住まいと資源
住宅をはじめとする建設分野における資源消費と廃棄物排出の現状
住宅は、建設する際には大量に資源を投入し、解体する際には大量に廃棄物を生むという特徴があります。木材やセメント、砂利、ガラスや陶磁器、金属、プラスチック等使われる資材も様々で、わが国の資源利用量の約半分が住宅を含む建設産業となっています。また廃棄物量については、全産業のうち排出量は約2割ですが、最終処分量では5割近くを占めています。これは、他産業に比べ建設分野から排出される廃棄物はリサイクルが進んでいないことを示しています。更に、廃棄物の不法投棄の9割近くは建設産業によるものと言われており、重大な問題となっています。
住宅を解体した場合に発生する主な廃棄物は、コンクリート塊、木くず、金属くず、ガラスくず及び陶磁器くず、廃プラスチック類、これらが混合されて排出される建設混合廃棄物となっています。現在では平成13年1月に循環型社会形成推進基本法が、また、建設資材リサイクル法が平成14年5月から施行され、これらの建設廃棄物のリサイクルや適正な処理が義務付けられています。
全産業 |
建設産業 |
割合 |
資源利用量 |
24億トン |
11億トン |
46% |
廃棄物量 |
排出量 |
4億トン |
0.82億トン |
21% |
リサイクル量 |
3.1億トン |
0.45億トン |
15% |
最終処分量 |
0.84億トン |
0.37億トン |
44% |
不法投棄量 |
39万トン |
34万トン |
87% |
平成5年度、不法投棄量は平成5~7年の平均値
データ:建設省、環境庁、厚生省調査
表1
資源利用・廃棄物量に占める建築産業の割合
出典:解体・リサイクル制度研究会中間報告資料(平成10年7月)
図5木造住宅解体副産物の種別発生量(延べ床面積100平方メートル当り)
注)数値は調査家屋8軒の平均値
出典:住宅産業解体処理業連絡協議会資料(1991年)
短いわが国の住宅の寿命
わが国の住宅の寿命は先進欧米諸国に比べ、かなり短いと言われています。右図は、住宅の建替え年数を欧米諸国と比較したものです。大量に資源を投入する住宅は、解体されると大量の廃棄物にもなりますから、住まいの耐久性を高めたり、世代が変わっても快適に暮らせるような工夫をすることにより、住まいの寿命を延伸化することが求められます。
図6住宅ストック更新周期の国際比較
出典:総務庁「平成5年住宅統計調査」
国連「Annual Bulletin of Housing and Building for Europe」
県民一人一日当り約1.1kg排出される一般廃棄物、うち、回収される資源ゴミは11.6g
鹿児島県の一般廃棄物は、市町村の直営、委託及び許可事業者等により収集されるもの(以下、収集量)と、事業所等から直接搬入されるもの(以下、直接搬入量)があります。その他、事業活動に伴って生じる大量のごみを事業者自ら処理するもの(ほとんどの市町村で求められています。以下、自家処理量)があります。平成10年における収集量、直接搬入量、自家処理量をあわせた、ごみの排出総量は719,088トンで、県民一人一日当りのごみ排出総量は1,091gとなっています。また、平成11年度の資源ごみの分別収集実績は、無色・茶色・その他のガラス、ペットボトル、鋼製容器、アルミニウム容器、飲料用紙製容器併せて7,582トンで、それらの99.4%が再商品化されています。12年度以降は、ダンボール、その他の紙製容器包装、プラスチック製容器包装、白色トレイ等を新たに分別収集するようになりました。
図7鹿児島県における一般廃棄物排出状況の推移
「鹿児島県の一般廃棄物処理」(平成13年3月)より作成
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