更新日:2024年11月22日
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日時:令和6年11月22日(金曜日)午前10時00分~午前11時14分
場所:5階記者会見室(県庁5階)
「ムーブかごしま」からもご覧いただけます。
(広報課)
ただ今より,知事の定例記者会見を始めさせていただきます。
会見の円滑な進行のため,数値の確認等の詳細事項につきましては追って担当課に御確認くださるようお願いいたします。
それでは幹事社の方,よろしくお願いいたします。
(幹事社)
始めるにあたってのお願いです。発言される方は挙手をしていただいたうえで,お近くのマイクを使って社名とお名前をおっしゃっていただくようお願いします。
携帯電話はマナーモードの設定をよろしくお願いします。
本日は知事から発表事項があるということですので,よろしくお願いいたします。
(知事)
私の方から,まず県産和牛の認知度向上・販路拡大についてでございます。
1点目としましては,和牛日本一鹿児島の統一ロゴマークの決定でございます。本県の和牛は,令和4年の全国和牛能力共進会鹿児島大会で2大会連続の和牛日本一の栄冠に輝き,また飼養頭数や農業産出額においても日本一であることから,県産和牛をPRするにあたり「和牛といえば,鹿児島県産。」というイメージの定着を図るために「和牛日本一鹿児島」をキャッチコピーとして,この統一ロゴマークを決定いたしました。
統一ロゴマークを使用したこののぼり・ポスターは,食肉事業者をはじめ現在募集を行っている和牛日本一鹿児島応援店で登録された飲食店等に提供して,観光客をはじめ県民の皆さまにも広くアピールすることとしております。引き続き,和牛日本一鹿児島応援店についても募集しており,県産和牛を取扱う飲食店等に対しての登録をお願いすることとしております。
次に,首都圏でのPRについてでございますが,首都圏の消費者に対する鹿児島県産和牛の認知度向上を図るため,和牛肉需要が高まるこの年末年始に,特設サイトにおいてアンケートに答えた人の中から抽選で500名に,鹿児島県産和牛が当たるプレゼントキャンペーンを実施します。
さらに,首都圏主要35駅及び羽田空港において「和牛日本一鹿児島」の広告掲載を実施するのにあわせ,プレゼントキャンペーンの告知も行うこととしております。首都圏をはじめ県内外でPRを実施し,県産和牛の認知度向上・販路拡大に努めてまいります。
なお,首都圏ではありませんが,「いい肉の日」フェアとして,今月25日から29日までの5日間,県庁の食堂において鹿児島の黒牛・黒豚を用いたハンバーグ定食を30食提供することとしております。
また,30日と来月1日は,県民向けにイオンタウン鹿児島で「元気もりもり!!畜産フェア」を開催し,県産和牛やかごしま黒豚など,畜産物の試食販売・抽選会等を行うこととしております。
次に,県立いろは中学校の校章でございます。
令和7年4月に県内初の夜間中学校として開校する,県立いろは中学校の校章を決定しました。校章選定委員会では,次のような理由で選ばれたということであります。
1点目は,いろは中学校を表す「い」の文字が含まれ,夜間をイメージする月や星が表現されていること。
2点目として,いろは中学校の生徒が,学び直すことでそれぞれの人生が輝き,満ちていくといったメッセージ性があること。
3点目として,シンプルではありますが,立体的であり,デザインに動きがあること。
現在,生徒募集を行っておりますが,入学する生徒の皆さんが,希望と誇りを持って学べるよう,引き続き,開校準備を進めてまいります。
発表事項は以上でございます。
(幹事社)
それでは,発表事項に関して質問のある方はお願いします。
(記者)
和牛の統一ロゴマークについてお尋ねしたいのですが,今までずっと「和牛日本一」というのは言っていたと思うのですが,なぜこのタイミングでロゴマークを作ったかというのを教えてください。
(知事)
これまでも「和牛日本一」というような「頂点黒牛」「鹿児島黒牛」などいろんなことで鹿児島の和牛が,この前の全共大会でも連覇して日本一であるということをアピールしていたわけですが,なかなか,それぞれ畜産の事業者においてもさまざまな銘柄があり,鹿児島黒牛のほかにもいろんな鹿児島の統一的なイメージといいますか,そういうものが打ち出しにくいという状況がございましたが,今回は「和牛日本一鹿児島」ということで,個別銘柄というよりは,鹿児島県が日本一の和牛の産地であるということをしっかりと全国的にも浸透させていきたいということで,こうした新たなキャッチコピーとロゴマークを決定し,さらに首都圏における認知度向上を特に重点的にフェアと併せて行っていくということにしたということであります。
(記者)
このロゴマークの特徴やこだわったポイントが何かあれば教えてください。
(知事)
そうですね。1つは,分かりやすく鹿児島と,和牛日本一と,こういうことでありますが,またその下の分かりにくいかもしれませんが,牛の絵と桜島だと思いますが,鹿児島の和牛という,これは鹿児島県の輸出のブランドとしては「鹿児島和牛」というふうにしております。そのマークとあわせて県内外,国外に対しても分かりやすくアピールをしていると思っております。
(記者)
この赤い丸は,何か意識があるのですか。
(知事)
赤い丸は何ですかね。日本一,これは日の丸みたいなことですかね。
(記者)
いろは中学校の校章について,知事の率直な感想をお聞かせください。
(知事)
先ほどのような選定委員会での考え方ということもありますが,「いろは」の「い」ということで,このいろは中学校の趣旨,そしてまた月が満ちていくというようなことでありますから,このいろは中学校の設立の趣旨というものをよく表したマークになっていると思います。
(幹事社)
ほかにありませんか。
続きまして,県政一般への質問に移ります。まず最初に川内原発関連以外の質問とし,その後に川内原発関連の質問とさせていただきたいと思います。
それでは最初に幹事社から質問させていただきます。
(記者)
入札が不調に終わったスポーツ・コンベンションセンターについて,1点目,事業費の増額を知事は先月の会見で否定されませんでしたが,だいたいいくらぐらいを見通されていますでしょうか。
(知事)
前回入札のときに不調になったわけですが,参加を表明していたコンソーシアム,そしてまた説明会等に載っていた3つのグループから28日,30日にヒアリングをしております。その中で入札不調となった理由といいますか,そういったことの中で,事業費がかなり,物価・人件費が高騰しているという中で,313億円という枠に収まりきれなかったと,こういうことでございます。その上で,どれぐらいの乖離かということについては,まだいろいろこれから精査していく必要があると思っております。
