更新日:2024年8月23日
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日時:令和6年8月23日(金曜日)午前10時00分~午前11時25分
場所:5階記者会見室(県庁5階)
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(広報課)
ただ今より,知事の定例記者会見を始めさせていただきます。
会見の円滑な進行のため,数値の確認等の詳細事項につきましては追って担当課にご確認くださるようお願いいたします。
それでは幹事社の方,進行をよろしくお願いいたします。
(幹事社)
まず,始めるにあたってのお願いです。発言される方は挙手をしていただいた上で,スタンドマイクを使って社名とお名前をおっしゃっていただくようお願いします。
携帯電話はマナーモードの設定をよろしくお願いします。
本日は知事から発表事項があるということですので,よろしくお願いします。
(知事)
私の方から,まず1点目は,子ども医療費助成制度の新制度開始時期の見込みについてでございます。
県の子ども医療費助成制度については,未就学児を対象に現物給付方式を課税世帯にも拡げることとしております。新制度の開始に向けて現在システム改修等の制度変更,さらに必要な準備を実施主体である市町村や審査支払機関等と連携して進めております。
開始に向けた準備作業が今年度中に完了することがおおむね見込まれる状況となったことから,新制度については来年,令和7年の4月からの開始を目指すこととしております。県としては引き続き,市町村・関係機関と連携して準備をしっかりと進めてまいります。
(知事)
次に,特定利用空港・港湾についてでございます。
国が進める特定利用空港・港湾について,国から円滑な利用に関する枠組みの確認について依頼があり,本日,県管理の7空港・港湾について確認した旨を国に回答することといたしました。
国は,令和4年12月に閣議決定された国家安全保障戦略等に基づいて,自衛隊・海上保安庁が平素から必要な空港・港湾を円滑に利用できるよう,インフラ管理者との間で円滑な利用に関する枠組みを設け,これらを特定利用空港・港湾とし,これらについて民生利用を主としつつ,自衛隊や海上保安庁の艦船等明確な利用にも資するよう必要な整備または既存事業の促進を図ることとしております。
本県においては,鹿児島空港及び徳之島空港の2空港,鹿児島港・川内港・志布志港・西之表港・名瀬港及び和泊港の6港湾が特定利用空港・港湾の候補とされております。
防衛安全保障政策については,国の専管事項でございますが,県としては地域に不安や懸念が生じることがないことが重要と考えております。また本県は,他県よりも候補とされている空港・港湾が多いこと,これまでも県内で自衛隊・海上保安庁の訓練が実施されていることから,丁寧に対応を進めてきたところであります。
昨年11月に国からの説明を受けて以降,各種不明な点等を確認してまいりました。国からは,「これまでの空港・港湾の運用と変わらず,円滑な利用に関する枠組みについては,あくまでも民生利用を主とするものであること。自衛隊や海上保安庁の優先利用のためのものではないこと。関係法令に基づく管理者の権限や運用が変わらない。」ということを確認をしました。
特定利用空港・港湾における整備や既存事業の促進については,民生利用を主とするものであるため,空港整備事業・港湾整備事業の既存の制度に基づくこととしていること。整備費についても,既存の制度に基づいてこれまでどおり国とインフラ管理者等がそれぞれ必要な費用を負担すること。自衛隊や海上保安庁専用の施設を整備するものではない,ということを確認いたしました。
加えて,自衛隊や海上保安庁が各空港・港湾の状況に精通することで,災害対応時に迅速に対応でき,能力を最大限に発揮することが期待できることを確認したところであります。
このような国の考え方について,国は本年3月上旬にQ&Aを公表し,周知を図っております。
本県の要請に基づいて,本年5月,地元の市町に対する説明など,丁寧な対応を行っていただいております。
今後も,国において引き続き本県や地元市町に対して十分かつ丁寧な説明及び情報提供を行うことを確認いたしました。
県としては,地元の意見も尊重すべきと考え,国に地元市町への説明を要請したところであります。国の説明終了後の今月上旬には,地元の市町と事務レベルでの意見交換も行ったところであります。いずれの市町も,こうした県の考え方について特に異論はないということでございました。
県議会においては,特定利用空港・港湾とすることに反対する陳情を,本年の第1回定例会において不採択としております。県としては,県議会としても一定の判断が示されていると考えているところであります。
以上のことから,県としては特定利用空港・港湾の候補とされてる各空港・港湾においては,民生利用の観点からインフラ整備を進めており,今回の国の取り組みにより必要な整備が着実に行われるものと期待をしております。
また,半島や多くの離島を有する本県において,今回の国の取り組みは,災害時における迅速な対応にも資するものであると期待しております。
このため,県としては県管理の7空港・港湾について円滑な利用に関する枠組みを確認した旨を国に回答することといたしました。なお,国管理の鹿児島空港については,関係省庁間での手続きになると聞いております。
国に対しては,あくまでも民生利用が主であるという本取組の趣旨を遵守すること。本取組を進めるに当たっては,地域に不安や懸念が生じることがないよう,引き続き県や地元市町への丁寧な説明及び情報提供を行うこと。今回の取組により,民生利用及び災害時の迅速な対応に資するインフラ整備を着実に進めるとともに,地方負担の増とならないこと。他の空港や港湾の整備に影響を生じさせないこと。そして自衛隊・海上保安庁の運用や訓練等の際の安全確保に万全を期すこと。万が一事件・事故等が発生した場合には,県や地元市町に対し速やかな情報提供を行うとともに,原因を究明のうえ再発防止に努めるなど必要な対応等を行うこと。といったことを要請してまいりたいと考えております。
(知事)
次に,台湾の屏東県知事の来県についてでございます。
来月の4日から8日まで,台湾の周春米屏東県知事をはじめとする訪問団約45名が来県されます。屏東県とは昨年の9月に周知事及び同県の関係部署並びに観光関係者等が来県され,青少年交流や観光・経済交流など今後の交流について意見交換を行いました。そしてこれまでの協議や交流の積み重ねを踏まえ,本年1月私が屏東県を訪問し,交流促進のためのMOU(交流協定)を締結いたしました。
今回来県する屏東県訪問団は,周知事及び同県の関係部長並びに農畜水産業や商工業の関係者など約45名で構成され,各分野ごとに具体的な交流につながるよう,県内の農畜水産業や商工業に関する県内事業者を視察し,意見交換等を行うこととしております。
畜産関連団体は,本県の黒豚認証制度やブランドマーケティング・と畜技術等を学びたいと希望しており,黒豚の加工品製造機能と商業機能を兼ねた複合施設等を視察し,畜産物生産に関わる肥育技術や生産環境等について意見交換を行います。
農業関連団体は,本県の持続可能な農業発展モデルの取り組みや観光農業の取り組み,農産物の認証制度やブランドマーケティング等を学びたいと希望しており,JA鹿児島県経済連等との意見交換や,県の大隅加工技術研究センターのほか観光農園等を視察し,農産物生産に係る栽培技術や生産現場での課題等について意見交換を行います。
