更新日:2022年4月4日
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日時:令和4年4月1日(金曜日)午前10時00分~午前10時25分
場所:市町村自治会館(4階)
皆さんおはようございます。この度,晴れて鹿児島県職員となられた皆さん,誠におめでとうございます。心からお祝い申し上げます。
難関を乗り越えて採用された皆さんを,心から歓迎するとともに,数ある選択肢の中から鹿児島県庁を選んでいただいたことに,深く感謝を申し上げます。
皆さんのこれからの御活躍を大いに期待しております。
現在,鹿児島は,新型コロナウイルス感染症対策など,多くの課題を抱えております。本格的な人口減少社会を迎えつつあり,経済情勢も変化していく中で,今後もふるさと鹿児島が持続的に発展していくためには,様々な情勢変化に適応しつつ,本県の基幹産業であります農林水産業,観光関連産業のさらなる振興と,高い技術力を有する製造業,情報サービス業などの競争力を強化しつつ,新しい産業を創出することが必要であり,これらを基盤として,誰もが安心して暮らし,活躍できる鹿児島を目指して,県政を推進して参りたいと考えております。
そうした中,本日皆さんが人生の新たな第一歩を踏み出すにあたり,県職員としての基本的な考え方などについて,いくつかお話をしたいと思います。
一つ目は,県政の主役は県民であるということを忘れないでください。
県民の声がしっかりと反映される,県民が主役の県民の目線に立った行政を実現するために,皆さんが持っている力を存分に発揮してください。そうすることで,皆さんのお仕事のやりがいも実感できると思います。
県民の声をよく聞き,多様な行政需要や幅広い県民のニーズをしっかりと把握し,政策を議論することが重要だと考えております。
世の中の実態から乖離した机上の空論で政策を考えたり,県庁職員の自己満足にすぎない政策を作ったりすることにならないように,地域の課題,県民の声に真摯に向き合うことが重要です。
また,積極的に現場に赴いて,自らの目で見て,耳で聞いて,様々な情報収集,把握に努め,県の政策につなげ,それを県民にしっかりと説明,情報発信しながら,さらにまた県民の皆さんの意見を引いて,政策にフィードバックし,改善していくという好循環に繋がるように心がけてください。
二つ目は,ぜひ皆さんの若く新鮮な目と柔軟な思考で,様々なアイデアを積極的に提案してください。
皆さんが初めて県庁という組織に入って,いろんな仕事をする中で,「何でこんなやり方をするんだろう」とか,「あれこれおかしいんじゃないか」と感じることがあれば,「もっとこれはこうした方がいいんじゃないか」とか,「こう変えた方がいいんじゃないか」ということを,遠慮せずどんどん提案してください。
既に世の中に合わなくなっているやり方が,県庁職員にとっては当たり前になってしまっていて,気づかないということもあるかもしれません。皆さんの提案が,県民サービスの向上,業務改善に繋がる可能性があります。
最初の頃は,目の前の与えられた仕事をこなすだけで精一杯で,余裕がないかもしれませんが,自分の担当業務以外のお仕事や周りの動きもしっかり見えるように心がけてください。
県庁全体として,県政の課題にどう取り組むべきかを常に念頭に置いて,その中で,自分のやっている仕事の意義をよく理解し,県庁がよりよい組織になるように考えていただきたいと思います。
今後長い県庁生活の中で,困難な仕事に直面することもあるかと思いますが,そうした課題から逃げることなく課題に真摯に向き合うことは,皆さんにとって成長のチャンスです。失敗を恐れず,果敢にチャレンジしてください。
トップダウンで上からの指示に従って仕事をするのではなく,自ら考え行動し,職位にかかわらず庁内で議論をぶつけ合い,より良い政策を作り上げていくという風土,職場づくりに皆さんと取り組んでいきたいと思っております。
昨年度,各部局横断的で全庁的な政策立案,政策調整機能の充実強化を図るため,新たに総合政策部を設置しました。今後,政策の議論をする上で,縦割りの弊害に陥らないよう,広い視野で多様な見方ができるよう,経験を積んでいってください。
三つ目は公務員としての自覚と誇りを持って,公正公平かつ適正に職務を執行し,県民の皆さんに信頼されるようにしてください。
県民の信頼を得るためには,県民の皆さんが満足できる行政サービスを提供することはもちろんですが,綱紀の粛正や保持に努めることが極めて重要であります。民間企業では許されることも,公務員という立場になった以上,許されないことも出てきます。詳しくは,倫理規程などをよく読んで,しっかりと理解してください。これが,皆さん自身の身を守ることにもつながると考えております。
また,あらゆる政策には説明責任が伴います。法令等を正しく解釈し,これに基づき,恣意的な運用にならないようにする必要があります。
また,政策決定過程の透明性も,確保するように努める必要があります。
四つ目は,健康でございますが,健康には十分留意してください。
災害時など,残業が多くなることもあります。特に精神面での健康管理には気をつけてください。
大変困難な仕事に直面したとき,或いは職場の人間関係で悩んだとき,決して一人で抱え込んで悩まず,早めに上司や同僚など,いろんな方に相談してください。一番頼りになるのは,今日一緒に入庁した同期の仲間だと思います。困ったときには,強い絆で結びついた,何でも相談できる仲間の存在が大きいと思います。今後の県庁での人生を一緒に歩んでいく同期として,お互いに困ったときは,助け合える関係,絆をしっかりと作るようにしてください。
最後に,キャリアパスについて申し上げます。
皆さんは,今日から県庁のそれぞれの部署に配属になりました。人事というのはなかなか思い通りにはいかないものであります。今日,希望したところに配属された人も,そうでなかった人もいることと思いますが,どの部署も県民にとって必要な部署です。そのことを忘れずに,県民の役に立つ仕事をしっかりと行うように心がけてください。
皆さんはこれからいろんな部署を経験することになります。
本庁や出先機関,離島,国等の機関への出向,市町村,民間企業,団体との交流,外国勤務など,幅広い経験が待っています。県政の課題は多岐にわたり,どの組織,部署の経験も全て,今後県庁で仕事を続けていく上で,皆さんにとってかけがえのない経験となります。
出先機関では,県政の課題を現場で肌で感じることができます。また,本庁では,議会対応など,県庁職員として必要な仕事の進め方を学ぶことができると思います。
私自身も,当時の通産省に入省してから様々な部署を経験しましたが,特に本省以外に,大蔵省,自治省,外務省,内閣官房,内閣府,特許庁,つくばの産業技術総合研究所などに出向したことや,熊本県の人吉市,広島,福岡での地方勤務,イタリアでの海外勤務を通じて,多くの貴重な経験や人との出会いがあり,大きな財産となっています。与えられた部署で,県民のためにしっかりと仕事に励むことが,専門性を身につけることにもなり,次のステップにも繋がっていきます。皆さん,それぞれの配属場所でのご活躍を大いに期待しております。
私としても,新型コロナウイルス感染症への対応や,稼ぐ力の向上,デジタル化の推進,カーボンニュートラルの実現,移住,定住の促進など,県政の課題に皆さんとともに全力で取り組んで参りますので,今後も是非よろしくお願いします。
改めて,皆さんの今後のご活躍を心から祈念して,私の話を終わりたいと思います。
本日は,誠におめでとうございます。
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