(記者)
精査される時期のゴールというか,いつまでにとお考えでしょうか。
(知事)
スケジュール的にどれぐらいということは,まだはっきりとお示しできる状況ではございません。
(記者)
関連してですが,この点を踏まえて2029年7月の供用開始は変更されないとのお考えに変わりはありませんでしょうか。
(知事)
まだ,今のこの作業がどういうふうになるかということで,その辺のスケジュールについても,どうなるということが今見通せる状況ではありません。間に合うかもしれませんし,少し後ろ倒しになるかもしれませんし。
(記者)
「後ろ倒しになるかもしれない」と今まで御発言はありましたか。
(知事)
まだスケジュールがどうなるかということがはっきりしないということは,そういうことだと思います。
幹事社からは以上です。
(幹事社)
それでは各社から質問をお願いします。
(記者)
今の体育館(スポーツ・コンベンションセンター)のところに関連して,ヒアリングでは,主にどういった意見が挙がってきましたか。
(知事)
やはり皆さん,物価・資材,こういうものがこの夏場以降,急激に上がっている。特に設備工事の部分が上がっているというようなこと。あるいは,人件費についても,そういった人手不足等の要因もありますし,あるいは,最低賃金の最近の大幅な上昇,こういったようなのも影響があると。九州全体,全国もそうなのでしょうが,いろんな大型の案件,TSMCの工場などいろんなものがあり,なかなか。高騰というのが急激に起きていると,そのようなお話が多かったと聞いております。
(記者)
確認ですが,ヒアリングは全部で何社に対して行ったということですか。
(知事)
何社というか,3グループと聞いております。
(記者)
2日間に分けて行ったということですか。
(知事)
10月28日と30日に行ったということです。
(記者)
先方の試算というものも聞きはしたということですか。
(知事)
だいたいどれぐらいかかるか,あるいは今後の見通しみたいなものについてもお聞きはしております。
(記者)
今それを精査しているところだと。
(知事)
そうですね。その根拠や,その辺の全国的な相場など,いろいろと精査していくということであります。
(記者)
話題は変わりますが,今,年収103万円の壁の議論が国会でされています。国民民主党は178万円までの引き上げを求めていて,仮に鹿児島もそのように引き上げた場合は,県の税収への影響はどのようになるかという試算はありますか。
(知事)
ざっと試算はしておりますが,県の方で約165億円ですかね。あと市町村分で250億円ですから,合計で400億円強の影響が生じるというような試算をしております。
(記者)
知事としては,年収の壁の見直しについてはどういうふうに考えていますか。
(知事)
年収のいろんな壁があるということで,労働時間の調整を行うというようなことが,今の人手不足の中でやはり影響がある。そういった中で,皆さんそういったことを見直して,こういったことの解消というのには一定の効果があるということだと思いますが,一方で,こうした見直しを行うに当たっては,先ほど申し上げたような税収への影響,こういったことがありますので,その辺についても十分配慮しながら検討を進めていただきたいと思っております。
(記者)
「十分配慮」というのは,補填をどうするかということをきちんと考えていただきたいということですか。
(知事)
どういう形でやるのか分かりませんが,財源をしっかりと確保していただければと思っております。
(記者)
県内でも,年収の壁を気にしたような働き方をしている人たちがいると,知事としても捉えていますか。
(知事)
やはりいらっしゃるのではないでしょうか,そこは。
(記者)
ほかに,106万円,130万というのが出てきていますが,これらはどういった影響が一番大きいと考えていますか。
(知事)
どうなのでしょう。報道等では130万円の壁というのがかなり大きいようなことも聞いておりますし,いろんなそういった壁というのがあるので,そういった点を気にしながら調整されている方というのは,やはりいらっしゃるのではないでしょうか。
(記者)
「手取りを増やす」というところから,この103万円の壁の引上げというのが出てきたと思いますが,手取りを増やすということの必要性については,知事はどう考えていますか。
(知事)
物価が高騰する中で,やはり賃上げ,手取りといったものを上げていくということは重要なことだと思いますが,そういったことの中で一つの手段として,今のような壁であったり,そのほかに税や社会保障の制度全体を見直すなど,いろんな見直しの仕方もあるのかもしれませんが,そういったことをしながら,できるだけ皆さんの手取が増えていくということは,稼ぐ力の向上と合わせてたいへん意義のあることだと思います。
(記者)
壁を見直すということ自体については,知事も反対はしないということになりますか。
(知事)
そうですね。一つの方策だとは思います。
(記者)
ただ,その補填をどうするかというのをきちんとして。
(知事)
そうですね。一方で税収ということについても十分考慮していただきたいと。
(記者)
国民民主党が,大臣の方から国に言って,地方の知事・首長に働きかけをして,反対するように言っているような主張をしていますが,何か知事のところに働きかけがありましたか。
(知事)
いや,私のところにはありません。
(記者)
1点だけ関連で。知事選のときに国民民主党から推薦を得ていますが,それもあって理解を示しているということなのでしょうか。
(知事)
いや,特にそういうことではありません。
やはり,先ほど申し上げたような物価等が高騰している中で,収入を増やしていくというのが,稼ぐ力等を含めて賃上げ等を含めて,皆さんの手取りを増やしていくというのは重要なことだと思っています。
(記者)
先ほどの試算の数字のもう一度確認ですが,住民税や地方交付税が県では165億円,市町村では250億円の減収が見込まれるという試算ということでよろしいですか。
(知事)
正確に言いますと,地方交付税の減は含まずに,地方(県・市町村)の減収分,いわゆる4兆円に対応する部分というのが約400億円と。ですから国の分がさらに1兆円ぐらい増えるという部分の交付税にどう反映するかというのは,これを含んでおりません。
(記者)
では,個人住民税の部分だけということですか。
(知事)
はい。
(記者)
