保険料水準の統一について

保険料水準の統一とは

国民健康保険制度は，日本の国民皆保険の基盤となる仕組みですが，「年齢構成が高く医療費水準が高い」「所得水準が低く保険税の負担が重い」「財政運営が不安定になるリスクの高い小規模保険者が多く，また，財政赤字の保険者も多く存在する」という構造的な課題を抱えていることから，市町村間（県全体）で支え合う体制づくりを進めることが必要です。県全体で支え合う体制を強化し，国保財政の更なる安定化を図るため，鹿児島県内の「保険料水準の統一」を目指します。

具体的には，現在，国民健康保険の保険税は，市町村が市町村ごとにかかった医療費を参考に税率を設定しており，お住まいの市町村によって負担が異なっていますが，「鹿児島県内のどこに住んでいても，同じ所得水準・同じ世帯構成であれば，同じ保険税」となる「完全統一」を目指します。

また，その過程として，令和9年度から「二次医療圏ごとの統一」を行います。

 

保険料水準の統一を目指す理由

加入者間の保険税負担の公平性が図られる

現在，医療機関での窓口負担の割合は全国共通であるものの，保険税は市町村ごとに異なっています。
保険料水準の統一を行うと，県内のどこに住んでいても，同じ所得水準・同じ世帯構成であれば，同じ保険税となります。

保険税が変動するリスクの抑制

小規模な市町村においては，高額な医療費が発生した場合に保険税が増加するなど，年度によって保険税が変動するリスクがあります。
保険料水準の統一を行うと，変動リスクを抑制することができ，安定的な国保制度の運営につながります。

 

鹿児島県の取り組み

保険料水準の統一に向けては，取組内容とその取組時期を記載したロードマップを作成し，県と43市町村等で協議しながら取り組みを推進することとしています。
具体的には，医療費適正化に向けた取組強化や国保税収納率向上，事務の標準化・広域化等に取り組むこととしています。

 

Q＆A

Q1.保険料水準の統一は，鹿児島県が独自に取り組んでいるのですか。

国は，都道府県単位での安定的な国民健康保険の財政運営を確保するために，令和6年6月に「保険料水準統一加速化プラン（第2版）」を策定し，その中で令和6年度から令和11年度までを，保険料水準の統一に向けた取り組みを加速化させる期間と位置づけています。
現在，全ての都道府県が保険料水準の統一に向けて取り組みを進めているところであり，大阪府と奈良県においては令和6年度に保険料水準を統一したところです。

保険料水準統一加速化プラン（第2版）（PDF：4,397KB）

Q2.保険税の負担はどうなりますか。

保険料水準を統一すると，県内で統一された保険税率を用いることになります。そのため，統一された保険税率以下の税率を設定していた市町村は税率が上がり，統一された保険税率以上の税率を設定していた市町村は税率が下がることとなります。
本県では，保険税の急激な負担増を抑制するための措置を講じることとしています。

Q3.保険税が上がらないようにするために取り組んでいることは何ですか。

国民健康保険では，必要な保険給付などを主に国，県，市町村からの公費と加入者の皆様の保険税で賄っており，加入者の皆様の保険税は，市町村が市町村ごとにかかった医療費などを参考に決定しています。
そのため，医療費適正化の取り組みとして，特定健康診査・特定保健指導の取組強化や糖尿病の重症化予防の取り組みを行っています。また，国保税収納率向上の取り組みとして，口座振替やコンビニ収納等による，納付しやすい環境の整備を促進しています。
さらに，国に対し，保険税の負担軽減を含めた財政基盤の強化を要望しています。

Q4.加入者の側でできることはありますか。

国民健康保険の保険税は，市町村が市町村ごとにかかった医療費などを参考に決定しています。
加入者の皆様においては，保険税をきちんと納めていただくことや，医療費の適正化（特定健診の受診による病気の予防や早期治療，ジェネリック医薬品の使用等）を心掛けていただくことが大切です。このことは，加入者の皆様にとっても，保険税や窓口負担を減らし，できるだけ健康でいられることにつながります。

 

リーフレット

保険料水準の統一について（PDF：474KB）