市来貝塚は,縄文時代後期を主とする貝塚で,昭和36(1961)年に河口貞徳氏により発掘され,南九州の縄文後期を代表する「市来式土器」の標式遺跡です。市来式土器は,南は沖縄県から九州全域で出土し,地域間の文化交流を示す重要な土器型式となっています。
その後,平成2(1990)年と平成4(1992)年に旧市来町教育委員会(現いちき串木野市教育委員会)が範囲確認の発掘調査を実施しました。貝層は厚い部分で2.6メートルあり,市来式土器を主体に,石鏃・石斧などの石器,貝輪,つり針・かんざしなどの骨角器と多量の自然遺物が出土しました。
[平成6(1994)年・県指定史跡]