水産業関連団体は,本県の水産物の認証制度やブランドマーケティング,ブリ・カンパチ等の養殖技術等を学びたいと希望しており,卸売魚市場及びHACCP水産加工工場,水産技術センター等を視察し,養殖技術や生産現場での課題等について意見交換を行います。
商工業関連団体は,本県の商店街の活性化の取り組みや地場産業を通じた地域活性化の取り組み等を学びたいと希望しており,天文館商店街・振興組合連合会・よかど鹿児島等を視察し,意見交換を行います。
いずれも,生産者や事業者間の交流が促進されることに加え,両県がそれぞれ抱える課題の解決へのヒントが得られ,両県の強みでお互いに補完し合い,双方が稼ぐ力の向上につなげられるような意見交換になるとともに,屏東県との連携・協力関係がさらに強化されるものと期待しております。
(知事)
最後に,鹿児島城跡の中秋の宴の開催についてでございます。
鹿児島県と城山ホテル鹿児島では,来る10月6日日曜日,県歴史美術センター黎明館の前庭において,「ディナーショー鹿児島城跡中秋の宴」を開催いたします。このイベントは,黎明館や県立博物館などが立地する歴史・文化ゾーンの活性化を目的に,国指定史跡・鹿児島城跡や御楼門を生かした高付加価値型のコンテンツ開発のための取り組みとして実施するものであり,初めての開催であります。
当日は,湯之尾神舞や奄美の島唄などの伝統芸能・音楽を披露するとともに,鹿児島の旬の食材を用いたフルコース料理を提供いたします。夜の鹿児島城跡ならではの歴史・風情を感じながら,鹿児島の宝である伝統芸能・音楽や食を楽しんでいただきたいと思います。
料金は1人22,000円,定員は先着100名,予約開始は8月26日からとなっておりますので,お早めにお申込みいただきたいと思います。今後とも,今回の歴史・文化ゾーンをはじめ地域の歴史・文化・食などの,南の宝箱の豊富なコンテンツを積極的に活用して,地域の活性化や稼ぐ力の創造を図ってまいりたいと思っております。
私からの発表は以上でございます。よろしくお願いいたします。
(幹事社)
それでは,発表事項に関して質問のある社はお願いします。
(記者)
子ども医療費助成制度についてお伺いします。
新制度の概要を見ると自己負担は変わらないわけですが,知事自体はこの新しい制度のメリットはどういうところにあると考えられますか。
(知事)
これまでの自動償還払いというのは,いったん医療費を全額支払った上で,後で自動的に償還されます。そうしますと,お子さんを抱えている家庭において,病院でいくらかかるか分からない不安な中で,病院に行くことをためらうこともあろうかと思いますが,この現物給付にいたしますと3,000円という自己負担額があれば,いくらということを心配することなく,医療受診できるということが一つの大きな安心につながることだろうと思っております。
(記者)
では,この自己負担3,000円の根拠はあるのでしょうか。
(知事)
それは3,000円がいいのか,5,000円がいいのか,あるいは1,000円がいいのかいろいろありますが,財政的なことを勘案しながら決めた金額ということでございますが,実際には市町村の方で運用する際に窓口負担がいくらになるのかというのは,市町村によって異なる対応がなされているところであります。
(記者)
この未就学児の対象の数は分からないですか。
(担当課)
おおむね7万人弱。
(記者)
あと,改めて小中高校生への拡大という点については。
(知事)
そうですね,小学校・中学校,中学3年までという御要望がたいへん強いということは認識しておりますが,財政上の負担の状況,あるいは今回導入する制度の実施の状況等を見ながら,また引き続き検討していきたいと考えております。
(記者)
全国知事会で,一律の国の地方財源の確保を求めていらっしゃいますが,その間に独自の支援ということは考えていらっしゃらないですか。
(知事)
今申し上げたように,国への要望ということは全国知事会を通じてもしっかり国の方に行いつつ,中学3年生までということについても,引き続き県としても検討はしていきたいと考えております。
(記者)
特定利用空港・港湾について伺わせてください。
ある程度受け入れを表明されるに至った理由をもう一度教えていただけたらありがたいです。
(知事)
繰り返しになるかもしれませんが,今回の国のこの特定利用空港・港湾の指定ということに伴って,この指定は民生利用ということを主としたものであって,この自衛隊・海上保安庁の優先的な利用ということではなく,今までの運用・管理ということについて変更がないということ。そしてまたこの枠組みの下で整備が進むということが期待されるということ。それから災害時における,この自衛隊・海上保安庁が特定利用空港・港湾に精通することで,円滑・迅速な災害対応活動ということが期待できるということが理由であります。
(記者)
指定される市や町からはどのような質問があったり,国がそれに対して,どんな説明をしたかを教えてください。
(知事)
詳細なやり取りまでは,私も正確に聞いておりませんが,国側の方からの説明としては,県に対して,今私が申し上げたようなことを説明されたということだと思います。
(記者)
各空港で,この受け入れに当たって新たに始まる工事やそれに係る工事の金額は,今分かっているでしょうか。
(知事)
今のところ,そういった具体的なことはございません。
(記者)
この特定利用空港・港湾の受け入れに当たって,新たに始まる新規事業はありますか。
(知事)
特に今,現時点においてはないということになります。
(記者)
自衛隊による訓練ということも想定されるかとは思いますが,国の方から例えば年にどれぐらい訓練する想定でいるというような説明は受けているでしょうか。
(知事)
いや,特にそういうことはございません。
(記者)
自衛隊のために,今回の特定利用空港・港湾が指定されるわけではないというような説明も先ほどあったかと思いますが,そういった利用が今までよりはしやすくなる,自衛隊の訓練があったり,もしかしたら米軍もそういった空港の利用がしやすくなるというような懸念の声も聞かれますが,知事としてはその辺りをどのように考えていますか。
(知事)
今回のこの特定利用空港・港湾の指定ということは,あくまで自衛隊・海上保安庁の利用に関する運用での話であって,米軍というのは含まれておりません。また,これは緊急時の話であって,訓練等における空港・港湾の利用については,これまでも必要に応じて県等のインフラの管理者において,しっかりと要件等を確認した上で許可をしているという状況は変わらないと考えております。
(記者)
特定利用空港・港湾について重ねて質問させていただきます。
鹿児島県は,昨年政府からこの調整打診があった際に,まだ協議が整わないということで一度見送りになっていましたが,今回,この対応を変えた理由については,先ほど知事の方から説明のあった民生利用を主としているということや,自衛隊の優先利用はないということを確認できたために対応を変えられたという認識でよろしいでしょうか。
(知事)
はい。国からのいろんな説明を受けた後,昨年の11月以降,国の方とのいろんなやり取りをしていて,民生利用を主とするものであるということや,あるいは整備の考え方,各種先ほど申し上げたようなことを確認し,また地元への説明ということもしていただいた,こういう環境が整ったということで,今回の判断に至ったということであります。
(記者)
今回,7空港・港湾といえば,仮に政府の方で,改めて指定されることになった場合は,この数は全国最多になるのでしょうか。
(知事)
一番多いということです。
(記者)
「自衛隊が優先利用することはない。」という御発言があったかと思いますが,一方で,仮に有事があった際に,いわゆる第三国,敵国の方から狙われる懸念はあるかと思いますが,そこについてはどのようにお考えでしょうか。
