再発防止進捗管理状況等
令和7年3月14日現在
県警察では、令和6年8月2日に取りまとめた「鹿児島県警察において発生した一連の非違事案の原因分析とそれを踏まえた再発防止対策について」に基づき、以下1~3に示すとおり、再発防止対策に取り組んでいます。
また、4に示すとおり、外部有識者を招へいするとともに、5に示すとおり、公安委員会から指導を受けており、外部有識者の知見や公安委員からの意見等を踏まえながら、更なる再発防止対策を進めていきます。
1 再発防止対策の進捗状況
⑴ 職責の自覚と高い職務倫理のかん養に向けた取組の強化
- 幹部職員を含めた全職員に警察職員としての誇りと使命感を醸成するため、警察本部各部の部長等による討論会を令和6年8月以降毎月開催するとともに、各部長等のこれまでの経験や後輩に伝えたい思いをまとめ、隔月で発行する部内誌へのリレー形式での掲載を開始し、これまで3人の部長等による寄稿を掲載
- 警務部長及び首席監察官による巡回指導の実施(警務部長:令和6年11月以降全警察署に対して実施、首席監察官:本部所属を含む全所属に対して実施、現在2巡目を実施中)
- 犯罪被害者等の心情、被害者支援の重要性等への理解を深めるため、全所属(離島署は除く。)の捜査を指揮する立場にある職員等を対象に、犯罪被害者家族及び警察庁指定広域技能指導官等による被害者支援等研修会を開催(R7/2/13)
- 出勤時のアルコールチェックの義務化等について、改革推進研究会からの飲酒に起因する非違事案防止に関する各種提言等を踏まえ、改革推進委員会及び分科会において検討を重ね、出勤前のセルフチェックを基本としつつ、職場でも適時のアルコールチェックを義務付け(R7/2/27通達発出)
- 各所属独自の取組として「朝礼時、非違事案防止をテーマとした署員による3分間スピーチの実施」や「管内に居住する有識者や警察OBによる講話の実施」など、工夫を凝らした取組を実施
- 職員家族と組織とのつながりを強化するために、公私にわたる各種問題について職員及びその家族が職場に自由に連絡・相談できるピアサポート制度につき、所属長の責務を増やすなど制度の質を高めるとともに、家族参加型のレクリエーションを積極的に開催するなどにより、職員家族にも制度を周知し、利用を促進
⑵ 個人情報保護に対する意識の向上と漏えい防止対策の推進
- 警察情報を取り扱う各種システムへのアクセス権について、真に業務に必要な職員に限定しているかアクセス権の付与状況の確認・見直し等を実施
- 個人情報や警察情報の重み、警察職員として情報を取り扱う際に注意すべき視点等を学ばせるため、全職員を対象として、情報リテラシーに関するeラーニングによる小テストを継続的に実施
- 職員による警察情報へのアクセス状況を確認し、情報漏えい防止を図る対策として、スクリーニング機能等を導入したシステムの運用を開始する(R7/3)とともに、同システム及び情報セキュリティを始めとする情報管理関係の非違事案再発防止に関する教養を目的とした各所属への巡回指導・教養を実施
- 全職員に対し、情報セキュリティに対する意識向上を目的として、情報セキュリティ対策に係る自己点検を実施(R7/1)
⑶ 適確な指揮統率と組織的対処の強化
- 幹部職員による指揮統率能力及び組織的対処能力を強化するため、県下警察署長等会議を開催し(R6/11/22)、本部長及び各部長等から直接指示を行うとともに、実際の事例を題材とした小グループ検討会を実施
- 新任署長等研修会を開催し(R7/3/13)、警務部長と新任署長等による幹部として在るべき姿等をテーマとした小規模討論会を実施
- 警部以上の職員(部長級を含む。)に対し、平素の業務を通じて指導、監督を受けている部下職員が匿名で評価を行う「多面観察」を一部の所属において試行し(R6/12)、検証結果を踏まえた上で、本格運用に向け検討
- 警務部長、首席監察官及び各部参事官からなる「部門間連携会議」を設置し、令和6年9月以降毎月開催(7回開催)
- 県警察全体の最適化の視点に立脚した人材配置・育成のため、令和7年春の人事異動において警部補及び巡査部長昇任試験合格者の約9割を昇任前とは異なる所属・部門へ配置する異動を内示
⑷ 県民と真摯に向き合う、より開かれた県警察を目指す取組の強化
- 相談や苦情等への対応を強化する取組として、個人情報・警察情報の取扱いや苦情申出制度に関する正しい理解を深め、組織的かつ適切に対応するための教養資料を全所属に発出するとともに、警察署への巡回指導・教養を実施(13警察署)
- 地域住民の様々な声を反映し、地域の実情に応じた警察活動を実施するため令和6年9月以降、各警察署で行われる警察署協議会等において、地元警察署等からの説明に終始せず、地域課題をより丁寧に説明し、それに対しての協議会委員からの意見を求め、積極的に意見交換を実施するなどして警察署協議会や交番・駐在所連絡協議会の一層の活性化を推進
- 県警察ホームページについて、より閲覧しやすい形になるよう改修作業を継続中
