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更新日:2022年9月20日

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屋久島国立公園

指定年月日 平成24年3月16日
指定面積 24,566ha(平成24年3月16日現在)
含まれる市町村 屋久島町

公園区域など,詳しくは「日本の国立公園(環境省)」(外部サイトへリンク)をご覧ください。

景観

屋久島国立公園は,九州本土最南端の佐多岬から南へ約60kmの海上に位置する屋久島の山岳部を中心とした地域と,屋久島の西北西約12kmの洋上に位置する口永良部島全域が指定されています。
(※屋久島国立公園は,霧島屋久国立公園の再編成に伴い,島嶼生態系を景観の主要構成要素とし,自然環境及び利用状況の面で,特質が霧島・錦江湾地域とは異なる屋久島地域を分離し,指定されました。)
 
屋久島は,ほぼ円形に近い周囲約130kmの島で,島の大部分が花崗岩で形成されています。
この島には,九州最高峰の宮之浦岳(1,935m)や永田岳,黒味岳など1,000mを超える峰々が40以上連座し,洋上アルプスとも呼ばれ,すばらしい山岳景観を呈しています。山頂に巨岩をいただくものや岩峰が多く,特に島の南西部にはモッチョム岳や耳岳,七五岳といった巨大岩峰群があり,海岸線からも見ることができます。
この島は雨が多いことでも有名で,数多くの沢を流れる清らかな水は,日本の名水百選にも選ばれています。
また,冬でも温暖な海岸部に対して,標高2,000mに近い奥岳は北日本の気候に相当しており,多い年で3~6mの積雪があります。
口永良部島は,新旧2つの火山群が結合した,面積約36キロ平方メートルの小型の火山島です。東部は,新規火山群地域にある新岳・古岳などの円錐状火山が並び,その周辺は多くの噴気孔や割れ目火口,火口跡の野池などが見られる特異な火山景観を呈しています。また,海岸部では,切り立った海食崖や海食洞窟,洞穴など変化に富んだ地形が見られます。

 

宮之浦岳

 

植物

屋久島の植生は,亜熱帯から冷温帯までの変化に富んだ垂直分布とスギの高齢木が見られることが特徴で,学術的にも高く評価されています。
植生の垂直分布では,海岸地帯にイソマツ,グンバイヒルガオ,ツキイゲが,河口付近にはメヒルギが見られ,100~200mまではウバメガシ,トベラなどの照葉樹林が発達し,場所によってはスダジイ,アコウ,ヘゴなどが見られます。
600~700mの暖帯性常緑広葉樹林にはイスノキやウラジロガシ,スダジイ,タブノキなどを主に,ヤクシマサルスベリ,シマウリカエデなどの落葉樹が混生し,クロマツ,ヤクタネゴヨウなどの針葉樹も見られます。
600~700mから1,400m~1,500mの間では,湿度の高い雲帯林となっています。針葉樹ではスギ,モミ,ツガなど,広葉樹ではヤマグルマ,ヒメシャラなどが高木層となり,中下層にハイノキやサクラツツジが生育しています。
特にスギは縄文杉に代表される樹齢1,000年以上のものが生育し,屋久島の大きな特徴となっています。
地面にはコケ類やシダ類が多く,ナナカマド,ヒカゲツツジなどが樹上に着生している特異な現象が見られます。
1,600~1,700mではスギ,リョウブ,ナナカマドなどが多く,1,700m以上ではヤクザサが多く,その間にはヤクシマシャクナゲなどが生育しています。
水苔を主とする高層湿原には,ここを南限とする本土の植物が多く見られ,これらは,多雨のため極端に貧栄養となり,矮小となっています。この代表的な高層湿原が,花之江河や鹿之沢です。
口永良部島は,新岳・古岳など火口周辺には火山荒原植生が展開し,山麓付近には自然性の高いスダジイなどの照葉樹林が残っています。

 

縄文杉

 

動物

屋久島には,哺乳類では,ヤクシカ,ヤクシマザルなどが生息しています。
鳥類では,国の天然記念物に指定されているカラスバト,アカヒゲなどが生息しています。また,屋久島には高い山々がそびえていることから,渡り鳥の中継地として重要な地となっており,特に春と秋はサシバの大群を見ることができます。
昆虫類では,低地にギョボクを食樹とするツマベニチョウやイワダレソウを食草とするタテハモドキ,トウワタを食草とするカバマダラ,池や沼,水田に発生し,屋久島を北限とするヒメトンボ,渓流に生息するミナミヤンマなどが見られます。中腹にはウラジロガシやアカガシを食樹とするヤクシマミドリシジミが生息しています。
花之江河の湿原では,コセアカアメンボやヤクシマトゲオトンボなど水中や水辺で生活する昆虫も見られます。
爬虫類では,永田の海岸が,日本一のアカウミガメの産卵上陸地として知られ,平成17年11月にラムサール条約湿地として登録されています。
また,黒潮の流れる島周辺の海域には,熱帯や亜熱帯性の魚や大型の回遊魚などが見られ,その魚種の豊富さは全国でも上位にランクされています。
また,口永良部島には,環境省レッドデータブック絶滅危惧IA類で,国の天然記念物にも指定されているエラブオオコウモリが生息しています。
ヤクシマザル

利用上のワンポイント・アドバイス

九州最高峰の宮之浦岳や永田岳,黒味岳への登山歩道が整備されています。
中でも淀川登山口から宮之浦岳を経て,荒川登山口に向かうコースでは,途中にうっそうと茂った原生林や現在確認されている中で最大の縄文杉,屋久杉の切り株であるウィルソン株,日本最南の高層湿原である花之江河などを見ることができます。
島の西斜面(西部林道付近)には,海岸から山頂部までの植物の垂直分布を見ることができ,植物学上も大変貴重な地域となっています。
また,山の中ではヤクシカ,ヤクシマザルに出会うこともあります。
屋久島の山は大変深く,また天候も変わりやすいので,登山に際しては十分に装備を整え,入山届を出してから登るようにしましょう。

 

利用施設等

屋久島世界遺産センター(外部サイトへリンク)

 

よくあるご質問

このページに関するお問い合わせ

環境林務部自然保護課

電話番号:099-286-2617

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