更新日:2017年4月5日
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本県は、南北600kmにも及ぶ県土や、3つの気候帯(亜熱帯、暖温帯、冷寒帯)を有するとともに、渡瀬線を挟んだ2つの生物地理区の移行帯に位置するほか、島嶼が多い特徴を持ち、独自の固有種・固有亜種や、北限種・南限種とされる生物も多く生息・生育している。
このような中、本県では、国外のみならず国内、県内を由来とする外来種により、本県の生物多様性等に被害が生じているが、こうした問題について県民の十分な理解が得られているとは言い難いのが現状である。
このため、鹿児島県の生態系、農林水産業や人の生活に悪影響をもたらし、あるいはもたらすおそれのある外来種の問題について実態を把握し、今後の外来種対策における基礎資料とするため、鹿児島県外来種リストを作成した。
本外来種リストでは、既存の文献等の情報を基に、本県(県内由来外来種については、本県のうちその種の自然分布域外である地域。以下同じ。)に到達するまでの全部、又は一部の段階において人為が働いたと推定される種、又は侵入の経緯が情報不足等により不明な種の中から、本県に定着している、及びそのおそれのある外来種を選定して掲載した。
(1)由来
本来の生息域によって「国外由来外来種」、「国内由来外来種」及び「県内由来外来種」に分け、それぞれについてカテゴリ-区分した。
(2)分類
カテゴリーは、(1)本県への影響(侵略性)の有無、(2)産業利用上重要な種であるか、(3)定着の有無、(4)対策の方向性、を検討した上で、以下の5つに区分した。
1)防除対策種
本県に影響を及ぼす外来種のうち、県内に定着しており、防除対策及び普及啓発が必要な種。本区分については、対策の優先度等に基づき、さらに以下の3つに細区分した。
a.緊急防除種
本県に大きな影響を及ぼしており、緊急に防除対策が必要な種。
b.重要防除種
本県に大きな影響を及ぼしており、防除対策について検討が必要な種。
c.一般防除種
本県に影響を及ぼしており、防除対策について検討が必要な種。
2)重点啓発種
本県に影響を及ぼす外来種のうち、本県に定着しており、遺棄・導入・逸出防止等のための重点的な普及啓発が必要な種。
3)定着予防種
本県に影響を及ぼす外来種のうち、本県においてはまだ定着が確認されておらず、導入の予防や水際での監視、発見した場合の早期防除等が必要な種。
4)産業管理種
本県に影響を及ぼす外来種のうち、産業利用が行われている種。利用時の逸出等防止のための適切な管理に重点を置いた普及啓発を行う種。
5)その他外来種
本県への影響がないと判断された種。
生物群 |
防除対策種 |
重点啓発種 | 定着予防種 | 産業管理種 | その他外来種 |
合計 |
||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
緊急防除種 | 重要防除種 | 一般防除種 | ||||||
哺乳類 | 4 | 6 | 7 | 0 | 1 | 0 | 0 | 18 |
鳥類 | 3 | 3 | 0 | 1 | 2 | 0 | 1 | 10 |
爬虫類 | 3 | 2 | 3 | 0 | 2 | 0 | 2 | 12 |
両生類 | 0 | 1 | 0 | 1 | 1 | 0 | 1 | 4 |
汽水・淡水魚類 | 2 | 3 | 3 | 10 | 1 | 5 | 14 | 38 |
昆虫類 | 2 | 10 | 5 | 9 | 0 | 0 | 20 | 46 |
その他節足動物 | 2 | 1 | 1 | 1 | 1 | 0 | 0 | 6 |
陸産貝類・淡水汽水産貝類 | 3 | 6 | 6 | 3 | 2 | 4 | 0 | 24 |
その他無脊椎動物 | 1 | 0 | 0 | 2 | 0 | 0 | 0 | 3 |
維管束植物 | 2 | 20 | 49 | 374 | 17 | 18 | 20 | 500 |
合計 |
22 | 52 | 74 | 401 | 27 | 27 | 58 | 661 |
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