(知事)
有事の際に,優先利用ということではない,ただ港湾というのが今でもあるわけですよね。それが今のような形で整備を進める・進めないに関わらず,もし標的になるというのであれば,なるということだろうとは思いますが,このことによってそれが大きく変わるということはないのではないでしょうか。
(記者)
子ども医療費の助成制度についてお伺いします。
先月の知事選の中でも,この子ども医療費の問題については大きな争点の一つになったと考えております。そういった中で,新制度の開始時期については,早期実現を期待されていたところではありますが,この来年4月からの開始になったということは,例えば,県民からのそういった強い要望があるということを反映させてということも含まれているのでしょうか。
(知事)
県民の皆さんからいろいろ強い要望というのをいただいておりましたので,この子ども医療費の助成制度について未就学児まで現物給付方式を拡げることにしたわけであります。その後は,市町村あるいはそういった機関と,関係の部署とシステムの改修あるいは条例の整備など,進めるにあたってのいろんな準備作業を進めてきたところであります。こうした準備作業が今年度中に完了するという見込みがたったということで,今回,令和7年4月からの開始を目指すということにしたところであります。
(記者)
新制度の導入,まだ少し時間がありますが,何か県民に対して呼びかけること,例えば少し受診控えをしていた世帯があるとしたら,そういった世帯に対して,知事の方から何か呼びかけることというのはありますか。
(知事)
呼びかけるということではありませんが,こういうふうに新たな制度になりますということの周知はしっかりしていきたいと思います。
(記者)
先ほども言及がありましたが,小中学生まで対象を拡大ということは,県の財政状況から単独で取り組むことは非常に厳しいということは,再三おっしゃっていますし,知事会などを通じて,国に一律の対応を要請するということもおっしゃっているところですが,改めて制度の拡充,更なる充実のために県として,次の目標としては小中学生まで対象を拡大というところをどう図っていくかということが一つポイントになるのではないかと思いますが,改めてそこの取り組みに向けた県としての考えということを重ねてお聞かせください。
(知事)
今回,未就学児まで現物給付方式にするということで,これをさらに小学校・中学校までということについては,先ほどらい申し上げているように,財政状況あるいは今回の制度の導入の状況,こういったものを見ながら,引き続き検討していきたいと思っております。
知事選のときにいろいろ議論がありましたが,若干,皆さん理解がどうかなと思うのは,窓口負担ゼロということと,現物給付化ということは必ずしもイコールではないということであります。
現物給付化ということであれば,財政負担がどうなるかというところはまた変わっていますし,窓口負担ゼロというのは,先ほど,毎回受診したときの3,000円という自己負担,これをまったくゼロにするというと多額の財政上の負担というのがあるわけで,これが年間約20億円と試算しております。現物給付化だけですと,これが約7億円ということでありますから,そこら辺の財政の規模というものも違いますので,その辺もよく見ながら検討していくということです。
(記者)
そうしますと,例えば現物給付方式であれば,県単独で取り組める余地というのも今後検討し得るということでしょうか。
(知事)
そういった意味で,先ほどらい,財政状況を勘案しつつ,またこの今回の制度の状況を見ながら,中学生までについて引き続き検討していきたいということを申し上げております。
(記者)
例えば,小中学生に対象を拡大するということは,令和7年4月からの新制度を開始してみて,その利用状況や実際にどれくらい県の出費が必要かということも踏まえてということが一つ判断材料になるということでしょうか。
(知事)
そうですね,そういった状況,あるいは県の財政状況がどういう状況になっているか,そういったようなことを総合的に勘案しながら検討していく必要があると思っております。
(記者)
特定利用の関係ですが,先ほど民生利用が主で,今までと状況は変わらないという説明でしたが,米軍の利用も含めて,緊急時を考えたときに,なし崩し的に利用が進む懸念もないことはないのかなと思うのですが,そういったなし崩し利用の端緒が見えたときに,県としてはどんな対応をとられますか。
(知事)
なし崩しというか,港湾の利用ということについては,インフラの管理者として,使用のとき許可等の手続きがありますから,その手続きに従って判断していくということだと思います。
(記者)
それは,状況によっては許可を出さないということもあり得るということですか。
(知事)
許可条件を満たしていなければ,許可はできないと。
(記者)
その許可条件を満たされない状況というのは,どんなことが想定されますか。
(知事)
例えば,民間の飛行機が今利用しようという状況の場合に,そこを使うということについては,おそらく条件に合わないのではないかなと思います。
(記者)
あと,攻撃目標になるかどうかという話で,現状と大きく変わることはないのではないかという話でしたが,ただ,ここが防衛上重要な場所であるということを内外に明示することには変わりはないと思うのですが,それによって,地域,立地自治体といいますか,所在する市町での住民の負担感というのはやはり増すのではないかなと思うのですが,その辺どのように理解を求めていかれますか。
(知事)
負担感というのは,気持ちの問題ですかね。そこは,今回,徳之島やいろんな地域,名瀬・和泊,こういった地域というのが含まれていると思いますが,こういった地域においては既に,南西諸島の防衛の状況というのは,安全保障上大変厳しい状況であるということだとは思っておりますので,こういったことについては,これはあくまで,先ほど申し上げたような利用の仕方,運用の方針であるということは丁寧に,皆さんに御理解いただけるように,先ほど申し上げたような説明等を行っていただきたいと思っております。
(記者)
それは,説明の主体は国であって,県ではないということですか。
(知事)
国であったり,必要に応じては,県あるいは地元の市町村といったことかと思います。
(記者)
県としては,説明会等何かしら開かれる予定はありますか。
(知事)
今のところはございません。
(記者)
引き続き,特定利用空港・港湾についてですが,自衛隊や海上保安庁が平素から空港・港湾等を円滑に利用できるようにという趣旨での枠組みを作っていくということだと思いますが,これを県としても認めていくというところで,当然,あれこれ考える上で,何が変わる・変わらない,それに伴ってどういったメリット・デメリットがあるのかというのを考慮されたと思います。これ,私自身があまりイメージできていないところですが,この特定利用空港・港湾に指定されることで,具体的にどのように変わるのか。有事の際は何となくイメージが湧くところもありますが,現時点から当面においてといいますか,より身近なところで,この特定利用空港・港湾に指定されることによって生じてくる変化というところはどのように理解されていますか。
(知事)
具体的な管理者の権限や運用,そういったところについての変更というのはないと伺っております。
そういったことはありますが,いざというときのためにきちんとインフラを整備しておくということで,こうした指定を受けた港湾・空港の整備というものが,既存事業の促進ということではありますが,工事が進められるということが一つ。
こういった空港・港湾を自衛隊・海上保安庁が利用するということで,先ほど申し上げたような災害時における迅速な対応ということが期待できると考えております。
