はじめに
21世紀を迎えた私たちは、物質的に豊かな生活を送れるようになった一方で、地球環境から身の回りの環境まで、様々な環境問題に直面しています。具体的にはエネルギー問題と関連する地球温暖化防止、資源循環と関連する廃棄物の削減・再使用・リサイクル化、化学物質による人体や環境への影響等ですが、いずれも地球上の異なる地域や世代に資する「持続的発展が可能な社会」や「循環型社会」を構築するために、その対策が急がれています。そして、これらの問題は地域や国境を超えた国際的な取り組みの課題であり、様々な対策が検討され、一部は実施に移されています。
近年、住まいやまちづくりの分野でも、こうした環境問題の存在が明らかになり、私たちの日常生活と深く関係していることから、その解決に向けた取り組みが強く求められています。『環境共生住宅』はこのような課題に総合的に応える目的で、国において産官学共同の研究開発として1990年に着手され、以来多くの知見や実例をもとに、普及のための活動が進められてきました。その目指すものは、住まい・まちづくりを通して地域に即した「地球環境の保全」、「周辺環境との親和」、「居住環境の健康・快適性」と言う目的に資する住まいと地域環境を実現することに他なりません。現在は国の施策の一環として、その普及が図られています。
鹿児島県においては『鹿児島県環境基本計画』に基づいたアクションプラン『鹿児島県地球環境保全行動計画』を平成11年3月に策定しました。その中で、地球温暖化防止を中心テーマに据え、環境保全に向けた(1)環境に配慮した生活様式づくり、(2)環境と調和した地域づくり、(3)循環を基調とした社会システムづくり、への取り組みを行うこととしています。この目標を実現する上でも、環境共生住宅の整備促進は重要な役割を担うものと考えられます。また、「21世紀新かごしま総合計画」(平成13年1月)の中で、「ゆとりとうるおいのある住まいづくり」を実現するための主要プロジェクトとして、環境共生住宅の整備促進を位置付けています。そして、平成13年3月に策定した「鹿児島県住宅マスタープラン」の中でもその普及・促進を図ることとしており、本ホームページはその一環として作成したものです。
鹿児島県は、九州の最南端に位置し、南北約600kmと温帯から亜熱帯に至る南北に長い県土の中に、海抜1,900m前後の山地や、200余りの島々を含む極めて多様で変化に富んだ地形と自然環境が特徴となっています。そこで、鹿児島県における環境共生住宅は、地球環境や資源・エネルギー消費のあり方等に目を向けるとともに、このような県内各地域の特徴を十分反映し、多様で良好な自然環境を保全・活用しながら、快適な生活環境を実現する住まい・まちづくりであることが望まれます。それを「かごしま環境共生住宅」と名づけました。
この「かごしま環境共生住宅ホームページ」は、県民の皆様が以上のような「かごしま環境共生住宅」の建設に取り組まれる際に、参考となるような考え方や実現方法をはじめ、多くの関連情報を整理してまとめたものです。本ホームページが、鹿児島県における健康・快適で環境に配慮した住まいや暮らしの普及に向けてお役に立てれば幸いです。
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