約という形でよかったですか,およそ。
(知事)
約,一定の仮定の下での試算ですから。正確に精査されているものではありません。
(記者)
一昨日,自民党・公明党の両党と国民民主党で見直しを行っていくという形で合意しましたが,やはり財源の問題があるのではないかということで,昨日も中央の方では話がされています。財源の問題は,知事はどういうふうにお考えですか。
(知事)
どういうふうにというのは。
(記者)
市町村などの自治体の減収分の補填というか,その確保の部分。
(知事)
私の方で,ここをこうして財源を確保できるのではないかというアイデアがあるわけではありませんが,この減る分について何らかの手当なりということを考慮しながら,ぜひ議論を進めていただきたいと思っております。
(記者)
先の衆院選では,自民・公明が少数与党という形で,こういうふうに国民民主党の存在といった野党の存在というのも,こういう政策面では出てきていますが,そういったような政治の運営というか,国会運営をどのように見ていらっしゃいますか。
(知事)
少数与党ということでありますから,野党との間でのこういった政策的な部分についての丁寧な議論というのが,国会においては,今後なされる必要が出てきているのだろうと思いますが,実際にはやはり国民の皆さんにとってどういう政策がいいのかということを与野党でしっかりと丁寧に議論していく,そういうことがなされる必要があると思います。一方で,少子高齢化・人口減少・物価高騰などさまざまな国政・県政の課題というものがありますので,そういった国政の停滞がないようにしっかりとした政策論議を行っていただきたいと思っております。
(記者)
103万円のところで,賛成・反対というわけではなくて,見直しについては効果があるのではないかという部分と,一方で財源の部分に対しての懸念があるというようなスタンスという理解でよろしいですか。
(知事)
はい。
(記者)
話題が変わるのですが,徳之島の日米の演習期間中に,世界自然遺産エリアで絶滅危惧種のランが消失したという事案がありました。知事の方で把握されている情報がありましたら,教えてください。
(知事)
報道といいますか,現地での会議の場でそういった指摘があったということについては,承知しております。
防衛省九州防衛局にも問合せをしておりますが,はっきりとした消失に関わる関連が自衛隊の訓練との間であったのかどうかということについては,確認はできておりません。
(記者)
訓練の実施の際には県から防衛省に対して,住民の安全・安心というところの配慮を求めるような要望を行いますが,今回こうした,関連はわからないわけですが,自然遺産エリアで訓練が行われたというところで,自然保護の観点からそういった要望などを行っていく可能性は,お考えはありますでしょうか。
(知事)
今回,徳之島の世界自然遺産,あるいは国立公園という貴重な動植物がある所での訓練ということで,防衛省に対しては訓練の前にルート等についてお聞きしたりしていたわけですが,「ルートが決定次第,環境省と調整する」と聞いておりましたが,その後の状況がどうなっているかということが十分確認されておりません。そうした中で今回のような御指摘をいただいておりますので,今後より丁寧に,防衛省・環境省との間で,そういった貴重な動植物への影響がないような場所あるいはやり方,こういったものについての配慮というのをお願いしたいと思います。
(記者)
最後にもう1点,地元のNPO法人からは,「そもそもそういった世界自然遺産エリアでそういう訓練を行うのはどうなのか。」というような指摘もあるわけですが,そういった世界自然遺産エリアで訓練を行うということに対して,知事のお考えというか見識をお聞かせください。
(知事)
世界自然遺産,これは非常に価値のあるものとして保全していかなければいけない。一方で,安全保障上の要請ということもあるのだと思います。そうした中で,どのような場所・ルート・やり方,そういったもので注意すべき点,こういったものも考えながら実施をしていく必要があると思っておりますので,そういった点については十分,防衛省・環境省の間で調整なり協議なりしていただくように要請をしたいと思います。
(記者)
今月上旬に,焼酎など日本の伝統的酒造りがユネスコの無形文化遺産に登録される見通しになったことについてお伺いします。この登録をされた後,鹿児島県としてどのように活かしていきたいでしょうか。
(知事)
来月2日に最終的に決定がなされると聞いておりますが,焼酎というのは鹿児島県の非常に歴史ある伝統のある文化でありますので,その製造方法,あるいは焼酎の製造の過程・道具,こういったものが世界的にも評価されたということでありますから,こういったことについては,焼酎というものを広めていく,そのためにはたいへん良い契機になるのではないかと思っております。
最近,日本酒はだいぶ世界的にも認知されてきておりますが,焼酎もいろんなお酒の教育機関,あるいは世界の市場において多様な飲み方のできるものでありますし,今のようなそれぞれの地域・多様性,いろんな文化というものの背景,こういったものも含めて理解していただく。そういうきっかけにしながら,さらに販路拡大にも努めていきたいと思います。一方で,やはり国内における,後継者にとっての励みにもなるものというふうに思っております。
(記者)
今,それぞれの地域に,地域ごとの多様性というところもありましたが,日本全体の伝統的酒造りというものが評価された中で,鹿児島らしさという部分を打ち出していくというところでは,今後どのような取り組みをお考えでしょうか。
(知事)
鹿児島らしさというのが,今申しあげたような,それぞれの地域において111の蔵元があるということ,また2,000の銘柄があるというような,非常に多様性というのが一つの鹿児島の特色だと思っております。
そういった点と,最近では香り系の酵母を活用したりというような新しい飲み方,あるいはカクテルにするなどそれぞれ嗜好に合わせた活用の仕方がありますので,そういった点をしっかりとアピールしていきたいと思っております。
(記者)
安全保障の件で,今週に入って米軍のオスプレイの緊急着陸が相次いでいます。改めてその緊急着陸に対する受け止めと,現状何か課題・問題点と考えている点がありましたら教えてください。
(知事)
オスプレイについては,ちょうど屋久島での事故から約1年ということでありますので,地元を含め皆さん大変不安な気持ちというものがまだあると思っております。そうした中で,沖縄でしたか事故もありましたし,また鹿屋への予防着陸,そして奄美における14日,そしてまた昨日ですかね,予防着陸ということが起きているということで,安全性に対する不安というものがあるというふうに思っております。
