平成30年4月からの国民健康保険制度について
「持続可能な医療保険制度を構築するための国民健康保険法等の一部を改正する法律」が平成27年5月27日に成立し,国民健康保険をはじめとする医療保険制度の財政基盤の安定化,負担の公平化などの措置が講じられました。
国民健康保険制度については,財政支援を拡充するとともに,平成30年度から都道府県が財政運営の責任主体となり,国保運営に中心的な役割を担うこととなりました。
法律の概要については,厚生労働省ホームページ「国民健康保険制度」(外部サイトへリンク)をご覧ください。
<見直しの柱>
・国の責任として約3,400億円の追加的な財政支援(公費拡充)を実施。
・県と市町村がともに国民健康保険の保険者となり,それぞれの役割を担う。
国保の現状
国民健康保険制度は,日本の国民皆保険の基盤となる仕組みですが,「年齢構成が高く医療費水準が高い」「所得水準が低く保険料(税)の負担が重い」「財政運営が不安定になるリスクの高い小規模保険者が多く,また,財政赤字の保険者も多く存在する」という構造的な課題を抱えています。
国保の財政状況等に関するページ
県と市町村の役割
その他に
- 給付に必要な費用は,全額,都道府県が市町村に交付します。
- 将来的な保険料負担の平準化を進めるため,都道府県は,市町村ごとの標準保険料率を提示します。(標準的な住民負担の見える化)
保険料水準の統一について
国民健康保険の運営のため,加入者の皆様に納めていただく国民健康保険税。鹿児島県と県内43市町村等は,県内のどこに住んでいても,同じ所得水準・同じ世帯構成であれば,同じ保険税となることを目指して取り組んでいます。
保険料水準の統一に関するページ
国保運営方針
国保運営方針とは・・・
都道府県とその県内の各市町村が一体となって保険者の事務を共通認識の下で実施するとともに,各市町村が事業の広域化や効率化を推進できるように定めた県内の統一的方針です。
国保運営協議会
国保運営協議会とは・・・
改正国民健康保険法(平成30年4月1日施行)により,平成30年度から,都道府県が市町村とともに国保の運営を担うことに伴い,「都道府県国民健康保険運営協議会」を設置することとされ,県では,平成29年3月1日に「鹿児島県国民健康保険運営協議会」を設置しました。
当協議会では,県国保運営方針の作成など国保事業の運営に関する重要事項について審議を行います。
平成30年度から変わったこと
資格の取得・喪失は都道府県単位になります。
県内の他市町村へ住所が変わった場合でも,国保の資格の取得,喪失は生じません。
ただし,他の都道府県へ住所が変わった場合には,国保の資格の取得・喪失が生じます。
※なお,どちらの場合も,市町村への転入,転出の届出が必要です。
高額療養費の多数回該当が県単位で通算され,加入者の負担が軽減します。
県内の市町村間の転入,転出であれば,高額療養費の多数回該当※は通算されることになります。住所が変わった場合でも,国保の資格の取得,喪失は生じません。
※多数回該当とは,過去12ヵ月間で高額療養費の対象となった月数が4回以上となった場合は,4回目から自己負担限度額が引き下げられる制度です。
Q&A(加入者の方々向け)
Q1.平成30年度から,国民健康保険の仕組みが変わったと聞きましたが,どのように変わったのでしょうか。
A1.国民健康保険は,市町村ごとに運営していましたが,平成30年度からは,県と市町村が共同で運営する仕組みに変わりました。具体的には,平成30年度からは,市町村が集めた保険税などを県に納めて,県が医療費の支払いに必要な金額を全て支払うという形に変わりました。
Q2.これまで市町村で行っていた窓口での手続きや特定健診などは,何か変わったのでしょうか。
A2.国保への加入や脱退,保険証の交付,高額療養費の申請,特定健診など,国民健康保険に関しての手続きやお問合せは,お住まいの市町村が行っており,変わりはありません。
Q3.国民健康保険の仕組みはなぜ変わったのでしょうか。
A3.市町村単位で運営するより,規模を大きくして県全体で運営を行う方が安定的に運営できるからです。43市町村の43個のお財布を県で1つにまとめて,お財布を大きくするというイメージです。県内の市町村国保の財政状況は,高齢化の影響などで医療費が増加しており,非常に厳しい運営を行っています。今後も高齢化が進み,医療費は増えていく見込みとなっていますので,安定的に運営していくために,仕組みが変わることになりました。
Q4.市町村国保財政が非常に厳しいということですが,加入者の側でできることはありますか。
A4.国民健康保険制度の安定化のためには,加入者の方々が,保険税をきちんと納めていただくことや,特定健診を毎年受けて病気の予防や早期治療につなげていただくこと,健康な生活習慣に対する関心や理解を深めていただくこと,ジェネリック医薬品を積極的に使っていただくこと,同じ病気で複数の病院を受診しないなど適正受診を心がけていただくことが大切なことです。このことは,加入者の方々にとっても,保険税や窓口の負担を減らし,できるだけ健康でいられることにつながります。
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