手をかけることが楽しい?屋根緑化
日射の影響を遮り、CO2固定、雨水の一次貯留、潤いと様々な効果が期待できる屋根緑化ですが、それでも緑は自然のもの、なかなか素直には育ってくれないこともあります。
東京に大正時代の住宅を再生した建築家南雄三さんは、アトリエの屋根に常緑で芝刈りが不要、花がきれいな芝桜を植えました。人工土壌に点滴潅水のシステムで、当初は4月になれば見事に咲き誇ってくれました。ところが、その芝桜が3年間で二度全滅。一度は、8月のある一日に東京をフェーン現象が襲い、芝桜が熱死したもの。潅水パイプのピッチを狭め植え直しました。ところが、次の夏は雨続きの蒸した気候で、今度は屋根にヤスデが大発生したり、雑草が繁茂したりで芝桜はすっかり全滅してしまいました。
その後、南さんは屋根緑化の研究仲間と試行錯誤を重ね、今度は木屑でつくった人工土壌を椰子繊維で包んだ枕をつくり敷き並べる方法を開発。椰子繊維が土壌内の水分の蒸発を防ぐため潅水は不要。11種類の植栽をテストし、その後1年間は順調に育っているそうです。南さんいわく、「生態系は奥が深い…」。
屋根緑化は古くて新しい技術です。様々に工夫しながら鹿児島に適した工法や植栽、その育て方等を見つけ出していきましょう。
より良いウェブサイトにするためにみなさまのご意見をお聞かせください