沖縄の事故については,操作でのソフト的なことであったということでありますが,その後の予防着陸については警告灯が点いたので予防着陸をしたと。それがどういう原因で警告灯が点いたのか,そしてまたその後飛び立って行っているわけですが,修理がきちんとなされているのか,原因がどうだったのかということが,県からは防衛当局に対しては,しっかりとした原因究明,安全を期すことを繰り返し要望し,また先般,防衛大臣に対してもそうした点については言及してお願いしておりますが,なかなかそれが原因究明というか,原因が明らかに知らされないままに繰り返されているということに対して,また再度起きたということでありますから,その辺の原因究明をもう少ししっかり行った上で,また我々に対してもしっかりと情報提供をしていただきたいということについて,重ねて強く申し入れたいと思っております。
(記者)
屋久島の事故の報告書では,パイロットが警告灯に従わずに運行を続けたことが,機器の不具合にあわせて墜落の原因の一つになっていますが,その点を考えると,「今後警告灯が点くと,県内の離島空港を中心に緊急着陸が増えるのではないか。」という専門家の指摘もあります。
そうした中で,鹿児島の離島は,管制官や運行情報官が常駐している離島空港はないと思うのですが,そういった管制機能をまずは充実化して緊急着陸に備えるというようなお考えはありますでしょうか。
(知事)
現時点における管制のあり方は,私も詳しい技術的なことは分かりませんが,今の体制の中でできているのだろうと思いますので,そこら辺,何か支障があるかどうかということについては,管制を行っている部署において検討いただければと思いますが,予防着陸が増えてくるということで,またさらに住民の皆さんの不安というものも増えてくるということになりかねませんので,そういう意味では,そういうことがないようにしっかりと,警告灯が点いているのが,同じ原因なのか違う原因なのか,その辺もよく分かりませんので,保守点検がしっかりとしていないのであれば,そこはしっかりとしていただきたいし,そもそもの機材の不具合というものが繰り返し起きているのであれば,まず,そこはしっかり安全を見直していただいて,予防着陸などの事態が起きないようにしていただきたいと思います。
(記者)
我々も取材でも,警告灯が点いた理由の説明がまだなされていないのですが,こういったよく分からない状況が続く中で,予防着陸・緊急着陸が増えるということになると,何か県の方から,飛行停止を求めるようなことは考えられますか。
(知事)
今後,やはり住民の皆さんの安心・安全という観点から,今も少なくとも住宅街の上は飛行しないようにというようなことは要請しておりますので,今後の状況を見ながら,さらに何ができるのか,すべきかということについては検討したいと思います。
(記者)
緊急着陸とは別ですが,オスプレイの場合は今知事がおっしゃったように,住宅街の上を低空飛行するという問題があると思います。奄美大島の小宿地区や知名瀬地区では,実際住民の方が,住宅の上を飛ばれて騒音などで困っているという声も聞きます。
米軍はやはり日米地位協定があり,基本的に日本の法律に従わずにどんな所でも飛ぶことができるという前提があると思うのですが,全国知事会でも提言されていますが,日米地位協定を改訂してほしいというような思いは塩田知事の中にもありますか。
(知事)
日米地位協定については,全国知事会と一緒に国内法の適用等について要請しておりますので,それと同じ考えであります。
(記者)
県内の不登校について質問があります。先月末に県内の公立学校の調査の発表がありまして,そこで不登校の生徒の数が5,400人と6年連続で最多を更新していることについて,知事の受け止めをお聞かせください。
(知事)
不登校の問題というのが大変大きな課題といいますか,どんどん人数も増えているということです。要因はさまざまだと思いますが,やはり通常の学校ではない場所における学びの場というものをいかに確保していくのかということが重要な課題になってきていると思っております。
そうした中で,学校の保健室などいろんな所で授業を受けたりということもありますが,フリースクールも出てきております。ただ,フリースクールというものが,いろんな形態もありますので,そうした中で今実態調査等を行っておりますので,できるだけそういった不登校の皆さんに対しても多様な学びの場を提供していく。そのために県としてどういうことができるかということを調査した上で,今後検討をしっかりしていきたいと思っております。
(記者)
先ほどフリースクールなども含めていろんな学びの場があるということで,ただ,今県の現状としては,フリースクールに対する公的な補助金制度等は,自治体を含めてたぶんなくて,そういう具体的な,こういう政策を今検討している,あるいはフリースクールに対する支援対策で今考えているものはありますか。
(知事)
まだ具体的に,どういうような対策を取れるかということについては,調査をした上での議論が必要だと思っております。ただ,なかなか,公の関与しない学校に対する直接的な補助というのは,今までは難しいというふうに考えられておりますので,どういった支援のあり方があるのかということも含めて,今後検討していく必要があると思っております。
(記者)
どうして今までは難しかったのかという理由を聞いてもよろしいですか。
(知事)
これは,憲法上,公の学校以外にそういった支援ができないという考え方があると聞いております。
(記者)
ただ,他県の事例等を見ると,滋賀県だと思いますが,フリースクールに通う保護者向けの補助金制度を設けていたりなど,そういうあらゆる手段というのもあるのかなとは思いますが,そういったところへの施策の考えはいかがですか。
(知事)
ですから,今申し上げたような,学校に対する直接的な補助,こういったものは今まで難しいといわれている中で,今後どういった支援のあり方が必要か,それが保護者に対する支援なのか,あるいはそのほかの支援なのか,どういった支援のあり方があるかということは,そのフリースクールの実態等を踏まえた上で今後検討していきたいと考えているということです。
(記者)
12月に行われる実態調査の中に,そういったフリースクールの現状も調べていくということでよろしいですか。
(知事)
フリースクールの実態調査を調べるということです。
(記者)
12月でしょうか。ありがとうございます。
(記者)
