農業農村整備現地トピックス(令和4年9月)

台風第14号の被害について大隅地域振興局

9月中旬に本土を直撃し被害をもたらした台風第14号では，大隅地域においても農地や農業用施設併せておよそ120件の被害が生じた。主な被害の内容としては，農地の法崩れや農道の法面・路肩崩壊であり被害額は5億円にのぼる。今後，市町村等と連携し，災害復旧事業を活用しながら被災箇所の早期復旧に努め，営農再開や施設機能の回復に尽力していきたい。

令和4年度熊毛地区サツマイモ基腐病対策プロジェクトチーム会熊毛支庁

9月29日（木曜日）に，令和4年度熊毛地区サツマイモ基腐病対策プロジェクトチーム会(以下，「PT会」という。)が，ホテルニュー種子島で開催された。
PT会は，熊毛支庁農政普及課が主催で，生産者，JA，農業委員会，各市町の担当，オブザーバーとして九州農政局の担当者が参加した。
熊毛地域でのサツマイモ基腐病による本年度の被害面積は，例年より低温だった2月や，梅雨期の少雨が影響していることもあり，前年度に比べると狭くなっている。しかし，台風第14号の通過後は増加傾向にあるとのことだった。
一番の対応策は，現在サツマイモを作付けしていない畑へ転作することだが，サトウキビ農家とサツマイモ農家との農地のマッチングがうまくいっていないとのことだった。PT会で生産者からも，転作は難しいという話が出ており，PT会は2時間で閉会予定だったが，1時間超過し，3時間，しかも休憩なしという白熱ぶりであった。
また，現在，サトウキビ畑である農地でも，サツマイモ基腐病菌が確認されており，広く農地に感染していることが報告された。
農村整備課からは，農地耕作条件改善事業（病害虫対策型）の，特に明渠排水による排水対策を紹介した。今後も，各機関と連携しサツマイモ基腐病の撲滅に向けて，各事業制度を活用して参りたい。

奄美大島・喜界島水土里サークル活動リーダー研修会を開催大島支庁

9月29日に大島支庁，管内6市町村が主催となり水土里サークル活動リーダー研修会を奄美観光ホテルにて開催し，活動組織の代表等，約60名が参加した。今回は3年ぶりに対面で開催することができた。
本研修会では，2つの活動組織が事例発表をしたほか，鹿児島県水土里サークル活動支援協議会からの事務連絡，外部講師による水土里サークル活動を通じた地域づくり，担い手育成に関する講演が行われた。
また，研修会の最後には，複数のグループに分かれて各地域におけるリーダー・後継者育成をテーマに意見交換を行い，課題や対応策等について話し合った。6市町村の活動組織が一堂に会する貴重な機会であり，それぞれの組織が抱える課題の共有や，その将来像を考えていく上で，有意義な研修会となった。

航空用ドローン基礎技能を受講大島支庁

9月15日から16日にかけて，鹿児島市において，地域振興推進事業「令和4年度奄美魅力発信農業農村整備PR事業」実施のため，航空用ドローン基礎技能講習を受講した。同事業は奄美大島・徳之島に点在する農業用ダム等土地改良施設が有する多面的機能の普及啓発を目的としており，ドローンによって当該施設を空撮するに当たり，大島支庁，徳之島事務所から2名が講習に参加した。
本講習では，ドローンに関する基礎的な知識や航空法等関係法令について学んだほか，シミュレーターを用いた模擬訓練や，実機による飛行訓練を行った。
今回の講習はドローン検定協会が認定する「無人航空従事者試験3級」及び「無人航空従事者基礎技能講習修了認定」に相当し，最後には定位置ホバリングや八の字飛行等の実技試験も課せられたが無事に合格することができた。
近年，航空用ドローンに関する法整備と各種規制が進んでおり，実際に飛ばすにあたって注意すべき事項が多々あるため，今回の講習は業務上大変有意義であった。

マイスター先進地研修大島支庁徳之島事務所

9月29日，30日に，徳之島管内の畑かんマイスター先進地研修が行われた。畑かんマイスター3名に徳之島町職員及び農政普及課職員も同行した。研修先は，指宿市・南さつま市で，露地栽培大規模農家や農業開発総合センターを視察した。コロナ禍の影響で3年ぶりの開催であったが，畑かん営農の重要さを体感でき，非常に有意義な研修となった。