(記者)
今おっしゃった,整備が促進されるというのは,空港なら空港,港なら港の,例えば滑走路が延長される,港湾の岸壁が拡充されると,そういったことを指しているのですか。
(知事)
場所によってでしょうが,岸壁を補強したり,あるいは場合によっては水深の問題もあるでしょうし,そこら辺は,どういったことで利用に際して改修なり整備が必要かということは,それぞれ自衛隊・海上保安庁の方のお考えもあろうかと思いますので,具体的に今直ちにこういったことということがあるわけではありませんが,必要な整備の促進ということが図られるものだと期待しております。
(記者)
この指定が進むことで生じ得るデメリットや懸念,こういったところについてはどのように受け止められますか。
(知事)
今のところ,そういった何か弊害ということは,具体的には何があるということはまだ考えてはおりませんが,地元の皆さん,先ほどらい「攻撃対象になる可能性が高まるんじゃないか」というようないろいろな不安ということがあるということは懸念されますので,そういったことについては,今回の運用等についての説明ということをしっかりとしていただきたいと思っております。
(記者)
私から最後に,県として今後,国に要望していきたいとすることとして,訓練の際には,安全の確保に万全を期することというようなことを挙げていらっしゃったかと思いますが,指定されることに伴って,訓練が増える,そのような機会ができる,そういうものなのでしょうか。
(知事)
いや,特にこの指定によって何か訓練が増えると,そういうことでは必ずしもないと思っております。
(記者)
増えるわけではないけれども,何でしょう。
(知事)
既に今もやっていますが,増えるかどうかは分かりません。各島でやったりというような訓練はありますから,そういう中で訓練を行う場合には万全を期していただきたいということです。
(記者)
今の空港・港湾の利用についてですが,メリット・デメリットは分からないもので,例えば地元の所在自治体の理解というのでは,どのように確認されているのでしょうか。
(知事)
地元の市町に対しても,防衛省の方から説明していただいて,そこでいろんな御意見等というのは,そんなに反対ということは聞いておりません。
(記者)
では知事も,県としても地元から目立つ反対はないというか,一定の理解を得られたという。
(知事)
そう考えております。
(記者)
よく「情報提供をすぐしてほしい」とありますが,具体的にどういう要望がこの指定に関して考えられますか。国に対して求めていかれるようなこと。
(知事)
事故やいろんな訓練を行うに際して,事件・事故等のいろんなトラブルがあった際には,情報提供していただく,従来から変わらないことだと思っております。
(記者)
それは,事前の情報提供というのも含まれますでしょうか。事前にこういうことを空港でしたいからというような。なかなか,事後報告というのが目立つような場面もあったかと思うのですが,なるべく事前に情報提供してもらえることは情報提供してほしいというお考えはおありですか。
(知事)
ある意味,この指定に当たって昨年の11月から説明に来ていただき,地元にも説明していただいたという意味では,情報提供等していただいたということかと思いますし,この運用に当たって空港・港湾を利用する際には,当然手続きがありますから,その手続きをしっかり行っていただくということになると思っています。
(幹事社)
ほかに質問のある社はありますか。
無いようですので,続きまして県政一般についての質問に移ります。
まず最初に川内原子力発電所関連以外の質問とし,その後川内原子力発電所関連の質問とさせていただきたいと思います。
それでは最初に,幹事社から1点だけ質問させていただきます。
(幹事社)
今月,サンロイヤルホテルが住吉町15番街区への移転希望を出されました。改めて知事の受け止めと,今後どう判断されていくお考えかを教えてください。
(知事)
サンロイヤルホテルが,耐震の関係等で新たに建て替えについていろいろ検討された結果,住吉町15番街区での新築建て替えを希望したいということで要請をいただいたところであります。
御承知のように,この住吉町15番街区については,スポーツ・コンベンションセンターの駐車場として利用すると基本構想の中に盛り込まれているところであります。
一方で,この本港区エリアの利活用の委員会の中で,エリアコンセプトプランとしてMICE(マイス)機能であったり,そういった機能というものの導入というのも一つのプランとして挙がっていて,県議会との関係でも新たな利活用のアイデア,そういったものが出たときにはまた県議会において,御論議いただいた上で対応を検討したいということになっておりますので,今後,県議会において,サンロイヤルホテルからの要望を踏まえた,本港区の15番街区の利活用の在り方について,御論議いただきたいと思っております。
(幹事社)
ありがとうございます。
それでは各社から質問をお願いします。
質問のある社はありますか。
(記者)
指宿枕崎線の関係でお伺いです。先日,将来の在り方検討会議の第1回の会合がありました。この路線自体は赤字が続いているということは変わらないと思いますが,まず改めて,この現状についてどのように認識されているかお伺いします。
(知事)
指宿枕崎線(指宿-枕崎間)の1日の利用者数が220人余りということで,かなり利用者数が少ない,そういう路線になっているということでございますが,この指宿枕崎線についても,やはり鉄道というのは日常生活にとっても重要な交通インフラであり,また観光を振興する上でも必要な路線だと思っております。そうしたことから,今後この路線の利用促進ということを,地域一体となってしっかりと検討していく必要があると思っております。
(記者)
会議自体が,鉄道の存廃を前提とせずというような議論の組立にはなっているかと思いますが,少し言及がありましたが,県としては鉄道を残してほしいというようなスタンスなのか,その辺を改めて教えてください。
(知事)
やはり今申し上げたように,地域の日常の交通のインフラ,あるいは観光振興ということにとって,鉄道というのは必要なインフラだと思っております。
(記者)
水俣病関連で何点かお尋ねします。獅子島の会から知事と懇談の場を設けてほしいという要望が1カ月ほど前に出されたかと思いますが,その検討状況,もう回答したのかどうかということを教えてください。
(知事)
まだ回答はしていないのではないかと思いますが,獅子島での懇談会の際に,いろんな要望というのがあったと聞いております。国に対する要望,企業に対する要望,あるいは県・自治体に対しての要望,いろいろとございますので,そういった要望について実務者協議もされていると伺っておりますので,そこで県との関係での要望ということを整理していただいた上で,必要があれば私のところで懇談をすると,こういうことで考えております。
(記者)
知事との懇談を要望していたみたいですが,その検討状況はどのような。
(知事)
私との懇談について,国・企業・県に対してのいろんな要望がありますから,県に対してどういう要望があるのかということを実務者協議の中で整理した上で,懇談の設定ということかなと思います。
(記者)
もう懇談は設定する方向で考えているということですか。
(知事)
今整理をしてもらっていますので,その状況を見ながら検討していきたいと思っております。
(記者)
では,懇談するかしないかということも含めて検討するということなのか,それとも県に対してどのような要望があるというのを整理した上で,ではこれについて話し合おうという,そういう状況なのでしょうか。