他県のことで恐縮ですが,兵庫県知事選がありました。不信任決議が可決された後に,SNSなどを中心に支持が拡がる展開となりましたが,同じ知事,あるいは政治家としてどのような印象を持ったか教えてください。
(知事)
県議会で全会一致で不信任ということになる一方で,出直し選挙で県民の皆さんの支持を得て当選したということで,これは二元代表制ですから,それはそれ,これはこれということなのかもしれませんが,その辺のSNSの力というものが非常に大きかったというふうに報道等で承知しております。
なかなかこのSNSというのも,いろんな情報が飛び交って,どれが本当かどうかということがよく分からない中での選挙だったのかなという気がしております。そうした中で,兵庫県民の皆さんがそれぞれの情報を聞いたり,見たりした上で判断したという結果だと思いますので,今後また議会,あるいは県民の皆さん,あるいは県庁の職員の皆さんとしっかり連携しながら県政を進めていただければと思っております。
(記者)
先ほど鹿児島県警から発表がありましたが,現職の30代の警察官が今年の4月頃,被害者が16歳未満であることを知りながら性的な行為をしたということで,今日付で懲戒免職になったという発表が,先ほど10時ぐらいにありました。全国的にもこれだけ不祥事がいろいろ話題になっている中で,今日新たな非違事案が発生したということで,急ではありますが知事としての受け止めをお聞かせいただけたらと思います。
(知事)
私も,ここに来る直前にそういったことがあったということを聞きました。事案の詳細については,今おっしゃった以上のことは私も承知しておりませんが,16歳未満であることを知りながらということで,そうした非違行為が行われたということは極めて遺憾なことだというふうに思っております。
特に,警察の組織について,そういった性被害といいますか,性犯罪といいますか,そういったことが特に見受けられるという中で,いかに警察組織として信頼を取り戻していくか,再発防止をしていくかということが,議会でも非常に大きな議論になっている中で,今回こうした事件が4月に起きたということでありますから,これは本当に重大なことであり,警察組織としてしっかりと再発防止対策を実効性あるものとして取り組んでいただきたいと思いますし,これは本当に,個人の問題ということだけではなく,またこれまでも事件が続いておりますから,組織全体としてしっかりと取り組んでいただきたいと思っております。
(記者)
それに関連してですが,前の定例会見でもお話を伺いしたのですが,県公安委員会についてです。前回の会見で,「今後は公安委員の先生を県主体で選出するということも,幅を広げる意味で検討していきたい。」とおっしゃっていましたが,改めて,前回そういった認識を示された意図が何かあったのかというのをお聞かせいただきたいのですが。
(知事)
やはり,警察組織の管理をしている公安委員会について,警察組織との関係ということが疑念を持って見られないように,しっかりと県としても,いろんな経歴等については警察の方に照会することはあるにせよ,幅広い中から人選というものをした上で,議会にも提案し同意をいただくという,こういうプロセスをしっかりと見直していきたいと考えております。
(記者)
一連の職員の方による非違事案が相次いだことを受けてというわけではないという認識でしょうか。
(知事)
いや,やはり警察組織の今の非違事案等が続いていて,こういったことが今後警察組織を再生させていく,そういう中で公安委員会としての役割というものも皆さん方重視されているところだと思いますので,そういったことについては県としてもしっかり取り組んでいきたいということであります。
(記者)
今後は,県側から主体的に候補者の方を選んで,県警の方ともやり取りしながら,最終的には議会の承認を得て選出されるという方法もこれから進めていくということですね。
(知事)
はい。
(記者)
何か,具体的なスケジュールなどは。
(知事)
公安委員会は任期があると思いますので,任期途中でということではなくて,次の任期終了後の人選に当たってということになろうかと思います。
(記者)
任期終了を受けた,新たな人選についてもそういった形で。
(知事)
新たな人選についてということですね。
(記者)
今回,新たな非違事案が発覚したからというわけではないのですが,知事として,県公安委員会は改めてどういう役割を果たされるというのを期待していらっしゃるでしょうか。
(知事)
県の公安委員会は警察組織を管理するわけですから,適正に県民の皆さんの安心・安全,治安の維持,こういったことに警察組織として力を発揮できるように,あるいは県民の皆さんから信頼される組織として,今後また再生をしていく。そのための再発防止対策を取りまとめたりしておりますが,それが実効性のあるものとなるようにしっかりとフォローしたり,あるいは不十分な点がまた出てきたら,さらにそれを見直したり強化したりといったようなことを行っていただく必要があると思っております。
(記者)
今回,公安委員会ということがまた少しクローズアップされて,県民の方からも「活動の実態があまり詳しくわからない。」「県警という組織にきちんともの申す組織であるのかな。」という声も聞かれたりしますが,ただ,公安委員会が県警から報告を受けるだけの組織でなくて,しっかりと組織に対して厳しく,時には意見を言ったり,口を出すということも,知事としては必要だと考えていらっしゃるのでしょうか。
(知事)
警察組織を管理するという組織でありますから,しっかりと適正にその役割を果たしていただくということはありますが,ただ,全て隅々まで公安委員会が監察組織のように機能を発揮するということではありませんので,大枠については公安委員会がその役割を果たすということではありますが,個々の警察官の素行・非違事案を防止したり,あるいはそうしたことの中身を審査したり,そういったことについては,やはり現場の組織として,一人ひとりの警察官あるいは管理職,そういった人たちの日頃の活動ということが重要でありますし,監察組織もありますから,そういったものがきちんと十分機能発揮できるようにということで,全体的な管理というのを公安委員会にはしていただくと,こういうことだと思っております。
(記者)
最後に,これは県警の記者会見でも質問させていただいているのですが,実態が分からないという県民の方からの声も多いですし,活動内容が全然分からないという声があります。それに関連して,活動記録・議事録がホームページで全然更新されていないというのがあります。記者クラブとして,そういう指摘を夏ごろにさせていただいて,9月の頭までの分が更新されましたが,それ以降また更新がない状態です。知事としては,公安委員会の活動内容については広く県民に知られるべきものと考えていらっしゃるのでしょうか。
