご相談ください。
また,申立てを行うための手続や書類等については,お近くの家庭裁判所の窓口にお問い合わせください。
○鹿児島県介護実習・普及センター
介護に関する情報提供や各種介護講座・研修・住宅改修相談会の開催,福祉用具の展示等
鹿児島市山下町14-50
(かごしま県民交流センー内)Tel099-221-6615
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