シロアリ対策
対策の概要
シロアリ対策のための基礎知識
・シロアリは主に2種類
鹿児島県で家屋に被害を与えるシロアリは、主にイエシロAリとヤマトシロアリです。この2種類について家屋のシロアリ対策を行います。それ以外のシロアリ被害として、沖永良部でダイコクシロアリの被害、加世田市津貫でアメリカカンザイシロアリの被害が確認されています。
写真8-6イエシロアリ
イエシロアリの羽アリは褐色をしています。
写真8-7ヤマトシロアリ
ヤマトシロアリの羽アリは黒色をしています。
・シロアリは夏場に活動
シロアリは温暖な気候を好み、寒さに弱く、鹿児島では主に、4月から10月にかけて活発に活動し、冬場は活動が鈍ります。しかし、気温が下がりにくい、家屋の暖かい場所では、冬場でも活動しています。
・羽アリがいっせいに飛び出した
4月から7月にかけて、羽アリは繁殖のためにいっせいに飛び出します。昼間飛び出せばヤマトシロアリ、夕方から夜にかけて飛び出せば、イエシロアリです。
・羽アリの数十倍のシロアリが活動している
生息しているシロアリの一部が羽アリとして飛び出しても、被害部にはその数十倍のシロアリ(職蟻)が残り、木材を加害しています。
・シロアリは水を好む
シロアリの生息には水が必要です。従って雨漏れや水漏れ、結露水等が発生している床下は、シロアリの発生場所、侵入場所となり易い部分です。水が多すぎても溺れてしまいますが、シロアリは適度な湿度が維持された場所で生息します。
・乾燥していても被害はある
イエシロアリは乾燥したところでも、必要な水分を自分で運ぶ習性があり、床下が乾いていればシロアリは侵入しないというのは間違いです。イエシロアリは乾燥した小屋組にも被害を及ぼします。床下を乾燥させることは、ヤマトシロアリ対策としては有効でも、イエシロアリに対しては不十分なのです。
・シロアリは風を嫌う
シロアリの職蟻に目はなく、触覚を使って活動しています。僅かな風でも触覚の体毛が揺れると警戒し、風の無い場所に移動します。シロアリは風を避け、湿度を維持するため、活動場所を土のトンネルで覆います。この土のトンネルを蟻道、土の覆いを蟻土と呼びます。
・シロアリ被害は蟻道、蟻土を見つける
シロアリは、床下では風の当たりにくい布基礎の隅部、配管の陰部等に蟻道をつくり、侵入します。室内では、柱等の継ぎ手部等を蟻土で覆います。この土の小さな塊、蟻道、蟻土を探すことでシロアリの被害が発見できます。
シロアリは柔らかい木材を好む
シロアリは心材より辺材、ヒバよりマツ、米ツガ等の柔らかい木材を好みます。ただし、餌材が少なくなると固い木材でも加害します。特に松、米ツガ等を好みます。杉の辺材より桧の辺材を好みます。
・ほとんど何でも口にする
シロアリは段ボール、本、畳等も大の好物で、ジャガイモ、サツマイモ等の農作物も加害します。また、発泡スチロール等の断熱材もよく加害します。その場合発泡スチロールは食糧としてではなく、巣の構成物、蟻道の構成物として利用します。
・コンクリートの割れ目もかじる
シロアリはコンクリ-トでも割れ目を利用し、蟻道を設けます。割れ目が狭い時は、コンクリートをかじり、通路を広くします。活動に邪魔な物質はプラスチック、地下ケーブル等、何でも加害します。
構造材樹種(心材)の耐蟻性の比較
表8-2に建材等によく使用される樹種の耐蟻性の比較を示します。概して耐蟻性が大きくなるほど比重も大きく、そして固くなると言えます。
また、木材の耐蟻性はどの樹種にあっても、心材または心持材についてであり、辺材にはあてはまりません。辺材を使用する場合は防蟻処理を行うことが望まれます。
耐蟻性 |
樹種 |
高 |
ヒバ、コウヤマキ、ベイヒバ |
中 |
ヒノキ、ケヤキ、ベイヒノキ、クリ、スギ、カラマツ |
低 |
ベイヒマツ、ダフリカカラマツ、アカマツ、クロマツ、ベイヅカ、ベイスギ |
表8-2建材・構造材樹種(心材)の耐蟻性の比較
主な手法
●物理的・化学的防除法
●防蟻処置の考え方
●防蟻措置と処理箇所
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