(知事)
そうですね。行政として活動する以上は,その活動内容について県民の皆さんにお知らせする必要はあると思います。ただ,中身が私もよくあれですが,警察の中での個別の事案などいろんなそういうものについては,なかなかそういったところに上げにくいものもあろうかと思いますが,そうしたことではない全体の制度や仕組み・枠組みなど,そういったいろんなことを日常的に行っているのではないかと思いますので,そういったことについてはむしろできるだけオープンにしていただく必要があるのではないかと思います。
(記者)
改めて103万円の壁をめぐってですが,恒久減税で地方の税財政への影響が大きくなると推察されます。税制や社会保障制度を大きく見直すきっかけにもなると思いますが,今日における国と地方の関係の中での望ましい税財政のあり方,また国と地方の役割分担,そうした議論をパッケージでやっていくべきではないかという見方もあります。その件について知事の見解を聞かせてください。
(知事)
どこに税財源を求めるか。今回,仮に178万円に上げるとして,地方の税収が減る。その部分について新たな税源を地方に移譲するなど,いろんな税源確保の議論というものがあろうかと思いますので,そういった議論のきっかけになるというようなこともあるかもしれませんが,では具体的にどこをどうすればいいかということについて,今私が何かアイデアがあるわけではありませんが,そういったことも含めて,しっかりとした財源確保の議論というものをしていただければと思います。
(記者)
先月,会計検査院の2023年度の決算検査報告がありました。それで648億円の指摘があったのですが,不正や不適切な事案など,これだけの巨額の額が指摘されたということの受け止めを伺えますか。
(知事)
会計検査のいろんな御指摘があるということについては,しっかりと真摯に受け止めて今後の行政に生かしていきたいと思います。
(記者)
県内でも,県のICT導入支援事業で,和泊町の医療法人が補助金の返還命令を出されました。今回の件に関しては,対象物の導入に気付けない体制があったかと思いますが,県の申請事務や管理体制についてはどうお考えでしょうか。
(知事)
補助金というのが,できるだけ適正にきちんと執行するということは大事でありますが,一方で,申請者の負担をいかに軽減するか,あるいはスムーズにするかということも一方で要請があるというふうに思っております。そうした中で,今回,事業者だけではなくて納入事業者も納品書等を納めたように作成していたということで,なかなかこれを現場で事前に確認するということが難しかったのだろうと思います。こうしたことがないように,納品書だけではなくてその物品のシリアルナンバー等を含めて添付させるというようなことは,今検討していると聞いております。その辺の受益者の情報,申請者の手続きの簡素化ということと,補助業務の円滑かつ適正な執行,この辺のバランスをどう取るかということで,事案ごとにしっかりとまた対応を検討していきたいと思います。
(記者)
担当課では,過去に遡って交付の確認調査を進めているということですが,同様に,他の補助金や給付事業についても,全庁的に再度確認をするというような考えはありますでしょうか。
(知事)
全てについてというのは,やはりどこまでできるかというのは組織のマンパワーの問題というのもあるかと思いますので,全てについてというところまで今考えているわけではありません。
(記者)
どの辺まで改善ということは考えていらっしゃいますか。
(知事)
御指摘のあった部分については,今申し上げたようなことはあり得ると思いますが,そのほかの補助金全てについて,過去に遡ってもう一回洗い直すと,そういうことまでは考えていないと。
(記者)
交付要件の厳格化というのは考えていらっしゃいますか。
(知事)
これ自身も,厳格化というか先ほど申し上げたような添付資料で確認をしっかりと行うと,そういうようなことになろうかと思います。
(記者)
鳥インフルエンザについてお尋ねします。今年も出水の方で出て,県内では5季連続の発生ということですが,今回の農場が,敷地内に埋却地を確保できなくて,少し離れた位置に埋却するということです。今後,再発も増えると予想されますが,埋却地の問題をどのようにお考えでしょうか。
(知事)
埋却地の確保というのも毎年毎年起き,また,同じ農場で複数回起きるとその敷地を確保するということが,今後また難しくなってくると思います。あるいは,前回出水で液体が漏れたりというような,適地をしっかりと選びながらということで,全養鶏農場において新たに確認を行ったりして,埋却の敷地というものをどこにするかということをしっかり確保して作業したわけでありますが,今回4.5キロくらい離れている所にしか埋却地は確保できていないということでありますから,今後,ほかの養鶏農場においてもそういったようなことも想定されます。そういう中で,どこまで,そういった近くに埋めるのが難しいのかということまで,私も今データを手元には持っておりませんが,こういった埋却地の確保ということもしっかりとこれから確認していく必要があると思っております。
(記者)
もう,農家さんの自助努力では難しいのかなと思うのですが。なかなか,土地も貸してもらえなかったり,一回埋めたら3年使えないということで,近くはやはり難しいということもあるかと思うのですが,その辺の支援等は考えていないでしょうか。
(知事)
前回,全農場において埋却地の確認をしたときに,近くあるいは自力でそういった所が見つけられない場合には,市有地や県有地,そういった所の紹介等も行うというようなことで確保してきていると思いますので,そういったことも,今後も含めて検討していきたいと思います。
(記者)
埋却ではなくて,防除,防疫の方ですが,各農家さん,かなりきっちりと防疫対策をされて,それでも発生が相次いでいる状況だと思うのです。特に出水は,鶴の越冬地が近くにあるということで,鶴の餌やりをやっていると思いますが,鶴の保護を否定するわけではありませんが,餌やりで野鳥,別の鴨などが寄って来ているという指摘があると思います。その辺の保護のあり方というのは,県としてどうお考えでしょうか。
(知事)
鳥インフルエンザの関係で,鶴が毎年1万羽を超える規模で出水に集中している。これを分散させようということについては,環境省とも協力しながら取り組みをしているというふうに聞いております。
