朝鮮国禮曹佐郎黄到誠復書
島津伊久(しまづこれひさ)が応永2(1395)年に倭寇(わこう)が連れ帰った朝鮮被虜人を送還したのを始めとして,薩隅日三州の諸領主は朝鮮国に頻繁に遣使し,交易を展開した。「海道諸国紀(かいどうしょこくき)」には朝鮮と通交した三州の諸領主の名前が細かに記されている。
この史料は,天正19(1591)年,朝鮮国礼曹佐郎黄致誠が島津武久(忠昌・ただまさ)にあててた復書で,武久が礼物を贈ったことに対する返礼として正布や白芋布を下すことを伝えている。
天正19年当時の島津家当主は義久であり,この復書のあて名・忠昌は,義久よりも5代前の当主に当たる。このような例は他にも見られ,旧来慣用された名をもって遣使することが便宜であったことをうかがわせる。
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