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更新日:2023年8月15日
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いちき串木野市の長崎鼻海岸には,明治から昭和にかけ実在した歌人,柳原白蓮の残した詩の歌碑があります。
柳原白蓮は,NHK連続テレビ小説「花子とアン」で,仲間由紀恵さん演じる主人公の腹心の友「葉山蓮子」のモデルにもなりました。
「右も海左も海の色蒼く沖の小島に想いはふかし」
昭和32年の春,中国視察旅行の帰途,かねてより親交のあった元宮中女官串木野婦人会会長の奥田のぶ子ならびに市婦人会の招聘による講演後,この長崎鼻の絶景に魅せられて詩を残したと言われていますが,想いを馳せた理由はそれだけでもなさそうです。
柳原白蓮には「香織」という名前の息子がおり,現在の日置市日吉町の地で終戦直前(昭和20年)に戦死しています。そして,白蓮は,香織の死後12年目の昭和32年に日吉町の香織の墓を訪れ,静かに手を合わせたそうです。
また,「香織」が戦死した頃,串木野の町も空襲のため焼け野原となりました。焼け野原から復興しつつある串木野を訪れ,また同じ戦争で息子の命を奪われた不条理を感じる母の気持ちを,どこまでも広がる蒼い海に重ねて詠んだのではないでしょうか。白蓮の訪れた長崎鼻の絶景に,ぜひお立ち寄りください。
参考:広報いちき串木野2014年6月号VOL.104
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