岩偶・土偶
土偶は物や動物をかたどった土製品である。縄文時代の重要な信仰的遺物である。女性の特徴(乳房やおなかのふくらみ)を誇張した土偶は,出産・繁殖・生産との結びつきが考えられ,完全な土偶が少ないことから,病気・災害などの身代りとして祈り,破壊したと考えられている。
この上加世田遺跡出土の土偶もその一つで,妊娠した女性を表わしていて,頭手足を欠損している。
岩偶は,人の形をそのままやわらかく加工しやすい石質の軽石・砂岩・凝灰岩・泥岩などで製作したもので,石偶ともいう。土偶と同じ意味をもつ遺物と考えられ,主として東北地方に分布する。上加世田遺跡出土の岩偶は,いずれも縄文時代の終わり頃のもので,宗教的・呪術的な役割を持つものとされている。
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