- 県公安委員会及び警察署協議会の議事録の見直しを行うとともに、県警察の各種取組状況や県警察が発出している通達等についても積極的にホームページに掲載
- うそ電話詐欺やSNS型投資・ロマンス詐欺の手口と被害状況について定期的に公開
- 県警察ホームページやSNSを活用し、音楽隊の警察広報イベントを始め、各種イベントに関する情報を発信
2 改革推進委員会の開催状況
令和6年8月20日の設置以降合計18回開催し、再発防止対策の取組状況を確認するとともに、改革推進研究会からの意見・提言等の取扱いや外部有識者の招へい等について議論
外部有識者招へいについては、令和6年11月26日、鹿児島県社会保険労務士会会長を招へいし「ハラスメントの防止及び働きやすい職場環境の構築」をテーマに意見交換を実施し、令和7年3月10日には、アンガーマネジメントに関する専門家を招へいし「部下職員へのコーチングとコミュニケーション方法」をテーマに意見交換を実施
そのほか、令和7年3月中には、人権・ジェンダー等をテーマに、外部有識者を招へいし意見交換を実施する予定
また、出勤時のアルコールチェックの義務化等について、改革推進研究会からの飲酒に起因する非違事案防止に関する各種提言等を踏まえ、改革推進委員会及び分科会において検討を重ね、令和7年2月27日に通達発出(再掲)
引き続き、再発防止対策の各種施策の進捗管理と不断の見直し・改善を行うとともに、組織運営上の課題等の解決に向けて、職員からの様々な意見を集約し、組織の全体最適の観点から必要な意思決定を行い組織運営に反映していく方針
3 改革推進研究会の開催状況
・家族等の写真などを携帯電話等の待受画面などにして、常に家族等のことを思い出させて非違事案防止に繋げてはどうか
・非違事案の経緯やリスク等の詳細を情報共有し、再発防止に対する意識を醸成してはどうか
・他の改革推進研究会から寄せられた提言等について共有してほしい
・二日酔い運転を始め、飲酒に起因する各種非違事案を防止するための様々な取組を実施すべきではないか
等、これまでに約200件の意見・提言等が提出
- 本部長が直接、改革推進研究会に参加して職員と議論を実施
- 提言等のうち「執務服の軽装化」については、既に実施しているほか、その他の提言についても組織として検討の上、回答するとともに、組織改善や業務改善につながるような提言等については引き続き積極的に取り入れていく方針
4 外部有識者の招へいについて
鹿児島県警察における組織運営上の課題等の解決に向けた取組の一つとして、検討課題に応じて外部有識者を招へいし、職員に対する講話や、改革推進委員会での議論の支援など、次のような取組を実施
- 性犯罪を含む犯罪被害者等支援に関する知見や経験を有する大学教授を招へいし、職員に対する講話及び幹部職員との意見交換を実施(R6/10/31、R7/3/13)
- 警察大学校から講師を招へいし、本部長以下全職員を対象に、ハラスメント対策を通じた組織マネジメントに関する研修を実施(R6/11/26)
- 幹部職員を対象に、行動する傍観者(アクティブ・バイスタンダー)の重要性等を認識させるための研修会を開催(R6/11/28)
- 県警察本部に鹿児島県社会保険労務士会会長を招へいし、「働きやすい職場環境をめざして~ハラスメントが生じない職場の共通点~」と題し、本部長以下全職員に対する講話を実施(R6/11/26)
また、同日に開催した改革推進委員会において、ハラスメントの防止及び働きやすい職場環境の構築に向けて、本部長以下各部長等と意見交換を実施(再掲)
さらに、同会長より、ハラスメント研修の定期的かつ継続的な実施等について、提言を受領(R6/12/26)
- 鹿児島地方法務局人権擁護課長を招へいし、人権の擁護に関する講話を実施(R6/12/25)
- アンガーマネジメントに関する専門家を招へいし、「組織内外における適切なコミュニケーションの取り方」について、本部長以下全職員に対する講話を実施(R7/3/10)
また、同日に開催した改革推進委員会において、部下職員へのコーチングとコミュニケーション方法について、本部長以下各部長等と意見交換を実施(再掲)
- 鹿児島県弁護士会等から講師を招へいし、人権・ジェンダー等に関して、改革推進委員会への参加及び職員に対する講話を計画(令和7年3月中)
5 公安委員からの意見等について
- 組織改革に向けてまだ始まったばかりであるが、改革推進委員会・改革推進研究会では、職員それぞれが自由に意見を出して、改革推進に向けて取り組むことが重要である。
- 既に実施を計画していることや意見として出されたことについては、個別具体的にスピード感をもって対応していってもらいたい。研究会についても要望ではなく、最終的に提言として残し、活かすことができるよう続けていってもらいたい。本部だけがやるのではなく、現場職員の意見を聞いて取り組んでいってもらいたい。
- スピード感も大事だが、中身も伴わなければならない。これから着実に進めていっていただきたい。
- 県警察の活動状況等については、一般の方にもタイムリーに情報提供していただきたい。