そうした中で,やはり鶴も,密集している中で鳥インフルエンザが流行しますと,鶴の感染による被害,こういったものも発生し得るということでありますから,そういった観点からもしっかりとした,分散ということも視野に入れながら,今後もまた取り組んでいく必要があると思っております。
(記者)
餌やりについては,どうお考えでしょうか。
(知事)
餌やりも,分散という観点から,餌の量を減らしたり場所を限るなど,いろんなやり方を工夫されていると聞いております。
(記者)
止めるという選択肢はないと。
(知事)
今のところ,全て止めるということではないのではないかなと思います。
(記者)
最後に1つ,米の関係で,今年米の買取価格,概算金が上がったということで,加工用米等との差が非常に広がっているということです。県の方に加工用米の生産者さんから支援を求める声も届いていると思いますが,その辺の知事の受け止めはいかがですか。
(知事)
どうですかね。私のところにはまだ直接そういう話は来ておりませんが,主食用米・飼料用米・加工用米といろいろあるかと思いますので,その辺の生産の取り合いにならないような形での生産体制,こういったことについては,また農政部の方にも確認した上で,何らかの支援策ができるのか検討したいと思います。
(記者)
ライドシェアについて,2点お伺いしたいことがあります。1つ目が,県内では伊佐市でライドシェアが始まるのですが,知事として期待されることはありますでしょうか。
(知事)
鹿児島県内,バス・タクシー,こういった公共の機関の運転手がなかなか確保できないと,こういうことで交通の空白地帯あるいは時間帯によってそういった足がないという,そういったことの対策としてライドシェアというのが出てきているわけでありますから,地域における足の確保という意味で,このライドシェアが県内でも実施されるということで,安全に留意した上で地域の足としてしっかりと活用していただきたいと思います。
(記者)
一方で,地方の方では人手不足が深刻ということと,制度が複雑という課題もあります。国が主導するものではありますが,県として,参入の意向を示す事業者に対して何か支援等のお考えがありますでしょうか。
(知事)
参入といいますか,管理・運行は今タクシー会社の方でされていると思いますので,その辺の制度的なやり方ということについては,ご存じの部分が多いのではないかと思います。
一方で,消費者側といいますか,利用者側の方の利便性ということで,アプリを活用しなければいけない等,いろんな意味でそういった制約についても今改善を図っていく方向だと聞いておりますので,より利用しやすくなっていけばと思っております。
(記者)
先日の衆院選の結果を知事はどのように受け止めていますか。
(知事)
衆院選は,いろんな自民党に対する批判等があり,自公政権が少数野党ということになったということであります。これについては,国民の皆さんがそれぞれ御検討の上行った投票の結果ということだろうと受け止めております。
(記者)
県内の選挙結果の方はどう見ていますか。
(知事)
鹿児島県選出の国会議員が何人か減ってしまったということについては,県としては中央とのいろんな関係ということでは,残念だったなと思っております。
(記者)
議員が減ったことで,鹿児島への影響というのは出ると考えますか,どうですか。
(知事)
どうでしょう,そういうことがないようにしっかりと取り組んでいきたいというふうに思っております。
(記者)
アメリカではトランプ氏が再選され,再選というか返り咲いたのですが,そこについては何か鹿児島への影響があるというふうに見ていますか。
(知事)
どうでしょうね。よく分かりませんが,ただ「アメリカファースト」と言って,日本の産品全体に関税をかける,上げると,そんなことになると,今鹿児島県からも牛肉やブリをはじめアメリカにも多くを送っておりますので,そういった面で影響が出るのかどうか,影響は多少あるのかなというふうに思います。
(記者)
影響があるのかどうか,見極めなければいけないということですか。
(知事)
見極めるというか,どうなるかよく分かりませんが,推移は見ていきたいと思います。
(記者)
あと,先ほどの体育館のところで「ヒアリングを28日と30日に3グループに」ということでしたが,たしか参加表明をしていたのは2グループだったような気がするのですが,参加表明する前に辞退したところも含めて聴き取り調査をしたということになるのですか。
(知事)
そうですね。辞退というか,今まで説明会等に来ていた,関心を示していただいていたところがもう1カ所あったと。
(記者)
そこは参加表明はせずに,いつ段階ぐらいで離脱したのですか。
(知事)
いつ段階だったですか,そこははっきりしませんが,4月より前だったのではないでしょうか。
(記者)
4月より前,参加表明の前に。
(知事)
だったと思います。
(記者)
北薩トンネルの関連で1点質問させてください。トンネルは国の義務付けで,5年に1度の定期点検が義務付けられています。北薩トンネルも2021年に1回点検して,この時は特に早急に措置をする必要はないという結果が出ていたというところで,これを踏まえて,県内のほかのトンネル全て,臨時的に総点検をするといったお考えはありますでしょうか。
(知事)
特に北薩トンネルを受けて全体ということまでは考えていないと思います。
(記者)
兵庫県知事選挙や東京都知事選挙など一連の「〇〇現象」とおっしゃっているような選挙について,マスメディアのあり方,報道を受けとめる皆さんの意識の変化等を,御自身の選挙を踏まえて変化を感じていらっしゃいますか。
(知事)
どうなんでしょう。マスコミの皆さんのほうがあれかもしれませんが,ただ,最近どうなのでしょう。皆さん,特に若い人はいろんなニュースを新聞やテレビというより,何かSNSで情報収集をする方というのが増えているのかなという感じはしますけれどね。
(記者)
御自分の選挙でもSNSを使っていらっしゃったと思うのですが,反応は何か違いますか。我々既存のメディアを見るような方々と,SNSからの有権者の空気感のような。
(知事)
どうでしょうね。私はあまりそこまでSNS活用が上手な方ではなかったと思いますので,反応というのもそこはあまりよく,鹿児島ではそこまで,今回の兵庫県知事選挙や前回の東京都知事選挙みたいなところまではなかったような気がしておりますが,今後またそういうふうにSNSの影響力が変わってくるということはあるのかもしれませんね。
ただ,その辺の情報の正確性といいますか,その辺についてよく見極める必要が県民の皆さんにも求められるのではないかと思いますし,場合によっては,報道の皆さんもそういったSNSの情報というものを取り上げて,分析し発信するというようなこともあり得るのではないかとは思います。