(知事)
後者の方で,県との間でどういったことが話し合う課題としてあるかということを整理していただいた上で,それについて,それがあるかないかもまだよく分かりませんが,あれば,そういった懇談を設けるということになると思います。
(記者)
団体側へはいつ頃までに回答する予定か,見通しは立っていますか。
(知事)
まだ見通しは立っていません。
(記者)
補足質問です。知事が面談について前向き,するかどうかは確定ではないにしても,姿勢としては前向きだということだろうと思うのですが,懇談するとしたら,知事があえて出て行くときに,どんなことがテーマになろうかとお考えでしょうか。
(知事)
そこの整理を,今,実務者協議の場でしていただいているとは思いますが,熊本県の方でもいろいろと検討されているようなこともあるでしょうから,その辺の状況を整理した上でと考えております。
(記者)
知事としては,特段何かというのはないですか。
(知事)
今のところは,特にこれと決めているものはございません。
(記者)
先ほどの,指宿枕崎線の在り方検討会について尋ねます。先ほどは知事は,鉄道を必要とする理由で,地域住民の足ということを挙げられましたが,バス転換といった手段も考えられると思います。なぜそこまで鉄道にこだわるのかという理由を教えていただけませんか。
(知事)
バスというのもあるのかもしれませんが,時間の正確性や地域の皆さんのいろいろ,ダイヤ等もあると思いますので,最近のバスの運転手不足ということもあり,どんどん地域の交通がなくなる中で,ではバスにすれば維持できるのか,それが保障できるのかといった課題も別途あるかと思いますので,今あるインフラ,これをしっかりと維持しながら活用し,併せてまた観光振興ということも含めて考えたときに,やはり交通インフラとして鉄道というものが必要なのではないかなと考えております。
(記者)
19日にあった,将来の在り方をめぐる存廃を前提としない検討会ですが,初会合として,まずは入口として,鉄路を生かしたまちづくりの話し合いを進める方向性で一致したところですが,改めて受け止めを教えてください。
(知事)
地域の関係の皆さん,JRの皆さんも一緒になって鉄道を生かしたまちづくりということで,いろんな方策を議論し検討していくという場ができたということは,良かったのではないかと思っております。
(記者)
また,全国的にそういうローカル線をめぐる議論というのが,事業者と沿線自治体の対立構造というのがあり,なかなか議論が深まらないというところもあったと思いますが,今回の検討会に対して期待するところを教えてください。
(知事)
今の検討会というのが,対立構造ということではなくて,みんなで一緒に考えていきましょうと,そういう枠組みで成り立っていると思いますので,そういった意味では,大変良い取組になるのではないかと期待しております。
(記者)
自然保護の観点でお尋ねします。奄美大島のマングースが,根絶宣言間近とも言われていますが,その点についての受け止めをお願いします。
(知事)
マングースが根絶されたということが発表されるのがもう間近と聞いておりますが,これだけの大きな,奄美大島という広い地域の中で外来種を根絶できたとすれば,大変大きな取り組みだったと思います。一方で,今後のこととしても,やはり外来種の取扱い,こういったことについては地域の皆さんも含めて,こういうことがまた起きないようにしっかりと対策を取っていただきたいと思っております。
(記者)
県全体でも,いろいろな所で課題として挙がっているかと思います。県全体の外来種対策についてどうお考えでしょうか。
(知事)
外来種も,意図的に持ち込む場合もあるでしょうし,意図しないで入ってしまう,いろんなパターンがあると思いますが,意図的というのは,当然啓発活動をしながら,「こういったことについては行わない。」「ペットとして飼う場合であっても,きちんと最後まで責任を持って飼養する。」というようなことの啓発活動ということは引き続き行っていく必要があると思っています。そのほか,昆虫やいろんな小さな生物が,意図しないまま拡がってしまうという場合もありますが,そういったものについても見つけた場合に通報して,それに対策を取るというようなことをしっかり行っていきたいと思います。
(記者)
マングースは,奄美大島で少し前まで,ハブとマングースの決闘という形で見せるようなことがありました。知事はマングースを御覧になったことがありますか。
(知事)
マングースはどうですかね。見たことがあるような気はします。それはどこだったか,奄美だったか,沖縄だったか,記憶が定かではありません。
(記者)
サンロイヤルホテルの移転ですが,先ほど知事は,「県議会で論議いただきたい」という話でしたが,知事自体は,サンロイヤルホテルが住吉町に移転するということについては,まちづくりの観点からどうだと考えていますか。
(知事)
エリアコンセプトプランの中で,あの住吉町15番街区において,MICE機能というものが整備されるということが,スポーツ・コンベンションセンターとの相乗効果,中心市街地の活性化,そういったことに寄与すると,そういった考え方も示されておりますので,そういった観点からは,そういうことが実現できるということは,その地域の活性化に寄与するものになり得ると考えております。
(記者)
相乗効果が期待できるというのは,サンロイヤルホテルが言っていることということになりますか。
(知事)
サンロイヤルホテルが言っているということもありますが,実際にそういうことというのはあり得るのではないかと。
(記者)
期待できると。となると,そういう移転をする・しないという結論は,近くで新体育館の手続きも今進められていて,基本構想上は今駐車場になっているので,いつまでに結論を出したいという,そこらのスケジュール感はどう考えていますか。
(知事)
今のところは特に明確なスケジュールといったものはございません。
(記者)
ただ,2029年度でしたか,体育館もオープンしなければいけない中で,県議会で議論してもらって,県議会がOKだというような認識を示せば,県としてもゴーサインを出すようなイメージですか。
(知事)
県議会において,基本構想に定めている駐車場以外の活用ということが,仮にOKということになった場合に,エリアコンセプトプランに基づく駐車場以外の,コンベンション機能なり,MICE機能なり,そういったものを整備するということで,それがイコールサンロイヤルホテルかということでは必ずしもないかもしれませんので,その辺はまたいろんな議論というものを重ねた上で,ということになるのではないかと思っております。
(記者)
では,イコールサンロイヤルホテルではないので,ほかの民間等が再開発したいという提案があるかどうかも確認しなければいけないということですか。
(知事)
そういったこともあり得るのではないかなと思っております。
(記者)
あと,エリアコンセプトプラン自体には合致すると考えていますか。
(知事)
エリアコンセプトプランには合致するというふうには思っております。
(記者)
「365日にぎわう」というところからも大丈夫だな,と知事は考えていますか。
(知事)
今のサンロイヤルホテルの稼働状況,これを見たときには,かなりの稼働が見込まれるのではないかなと思っております。
(記者)
鹿児島市とのサッカースタジアムの議論ですが,サンロイヤルホテルが仮に住吉に移転するとなれば,その土地が空くことになるのですが,サッカースタジアムの候補地になり得るのではないかという話等も出たりしますが,知事としてはそこらをどう考えていますか。
(知事)
