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更新日:2019年9月10日
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鹿児島県は本土の南端であり,大和文化圏と琉球文化圏が交わるところに位置しており,かつ,多くの離島があることで,独自に形成された多種多様な民俗芸能が伝承され,民俗芸能の宝庫と言われています。
その中でも十島村・悪石島に伝承されている「悪石島のボゼ」を紹介します。
盆踊りは7種類(現在伝承されているのは6種類)あり,旧暦7月7日の夜から旧暦7月13日の夜まで,毎夜,稽古を兼ねた踊りが踊られ,旧暦7月14日から旧暦7月16日の3日間は,昼間または夜に,公民館の庭や総代宅の庭,テラと呼ばれる共同墓地の無人寺,墓地などで踊られます。
盆の最終日である旧暦7月16日の夕方に,ボゼと称する神が姿を現し,地域と人々の邪気を追い祓います。
頭には大きな耳のようなものがあり,その根元にお椀のような目と大きく開いた口,色は赤土と墨を縦縞模様に塗りつけられた異様な仮面を被り、体にはビロウの葉を巻き付け、手足にはシュロ皮やツグの葉をあてがいます。
手にはそれぞれ「ボゼマラ」,「マラ棒」と称する長い杖を持っています。
ボゼの面は,毎年,旧暦7月14日から3日間かけて,島の青壮年によって作られ,用が済んだら形が残らないように壊して,テラの裏山へ捨てます。
ボゼには3名の若者達が扮し,ボゼは呼び太鼓の音に導かれて、盆踊りで人々が集まる広場に現れ、ボゼマラの先端につけた赤い泥を擦りつけようと観衆を追い回します。この泥を付けられると悪魔祓いの御利益があるとされています。
騒ぎがしばらく続いたのち,太鼓の音がゆったりとしたリズムに変わると,ボゼは体を揺するようにして踊りはじめ,再度急変の調子で再び暴れ出し,その場を去っていきます。
この行事は,夏・秋の節目に当たって神が訪れ,地域とその人びとの災厄を祓うとともに,幸いをもたらすという行事です。
類似の行事は南西諸島に分布していますが,その中でも悪石島のボゼは,民間信仰や神観念の形態をよく示し,トカラ列島における来訪神行事の典型例であると言われています。
平成29年に「悪石島のボゼ」として国の重要無形民俗文化財に指定され,さらに平成30年には「来訪神:仮面・仮装の神々」の構成行事の一つとしてユネスコの無形文化遺産に登録されました。
ユネスコの無形文化遺産「来訪神:仮面・仮装の神々」については「来訪神:仮面・仮装の神々」のユネスコ無形文化遺産登録についてを御覧ください。
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