(記者)
加えて,我々は公職選挙法に大変縛られて報道します。SNSの皆さんと違うというそこも感じています。公職選挙法の縛りについてはどう考えていらっしゃいますか。
(知事)
公職選挙法の縛りは,やはり公平性という観点から一定のものがあるのだとは思いますので,その辺をSNSとの関係でどうするかというのは,大変難しい問題かなと思いますが,より詳細な分析や検討というものを行う必要があるのではないかなと思います。
(幹事社)
ほかに,県政一般の質問のある方はいらっしゃいますか。
では続いて川内原子力発電所関連について質問のある社はお願いします。
(記者)
川内原子力発電所に限らずですが,この1カ月余りの原子力発電所関連のトピックであれこれ伺いたいのですが,東北電力の女川原子力発電所2号機再稼働や東京電力の柏崎刈羽原子力発電所が再稼働の最終段階になったりと,BWR(沸騰水型軽水炉)という,1F(福島第一原子力発電所)とBWRがだいぶ再稼働に向けた動きが進んでいますが,経済産業省におられた立場としてそれをどのようにみられているでしょうか。
(知事)
その型式の違いというのはありますが,各原子力発電所について福島の事故以降,それぞれについて規制が変わっているわけですから,そういった規制の内容に適合しているのかどうか,安全・安心といったところをきちんと確保できるかどうかということについて,しっかりと規制委員会の方で検証した上で,地元の皆さんの御意見も踏まえてそれぞれが判断されるということだろうというふうに思っております。
(記者)
BWRが動くことで,何か感慨はありますか。
(知事)
特に型式ということではなく,立地条件等も違いますから,そういったことについては,福島の事故を踏まえた上での規制内容に適合して安全を確保するという観点から,しっかりと対応していただければと思います。
(記者)
福井県の敦賀原子力発電所の2号機が原子力規制委員会の審査で不合格となりましたが,これも近くに活断層があるという疑いがずっとある状態でしたが,あの審査結果を不合格は初めてだったわけですが,それをどのように受け止められましたでしょうか。
(知事)
規制委員会の方でその辺の活断層の状況等を把握した上で審査して判断したことだということでしょうから,そういった結論というのは尊重すべきだと思います。
(記者)
あと,1Fからのデブリの取り出しが,わずかではありますが成功しました。その辺をどんなふうに思われましたでしょうか。
(知事)
徐々にですが,そこら辺の地域の再生に向けて,デブリなり事故の処理ということは,時間はかかりますが,進めていっていただけているなと思います。
(記者)
ほんと,耳かきで取れる程度のデブリだったかと思いますが,廃炉というのは,とんでもなく時間がかかるのだろうなと改めて思ったところです。知事はその辺,今後の廃炉に向けてどんな見通しというか,感想を持たれましたか。
(知事)
見通しはどれぐらいでということも私自身あまりよく分からないのですが,少しずつでも,1日も早くそういった作業というのが進捗する。その上で,地域の再生に向けて取り組みが進むことを祈っております。
(記者)
エネルギー基本計画についてですが,次期エネルギー基本計画では,再エネを電源構成の最大にするシナリオが方向性としてあるようですが,それについてどのようにお考えでしょうか。
(知事)
地球温暖化対策ということで,世界的にも皆さん取り組んでいく必要があるということですから,その中で化石燃料ではない再生可能エネルギーの比率を上げていく。そのための取り組みというのは大変重要な取り組みだと思います。
(記者)
一方で,国は原子力発電の最大限の活用というのを掲げています。原子力発電所の建設に当たっての立地というか,建設の支援なども議論されているようですが,再生可能エネルギーと原子力発電所,県としてはどちらを優先してもらいたいか。
(知事)
全国的な電源構成をどうするかということについては,県としてというよりは,国の方の責任でしっかり考えていただく必要があると思いますが,電気の需要の状況に応じて,ベースロード電源をどのように確保するかということと,それ以外の部分をどう手当するかということでありますから,その辺の状況等も踏まえた上で,電源構成を考えていく必要があると思っております。
(記者)
原子力発電所立地県としてはどうですか。
(知事)
原子力発電所立地県として?
(記者)
立地県としては,あることでの恩恵であったり,逆の危険性も感じる場面というのもあるのではないかなと思うのですが。
(知事)
個別の,川内原子力発電所については,今20年の運転延長ということを認めていただいたということでありますから,そこについてしっかり安全の確保をお願いしたいということでありますが,そのほかの部分について国全体としてということであれば,そこについては国の方で,あるいはそれぞれの該当地域との間で検討していただく,そういうことになるのではないかと思っております。
(記者)
使用済み燃料についてですが,前も伺ったかもしれませんが,日本原燃の六ヶ所村再処理工場が27回目の延長をということで,いつ完成するのか全く見通せないのではないかと思っていますが,川内原子力発電所に溜まっていく使用済み核燃料,つまり鹿児島県内で使用済み核燃料が溜まっていく現状をどんなふうに思われているでしょうか。
(知事)
1号機・2号機,それぞれ2028年・2034年までということで,今プールの共有化ということも検討していただいておりますので,それができた場合に2031年まで容量がまだあると,こういうことでありますが,そういった中でしっかりと再処理の受け入れというものを早くスケジュールどおりに進めていただく必要があると思っております。
(記者)
今度2026年完成という期日を守ってほしいということですね。
(知事)
はい。
(記者)
下半期に開くといっている国の原子力防災訓練ですが,開催時期や内容,何か煮詰まっているものがあれば教えてください。
(知事)
まだ調整中だというふうに聞いております。
(記者)
もう開催時期は,年内はないということですか。
(知事)
年内は難しいと思いますね。
(幹事社)
ほか,県政一般で聞き逃したことがありますか。
いいですか。
それでは,質問がないようで,これで終わります。
(広報課)
これをもちまして,知事の定例記者会見を終了させていただきます。
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