一定の規模の面積の土地が出てくることにはなりますが,それ単体ではなかなか十分な面積にはならないと思っておりますので,周辺の地権者がどうなのか等,越えなければならないハードルがまだ残っているというふうには思っています。
(記者)
越えなければならないハードルというのは,今の時点では知事は何がハードルだと考えていますか,地権者と。
(知事)
地権者と,あるいは価格面で土地代がどうかなど,いろんなことがあるのではないかなとは思いますが。
(記者)
仮に,地権者との用地交渉や価格面で折り合いがつけば,サンロイヤルホテルの跡地というのは,知事としては候補地になり得ると考えていますか,どうですか。
(知事)
土地の面積の広さ・場所,こういったものを考えれば,候補の一つになり得るのではないかと思います。
(記者)
今の時点では,鹿児島市との議論というのはどうなっていますか。
(知事)
鹿児島市との間では,北ふ頭を白紙に戻してから土地をどうするかという,場所から一緒になって取り組みましょうということで,課長レベルの会議においていろんな可能性のある土地を挙げたりして,条件,こういったものについて議論していると承知しております。
(記者)
候補地の一つになり得るとしたら,結論をいつまでに出したい等のそういったのは,スケジュール感としてどうですか。ライセンスの取得の問題もあると思いますが。
(知事)
北ふ頭を白紙に戻したときに,J2からJ1にすぐ行きそうな勢いだと思って,時間軸ということを考慮してということで別の場所を探そうと,こういうことでありますから。最近少し元気がないですが,スタジアムの方はスピード感をもって検討は続けていきたいと思っております。
(記者)
検討していく中でどうしても,建物代ももちろんかかるのですが,今の場所だとサンロイヤルホテル跡地だと,土地代等も発生してくると思うのですが,そこらの負担というのは,県はどう考えていますか。
(知事)
県と市の間で,どういったものを建てるか,土地代・建物・施設,そういったものを考えながら協議していくことになると思います。
(記者)
基本的にどんな建物を造るかというのを決めないと,そういう費用負担の話はできないというイメージですか,どうですか。
(知事)
やはり全体の金額,そういったものを,どういったものを造るのか,どれぐらいかかるのか,そういったことを含めて協議する必要があると思っております。
(記者)
候補地の一つになり得るというのは,あくまでサンロイヤルホテルが住吉町に移転するということがまず決まって,さらにサンロイヤルホテルの跡地・周辺の土地を地権者と交渉して取得できそうだ,価格もそんなに高額ではないというふうに判断できた場合は,候補地の一つになり得るという理解ですか。
(知事)
まぁ,そういうことになります。
(記者)
それが前提条件としてあると。
「オール鹿児島で取り組む」と知事も今までおっしゃっていますが,そういったもの中には,場所選びや費用負担といったのも含まれているというふうな理解でいいですか。
(知事)
そうですね。
(記者)
まず,今のサンロイヤルホテルの関連で続けて聞かせてください。県議会に説明というところで,これが議案でかかるのかどうか私も調べていないのですが,仮に議案としてかからない場合は,常任委員会などで県が説明をするというような形になるのでしょうか。
(知事)
どういった形で県議会で議論していただくかということは,まだはっきりとは決まっておりませんので,これから検討したいと思っております。
(記者)
では,いつ頃,県議会で説明するかということもまだタイミングもまだ分からないということですか。
(知事)
そうですね。直近では9月に議会がありますので,おそらく9月議会になるのではないでしょうか。
(記者)
話題が変わって,7月末に発生した北薩トンネルの土砂の流入の件ですが,復旧には複数年ぐらいかかるといわれているところで,まず知事の受け止めをお願いします。
(知事)
あそこのトンネルが通行止めになって,土砂が流入している所ということで,対策をどうするかということもなかなか難しい状況だと聞いております。元々の工事の段階から,かなりいろんな工夫をしながら対策を行ってできていたという中で,水の力でああいうことになっているということで,地域の皆さんにも大変御迷惑をおかけしているということで,できるだけ早期の復旧に向けて取り組みたいと思っておりますが,今まだ時間がかかるようなお話もございましたので,しっかり対策を行いながら,1日も早くまた復旧をできるようにしていきたいと思っております。
(記者)
今後の県の対応というところはどのように考えていらっしゃいますか。
(知事)
まずは,この土砂の流入の原因といいますか,それとあわせてどういうふうに復旧すればいいかという対策,この技術的な検討ということを国の機関にも協力をお願いしているところでありますので,そこをしっかり行いながら進めていく必要があると思っております。
(記者)
例えば県で何かしら検証委員会みたいな,外部検証委員会みたいなものを起ち上げるというようなお考えはあるのでしょうか。
(知事)
今のところはそういうことは聞いておりません。国の機関の方の技術的な原因の調査,そういったものを行いながら対策を検討していく必要があると思っておりますので,そういった専門の皆さんの御意見をお伺いしながらしっかり進めたいと思っております。
(記者)
これに関連して,岐阜県のリニア新幹線のトンネル工事でも同様の工法を使ったり検討しているということで,いったん中断ということになっています。無関係な工事ではあるのですが,地元紙の記事によると,住民説明会などで「北薩トンネルの検証も早期にしてほしい」という話もあるようで,これについて知事,もし受け止めがあれば教えてください。
(知事)
私もあまりそういった状況は認識しておりませんでしたが,やはり造った後でこういった事故が起きるというよりは造る段階に,もしあるのであればしっかりとそういった対策,必要な検証なり,検討はしていただいた方がいいのではないかと思います。
(記者)
イオン鹿児島鴨池店についてですが,今月末で49年間の歴史に幕を下ろしますが,県民や小売業者にとってどのような存在だったと認識していますか。
(知事)
イオンというか,私などはダイエーというイメージが強いのですが,私も小学校の頃よく通って,親しみのあった場所でありましたので,それが閉店ということで寂しい気持ちもございますし,今度またイオンの方で新たな活用を考えているということですので,それを期待したいと思います。
当時の,昭和50年頃ですか,新しくできたときには,鹿児島で新しいタイプのお店だということで,非常に県民・市民の楽しむ場所として,長い間本当に地域のためにも貢献していただいたと思っております。
(記者)
何か思い出はありますか,特に記憶に残っていることは。
(知事)
いろいろありますね。私が社会人になったときでしたか,最初にスーツを作ったのが,あそこの店で作りましたし。小さい頃は,よくドムドムでしたっけ,アイスクリームを食べたり,コロッケを買って帰ったり,いろんな思い出がたくさんあります。
(記者)
跡地は,先ほどもおっしゃいましたが,イオンが複合型施設を視野に再開発するという方針を示していますが,それに対して何か望むところはありますでしょうか。
(知事)
あまりはっきりとした,どういったものかということを聞いているわけではありませんが,やはり地域の核となるような,そういった場所になるといいなと思います。
(記者)
2029年度に新しい総合体育館が本港区にできて,その後の下荒田の体育館の扱いはどうなるのでしょうか。
(知事)
まだ何も決まっていないですね。
(記者)
例えば,あそこの建物が残るかどうか,更地になるのかどうかも含めて,今まったく?
