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更新日:2022年7月11日

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取り組み例(植物を植えた後の育成管理)(2)

コンポスト(堆肥)容器の活用

住宅団地、戸建住宅地を問わず落葉落枝の処理は環境管理面の課題となります。そこで庭にコンポストを設置し庭の手入れの際にでる落葉落枝を堆肥づくりに役立てます。家庭ゴミを良質な堆肥とするためには落ち葉や枯れ草を混ぜると有効です。落ち葉の表面にはたくさんの微生物が付着していて、生ゴミを分解に大いに活躍します。
コンポスト(堆肥)容器は底がなく、直接土の上にセットするものが必要です。簡単な構造なので値段も手頃。各自治体によってはごみの減量化の一環として容器に助成金を出したり、貸出を行っています。
・土中に埋設するタイプ
投入された生ゴミはまわりの土壌微生物によって分解される。ごみがいっぱいになり、容器を引き抜いたら土を10・ほど被せ、3ヶ月ほど熟成させると堆肥ができる。
容量・価格:650×H700mm(170・)・12,000円程度
・地面に設置するタイプ
容量・価格:626×H730mm(150・)10,000円程度
土中に埋設するタイプ

写真15-6土中に埋設するタイプ

地面に設置するタイプ

写真15-7地面に設置するタイプ

芝生の管理

写真15-8芝生の管理



芝生の管理は地際への日照確保と雑草抑制のための芝刈り及び、散水が基本です。写真は芝を使った緑化駐車場です。右側は適正な管理によって芝も生き生きしていますが、放置状態にあった左側は芝が枯れてしまい表土も露出しています。
芝生の管理

写真15-9芝生の管理
芝が枯れたあとには野草が出現します。野草を利用した緑化駐車場の方が管理負担はし易くなります。

管理作業の頻度 管理作業は1日単位、1ヵ月単位、1年単位、数年から数十年の単位まで、作業内容や目的によって実施頻度の違いがある。
1日~1ヵ月単位 緑の状態の観察、清掃や草採り等が主
1年単位 樹木のせん定や整姿、芝の刈込み、草花の植え替え等、一年間の気候変化とこれに伴う植物の生態を考慮した管理作業が必要
数年~数十年単位 住宅地ではまれだが、大きく成長する樹木の成長具合を長い目で観察したり調整することなどが含まれる。
作業計画づくり 管理作業は多岐に渡るため経験者でも全て頭に詰め込むことは難しいので、月別、季節別の作業予定を組んでおくと便利。
・家族の共同作業で作業負担を軽減することも大切。
病虫害を防ぐ 病虫害防除では早期発見と初期対応が最も重要。
・被害が広がる前に原因を取り除く。
・日頃から清掃や除草等を行い、植え込み地一帯を清潔に保ち被害を発生させないよう心掛ける。
・植物の体調が悪くなると病虫害が原因だと思い込む人もいるが、植栽や育成方法の基本的な誤りが原因の場合もあるので注意が必要。
せん定・整姿 剪定や整姿の方法は植物によって様々で、時期にも制約がある。
落葉樹 基本的に休眠している冬が良く、軽い剪定は春や夏でもさしつかえない。
常緑樹 冬の剪定は障害が出やすいので、葉が成長して落ち着いた初夏あたりが良い。
花木(一部除く) 大半の花木は初夏に花芽の準備が行われるので、花芽を取らないように、秋以降の剪定は避ける必要がある。
除草 除草は草が小さいうちに根から除去することが重要。
・雑草発生を未然に防止するためには、土を耕す、地表面に日射が届かないように低木を密植したり地表面をマルチングで被うことが効果的。
水やり 植物の種類によって給水量や頻度が違うので注意する。
・一般に水は一度に多量に与えることが良いが、根元が固まっている土だと浸透しないので、少しずつ土面を湿らせながら長時間かけてじっくりと浸透させる。
・水やりは基本的に朝か夕方に行うが、晩秋や冬の夕方は気温低下が著しく霜が降りることもあるので午前中に行うようにする。厳しい乾燥状態になる真夏は日中に水をやると葉についた水滴がレンズの役割をし、葉を焼くこともあるので陽が高いうちにはできるだけ行わないようにする。
・水のやり過ぎは根腐れや土中の酸素欠乏等の原因となるので、地表面が乾いた状態を目安に行う。また、有機質肥料やマルチング等によって保水力を高めることや、適切な排水性を保つことも重要である。
施肥 施肥は適正に行わないと逆効果になる場合があるので、植物の症状を見極めた上で行うこと。庭木は養分不足になりがちであり、特に剪定や落葉かきなどの手入れが頻度高く行われた樹木には肥料が必要になる。開花や結実を促すためにも養分の補給が必要。
・化学肥料は即効性があり、有機肥料の効果は遅く持続性がある。それぞれの特性と木の症状によって使い分ける。

表15-2庭木を植えた後の管理作業とそのポイント
肥料3要素の特性 チッ素N
葉肥(はごえ)
特性 植物の中で葉緑素やタンパク質をつくる働きを持っている。チッ素が欠乏すると植物の葉は次第に黄色味を帯び、さらに不足するとかさかさになって古い葉から順に枯死してしまう。
反対にチッ素が多すぎると濃い緑になるが、全体にやわらかく育つので、厳しい気象条件に対する抵抗力が弱くなり、病気や害虫にもかかりやすくなる。
有機質肥料:油粕、牛糞、鶏糞等
無機質肥料:硫安、尿素等の即効性のあるもの
リン酸P
実肥(みごえ)
特性 開花や結実を促進させ、根の伸長を促して地下部を発達させる。リン酸が不足すると植物は根、茎、葉の数が減り開花、結実が不良となり、下葉が枯れ、発芽も悪くなる。
有機質肥料:骨粉
無機質肥料:過燐酸石灰、溶リン等
カリK
根肥(ねごえ)
特性 カリはチッ素とリン酸の働きを助け、養分を植物内に運ぶ役目をして、根の発達と開花、結実を促進する。不足すると芽や葉が伸びず葉の色が褐色になり、葉が落ちる。
有機質肥料:草木炭等
無機質肥料:硫酸カリ等
肥料の種類 無機質肥料
(化学肥料)
無機質肥料または化学肥料とも言う。硫安、尿素、カリン酸石灰、硫酸カリ、化成肥料等で、水溶性ですぐに植物に吸収されるが、適量の倍率で希釈することが必要である。窒素N、燐酸P、カリKを人工的にバランス良く配合している。
有機質肥料 油粕、酒粕、米ぬか、厩肥、堆肥等で施肥して土に混合されている間に腐敗、分解して、水溶性肥料分に変化するものを言う。原料は植物性、動物性等いろいろある。
(参考資料:図解植木・芝生・花壇の手入れ/博友社

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