(知事)
今まったく決まっていません。ただ,かなり老朽化していますから,建物を残すのはどうか分かりませんが,維持補修等の経費もかかりますのでどうするか,その辺も含めて検討する必要があると思っています。
(記者)
サンロイヤルホテルの件でお伺いします。
サンロイヤルホテル自体,県も株主であって4%ほど持っていると聞いています。今の状況で,どういう議論を進めるのか検討中だということですが,まず県の方が受け入れるかどうかというのを示すのかどうか,そこはどのようにお考えでしょうか。
(知事)
それは15番街区に?
(記者)
はい。15番街区にサンロイヤルホテルを造ることを受け入れるかどうかというのをまず判断されるのでしょうか。
(知事)
そこをまだ判断するということではないと思うのです。先ほど申し上げたような,1つは基本構想にある考え方,これをまず変更することで議会の御了解をいただかなければならないということ。それがあった上で,サンロイヤルホテルの移転というのは,あの場所でのエリアコンセプトプランには合致しておりますが,ほかにいろんな活用の希望・アイデアをお持ちの方がいるかもしれませんし,そういったことも含めて議論しながらでないと,県がもうこれと決め打ちでということも難しいのではないかと思っております。
(記者)
おっしゃるとおりで,ほかのアイデアとして出されているMICE施設自体は,事業主体も決まっていなくて1つのアイデアとして出ている状況であり,サンロイヤルホテルの場合は事業主体も決まっており,より具体的に要望もしているというところで,一定の返事はしないと話が前に進まないのではないかというふうに考えますが,いかがでしょうか。
(知事)
その辺の,時間がいつまでどうかということも含めて,それはサンロイヤルホテルとも話をしながら,県としても本港区のエリアコンセプトプランに沿った開発をどうするかという検討も進める必要があると思っております。
(記者)
サンロイヤルホテル自体も,「建て替えをしない。」と言った時点でどこかに建て替えないといけないというところで,あの土地をめがけてやってきている状況だと思うのです。では,ほかの選択肢があるのかと考えたときに,建て替えをしないと選択した時点で,私は個人的には,県の住吉町15番街区以外に移ることはできないと考えます。要するに閉めるということですね。それぐらい経営は厳しいかなと思うのです。
そういうふうに,そこにめがけてやってきているわけですが,そこには真摯に応える必要があるのかなと。県が株主でもあるわけで,逆に断る理由がないのではないかというふうに考えますが,いかがでしょうか。
(知事)
県が一部株を持っているということはそうではありますが,いろんな事情を考慮しなければいけないとは思います。県有地の取扱いということについては,しっかりとそれに沿った対応というものが必要になってくるのではないかと思っております。
(記者)
今,米が非常に高くて,全国的に米不足になって価格が上がっている状況です。鹿児島の基幹産業は農林水産業だと思うのですが,1つは消費者の観点でまずどう考えるかと。もう1つは生産者の観点でどう考えるかと,この2つをお聞きしたいのですがいかがでしょう。
(知事)
主食であるお米が不足するというと,やはり皆さん食生活で困る部分というのもあるでしょうし,また価格が上がるといろんなところ,外食産業を含めいろんなところへの影響というのもあるかと思います。一方で,これから新米が出てくるという供給面で増えるということも期待したいと思っておりますが,生産の方でいいますと,やはり最近の,非常に気温が上がっているということでの東日本での産地の生育状況があまり良くないということの影響というのもあるのだろうと思っておりますので,そういった意味で,品種の改良や高温障害のないような状況,こういったものをどのように生産としてしっかりと確保していくかということも大事になってくるだろうと思っております。
(記者)
生産者の側の話だと「収入が上がってうれしい。」とおっしゃっています。これは一つの稼ぐ力の向上と,そういったものにつながるのではないだろうと考えますが,いかがでしょう。
(知事)
農家の皆さんの収入が上がる,そういったことは稼ぐ力としてあるとは思います。
(記者)
行政として,そういった米の価格が上がることについて,では何ができるのかというのは県民の方々も関心があるかと思うのですが,可能性として,価格が上がった場合にどういったことができるでしょうか。
(知事)
それは市場で決まっているわけですから,あまりそこで行政,特に県がどうこうできるということではないというふうには思っております。
(記者)
サンロイヤルホテルに関して追加で教えてください。基本的なイメージとしては,基本構想を変更することを県議会に了解してもらって,その後,ほかに住吉町15番街区の再開発の提案がないかということを確認して,サンロイヤルホテル自体が今持っている計画を県と協議しながら,移転を県が許可するかどうかを判断するということになるのですか。
(知事)
そういうことだろうと思います。
(記者)
サンロイヤルホテルの跡は,(サッカースタジアムの)候補地になり得るというのは,一定の面積があるということのほかに何か要因があれば教えていただいていいですか。
(知事)
一定の面積があり,その周辺の土地が価格面等を含めて入手できるということが最低要件になると思いますが,そのほかにも鴨池の地域にあると,こういうことも一つの要素にはなり得るのではないかと。
(記者)
鴨池にあるというのは,いわゆる国の補助金というか社総金(社会資本整備総合交付金)みたいなものも使えるというか。
(知事)
その可能性,あるいは場所的に中心市街地からも割と近い所である。
(記者)
そういう意味で候補地になり得るのではないかなと考えるということですね。分かりました。
(記者)
先ほどの北薩トンネルの件で確認です。県としては,トンネルの完成後の維持管理や造った当時の工法を,特殊な工法も含めて,事故原因を特定するに当たって検証する必要はあるというふうにお考えということでよろしいでしょうか。
(知事)
原因がどうだったのか,今度補修するときにどういった対策をさらに講じる必要があるのか,そういったことをしっかりと検証する必要があると思っております。
(記者)
今,県下でやっている寄り洲の除去です。防災的な観点からもある川の寄り洲の除去で,これはしゅんせつ債を,地方債を使っていますが,本年度で一応期限が切れるということで,いろいろ延長等を求められていると思いますが,この事業としゅんせつ債をどうするかというところについて,知事,一言いただけますでしょうか。
(知事)
この事業というのは?
(記者)
寄り洲の事業の重要性と,事業債を延長するかどうか国との折衝ですね。
(知事)
いろんな地域に行くと,寄り洲の除去という要望もたいへん多くいただいております。多くの場所でそういった寄り洲の除去をするということが,これが災害を防ぐという観点からも重要な対策として進めておりまして,その際に,今御指摘のしゅんせつの事業債,これを活用していくということが大きな,重要な力になっていると思っておりますので,国の方にもこれは是非延長をお願いしたいということで強く要望しているところであります。
(記者)
沖縄県の辺野古の所に奄美の砕石を使うというところで,昨日もぶら下がりで聞かれていたら恐縮ですが,今後,例えば県の公共事業やそこから発生した残土などを辺野古に使うということになった場合は,改めて国の方から説明や県の同意が必要だとお考えでしょうか。
(知事)
どうなのでしょうね。いや,そういう状況があるのかどうかもよく分かりませんし,一般的に残土を使うというような必要があるのか,その辺もまったくよく分かりませんが,今回奄美の採石場から持って行くという中で調査をするということで,それが可能かどうかもよく分かりませんが,それは国の方でまた判断されるのではないかなと思います。
(記者)
サンロイヤルホテルもスタジアムの候補地になり得ると知事はおっしゃったので,そのお考えを直接鹿児島市に伝えるような意向はおありでしょうか。
(知事)
特段そういったことを改めて伝えるということは考えてはおりませんが,鹿児島市の方も県と同じような考え方をお持ちではないかなとは思います。
(記者)
鹿児島市も県と同じような考えを持っていらっしゃると。その件に関して鹿児島市と直接お話を,水面下でも事務方のレベルでも,お話をされるようなことが今までおありだったのでしょうか。
(知事)
いろんな可能性の中で,いくつか場所・土地を挙げる中で,これが具体的に俎上には上がっておりませんが,サンロイヤルホテルが移転したいという話があったときには,こういう所も,先ほどらい,いろんな課題・ハードルはありますが,そういったことの可能性ということはお互いに認識はしていると思っております。
(記者)
では,あくまでサンロイヤルホテル跡地をスタジアムにというお話は,立地自治体である鹿児島市からボールを投げるべきだというお考えですか。
(知事)
どちらがボールを投げるということでもなくて,そこはあうんの呼吸でいけるのではないかと思っております。しっかり連携は,いつも密にしておりますので。
(記者)
自民党総裁選が今ボチボチ始まって,始まるというか前哨戦の状態です。ベテランから若手まで乱立状態ですが,どんなふうに御覧になっていますか。
(知事)
本当に多くの方が意欲を持って取り組んでおられるということで,それぞれカラーもありますし,これからどういったふうな形で論戦が闘わされるのか,そういったものを見守りたいと思っております。
(記者)
どんな人物が,自民党の総裁ですので,これまでの経緯からすると総理大臣になる可能性は高いのではないかと思いますが,どんな人物が総裁になるのが望ましいとお考えでしょうか。
(知事)
これからの大きな国の課題は,やはり人口減少社会の中での活力をどう維持していくかということでありますから,そういったことをしっかりと国の政策として進めていただきたいということもありますし,また,地方の視点といったものも持って,農業政策あるいは離島の関係,こういったことにも目配りをしていただきたいと思っております。
(記者)
最近世間をにぎわしている兵庫県知事ですが,「蟹がほしい」「靴がほしい」などありますが,同僚知事として見ていて,あれを政治姿勢といっていいのか,ただのおねだり体質なのかよく分かりませんが,どんなふうに御覧になっていますでしょうか。
(知事)
報道等でしか分かりませんので,事実関係がどうかということが分からないので,私からどうこうということは申し上げるのはなかなか難しいと思いますが,自分自身の言動ということも振り返りながら,しっかりとしていく必要があるなと思っています。
(記者)
自分を振り返るというのは,何かおねだりされたことがありますか。
(知事)
どうでしょうね。蟹はないけれども,マンゴーをもらったなと。そういうこともありますが。少なくともこちらから要求したように思われないように注意はしないといけないな,といろいろと考えております。
(記者)
8月上旬にあった日向灘沖の地震の関係で1つ聞きたいのですが,今回初めて,南海トラフ地震に関連しての臨時情報が出ました。これが出されて,自治体としても,市町村中心にかもしれませんが,いろいろと対応しなければいけないというような状況が実際に発生したわけですが,振り返ってみて,運用上の課題や新たに見えてきた対応すべき課題,そういうものがあれば教えてください。
(知事)
南海トラフの,あの臨時の情報というのは,皆さんなかなか聞き慣れない方も多かったと思います。それで,この意味,これを受けてどのように対応すればいいのかというようなことが十分発出されるまで認識がない方も多かったのではないかと思っております。
今回,これが発出され,政府の方からも説明したり,あるいはマスコミ報道等でも詳しく説明がなされたということで,地震が起きたときにどういうふうに対応すべきなのか,日頃からどういう点に注意すればいいのか,そういったことを皆さん認識していただく,そういうことにはなったのではないかと思っております。
(記者)
「日頃に比べて,相対的に巨大地震の発生するリスクが高まっているので,その点に留意しながら備えてください」ということがこの注意情報の意味だったかと思うのですが,実際私が取材でいろいろ話を聞いた限りでもそうですし,私自身も思うところはありますが,「具体的に何をすればいいのか」というのは,住民の側もあいまい,ぼんやりしているのかなという印象もありましたし,おそらく自治体の側も「では何を求めればいいか,何を促していけばいいのか」というのが迷う部分もあったのかなと思います。その辺はいかがですか。
(知事)
地震に備えて,海に近い所であれば津波が来たときにどういう対応をするのか,高い所に上るのか,あるいはどこかに避難するのかなど,そういったことを経路確認等をしていただく。あるいは地震・災害が起きて孤立したり断水するなどいろんな可能性もありますから,3日分の飲料水や食料等を用意する。あるいは家具等が転倒しないように対応するなど,いろんな備えを確認していただくということが基本だったのではないかなと思っております。
(記者)
今回,実際に注意情報が出て,運用上の課題というか,現場の方から上がってきた「こういうところが難しい」といったような話等は既にありましたか。
(知事)
まだ具体的にそこまでのものというのは,出ては来ておりません。
(記者)
私が取材した限りではあるのですが,自治体によっては臨時情報が出た際に,注意情報の場合は自治体として何をするというのを地域防災計画などに具体的に落とし込んでいるところもあれば,そこまで明記しているものではない,そういう自治体もあったりして,対応にも少々温度差があったかなと思います。今回のこの経験を通じて,県として何かそこら辺も組織的に,よりしっかり対応できるような形を促していきたいと,そういうお考えがあれば教えてください。
(知事)
今回のいろんな対応がどうであったか,そういったことをより精査している中で今おっしゃったようなこと,あるいは地域防災計画に載っていないということで対応が何か不備があるというようなことがあれば,そういったようなことを検討の材料としてしっかりと入れていきたいと思います。
(幹事社)
ほか,質問のある社はありませんか。
ないようですので,県政一般に関しての質問は終了したいと思います。
続きまして川内原子力発電所関連について質問のある社はお願いします。
(記者)
原子力総合防災訓練ですが,現在の進捗状況を,国のことでありますが,県も協力していく立ち位置でもありますし,先日の原子力安全・避難計画等防災専門委員会でもいろいろと避難計画に対して意見を,県からの説明もあり委員からの指摘もありました。その辺を踏まえて,どう反映させていく等,その辺のお考えを教えてください。
(知事)
結論的には,まだこれから具体的にどういう訓練をしていくかということは調整していくということになると思いますが,今お話のありましたような能登の地震,そしてまた今回の日向灘での地震,こういったことも踏まえながら,どういった訓練,しっかりと実効性のあるものにしていくのかということをまた調整しながら進めていきたいと思っておりますが,具体的なところはまだ決まっておりません。
(幹事社)
ほかに質問がある社はありますか。
質問がないようですので,これで終わります。
(広報課)
これをもちまして,知事の定例記者会見を終了させていただきます。ありがとうございました。
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